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4章 第2部 それぞれの想い
172話 巫女の権限
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ここは白神守が留守にしているため、もはや貸切り状態となった社長室。すでに陽は沈み、ガラス張りの壁からは街々の明かりが煌めく見事な夜景が見える。込み入った話をするならここを好きに使っていいと、すでに楓から許可はもらっていたのだ。ちなみにその当の本人はめんどくさいからと出席せず、全部レイジたち任せであった。
あれからすぐ冬華に連絡を入れ、再び白神コンシェルンに来てもらっていたという。今は三人で来客用のソファーに座り、話を始めていた。
「冬華さん、レージくんにはこれからも、私のもとで働いてもらうことにしたんだよ」
「うふふふ、そうこなくては! これでなんの憂いもなく、カノンさんとの同盟の件を進められるというものです! では、さっそく会談の続きをしましょうか!」
カノンの答えを聞いて、冬華は手をパンっと合わせながらさぞ満足そうに話を進める。
「冬華、オレたちになにをさせる気なんだ?」
「うふふふ、まあ、お待ちを! まずは同盟後の関係をおさらいしましょう! 結んだ後で、手違いがあっても困りますからね!」
冬華はもったいぶった笑みを浮かべ、手で制してくる。
「そうだね。東條家に力を貸してもらいたいのは、巫女の監督権を引き受けてもらうこと。そしてなによりアポルオンの巫女の権限を使い、変革を起こす手伝いをしてもらいたいんだよ。異論はないかな?」
「ありません! 例の権限行使の条件をクリアできるよう、全力でバックアップさせてもらいます! その見返りにすべてがおわった後、東條を優遇していただければ!」
カノンと冬華は互いの望みを口にし、同盟の確認を。
そこでふと疑問が頭をよぎる。
「そういえばまだその権限の話、聞いてなかったけ」
そう、レイジは今だカノンの理想を叶える手段を、くわしく聞いていなかったのだ。
なにやら巫女の持つ権限が鍵だと聞いていたが、実際のところどうなのだろうか。
「そうだったね。実はアポルオンの巫女が持つ権限の中に、一つすごいのがあるんだよ。なんと条件さえそろえば、アポルオンの方針を好きなように変更できるというチートじみたものが」
するとカノンが人差し指を立てながら、得意げに説明してくれる。
「それってつまり」
「うん、今の不変の世界のあり方さえ、変えることが可能になるんだよ」
もしその話が本当なら、夢物語レベルだったカノンの理想さえも容易に実現できてしまうだろう。それはカノン・アルスレインが、アポルオンの全権をにぎることにほかならない。となれば改革など思いのまま。たとえどんな無茶な方針でさえ押し通せるということに。もはやカノン自身が、アポルオンの意志そのものになるといっても過言ではないのだ。
「ははは、まさかそんなものがあったとは。それならカノンの理想の実現も夢じゃない。いけるな!」
「――えっへへ……、でも、問題はその条件。ことがことなだけに、難しすぎるんだよね……」
手をぐっとにぎり勝利を夢見ていると、カノンががっくりうなだれながら弱音を。
「うふふふ、ですね! なんたって最終的に革新派と保守派を、倒さないといけないんですから!」
そして冬華がさぞ愉快げに、とんでもないことを口にする。
「え? 革新派と保守派を倒す?」
あまりの条件の厳しさに、度肝を抜かれるしかない。
どちらも今のアポルオンを二分するであろう大勢力。しかも保守派に関しては今のアポルオンを牛耳る、最大勢力ときたものだ。そんな彼らを倒すなど、あまりにも無謀な話である。
「厳密には違うんだけど、そうなるかな……。この権限を使う条件。それは巫女の意向に対する同意。くわしく説明すると私の出した案に対する、各序列の賛成票だね。最低八割を獲得すればその案が通り、アポルオンのあり方でもなんでも思い通りにできるの」
どうやらアポルオンの巫女が持つ権限は、独裁的なものではなく民主的なものだったようだ。ようはアポルオンの巫女の案に、賛成の意をどれだけ集められるか。もしさだめられた票を得られたら、それがアポルオン全体の意志とみなされ実現されるというわけだ。
「うふふふ、革新派はまだわかりませんが、保守派は間違いなく反対するでしょうね! この不変の世界を変革しようだなんて!」
まるで他人事のように、ケラケラ笑う冬華。
保守派側からすれば、これまでの思想に反する世界になってしまう。なので彼らがカノンの理想に賛成するはずがない。ゆえになんとかして、彼らの考えを改めさせなければならないということに。
「だから倒すか。しかもその条件だとただ倒すだけでなく、こちらにしたがうよう話を付けないといけないってことだろ? もはや難しいどころの話じゃ……」
「――それでも私はやらないといけないんだよ……」
カノンはスカートの裾をぎゅっとにぎりしめ、信念のこもった瞳で覚悟を口にした。
彼女は決してあきらめてはいない。みずからの理想を実現するため、この絶望的条件をこなそうとしているのだ。そのあまりの信念の強さに、感嘆を覚えずにはいられなかった。
「――カノン……」
「うふふふ、ですが今の状況だと、幸運にも勝ち目がないわけではないんですよね!」
そんな中、冬華がはずんだ口調で光明をさす。
「どういうことだ?」
「今や明確な敵がいるということです! ちょうど革新派はクーデターを。保守派もなにか恐ろしい計画をたくらんでるそうじゃないですか! その各野望を打ち砕き、アポオンに平静を取り戻す! その偉業があれば、多くの者たちがこちら側についてもおかしくありません! カノンさんこそ、アポルオンのトップに立つにふさわしいお方だとね!」
冬華はカノンへと手のひらを伸ばし、声高らかに告げる。
「なのでレイジさんたちの今後の方針は、カノンさんの賛同者を増やしながら、アポルオンの内乱を見事収束させるということです!」
そう、今の状況はカノンの偉業を増やすのにもってこいの舞台ということ。ここで活躍しまくり各序列からの評価を上げていけば、賛同者も増えていくはず。そして最大の難関である革新派と保守派の野望を食い止められれば、その発言力はこれまでと比べられないほどに。うまくいけば革新派や保守派側も、カノンの案を無視できない状況に持ち込めるかもしれない。
「まあ、基本アイギスがこれまでやってきたことと、変わらないと思いますよ!」
「なるほど、今までのアイギスの活動は、カノンの株を上げようとしてたってことか」
これまでレイジたちが、アイギスでこなしてきた依頼を思い出す。
大物の依頼や軍関係の治安維持活動。アイギスの主な目的はカノンの名を各序列に轟かせるのが狙いだったらしい。こうすることで地道にカノンへの評価を上げ、賛同者を増やしていたのだ。
「とはいってもこの件、東條と同盟を結べて初めて現実味がおびてくる話! 今の権力をほとんど持たないカノンさん側につくのは、さすがに心もとないですからね! なのでここは保守派や革新派のように、最上位序列を全面に押し出し力を誇示しなければなりません。そうすることで初めて、カノンさんはこの舞台にみずからの旗を掲げる事ができるのです!」
いくら理想を掲げようとも、今のカノンはほとんど力を持っていない状態。よって現実味がなく、夢物語と思われてもしかたがない。賛同者もなかなか集まらないといっていいだろう。だがもしここでアポルオン序列四位である東條が、後ろ盾になればどうなるか。カノンのもとに強大な権力を誇る最上位序列が加わったのだ。もはや夢物語であった話が、いきなり現実味を帯びてもおかしくはない。どこも東條の影響で、考えを改める可能性が大であろう。ゆえにカノンはなんとしてでも、序列四位東條を味方につけなければならないのだ。
「うん、そうだね。だからこそ絶対、東條とは話をつけたいんだよ。そのためにも冬華さん、条件を言ってほしい。私たちになにをしてほしいのかな?」
「うふふふ、それはですねー!」
カノンのまっすぐな問いに、冬華はもったいつけながらも条件をかたるのであった。
あれからすぐ冬華に連絡を入れ、再び白神コンシェルンに来てもらっていたという。今は三人で来客用のソファーに座り、話を始めていた。
「冬華さん、レージくんにはこれからも、私のもとで働いてもらうことにしたんだよ」
「うふふふ、そうこなくては! これでなんの憂いもなく、カノンさんとの同盟の件を進められるというものです! では、さっそく会談の続きをしましょうか!」
カノンの答えを聞いて、冬華は手をパンっと合わせながらさぞ満足そうに話を進める。
「冬華、オレたちになにをさせる気なんだ?」
「うふふふ、まあ、お待ちを! まずは同盟後の関係をおさらいしましょう! 結んだ後で、手違いがあっても困りますからね!」
冬華はもったいぶった笑みを浮かべ、手で制してくる。
「そうだね。東條家に力を貸してもらいたいのは、巫女の監督権を引き受けてもらうこと。そしてなによりアポルオンの巫女の権限を使い、変革を起こす手伝いをしてもらいたいんだよ。異論はないかな?」
「ありません! 例の権限行使の条件をクリアできるよう、全力でバックアップさせてもらいます! その見返りにすべてがおわった後、東條を優遇していただければ!」
カノンと冬華は互いの望みを口にし、同盟の確認を。
そこでふと疑問が頭をよぎる。
「そういえばまだその権限の話、聞いてなかったけ」
そう、レイジは今だカノンの理想を叶える手段を、くわしく聞いていなかったのだ。
なにやら巫女の持つ権限が鍵だと聞いていたが、実際のところどうなのだろうか。
「そうだったね。実はアポルオンの巫女が持つ権限の中に、一つすごいのがあるんだよ。なんと条件さえそろえば、アポルオンの方針を好きなように変更できるというチートじみたものが」
するとカノンが人差し指を立てながら、得意げに説明してくれる。
「それってつまり」
「うん、今の不変の世界のあり方さえ、変えることが可能になるんだよ」
もしその話が本当なら、夢物語レベルだったカノンの理想さえも容易に実現できてしまうだろう。それはカノン・アルスレインが、アポルオンの全権をにぎることにほかならない。となれば改革など思いのまま。たとえどんな無茶な方針でさえ押し通せるということに。もはやカノン自身が、アポルオンの意志そのものになるといっても過言ではないのだ。
「ははは、まさかそんなものがあったとは。それならカノンの理想の実現も夢じゃない。いけるな!」
「――えっへへ……、でも、問題はその条件。ことがことなだけに、難しすぎるんだよね……」
手をぐっとにぎり勝利を夢見ていると、カノンががっくりうなだれながら弱音を。
「うふふふ、ですね! なんたって最終的に革新派と保守派を、倒さないといけないんですから!」
そして冬華がさぞ愉快げに、とんでもないことを口にする。
「え? 革新派と保守派を倒す?」
あまりの条件の厳しさに、度肝を抜かれるしかない。
どちらも今のアポルオンを二分するであろう大勢力。しかも保守派に関しては今のアポルオンを牛耳る、最大勢力ときたものだ。そんな彼らを倒すなど、あまりにも無謀な話である。
「厳密には違うんだけど、そうなるかな……。この権限を使う条件。それは巫女の意向に対する同意。くわしく説明すると私の出した案に対する、各序列の賛成票だね。最低八割を獲得すればその案が通り、アポルオンのあり方でもなんでも思い通りにできるの」
どうやらアポルオンの巫女が持つ権限は、独裁的なものではなく民主的なものだったようだ。ようはアポルオンの巫女の案に、賛成の意をどれだけ集められるか。もしさだめられた票を得られたら、それがアポルオン全体の意志とみなされ実現されるというわけだ。
「うふふふ、革新派はまだわかりませんが、保守派は間違いなく反対するでしょうね! この不変の世界を変革しようだなんて!」
まるで他人事のように、ケラケラ笑う冬華。
保守派側からすれば、これまでの思想に反する世界になってしまう。なので彼らがカノンの理想に賛成するはずがない。ゆえになんとかして、彼らの考えを改めさせなければならないということに。
「だから倒すか。しかもその条件だとただ倒すだけでなく、こちらにしたがうよう話を付けないといけないってことだろ? もはや難しいどころの話じゃ……」
「――それでも私はやらないといけないんだよ……」
カノンはスカートの裾をぎゅっとにぎりしめ、信念のこもった瞳で覚悟を口にした。
彼女は決してあきらめてはいない。みずからの理想を実現するため、この絶望的条件をこなそうとしているのだ。そのあまりの信念の強さに、感嘆を覚えずにはいられなかった。
「――カノン……」
「うふふふ、ですが今の状況だと、幸運にも勝ち目がないわけではないんですよね!」
そんな中、冬華がはずんだ口調で光明をさす。
「どういうことだ?」
「今や明確な敵がいるということです! ちょうど革新派はクーデターを。保守派もなにか恐ろしい計画をたくらんでるそうじゃないですか! その各野望を打ち砕き、アポオンに平静を取り戻す! その偉業があれば、多くの者たちがこちら側についてもおかしくありません! カノンさんこそ、アポルオンのトップに立つにふさわしいお方だとね!」
冬華はカノンへと手のひらを伸ばし、声高らかに告げる。
「なのでレイジさんたちの今後の方針は、カノンさんの賛同者を増やしながら、アポルオンの内乱を見事収束させるということです!」
そう、今の状況はカノンの偉業を増やすのにもってこいの舞台ということ。ここで活躍しまくり各序列からの評価を上げていけば、賛同者も増えていくはず。そして最大の難関である革新派と保守派の野望を食い止められれば、その発言力はこれまでと比べられないほどに。うまくいけば革新派や保守派側も、カノンの案を無視できない状況に持ち込めるかもしれない。
「まあ、基本アイギスがこれまでやってきたことと、変わらないと思いますよ!」
「なるほど、今までのアイギスの活動は、カノンの株を上げようとしてたってことか」
これまでレイジたちが、アイギスでこなしてきた依頼を思い出す。
大物の依頼や軍関係の治安維持活動。アイギスの主な目的はカノンの名を各序列に轟かせるのが狙いだったらしい。こうすることで地道にカノンへの評価を上げ、賛同者を増やしていたのだ。
「とはいってもこの件、東條と同盟を結べて初めて現実味がおびてくる話! 今の権力をほとんど持たないカノンさん側につくのは、さすがに心もとないですからね! なのでここは保守派や革新派のように、最上位序列を全面に押し出し力を誇示しなければなりません。そうすることで初めて、カノンさんはこの舞台にみずからの旗を掲げる事ができるのです!」
いくら理想を掲げようとも、今のカノンはほとんど力を持っていない状態。よって現実味がなく、夢物語と思われてもしかたがない。賛同者もなかなか集まらないといっていいだろう。だがもしここでアポルオン序列四位である東條が、後ろ盾になればどうなるか。カノンのもとに強大な権力を誇る最上位序列が加わったのだ。もはや夢物語であった話が、いきなり現実味を帯びてもおかしくはない。どこも東條の影響で、考えを改める可能性が大であろう。ゆえにカノンはなんとしてでも、序列四位東條を味方につけなければならないのだ。
「うん、そうだね。だからこそ絶対、東條とは話をつけたいんだよ。そのためにも冬華さん、条件を言ってほしい。私たちになにをしてほしいのかな?」
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