い、異世界だと・・【あるオッサンの普通の転移物語】

オグリギャップ

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第十五話 ダンジョン間引きクエスト⑩

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 2時間程休んだだろうか。完全では無いが少し疲れが取れたので、ボス部屋の中を調べようと言う事になった。
防具を付け、剣を片手に壁伝いにゆっくりと歩いていく。

「そう言えば、名は何と言うのだ?」

「ユウノスケと言います。」

「ユウノスケか・・・ドラゴンから助けてくれたのに、礼を言うのが遅くなってすまない。あの時はありがとう。助かった。」

「いえ、近くに居た強い人を助けたに過ぎませんよ。
俺は荷物持ちで戦う力はありませんからね。」

「そうか。それなら私はツイていたのだな。ここから出れたら報酬は期待していいぞ。何とかここから二人で脱出しよう。」

 レイラ隊長は先頭を壁を触りながら歩いていく。
隊長も不安だろうに、報酬の話なんて持ち出して明るく振る舞っている。
話が途切れると不安になるだろうと思い、俺も話を振ってみる。

「ドラゴンは何でフィールドに居たんでしょうね?」

「私も先程からそれを考えていた。フィールド自体がボス部屋になっていたんしゃないのか?」

「でも今までも15階層の間引きをやっていたんですよね?」

「そうだが・・・奥の方で見えない場所にいたか、寝ていたとかではないか?」

う~ん、どうなんだろ・・・あの赤いドラゴンは30m位はあった。しっかり見ていないが体高もかなりあるだろう。見えない事があるのだろうか?しかもこのボス部屋。ボス部屋の入り口は横幅直径で4m程しかない。元々ドラゴンがこの部屋に居たとしても、デカすぎて出られない。う~ん謎だ。

「ここ、やっぱりボス部屋ですよね?最初はドラゴンも此処に居たんじゃないんですかね。」

「そうなのかもしれん。今となってはわか・・・うわっ!?」

レイラ隊長が壁に吸い込まれた!何だ?どうなってる?慌ててレイラ隊長が吸い込まれた辺りの壁を叩いたり押したりしてみた。
すると忍者屋敷の隠し扉のように、壁がクルリと回って内側に吸い込まれた。

「レイラ隊長大丈夫ですか?」

中は暗くてよく見えない。

「ユウノスケ!私は大丈夫だ。ここは何だ?」

「隠し部屋みたいですね。しかし暗くて何があるか解らないですね・・・」

「私は聖魔法は使えないんだ。ライトの魔法が使えれば確認できるのだが・・・ユウノスケは使えないのか?」

「俺は魔法の適正が無いみたいで・・・なんも使えません。すみません。」

「そうか、仕方ない、火魔法を使うか。すぐ消えてしまうからよく見ておいてくれ。」

「了解です。」

「ファイア!」

一瞬部屋の中が明るくなる。俺の足元に鎧を着た骸骨が見えた。すぐさましゃがみ、手探りで骸骨の鎧を外す。

「??どうした?何かあったか?」

「俺の側に冒険者らしい遺体があったんで、服を脱がせてます。燃やせると思って。」

「そ、そうか、脱がせたら私に渡してくれ。」

 骸骨は結構古いらしく、簡単にバラバラになっていく。
(鎧を外す必要無かったな。)
感触で服らしき物を回収し、レイラ隊長に渡した。

「ファイア!」

 魔法で火を付けるとボロ布が燃え、部屋の中が明るくなり、全体がわかり始めた。
部屋の中は何も無かった。10帖位の広さで、バラバラの骸骨と装備品しかない。俺は使えるか解らない骸骨の側にあった剣と、ズタ袋をリュックに詰めた。

「ユウノスケ、ここに魔法陣がある。」

レイラ隊長は部屋の中央で四つん這いになり、魔法陣から土埃を払っている。

「何の魔法陣ですかね?」

「こんな所にあるんだ、転移の魔法陣じゃないか?」

ほほーう、脱出出来るかも知れないと?
じゃあ、あの骸骨は何?
魔法陣があっても使えなきゃ意味が無い。

「その魔法陣は使えそうですか?」

「判らん。どうなるか解らないが、魔力を込めてみる。」

レイラ隊長が魔力を込めるとほんの少し紫色に光った。

「クッ、使えそうだが、私の魔力ではどうにもならん。」

(オイオイ、転移の魔法陣だと信じきっているみたいだが、召喚の魔法陣だったらどうすんのよ!)

とは思ったが、ここにじっとしていても死ぬだけだ。俺も隊長の考えに乗る事にした。

「レイラ隊長、魔力を込めるってどうしたらいいんですかね?」

「ん?ユウノスケはさっき魔法は適正が無いって言ってなかったか?」

「あー、俺、魔法は使えませんが、魔力はスゲー
あるらしいんですよ。魔眼持ちのパーティーメンバーに言われた事がありまして。」

「そうなのか!それならやってみる価値はあるな!こっちへ来い。」

レイラ隊長の側に行くと、俺の胸から腕、腕から指先を優しく触り始めた。

「血の流れと同じた。心臓から指先へと血を流すかんじだ。」

 わ、分からん・・・・でも隊長の指先が気持ちいい~
胸あての上からだが、乳首コリコリされてる様で凄くいい!
あ、いかん!息子の方に血流が回ってしまった!

「どうだ?感じるか?魔力の流れを感じるか?」

 違う意味で感じております。ありがとうございます。
取り合えず言われた通りやってみたが無理だった。何回かチャレンジしてみたが、出来なかった。
 焦りで全身から汗がブァーと吹き出したその時、魔法陣が紫色に輝いた。慌ててレイラ隊長を抱きしめると、紫色の輝きは光りを増して俺達を包み込むと浮遊感を感じた。



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