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2-6♡ 魔王様のお仕置き
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「どうして覗いていたんだ?」
「いや、ちょっと酔っ払っちゃって水を取り行こうと思ったら……偶然扉が開いていて熱っ!? って、ああっ!? やっちゃった!!」
「はい、嘘。俺にはそういう誤魔化しが出来ないって忘れたの?」
ついうっかり契約の事を忘れて適当な嘘を言ってしまったが、すぐにバレてしまった。
恐らくあのタトゥーを通して嘘かマコトか判断しているのだろう。
にしてもウッカリし過ぎである。
「あ、あの……」
「心配しなくてもこんなことじゃ別に大したペナルティを課すつもりはないよ……」
「良かった~」
覗き見をした代償に大事なモノを失ったとかでは悔やんでも悔やみきれない。
この魔王もそこまで鬼畜ではないのかもしれない、そう思ったのだが。
「そのかわり、今夜もアレ……お願いしていいかな……?」
「……本気で? 嫌よ、ここをどこだと思っているのよ!?」
「無理。さっきのあの女のせいで昂ってるんだ。なら他の女で発散するけど?」
「それはダメよ……!」
ここで他の女って言ったら、あのシャルドネ嬢だ。
それだけは……いやだ。
モナは手を引かれ立ち上がらされると、そのままベッドへと誘導されてしまう。
口では嫌がっているが、本気で嫌がっている様子はない。
「どれだけサカってるのよアンタ……」
「それはレオの身体の調子次第、かな」
そう言われるとぐぐぐ、と黙ってしまうモナ。
相互に傷付けないなどと契約しておきながら、レオを人質にとるなどという卑怯な手を使われていた。
たしかにモナに手は出さないが、レオの安全を保障するという内容は無かったからだ。
「貴方って本当に卑怯な男ね」
「そうさ、俺は魔王だからね」
ニヤリと口角を上げると、モナの上着を掴んでパサリとベッドに落とした。
もう寝る前の準備をしていたモナは簡単な下着しか着ていない。
旅の間に幾ら見られていたとしても、寝室でこうしてまじまじと見られると……顔面が爆発しそうなほど恥ずかしい。
「なんで私の上着を脱がせるのよ」
「だって汚したくはないだろう?」
更に下着に手を掛けるウル。
もう慣れたような手つきが……どうしてもイラっとくる。
「私の肌は汚しても良いってこと?」
「まさか。こんなに綺麗なのに……」
「あっ……んんっ……!!」
露わになっていた腕を彼の男らしい指でツツーと繊細に撫でられる。
自分の意思とは別に、変な声が出てしまう。
「私を触る必要はないでしょう」
「必要さ……まずは俺のアレが元気にならなきゃだろう?」
「……っ!!」
ウルのドロドロとした魔力の塊を吐き出させるには、彼を絶頂させなくてはならない。
それにはまず、彼を性器を立たせる必要がある。
いや、あるのだがこの流れはおかしい。
何故すでにやることになっているのか……?
「ほら、触って……?」
「調子に……乗らないでよっ」
すでにウルの身体からは媚薬効果のある魔力が漏れ出ており、それにアテられてしまっているモナも理性に反して興奮し始めてしまう。
彼女の手首を取られ、彼の下半身に。
服の上からでも彼の剛直が分かってしまう。
分かってしまうようになってしまった。
(うう、どうして私がこんなことに……)
「ふふふ、俺だけがキモチ良くなるのも不公平だね。だから……」
『俺がモナを余計なことを考えなくて済むようにしてあげる』
悪魔の囁きに心臓がドクン、と跳ねる。
耳元で感じたその声の熱が首筋から背筋へ、そして下半身にジンワリと伝わっていく。
魔王の官能的な魔力が込められた甘い言葉が脳を痺れさせる。
「あ……あ~っ」
軽く絶頂を迎えてしまうモナ。
防御をしようと思った瞬間にはもう遅かった。
身体はもう、魔王ウルの魔力による毒が回り始めてしまっている。
(やめて、私を貴方の魔力で染めないで……)
耳からの侵入を止めようとしても、いつの間にか腕を背に回されウルの左手で拘束されていた。
そして空いている右手で……。
(マズいっ、このままじゃっ……!!)
「いま、俺のことを攻撃しようとしたでしょ」
「し、してない!! してないから」
「それも嘘。ほら、契約のタトゥーが紫色に光っているだろう?」
はっ、と自分の脇腹に刻まれていた羽のようなシルシを見てみると、確かにぼんやりと明滅している。
「逆にホラ、俺のは光ってない。嘘じゃない証拠」
「そんな、何かの間違いよ……」
契約違反は大事なモノを捧げること。
いったい何を奪われてしまうのかという恐怖がモナを襲う。
「でもモナの心はまだ奪わない。その代わりに右手の自由を貰う」
「いや、ちょっと酔っ払っちゃって水を取り行こうと思ったら……偶然扉が開いていて熱っ!? って、ああっ!? やっちゃった!!」
「はい、嘘。俺にはそういう誤魔化しが出来ないって忘れたの?」
ついうっかり契約の事を忘れて適当な嘘を言ってしまったが、すぐにバレてしまった。
恐らくあのタトゥーを通して嘘かマコトか判断しているのだろう。
にしてもウッカリし過ぎである。
「あ、あの……」
「心配しなくてもこんなことじゃ別に大したペナルティを課すつもりはないよ……」
「良かった~」
覗き見をした代償に大事なモノを失ったとかでは悔やんでも悔やみきれない。
この魔王もそこまで鬼畜ではないのかもしれない、そう思ったのだが。
「そのかわり、今夜もアレ……お願いしていいかな……?」
「……本気で? 嫌よ、ここをどこだと思っているのよ!?」
「無理。さっきのあの女のせいで昂ってるんだ。なら他の女で発散するけど?」
「それはダメよ……!」
ここで他の女って言ったら、あのシャルドネ嬢だ。
それだけは……いやだ。
モナは手を引かれ立ち上がらされると、そのままベッドへと誘導されてしまう。
口では嫌がっているが、本気で嫌がっている様子はない。
「どれだけサカってるのよアンタ……」
「それはレオの身体の調子次第、かな」
そう言われるとぐぐぐ、と黙ってしまうモナ。
相互に傷付けないなどと契約しておきながら、レオを人質にとるなどという卑怯な手を使われていた。
たしかにモナに手は出さないが、レオの安全を保障するという内容は無かったからだ。
「貴方って本当に卑怯な男ね」
「そうさ、俺は魔王だからね」
ニヤリと口角を上げると、モナの上着を掴んでパサリとベッドに落とした。
もう寝る前の準備をしていたモナは簡単な下着しか着ていない。
旅の間に幾ら見られていたとしても、寝室でこうしてまじまじと見られると……顔面が爆発しそうなほど恥ずかしい。
「なんで私の上着を脱がせるのよ」
「だって汚したくはないだろう?」
更に下着に手を掛けるウル。
もう慣れたような手つきが……どうしてもイラっとくる。
「私の肌は汚しても良いってこと?」
「まさか。こんなに綺麗なのに……」
「あっ……んんっ……!!」
露わになっていた腕を彼の男らしい指でツツーと繊細に撫でられる。
自分の意思とは別に、変な声が出てしまう。
「私を触る必要はないでしょう」
「必要さ……まずは俺のアレが元気にならなきゃだろう?」
「……っ!!」
ウルのドロドロとした魔力の塊を吐き出させるには、彼を絶頂させなくてはならない。
それにはまず、彼を性器を立たせる必要がある。
いや、あるのだがこの流れはおかしい。
何故すでにやることになっているのか……?
「ほら、触って……?」
「調子に……乗らないでよっ」
すでにウルの身体からは媚薬効果のある魔力が漏れ出ており、それにアテられてしまっているモナも理性に反して興奮し始めてしまう。
彼女の手首を取られ、彼の下半身に。
服の上からでも彼の剛直が分かってしまう。
分かってしまうようになってしまった。
(うう、どうして私がこんなことに……)
「ふふふ、俺だけがキモチ良くなるのも不公平だね。だから……」
『俺がモナを余計なことを考えなくて済むようにしてあげる』
悪魔の囁きに心臓がドクン、と跳ねる。
耳元で感じたその声の熱が首筋から背筋へ、そして下半身にジンワリと伝わっていく。
魔王の官能的な魔力が込められた甘い言葉が脳を痺れさせる。
「あ……あ~っ」
軽く絶頂を迎えてしまうモナ。
防御をしようと思った瞬間にはもう遅かった。
身体はもう、魔王ウルの魔力による毒が回り始めてしまっている。
(やめて、私を貴方の魔力で染めないで……)
耳からの侵入を止めようとしても、いつの間にか腕を背に回されウルの左手で拘束されていた。
そして空いている右手で……。
(マズいっ、このままじゃっ……!!)
「いま、俺のことを攻撃しようとしたでしょ」
「し、してない!! してないから」
「それも嘘。ほら、契約のタトゥーが紫色に光っているだろう?」
はっ、と自分の脇腹に刻まれていた羽のようなシルシを見てみると、確かにぼんやりと明滅している。
「逆にホラ、俺のは光ってない。嘘じゃない証拠」
「そんな、何かの間違いよ……」
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いったい何を奪われてしまうのかという恐怖がモナを襲う。
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