86 / 87
聖杯の章
♡13 タロットの真実
しおりを挟む
「それが何だ」
「紅莉のタロットは外れない。ねぇ、彼女が占ったことで外れたことがあったかい?」
「それは……いや、なら尚更おかしいじゃないか!!」
たしかにカズオについて占った時も当たっていた。
だがあの時、紅莉は俺の運勢をこう言っていたはずだ。
『今回は三枚のカードで、悠真君の過去から現在、そして未来について見てみます』
「あの時、紅莉はこの三枚のカードをキミに見せた」
マルコは胸ポケットから三枚のカードを取り出す。
そして一枚一枚、悠真の前に屈んで並べ始めた。
悔し涙で視界が滲む。腕で拭っても拭っても止まらない。
涙が赤いと思ったら、気付けば腕の傷が開いていたみたいだ。
でも興奮していて痛みなんてちっとも感じない。
「過去がソードの六。現在が真ん中が吊るされた男。未来がワンドの三」
カードの呼び方は分からない。でも、書いてある絵には見覚えがあった。
紅莉が持っていたカードと同じだ。まだ数日前のことなのに、懐かしい思いで胸が締め付けられた。呼吸が苦しい。
「過去は紅莉の支援を受けられることを示唆していた」
マルコが指を差しながら説明をする。
『まずは過去ね。これは困難に向かう時、誰かの援助を受けられるって示されてるわ』
そうだ。紅莉もそう言っていた。
『そして現在。悠真君は心配していたけれど、これはどちらかと言えば良い兆候よ』
『このカードは報われる努力を意味しているの。だから今の行動を信じて、このまま突き進むべきって事かな』
『うんうん。三枚目は新たなる旅立ち。先はまだ見えずとも、しっかりと大地に立って進んでいける。そんなカードだよ』
どれも紅莉は悠真にとって良い事を言っていたはずなのだ。
それがどうしてこんなことに。報われる努力? 新たな旅立ち?
ふざけるな。紅莉が死んだ未来が良い旅立ちになるわけがない。
「では、教えてあげよう。タロットには正位置と逆位置がある。ほとんどの場合、逆位置ではその意味は逆転する」
「は? 正位置……?」
「キミは自分から見た方が正位置だと思っていたようだけど、それは違うんだよ。占い師から見ての向きが正解なんだ。だから、ね……」
マルコは悠真にも分かるよう、上下の向きを逆にしていく。
「吊るされた男の逆位置。報われない努力。ワンドの3、その逆位置は『見えない未来』『トラウマ』『失敗』……紅莉は全て、逆のことを言っていたんだよ」
――逆?
「う、うそだ……」
「こうみえてボクは嘘が嫌いなんだよ。だから、ボクは最近の紅莉は好きじゃなかった。純粋だったあの子が、キミの前では嘘ばかり……ぜんぶ、キミのせいだ」
「俺が……」
「そう。ボクは紅莉を愛していた。なのに、紅莉はボクじゃなくって、キミを選んだんだ。憎いったらありゃしないね」
真顔でそう言うマルコは真ん中のカードを拾い、指でビリビリと破いていく。
「紅莉はね。あの本に妄執した日々子の娘……彼女はボクとの子だと思っていたようだけど、勘弁してほしいよね。愛も無いのに子供ができるわけがないじゃないか。おっと、話がずれてしまった。星奈、とか言ったっけ? その子から、キミを奪いたかったんだよ。紅莉は」
紅莉が星奈を……?
「紅莉のタロットは外れない。ねぇ、彼女が占ったことで外れたことがあったかい?」
「それは……いや、なら尚更おかしいじゃないか!!」
たしかにカズオについて占った時も当たっていた。
だがあの時、紅莉は俺の運勢をこう言っていたはずだ。
『今回は三枚のカードで、悠真君の過去から現在、そして未来について見てみます』
「あの時、紅莉はこの三枚のカードをキミに見せた」
マルコは胸ポケットから三枚のカードを取り出す。
そして一枚一枚、悠真の前に屈んで並べ始めた。
悔し涙で視界が滲む。腕で拭っても拭っても止まらない。
涙が赤いと思ったら、気付けば腕の傷が開いていたみたいだ。
でも興奮していて痛みなんてちっとも感じない。
「過去がソードの六。現在が真ん中が吊るされた男。未来がワンドの三」
カードの呼び方は分からない。でも、書いてある絵には見覚えがあった。
紅莉が持っていたカードと同じだ。まだ数日前のことなのに、懐かしい思いで胸が締め付けられた。呼吸が苦しい。
「過去は紅莉の支援を受けられることを示唆していた」
マルコが指を差しながら説明をする。
『まずは過去ね。これは困難に向かう時、誰かの援助を受けられるって示されてるわ』
そうだ。紅莉もそう言っていた。
『そして現在。悠真君は心配していたけれど、これはどちらかと言えば良い兆候よ』
『このカードは報われる努力を意味しているの。だから今の行動を信じて、このまま突き進むべきって事かな』
『うんうん。三枚目は新たなる旅立ち。先はまだ見えずとも、しっかりと大地に立って進んでいける。そんなカードだよ』
どれも紅莉は悠真にとって良い事を言っていたはずなのだ。
それがどうしてこんなことに。報われる努力? 新たな旅立ち?
ふざけるな。紅莉が死んだ未来が良い旅立ちになるわけがない。
「では、教えてあげよう。タロットには正位置と逆位置がある。ほとんどの場合、逆位置ではその意味は逆転する」
「は? 正位置……?」
「キミは自分から見た方が正位置だと思っていたようだけど、それは違うんだよ。占い師から見ての向きが正解なんだ。だから、ね……」
マルコは悠真にも分かるよう、上下の向きを逆にしていく。
「吊るされた男の逆位置。報われない努力。ワンドの3、その逆位置は『見えない未来』『トラウマ』『失敗』……紅莉は全て、逆のことを言っていたんだよ」
――逆?
「う、うそだ……」
「こうみえてボクは嘘が嫌いなんだよ。だから、ボクは最近の紅莉は好きじゃなかった。純粋だったあの子が、キミの前では嘘ばかり……ぜんぶ、キミのせいだ」
「俺が……」
「そう。ボクは紅莉を愛していた。なのに、紅莉はボクじゃなくって、キミを選んだんだ。憎いったらありゃしないね」
真顔でそう言うマルコは真ん中のカードを拾い、指でビリビリと破いていく。
「紅莉はね。あの本に妄執した日々子の娘……彼女はボクとの子だと思っていたようだけど、勘弁してほしいよね。愛も無いのに子供ができるわけがないじゃないか。おっと、話がずれてしまった。星奈、とか言ったっけ? その子から、キミを奪いたかったんだよ。紅莉は」
紅莉が星奈を……?
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
意味が分かると怖い話(解説付き)
彦彦炎
ホラー
一見普通のよくある話ですが、矛盾に気づけばゾッとするはずです
読みながら話に潜む違和感を探してみてください
最後に解説も載せていますので、是非読んでみてください
実話も混ざっております
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
【⁉】意味がわかると怖い話【解説あり】
絢郷水沙
ホラー
普通に読めばそうでもないけど、よく考えてみたらゾクッとする、そんな怖い話です。基本1ページ完結。
下にスクロールするとヒントと解説があります。何が怖いのか、ぜひ推理しながら読み進めてみてください。
※全話オリジナル作品です。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる