10 / 28
立場の気配
第8話 好きだったよね?
しおりを挟む顔面彫刻・美麗カラットのおにーさん、エリックさん。
出会ってから今まで、小さく笑ったり少々驚いたりする顔は見せていたけど、基本は無表情・呆れと怪訝が常の人。
でも、そんな彼が、「心の底から愛おしいと思っている顔」で話をする時がある。
〈思い出のあの子〉の話をする時だ。
もう朧げな・しかし印象に残っている記憶を語ってくれる度、愛する人を前にしたような優しさを瞳に乗せ語るものだから、てっきり自覚してるもんだと思っていたんだけど……自覚してなかったよ―である。
彼は、怪訝を交えてわたしに言うのだ。
「……〈思い出のあの子〉って……。その言い方はやめてくれないか? まるで俺が、彼女に夢見て恋焦がれているみたいじゃないか」
──ゑ?
「だって好きだったんでしょ? その子のこと」
「────はっ?」
「好きだったよね? その子のこと。っていうか今も好きだよね?」
「はっ? え? ちょ、────はっ???」
慌てまくるおにーさん。
顔面が焦っている。
顔が慌てている。
しかしわたしは、そのままのテンポと真顔で聞き返す。
「好きだったよね? 初恋の人だよね?」
「……い、いや、ちょっと待て。そ、その紙束! 形が残っ」
「これ、誰かの日記だから違いますね。で、好きなんでしょ?」
「捨てるな……ッ! 繋げ方が雑だな! なんで君の話にはそう脈絡がないんだ。『話は変わりますが』とか『それはさておき』とか接続詞を付けるべきだろう……!」
「好きなんでしょ? 話反らさない。好きなんでしょ?」
「……だから……ッ! 俺は、君にそんなことを言った記憶はないし、彼女に・そんな気持ちも・抱いていない」
必死じゃん。
怒ってるじゃん。
説得力、なーい♡
にへぁ。
「──〰〰っ、だから。昔・遊んで・楽しかったから・それで、ひとめ会いたいだけで」
「ふふん。それを一般的に、初恋の人に会いたいというのだよ。おにーさんくん」
「……君に一般論を語られたくない」
「顔真っ赤ですよ~、ふっふっふ♡」
「…………!」
黙った彼に、にんまり緩む頬の動きが制御できない。
可愛いなあ~……!
照れてる──、かわいい……
もう~……やだあ、きゅんきゅんするぅ〰〰……!
顔面美麗カラット・『武骨』という言葉をほしいままにしている彼のそんなところに、わたしは自分の両頬を手で包むと、
「かーわぃいなあ~♡
ちっちゃいころの思い出♡
忘れられなくて探し回るとか♡
や~だもう、おにーさん可愛いとこあるじゃん♡」
「…………煩い。笑うな。……ああくそ、言うんじゃなかった……!」
「やばー♡ 可愛すぎ……!
誰かに言いたーい♡
誰もいないのツラすぎるっ……!」
「…………見るな、追いかけるな」
「うんうん、わかったわかった♡
ミリアさんが協力してあげましょう♡
可愛い女の子探そうね♡
思い出のあの子ね♡」
「……ぺしぺし叩くな。もう……! ……会わなきゃならないんだ。絶対に」
「…………」
……その、『照れを押し込んで述べた絶対の強さ』に、わたしの浮かれポンチは消え去った。
滲み出た剣幕が空気を換えた。
はっきりと変わった空気に、ゆっくりと背を伸ばし彼を見る。
……これは────、なにかある。
もちろん全部は読み取れないけど、ただの『初恋の人探し』じゃない。
そもそも、エリックさんは彼女を探して国を超えてきているのだ。
他のお国事情はさっぱりわからないが、見つかるかどうかわからない人間を探し回るのは──見えもしない光を求めて、闇を彷徨うようなものである。
「どんな思いで」「どうしてここまで」「どんな気持ちで」。
それらを口の裏側に、『今までの彼』を勝手に騒動して見上げた先。エリックさんの顔には、覚悟と強い意志が感じ取れて──……
────よしっ。
「──茶化してごめん。探そう、おにーさんの探し人。おにーさんが『絶対』って言うんだから、それなりの理由があるんでしょ?」
言いながら、裾を払った。
気合を入れるようにがれきを踏みしめ、目指すのは建物の外。彼の隣。
「……ミリア?」
「おにーさんが『セント・ジュエルの人だ』って断言するなら、親戚回りしたっていい。わたしのこと、フルに使ったらいいの」
言いながらわたしは彼の隣に立つ。
廃墟を出た瞬間、眩しさに目がくらみ、ブーツの靴ひもを踏んでほどけた感触に下を向いた。
──しっかり結ばなきゃ。
ふわふわした気持ちを締めるように、靴紐に指をかける。
踵をつけ、つま先を上げ、ぎゅっと引き絞るわたしの頭の上から、彼の困惑した声は落ちてきた。
「……ミリア……気持ちは嬉しいが、近親者回りなんて……どんな扱いを受けるかわからないだろ」
うん?
懸念してるのはわたしの扱い? だぁいじょうぶ。
「ふふ、『一瞬で知らせが通達されるような道具や魔法』があるわけじゃあるまいし、わたしが王族追放されたこと知らない親戚のほうが多いよ」
ぎゅっと固く縛った紐から手を放し、体を起こして。
がれきの建物に背を向け、わたしは続けた。
「セントジュエルはね……、石が育たなかった人とか、石を持たない王族とか、わたしみたいに目立った実力がない役立たずは追い出すから。探せばいるはずなんだ」
──城の中には該当する人、いないけど。範囲を広げればいるかもしれない。わたしが知らないだけで、『金髪金目のかわいい子』はきっと存在してるはず。
それらを胸に、エリックさんを正面から見つめ、はっきりと告げた。
「『協力するなら最後まで』。中途半端が一番きらい。だから、戦力外通告されるまで付き合う。よろしくね?」
「──戦力外通告って」
「……あはは、それは、じょーだん。あんまり聞きたくないけど、まあ、結果駄目なら受け入れるから」
複雑を露わに、困った顔をする彼に軽く微笑んで、わたしは『次』を見つめてた。
また『要らない』って言われたら怖いけど。
その時まで、できることをしようと思う。
彼はわたしを助けてくれた。
ここまで色々教えてくれた。
彼はわたしに『欲しい』と言ってくれた。
役目をくれた。
なら、その期待に応えなきゃ。
女が廃る。
「じゃ、とりあえずセント・ジュエル方面に戻りつつ、その辺に散らばってる親戚尋ねてみよっか。おにーさんの〈探し人〉、見つかるかもしれないっ」
滅んだ街にはさようなら。
おにーさんの背中をぐいぐいと押しやって、そこを後にした。
『絶対見つける』。
そんな強い気持ちを胸に持って。
☆☆
「……ねえ、もうちょっと手がかりとか……ない……?」
「…………」
──イーサを後にして、軽く一か月を過ぎたころ。
東シャトンのファルダという街まであと半日ぐらいの街道。ぴくりとも動かない釣り糸を眺めつつ聞くわたしに、返事は返ってこなかった。
おにーさんもだいぶ滅入っているのかもしれない。
お腹空いたけど魚釣れないし。
水面に垂らした糸はうんともスンとも言わないし。
その辺の岩をひっくり返して(おにーさんが)集めた虫は、水面に消えていくばかり。お魚は嬉しいかもしれないけど、わたしは嬉しくない。
ちなみに、竿はその辺に転がっていたいい感じの木の先っぽに、馬の尻尾の毛をつけたものだ。おにーさんが作ってくれた。馬の毛は街で売ってる。お買い求めください。
……なーんて、どこぞの誰かに宣伝しつつ。
わたしは、隣で陰気を放つエリックさんに、そろり。
目だけで様子を伺って、彼の疲れた顔に、そのまま、空に視線と息を逃がして、肩をすくめた。
まあ……無理も無いよね。
だってここまで、空振りしっぱなし。
今までは『当てもなく、ただ希望を探して』という感じだったらしいけど、今は違う。
『わたし』という、中途半端なツテがある。
ある程度絞っているゆえに期待も出る。
彼は、そのたびに『彼女かもしれない』という淡い期待を抱きながらも、粉砕されているのが現状だ。
ターコイズのフィル・アビゲイルさま、ちがった。
ジェイドのラングリー・シャーロットさま、ちがった。
ガーネットのプリンストンさま、もちろん違った。
リリアナさま、ヘリオドールさま、アネットさま、どれもこれも彼の〈思い出の人〉ではなかったらしい。
これだけ当たらないと、もうなんだか気の毒で仕方ない。
「……これ……わたしがいない方がいいんじゃ……?」
「……何言ってるんだ。バカなことを言うな」
げんなりぼそっと呟いたわたしに、苛立ちを含んだ声はすぐに返ってきた。
(いや、でもそんなこと言われても……現実は役に立っていないわけで……)という気持ちが顔に出ていたのだろうか、彼は窘めるような面持ちで竿に手をかけると、わたしに目くばせをして言うのだ。
「──霞を掴むようなものだった旅から、確実に進展してる。君が居なかったら、こうは運んでいなかっただろうし、なにより……」
「なにより?」
「──おい! かかってる!」
「えっ!? わ!」
聞き返したそれを散らすように、彼の声に驚き竿を握った。
ぶ、ブルブルブルブルってする! びくびくびくってする!
水面に糸が走ってる! びくびくする! びくびくって振動がすごい!
「──え、これどうすればいいの!?」
「竿を立てろ!」
「さ、竿を立て、え?」
「上げるんじゃない! 立てろ! 上に立てろ!」
「竿折れそう~~~!」
「折れない! いいから立てろ! 手首を返せ! そう!」」
言われ、無我夢中で手首をくいっと手前に上げた。
竿がおでこに着くんじゃないかってところで、ざばっと音を立て、水面から姿を現したのは手のひらサイズ……ひいい! 魚生きてる!
「生きてる! 糸の先で踊ってる! 力いっぱい抵抗してる! ぶるぶる揺れる! うわあああああこんなのどうするの!?」
と、わたしがてんぱっている間に、彼は名前のわからないそいつを迷わず手で掴み、針を抜き、頭を叩いたかと思うと、ナイフで腹部を刺し──あっという間に焚火の横。もはや焼くだけの状態に変貌していた。
すごい。なんか、すごい。
「おにーさん、魚もさばけるんだ……」
「ウサギや小動物より楽でいいよな。川魚なんか、鱗を取らずとも食べられるし。……君と俺の腹を満たすならもう二・三匹かけたいところだ」
呆けるわたしに、彼は、レベル違いの返事をしながら手を洗っている。
……いや……まあ、ウサギより楽なのは……そうかもしれないけど……。あの魚の暴れ方を体感しちゃうと、どっちがどうとか言えないというか。
そもそも、わたしはウサギを〆たことが無い。
彼が狩ってきたものを捌いたことがある程度で……中を取って皮をはぐことはできるようになったけど、とどめを刺したことは…………ない。
そこで、わたしは気が付いた。
よく考えたら、命が無くなる瞬間っていうのを、今、初めて見た気がする。
……命、いのち……かあ。
「…………ねえ?」
「うん?」
川のほとり。
水のせせらぎ。
ちゅんちゅんと鳥がさえずる中、うねうねした虫をつまみ上げ、針に刺し糸を垂らす彼に、わたしはぼんやりと問いかけた。
「ちょっと思い出したんだけど、イーサで化生の小さいのが出てきたことあったじゃない?」
「ん? ああ、あったな」
「あれに当たったらどうなるの?」
──あの時わたしは、危なかったんじゃないかと、思い出しながら。
0
あなたにおすすめの小説
【完結】使えない令嬢として一家から追放されたけど、あまりにも領民からの信頼が厚かったので逆転してざまぁしちゃいます
腕押のれん
ファンタジー
アメリスはマハス公国の八大領主の一つであるロナデシア家の三姉妹の次女として生まれるが、頭脳明晰な長女と愛想の上手い三女と比較されて母親から疎まれており、ついに追放されてしまう。しかしアメリスは取り柄のない自分にもできることをしなければならないという一心で領民たちに対し援助を熱心に行っていたので、領民からは非常に好かれていた。そのため追放された後に他国に置き去りにされてしまうものの、偶然以前助けたマハス公国出身のヨーデルと出会い助けられる。ここから彼女の逆転人生が始まっていくのであった!
私が死ぬまでには完結させます。
追記:最後まで書き終わったので、ここからはペース上げて投稿します。
追記2:ひとまず完結しました!
偽りの呪いで追放された聖女です。辺境で薬屋を開いたら、国一番の不運な王子様に拾われ「幸運の女神」と溺愛されています
黒崎隼人
ファンタジー
「君に触れると、不幸が起きるんだ」――偽りの呪いをかけられ、聖女の座を追われた少女、ルナ。
彼女は正体を隠し、辺境のミモザ村で薬師として静かな暮らしを始める。
ようやく手に入れた穏やかな日々。
しかし、そんな彼女の前に現れたのは、「王国一の不運王子」リオネスだった。
彼が歩けば嵐が起き、彼が触れば物が壊れる。
そんな王子が、なぜか彼女の薬草店の前で派手に転倒し、大怪我を負ってしまう。
「私の呪いのせいです!」と青ざめるルナに、王子は笑った。
「いつものことだから、君のせいじゃないよ」
これは、自分を不幸だと思い込む元聖女と、天性の不運をものともしない王子の、勘違いから始まる癒やしと幸運の物語。
二人が出会う時、本当の奇跡が目を覚ます。
心温まるスローライフ・ラブファンタジー、ここに開幕。
『生きた骨董品』と婚約破棄されたので、世界最高の魔導ドレスでざまぁします。私を捨てた元婚約者が後悔しても、隣には天才公爵様がいますので!
aozora
恋愛
『時代遅れの飾り人形』――。
そう罵られ、公衆の面前でエリート婚約者に婚約を破棄された子爵令嬢セラフィナ。家からも見放され、全てを失った彼女には、しかし誰にも知られていない秘密の顔があった。
それは、世界の常識すら書き換える、禁断の魔導技術《エーテル織演算》を操る天才技術者としての顔。
淑女の仮面を捨て、一人の職人として再起を誓った彼女の前に現れたのは、革新派を率いる『冷徹公爵』セバスチャン。彼は、誰もが気づかなかった彼女の才能にいち早く価値を見出し、その最大の理解者となる。
古いしがらみが支配する王都で、二人は小さなアトリエから、やがて王国の流行と常識を覆す壮大な革命を巻き起こしていく。
知性と技術だけを武器に、彼女を奈落に突き落とした者たちへ、最も華麗で痛快な復讐を果たすことはできるのか。
これは、絶望の淵から這い上がった天才令嬢が、運命のパートナーと共に自らの手で輝かしい未来を掴む、愛と革命の物語。
皆様ありがとう!今日で王妃、やめます!〜十三歳で王妃に、十八歳でこのたび離縁いたしました〜
百門一新
恋愛
セレスティーヌは、たった十三歳という年齢でアルフレッド・デュガウスと結婚し、国王と王妃になった。彼が王になる多には必要な結婚だった――それから五年、ようやく吉報がきた。
「君には苦労をかけた。王妃にする相手が決まった」
ということは……もうつらい仕事はしなくていいのねっ? 夫婦だと偽装する日々からも解放されるのね!?
ありがとうアルフレッド様! さすが私のことよく分かってるわ! セレスティーヌは離縁を大喜びで受け入れてバカンスに出かけたのだが、夫、いや元夫の様子が少しおかしいようで……?
サクッと読める読み切りの短編となっていります!お楽しみいただけましたら嬉しく思います!
※他サイト様にも掲載
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
王家を追放された落ちこぼれ聖女は、小さな村で鍛冶屋の妻候補になります
cotonoha garden
恋愛
「聖女失格です。王家にも国にも、あなたはもう必要ありません」——そう告げられた日、リーネは王女でいることさえ許されなくなりました。
聖女としても王女としても半人前。婚約者の王太子には冷たく切り捨てられ、居場所を失った彼女がたどり着いたのは、森と鉄の匂いが混ざる辺境の小さな村。
そこで出会ったのは、無骨で無口なくせに、さりげなく怪我の手当てをしてくれる鍛冶屋ユリウス。
村の事情から「書類上の仮妻」として迎えられたリーネは、鍛冶場の雑用や村人の看病をこなしながら、少しずつ「誰かに必要とされる感覚」を取り戻していきます。
かつては「落ちこぼれ聖女」とさげすまれた力が、今度は村の子どもたちの笑顔を守るために使われる。
そんな新しい日々の中で、ぶっきらぼうな鍛冶屋の優しさや、村人たちのさりげない気遣いが、冷え切っていたリーネの心をゆっくりと溶かしていきます。
やがて、国難を前に王都から使者が訪れ、「再び聖女として戻ってこい」と告げられたとき——
リーネが選ぶのは、きらびやかな王宮か、それとも鉄音の響く小さな家か。
理不尽な追放と婚約破棄から始まる物語は、
「大切にされなかった記憶」を持つ読者に寄り添いながら、
自分で選び取った居場所と、静かであたたかな愛へとたどり着く物語です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる