199 / 253
4章 第4部 それぞれの想い
194話 救いの手
しおりを挟む
現在レイジは透ごと身投げしたため、高層ビルから落下しているところ。そしてこのまま下の湖に叩きつけられ、強制ログアウトするしかない状況であった。だが上を見上げると、突然カノンが姿が。確か彼女は先程まで遠くの方で戦っていたはず。なので駆けつけようにも到底間に合わないのだが、カノンはそこにいた。まるでレイジを助けるために、空間そのものを飛んできたかのように。
「お願い! 手を伸ばして!」
「ッ!? カノン!?」
レイジは差し出されたカノンの手を、つかもうとする。
現在レイジと同じく落下中のカノンだが、彼女はルナのように風に乗ることができる。なのでカノンの手をつかめさえすれば助かるはず。
だがつかもうと伸ばした手が、ふと止まってしまった。
(――黒い炎……)
自分の伸ばした手に視線を移すと、まだかすかに黒い炎の残り火が宿っていたのだ。
(――こんなオレに、カノンの手をつかむ資格なんて……)
彼女の手は穢れのない希望に満ちた手。しかしレイジはそれとは真逆。闘争に染まり破壊しかとりえのない手だ。その事実はもはやアーネストや透との戦いで、嫌ほど思い知らされている。そんなどうしようもない手が、カノンの手をつかんでいいのか。ふとそんな想いがよぎり、ためらってしまったのである。
(――ああ、そうだ。変わり果てたオレじゃ、もう昔のように彼女の手をとれはしない)
今だレイジの胸には、果てのない闘争の炎が燃え盛っているのだ。なのでまだ透と戦っていた時の状態のまま。守る剣を捨て、破壊の剣に取りつかれてしまった久遠レイジ。そこにカノンが知っている久遠レイジは存在しない。
(――ははは……、こんな狂い狂った姿、カノンだけには見せたくなかったのにな……)
心の中で自嘲の笑みを浮かべるしかない。
そして伸ばそうとしていた手を戻し、目をつぶった。これでいいのだ。彼女の騎士になれなかった自分に、お似合いの末路。これ以上夢をみるわけにはいかないのだから。
あきらめた瞬間、力が一気に抜けていく。疲れていたため、意識も途切れていって。
「っ!?」
だが突然、宙をさまよっていたレイジの手に、あふれんばかりのぬくもりが。そして下から大気が押し寄せてきて、気付けば落下が止まっていた。
ハッとなって目を開けると、カノンがレイジの手をつかんでいる姿が。
「大丈夫。怖がらなくていんだよ……」
カノンは優しくほほえみ、さとしてくる。そして万感の思いを込めて、レイジに告げた。
「レージくんがどんな姿になろうとも、私は離れたりなんかしない。キミの手をこうやってとり続けるから……」
「――カノン……」
その天使のような慈愛に満ちたほほえみが、レイジの傷ついた心を次々に癒していく。
気付けばレイジの胸の中の果てしない闘争の炎に、あたたかい光が差し込んでいた。
「本当にいいのか? こんなオレで……」
「もう、当たり前のこと聞かないでくれるかな。レージくんは、レージくんでしょ? 私の幼馴染であり、かけがえのない大切な人。それ以外になにかあるのかな?」
レイジの問いに、カノンは一切の迷いなく答え得意げにウィンクしてくる。
「――それはそうだけど……」
「だから行こう! レージくん! 二人で一緒に!」
そして彼女はとびっきりの笑顔で、レイジの不安を吹き飛ばしてきた。
(――ははは、こんなの拒めるはずないじゃないか……。彼女が受け入れてくれるのならオレは……)
もはや反則だと、心の中で笑わずにはいられない。
この展開は今のレイジにとって、心の底から望むもの。もはやあまりに都合が良すぎるため、夢といっても過言ではないほどだ。なので許されるのなら、受け入れる以外の選択肢はなかった。カノンと一緒にいられるという未来を。
「――ああ、そうだな。二人で一緒に……」
そんなカノンに、レイジも笑顔で応えるのであった。
「――大丈夫ですか!? ――気を確かに持って!」
(――誰かの声が聞こえる……)
朦朧とする意識の中、誰かの声が。
(――ボクは確か、あのビルから落ちて……)
透は状況を飲み込もうとする。
今いるのは湖の浅瀬。誰かに肩を貸してもらい、よろよろと歩いていた。
一人で歩こうと力を入れるが、身体は疲労感と先程の戦闘のダメージで思い通りに動いてくれない。しかも意識はなかなかはっきりせず、気をゆるめればそのまま倒れてしまいそうであった。
「――ふぅ、なんとか岸にたどり着けました。今下ろしますね」
肩を貸してくれていた少女は、透を優しく地面に寝かせる。そして座って、心配そうに透をのぞき込んできた。
(――女の子? あれ? こんなこと前にも一度……)
ぼやける視界に映る少女を見ていると、昔の出来事が脳裏に。
あれは六年前、透と妹の咲が離れ離れになってしまった時のこと。透は橋から川に落ち満身創痍になっているところ、とある少女に助けられたのだ。あの時も岸まで引き上げられ、こうやって心配されていたはず。
(――あっ……)
同じ状況であったおかげなのか、かつての記憶を鮮明に思い出す。
それはあの時助けてくれた少女の姿。助けるため必死だったせいか、全身ずぶ濡れに。それでもかまわずに透を心配してくれていた。
今まではうっすらとしか覚えておらず、顔の輪郭もぼやけていた。しかしここにきてはっきり思い出したのだ。
「透! 透!」
(――誰かが手をにぎって、名前を……)
過去に助けられた少女の姿を思い出していると、名前を呼ばれていることに気付いた。
そして透の手があたたかいぬくもりに包まれる。どうやら手をにぎってくれているらしい。
「――ルナ……」
次第に意識がはっきりしてきて、視界に映る少女が鮮明になっていった。瞳に映るのはルナ・サージェンフォードの姿。
そこでこれまでのことを思い出す。そう、透が湖に落ちる瞬間、ルナが受け止めてくれたのだ。おかげで透は落下ダメージを受けずに済み、そのまま二人は湖の中に。そしてルナが透を担いで岸まで運んでくれたのだろう。
「――助かったよ……、ありがとう……」
「――よかったです……、間に合って……。――あとのことは私にまかせて、透はゆっくり休んでいてください」
ルナは透の手をにぎる手にギュッと力を込め、慈愛に満ちたほほえみを向けてくれる。
「ハッ!?」
その直後、透の脳裏に再びあの時の少女の光景が。
「なにやら事情があるみたいですね。わかりました。私がなんとかしてみせますので、安心してください」
確か六年前助けてくれた少女もこうやって手をとり、慈愛に満ちたほほえみを向けてくれていたはず。
そしてルナの姿と六年前の助けてくれた少女の姿が、完全に一致したのだ。
(ルナがあの時の、女の子?)
これまで助けてくれた少女の顔は、あいまいにしか覚えていなかった。そのためルナを見ても、似てるかもしれないといった感想しか。だがその姿を鮮明に思い出した今は違う。あの時の少女には、今のルナの面影が色濃くあったのだ。
「――はは……、そうか……。ボクが探していた少女は、ルナだったんだね……」
まさかこんなに近くに、探していた女の子がいたとは。思わず笑ってしまう。
あの時彼女が助けてくれたから、今の透がいるのだ。治療するだけでなく、新堂家に預けて居場所まで作ってくれた。どれだけ感謝しても足りないほどであり、ずっと恩返ししたいと思っていた相手。それこそルナ・サージェンフォードだったのだ。
「――透……、もしかして思い出したのですか?」
透の確信の突いた言葉に、ルナは目を大きく見開き戸惑いながらたずねてくる。
この反応。やはり透の答えは当たっていたようだ。
「ルナたちも無事だったんだね」
だがその感動の再開は、すぐにおわってしまう。
声の方に視線を移すと、風に乗ってゆっくり降りてくる二人の男女。
「――カノン……」
「――レイジくん……」
なんと久遠レイジとカノン・アルスレインが、再び透たちの前に立ちはだかったのだ。
「お願い! 手を伸ばして!」
「ッ!? カノン!?」
レイジは差し出されたカノンの手を、つかもうとする。
現在レイジと同じく落下中のカノンだが、彼女はルナのように風に乗ることができる。なのでカノンの手をつかめさえすれば助かるはず。
だがつかもうと伸ばした手が、ふと止まってしまった。
(――黒い炎……)
自分の伸ばした手に視線を移すと、まだかすかに黒い炎の残り火が宿っていたのだ。
(――こんなオレに、カノンの手をつかむ資格なんて……)
彼女の手は穢れのない希望に満ちた手。しかしレイジはそれとは真逆。闘争に染まり破壊しかとりえのない手だ。その事実はもはやアーネストや透との戦いで、嫌ほど思い知らされている。そんなどうしようもない手が、カノンの手をつかんでいいのか。ふとそんな想いがよぎり、ためらってしまったのである。
(――ああ、そうだ。変わり果てたオレじゃ、もう昔のように彼女の手をとれはしない)
今だレイジの胸には、果てのない闘争の炎が燃え盛っているのだ。なのでまだ透と戦っていた時の状態のまま。守る剣を捨て、破壊の剣に取りつかれてしまった久遠レイジ。そこにカノンが知っている久遠レイジは存在しない。
(――ははは……、こんな狂い狂った姿、カノンだけには見せたくなかったのにな……)
心の中で自嘲の笑みを浮かべるしかない。
そして伸ばそうとしていた手を戻し、目をつぶった。これでいいのだ。彼女の騎士になれなかった自分に、お似合いの末路。これ以上夢をみるわけにはいかないのだから。
あきらめた瞬間、力が一気に抜けていく。疲れていたため、意識も途切れていって。
「っ!?」
だが突然、宙をさまよっていたレイジの手に、あふれんばかりのぬくもりが。そして下から大気が押し寄せてきて、気付けば落下が止まっていた。
ハッとなって目を開けると、カノンがレイジの手をつかんでいる姿が。
「大丈夫。怖がらなくていんだよ……」
カノンは優しくほほえみ、さとしてくる。そして万感の思いを込めて、レイジに告げた。
「レージくんがどんな姿になろうとも、私は離れたりなんかしない。キミの手をこうやってとり続けるから……」
「――カノン……」
その天使のような慈愛に満ちたほほえみが、レイジの傷ついた心を次々に癒していく。
気付けばレイジの胸の中の果てしない闘争の炎に、あたたかい光が差し込んでいた。
「本当にいいのか? こんなオレで……」
「もう、当たり前のこと聞かないでくれるかな。レージくんは、レージくんでしょ? 私の幼馴染であり、かけがえのない大切な人。それ以外になにかあるのかな?」
レイジの問いに、カノンは一切の迷いなく答え得意げにウィンクしてくる。
「――それはそうだけど……」
「だから行こう! レージくん! 二人で一緒に!」
そして彼女はとびっきりの笑顔で、レイジの不安を吹き飛ばしてきた。
(――ははは、こんなの拒めるはずないじゃないか……。彼女が受け入れてくれるのならオレは……)
もはや反則だと、心の中で笑わずにはいられない。
この展開は今のレイジにとって、心の底から望むもの。もはやあまりに都合が良すぎるため、夢といっても過言ではないほどだ。なので許されるのなら、受け入れる以外の選択肢はなかった。カノンと一緒にいられるという未来を。
「――ああ、そうだな。二人で一緒に……」
そんなカノンに、レイジも笑顔で応えるのであった。
「――大丈夫ですか!? ――気を確かに持って!」
(――誰かの声が聞こえる……)
朦朧とする意識の中、誰かの声が。
(――ボクは確か、あのビルから落ちて……)
透は状況を飲み込もうとする。
今いるのは湖の浅瀬。誰かに肩を貸してもらい、よろよろと歩いていた。
一人で歩こうと力を入れるが、身体は疲労感と先程の戦闘のダメージで思い通りに動いてくれない。しかも意識はなかなかはっきりせず、気をゆるめればそのまま倒れてしまいそうであった。
「――ふぅ、なんとか岸にたどり着けました。今下ろしますね」
肩を貸してくれていた少女は、透を優しく地面に寝かせる。そして座って、心配そうに透をのぞき込んできた。
(――女の子? あれ? こんなこと前にも一度……)
ぼやける視界に映る少女を見ていると、昔の出来事が脳裏に。
あれは六年前、透と妹の咲が離れ離れになってしまった時のこと。透は橋から川に落ち満身創痍になっているところ、とある少女に助けられたのだ。あの時も岸まで引き上げられ、こうやって心配されていたはず。
(――あっ……)
同じ状況であったおかげなのか、かつての記憶を鮮明に思い出す。
それはあの時助けてくれた少女の姿。助けるため必死だったせいか、全身ずぶ濡れに。それでもかまわずに透を心配してくれていた。
今まではうっすらとしか覚えておらず、顔の輪郭もぼやけていた。しかしここにきてはっきり思い出したのだ。
「透! 透!」
(――誰かが手をにぎって、名前を……)
過去に助けられた少女の姿を思い出していると、名前を呼ばれていることに気付いた。
そして透の手があたたかいぬくもりに包まれる。どうやら手をにぎってくれているらしい。
「――ルナ……」
次第に意識がはっきりしてきて、視界に映る少女が鮮明になっていった。瞳に映るのはルナ・サージェンフォードの姿。
そこでこれまでのことを思い出す。そう、透が湖に落ちる瞬間、ルナが受け止めてくれたのだ。おかげで透は落下ダメージを受けずに済み、そのまま二人は湖の中に。そしてルナが透を担いで岸まで運んでくれたのだろう。
「――助かったよ……、ありがとう……」
「――よかったです……、間に合って……。――あとのことは私にまかせて、透はゆっくり休んでいてください」
ルナは透の手をにぎる手にギュッと力を込め、慈愛に満ちたほほえみを向けてくれる。
「ハッ!?」
その直後、透の脳裏に再びあの時の少女の光景が。
「なにやら事情があるみたいですね。わかりました。私がなんとかしてみせますので、安心してください」
確か六年前助けてくれた少女もこうやって手をとり、慈愛に満ちたほほえみを向けてくれていたはず。
そしてルナの姿と六年前の助けてくれた少女の姿が、完全に一致したのだ。
(ルナがあの時の、女の子?)
これまで助けてくれた少女の顔は、あいまいにしか覚えていなかった。そのためルナを見ても、似てるかもしれないといった感想しか。だがその姿を鮮明に思い出した今は違う。あの時の少女には、今のルナの面影が色濃くあったのだ。
「――はは……、そうか……。ボクが探していた少女は、ルナだったんだね……」
まさかこんなに近くに、探していた女の子がいたとは。思わず笑ってしまう。
あの時彼女が助けてくれたから、今の透がいるのだ。治療するだけでなく、新堂家に預けて居場所まで作ってくれた。どれだけ感謝しても足りないほどであり、ずっと恩返ししたいと思っていた相手。それこそルナ・サージェンフォードだったのだ。
「――透……、もしかして思い出したのですか?」
透の確信の突いた言葉に、ルナは目を大きく見開き戸惑いながらたずねてくる。
この反応。やはり透の答えは当たっていたようだ。
「ルナたちも無事だったんだね」
だがその感動の再開は、すぐにおわってしまう。
声の方に視線を移すと、風に乗ってゆっくり降りてくる二人の男女。
「――カノン……」
「――レイジくん……」
なんと久遠レイジとカノン・アルスレインが、再び透たちの前に立ちはだかったのだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
セーラー服美人女子高生 ライバル同士の一騎討ち
ヒロワークス
ライト文芸
女子高の2年生まで校内一の美女でスポーツも万能だった立花美帆。しかし、3年生になってすぐ、同じ学年に、美帆と並ぶほどの美女でスポーツも万能な逢沢真凛が転校してきた。
クラスは、隣りだったが、春のスポーツ大会と夏の水泳大会でライバル関係が芽生える。
それに加えて、美帆と真凛は、隣りの男子校の俊介に恋をし、どちらが俊介と付き合えるかを競う恋敵でもあった。
そして、秋の体育祭では、美帆と真凛が走り高跳びや100メートル走、騎馬戦で対決!
その結果、放課後の体育館で一騎討ちをすることに。
罰ゲームから始まった、五人のヒロインと僕の隣の物語
ノン・タロー
恋愛
高校2年の夏……友達同士で行った小テストの点を競う勝負に負けた僕、御堂 彼方(みどう かなた)は、罰ゲームとしてクラスで人気のある女子・風原 亜希(かざはら あき)に告白する。
だが亜希は、彼方が特に好みでもなく、それをあっさりと振る。
それで終わるはずだった――なのに。
ひょんな事情で、彼方は亜希と共に"同居”することに。
さらに新しく出来た、甘えん坊な義妹・由奈(ゆな)。
そして教室では静かに恋を仕掛けてくる寡黙なクラス委員長の柊 澪(ひいらぎ みお)、特に接点の無かった早乙女 瀬玲奈(さおとめ せれな)、おまけに生徒会長の如月(きさらぎ)先輩まで現れて、彼方の周囲は急速に騒がしくなっていく。
由奈は「お兄ちゃん!」と懐き、澪は「一緒に帰らない……?」と静かに距離を詰める。
一方の瀬玲奈は友達感覚で、如月先輩は不器用ながらも接してくる。
そんな中、亜希は「別に好きじゃないし」と言いながら、彼方が誰かと仲良くするたびに心がざわついていく。
罰ゲームから始まった関係は、日常の中で少しずつ形を変えていく。
ツンデレな同居人、甘えたがりな義妹、寡黙な同クラ女子、恋愛に不器用な生徒会長、ギャル気質な同クラ女子……。
そして、無自覚に優しい彼方が、彼女たちの心を少しずつほどいていく。
これは、恋と居場所と感情の距離をめぐる、ちょっと不器用で、でも確かな青春の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる