女性ファースト

七星北斗

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十一 帝国の闇

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 眩しい日差しから逃れるために、カーテンを閉めると。鹿島は恐る恐るといった表情で、煌羅に問いかけた。

「それで、お姉様の秘密とは?」

「そうだね。とりあえず、ここだとあれだから場所を移しましょう」

「はい?わかりました?」

 お姉様の秘密ってなんだろう?鹿島は困惑しながらも、煌羅の後について行くことにした。煌羅は読んでいた本を片付け、鹿島と共に近くのカラオケボックスに行くことにした。

「よし、後をつけてくる人はいないみたいだね。アクセス履歴は消したし、たぶん?大丈夫なはず」

「お姉様、何の話ですか?」

 ナニやら大きなトラブルに巻き込まれてしまうのではと、鹿島は不安になった。

「こっちの話」

「そうですか…?」

 煌羅は鹿島を気にした様子もなく、タクシーを呼ぶと、鹿島を先に座らせた。そして、煌羅もタクシーに乗り込むと、現在地の千代田区から渋谷に移動することにした。煌羅はドライバーに行き先を伝え、ドライバーは頷くと車を発車させた。何故なのか?移動中は驚くことに車内は静寂で、煌羅はスマホゲームに集中している。

「お姉様?何か喋りませんか?」

 鹿島は、気まずさを回避するために話を切り出す。

「ごめん、今はちょっと待って!大事なところだから」

「あっ?はい」

 煌羅は有無を言わさぬ迫力で、鹿島は気圧された。お姉様ってスマホゲーするんだ…。そして、鹿島が待つこと数分。やっとお姉様は、お目当てのイベントキャラを入手したようで、満足そうにうむうむとスマホをケースに入れた。

「待たせちゃったね。ごめんね。えっと、何の話をする?」

 うーんと鹿島は顎に手を当て考える。こういう時って仕事の話をすれば、できる女性をアピールできるのでは?

「そうですね…。次回話し合う、帝国議会の議題についてとかは?」

 煌羅は、露骨に嫌そうな表情をすると呟いた。

「えー……オフの日に仕事の話をしたくない…」

「……」

 もしかして?仕事してない時のお姉様ってダメ人間?お姉様は、内閣の戦乙女(ジャンヌダルク)と呼ばているけど。でもお姉様は、女性から見たら憧れの的である。しかし、お姉様のこんな姿を他の皆には見せられないな…

「んっ?どうかした?」

 煌羅は、訝しそうにジト目で鹿島を見つめる。鹿島は、煌羅から目を逸らしながらごまかす。

「いえ、なにも…」

「そう?ならいいけど」

 私の憧れだったお姉様…サヨウナラ。

「でしたら、お姉様のご趣味は?」

 鹿島は、お見合いの席の会話のようだと思いながらも会話のきっかけを作る。

「趣味はジョギングかな」

「へー、健康的でいいですね」

 鹿島はメモを取る。そして、気づけばタクシーは、目的地に辿り着いたようだ。ドライバーに煌羅はお金を支払い、車外に出る。

「それじゃあ、行こっか」

「はい」

 普通のカラオケ店ですね?こんな場所で何の話をするんだろう?こうして鹿島は、自分が大きな問題に巻き込まれていくことを今は知る由もない。
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