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第128話 街のゴミ掃除
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俺は今領主の屋敷に向かっている。
この街のゴミを掃除して貰おうと思っている。俺も頭に来ているからな。アイツは金と暴力の力で来るなら俺は権力の力を行使してやる!
街のど真ん中の領主の屋敷の門の前に来た。
「領主のロイエンター殿に会いに来た。取り次いで欲しい。俺はユーノスケと言う。」
「はっ!お待ち下さい。取り次いで参ります!」
兵士には通じるんだな。この紋章。門番の1人が屋敷に走って行った。もう1人の門番に兵士を集めて置くように言って兵舎に行かせた。
少しして領主と兵士が走って来た。領主は偉いんだから部屋で待ってれば良いのに。
「これはこれは、ユーノスケ殿。本日はどの様なご用件で?」
「ええ、領主様にはこの街のゴミ掃除を手伝って貰おうと思いまして。」
「ゴミ掃除・・・ですか?」
俺はさっきあった事をそのまま伝えた。
すると顔を真っ赤に紅潮させて怒りの表情に変わった。
「許さんぞ!許さんぞ私の街でそんな事は!」
その時丁度兵士20人程が鎧をつけて腰には剣、手には槍を持って兵舎から出てきた。
「皆の者用意はいいか!今からこの街を荒らしているバカ者を捕らえにいく。怪我をさせても良いが殺すな。陛下の前に突き出して恐怖のうちに処刑するのだ!」
はっ!
ロイエンターは兵士に発破をかけてやる事を説明した。それから俺を先頭に不動産屋に向かった。
先程の不動産屋に着くと裏口に兵士を5名置いて、また正面から入っていった。
「いらっし・・・・」
受付のおねーさんが固まった。兵士の1人がおねーさんを捕まえた。兵士が奥と2階に別れて残りのヤツを縛り上げて戻って来た。その中にはあのデブもいる。
「わしに、わしにこんな事していいと思ってるのか!後でどうなるか分かってるのか!」
「どうもならんよ!お前はやり過ぎた。陛下の前で申し開きをしてみよ!」
領主のロイエンターの顔をみてギョッとして、更に陛下と言われて震え出した。
「すまんな、俺は陛下と友達なんだ。お前は陛下に何を言うんだろうな?何を言っても伝わらないだろうがな。」
俺の言葉にデブはさらにガタガタと震えだし、顔面蒼白になっていった。
「引っ立てろ!」
はっ!
「手の空いてる者は証拠品、書類を全て持ち運べ!」
はっ!
ロイエンターが仕切り、事務職がカラになりそうな勢いで証拠品を集めていた。
「ユーノスケ殿、街のゴミ掃除終わりましたぞ。後は任せて貰えますか?」
「はい、宜しくお願いします・・・・あのですね、この建物はどうなりますか?」
「そうですね・・・競売に掛けられて街の資金になると思いますが?」
「そうですか・・・・それは残念。」
「は?ユーノスケ殿何かに使われますか?それでしたら何もせずに残しますが。」
「それは悪いですよ。競売に掛けて下さい。ただ、この不動産屋が所有している空き家があれば1つ譲って欲しいのですが・・・・」
「そんな事はお安いご用ですよ。すぐに調べさせます。」
俺はロイエンターにお礼を言って宿屋に戻った。もうそろそろ夜の営業の時間になるからな。
馬車でまた着替えて、店に行くと皆忙しそうに開店準備をしていた。マロンとパインもしっかり働いていた。
「皆遅くなってすまんな。準備は終わりそうか?」
「ユーノスケ様!大丈夫ですよ、レイラさんやハルカさんも居ますし、何よりマロンとパインが頑張ってますから。」
マロンとパインを見るとテーブルを拭いていた。怪我は・・・無くなってるな。ポーションを使ったんだろう。服は作業着で買ったオーバーオールを折り曲げて着ていた。
うんうん、自分達の服を貸し与えるなんて良い仲間意識が芽生えてたな。マロンとパインも皆の期待に答えようと一生懸命に働いている。
リンとユリアも責任者らしくなってきたし、今日はマロン達のサポートだけしてようかな。
その日の夜の営業も忙しかったが、洗い物をしっかりと2人でこなしていた。
営業が終わり、2人を送る帰り道もう借金取りは来ない事を伝えた。
2人は本当なのかと何回も聞いてきたが、借金取りが捕まったと聞くと素直に喜んでいた。
次の日の朝ゆっくりと朝食を皆で食べていると1人の兵士が空き家に案内すると言って現れた。
俺は朝食を中断して兵士に付いて空き家を見に行った。
空き家は北の住宅地にあり、大通に面した大きな家だった。これじゃ無いんだよな。兵士に他に無いか聞いてみると、紙を取り出して後はこんな物件しかありませんと俺に見せた。あるじゃん!良いのが!
気に入った1つの物件に案内して貰うと古ぼけた家がぽつんとそこにあった。中を見たいと言うとカギを出して開けてくれた。中は古い事は古いが、傷んでいるって事は無かった。あと10年は使えるな。部屋も4つあるし、風呂もある。それに庭もあるから言う事がない。
「これにするよ!」
「えっ?こんな古い物件でいいんですか?」
「ああ、これがいいんだ。」
俺はカギと権利書を貰い、宿屋に戻った。
戻った俺は馬車から金貨2枚だけ取り出して家具屋に行った。
「いらっしゃいませ。おやあなた様はこの間の・・・」
「ああ、また買いに来たよ。安くしてくれよ?」
「ハハハ、敵いませんな。いいでしょう、少しは値引きしますよ。」
「それじゃ、またベッドを3つと布団をセットで3つ貰うよ。前と同じヤツでいい。それと食事が出来る様なテーブルと椅子3脚もな。これを全部で金貨2枚にしてくれ。」
「ちょ、ちょと待って下さいよ!いくらなんでもそれは・・・・テーブルとか椅子は高いんですよ。」
「傷物とか引き取ってきた中古品とか無いのか?」
「・・・中古品?あ、そう言えば昨日運び込まれてましたね。あれなら・・・・」
多分不動産屋のヤツだな。
家具屋はテーブルと椅子を持ってきた。
「これはバラ売り出来ませんのでセットで引き取ってくれるなら全部で金貨2枚でいいですよ。」
ローテーブルとソファのセットだった。かなり使い古された物だが、元は高級品と分かる。
「これでいいよ。全部今から運んでくれるか?」
「はい、大丈夫ですよ。オーイ!2人共手伝ってくれ!」
息子だろうか、2人の男が馬車に次々と積んでいく。
俺は金貨2枚を払って馬車の荷台に乗り込んだ。
あの古い家に着くと息子達がどんどん運び入れてくれる。それならとベッドの組み立ても頼んでみると黙って組み立ててくれた。
「ありがとう、助かったよ、これでおやつでも買ってくれ。」
銀貨1枚を渡すと喜んで帰って行った。アイツらいつくなんだ?結構若いのか?18歳位には見えたんだけどな。
俺は家に入ってベッドに布団を敷いて、テーブルとソファを一番広い部屋にセットした。
良し、これで生活出来る空間になったな。
あ、しまった、ランプを買って無かった・・・・明日でいいか。
もう昼近くになってるだろう。早く店に行かないと。
店に行くともう営業が始まっていた。
「すまん!遅れた!」
「ユーノスケ様大丈夫ですよ。見て下さい。マロンとパインが洗い物だけじゃなくて配膳もやってるんですよ!」
「ほう、もう覚えたのか。ちゃんとお金も受け取ってるか?」
「勿論です。1回づつお金は私かリンに渡すように言ってますから。」
中々やるな、ユリア。それなら間違っても分かるな。リンもユリアも10日以上やってるから余裕が出て来たな。
今日は店の外から見てる事にした。レイラとハルカも出来るだけ手伝わない様にしている。
もう少しで俺達が居なくなっても大丈夫になりそうだな。後は仕入れを何とかする事が出来たら言う事か無いな。
昼の営業はほぼ4人だけで回せたと思う。たまにレイラとハルカが手伝っていたけど。
片付けが終わった所で皆を集めて話した。
「皆ご苦労様。明日は1日休みにしようと思う。夜の営業が終わったらゆっくり休んでくれ。」
「「えっ?」」
「リンとユリアは頑張っている。素晴らしい事だ。しかし頑張り過ぎると体にガタがくるんだ。最初は分からないんだ。気が張ってる時は少し位無理をしても体がおかしくなってるのに全然気付かない。でも限界を超えると一気に押し寄せてくる。つまり、倒れてしまうんだ。そうならない内に休むって事だ。」
「なるほど・・・ご主人様の説明は分かり易いです。」
「良かった・・・私達の仕事が認められて・・・」
「心配してくれてありがとうございます!」
「マロンとパインは明日俺に付き合って貰うぞ。」
「うん!」
「はい!」
夜の営業も問題無くこなして終わった。4人共自分のやる事をしっかりとこなしていた。
「片付け終わったか?それじゃ明後日の朝まで休みだ!皆好きな事して過ごしてくれ。」
「「はい!」」
次の日の朝はいつもより1時間程遅く起きた。休みだからな。のんびりと朝食を食べてまず大工の親方の所に行った。
「親方いますかー?」
「あー、旦那なら仕事だよ。何か用かい?」
奥さんが出て来た。奥さんに渡して置くか。
「この前仕事をしてもらってお金をまだ払って無かったから持って来ました。」
「ああ、ありがとね。何処の仕事だい?」
儲かってんな。何か帳面をペラペラめくって何処の仕事か調べてる。
「店に風呂場を作って貰った件のヤツです。」
「ああ、これだね、金貨3枚だね。やけに安いね・・・」
ハハハ、親方が勝手に安くしたなんて言えない。
俺は金貨3枚を奥さんに渡した。
「はい、毎度。また何かあったら宜しくね。」
奥さんに会釈してその場を離れた。余分な事言ったら親方が危ないからな。
それから魔道具店でランプを4つ買った。その足であの古い1軒家に行って各部屋に1個づつ置いた。
その後はマロンの家にいく。引っ越しして貰う為だ。
コンコン ガチャ
いきなりかよ。扉が開いた。
「ユーノスケさんおはようございます!」
「ああ、おはよう。」
「ユーノスケさん入って!」
中に招待された。中には前より顔色が良くなったカリンがいた。この母親は病気じゃ無いと思ってるんだ。多分、栄養失調だ。子供に食わせて自分は我慢してたんだろう。
「今日来たのはな、皆で散歩する為だ。お母さんも運動しないとどんどん弱っていくからな。」
「散歩?何処に?」
「内緒だ。さあ、皆で行くぞ。」
3人を強引に連れ出した。のんびりと歩き出したのたが、カリンがフラフラしている。まあ、すぐそばだから頑張って歩いて貰おう。10分後、あの1軒家の前に着いた。
「お前達この家知ってるか?」
「うん、知ってるよ。おじいさんが住んでたけど亡くなってずっと空き家だよ。」
ほ、ほう・・・そうなんだ、知らなかった・・・
「実はな、ここは少し前から俺の家になってるんだ。この家をお前達に貸してやろう。勿論無料だ。その代わり、仕事を頑張る事を約束してもらうぞ?」
「本当?ユーノスケさん!」
「ユーノスケさん!約束する!」
「・・・・・・あ、あの、本当にいいんですか?」
「ああ、本当だ。ホラ家のカギだ。家を見て来るといい。」
マロンとパインは母親の手を引っ張って家に走って行った。カギで扉を開けて中に入るとわーわー叫んでいる。喜んでくれたのなら良かった。
マロンが走って来た。
「ユ、ユーノスケさん!中にあるもの使っていいの?」
「ああ、全部好きに使え。お前達の物にしていいぞ。」
「ほ、ほんとにーーー!ありがとう!!!」
叫んでまた家に入って行った。俺も家の中に入って様子を見てみた。パインは新しいフカフカの布団が嬉しくてベッドに寝転がっていた。カリンは涙を流して立ち尽くしていた。マロンはソファに座ってニヤけていた。
「はい、集合!今から引っ越しするぞ!荷物は少ないと思うが、欲しい物は取りに行くぞ。」
「「はーい!」」
「はい。」
持って来る物と言っても服と食器位のもんだろ。あの家には何も無かったからなあ。
思った通り引っ越し荷物はほんの少しで1時間で引っ越しが終わった。
その後はマロンとパインを連れて買い物に行った。鍋とフライパンと包丁を買って、市場に行き食材を買った。2人はずっと嬉しそうに荷物持って付いてくる。
家に戻ると台所に行き、料理の準備をする。マロンに水を汲んできて貰い、野菜を洗って皮を剥いてザク切りにする。買ってきた肉を1口大にしてフライパンで炒める。あとは塩胡椒で味付けして出来上がり。簡単な野菜炒めだ。あの母親には一番いい薬の代わりになるはずだ。栄養が足りないだけだから、色んな栄養素を取れば絶対良くなる。
「カリン、沢山食べて早く良くなれ。それで店に働きに来い。いいな?」
「はい。」
3人の食事を作って俺は宿屋に戻った。
家族の団欒は邪魔しちゃ悪いからな。
この街のゴミを掃除して貰おうと思っている。俺も頭に来ているからな。アイツは金と暴力の力で来るなら俺は権力の力を行使してやる!
街のど真ん中の領主の屋敷の門の前に来た。
「領主のロイエンター殿に会いに来た。取り次いで欲しい。俺はユーノスケと言う。」
「はっ!お待ち下さい。取り次いで参ります!」
兵士には通じるんだな。この紋章。門番の1人が屋敷に走って行った。もう1人の門番に兵士を集めて置くように言って兵舎に行かせた。
少しして領主と兵士が走って来た。領主は偉いんだから部屋で待ってれば良いのに。
「これはこれは、ユーノスケ殿。本日はどの様なご用件で?」
「ええ、領主様にはこの街のゴミ掃除を手伝って貰おうと思いまして。」
「ゴミ掃除・・・ですか?」
俺はさっきあった事をそのまま伝えた。
すると顔を真っ赤に紅潮させて怒りの表情に変わった。
「許さんぞ!許さんぞ私の街でそんな事は!」
その時丁度兵士20人程が鎧をつけて腰には剣、手には槍を持って兵舎から出てきた。
「皆の者用意はいいか!今からこの街を荒らしているバカ者を捕らえにいく。怪我をさせても良いが殺すな。陛下の前に突き出して恐怖のうちに処刑するのだ!」
はっ!
ロイエンターは兵士に発破をかけてやる事を説明した。それから俺を先頭に不動産屋に向かった。
先程の不動産屋に着くと裏口に兵士を5名置いて、また正面から入っていった。
「いらっし・・・・」
受付のおねーさんが固まった。兵士の1人がおねーさんを捕まえた。兵士が奥と2階に別れて残りのヤツを縛り上げて戻って来た。その中にはあのデブもいる。
「わしに、わしにこんな事していいと思ってるのか!後でどうなるか分かってるのか!」
「どうもならんよ!お前はやり過ぎた。陛下の前で申し開きをしてみよ!」
領主のロイエンターの顔をみてギョッとして、更に陛下と言われて震え出した。
「すまんな、俺は陛下と友達なんだ。お前は陛下に何を言うんだろうな?何を言っても伝わらないだろうがな。」
俺の言葉にデブはさらにガタガタと震えだし、顔面蒼白になっていった。
「引っ立てろ!」
はっ!
「手の空いてる者は証拠品、書類を全て持ち運べ!」
はっ!
ロイエンターが仕切り、事務職がカラになりそうな勢いで証拠品を集めていた。
「ユーノスケ殿、街のゴミ掃除終わりましたぞ。後は任せて貰えますか?」
「はい、宜しくお願いします・・・・あのですね、この建物はどうなりますか?」
「そうですね・・・競売に掛けられて街の資金になると思いますが?」
「そうですか・・・・それは残念。」
「は?ユーノスケ殿何かに使われますか?それでしたら何もせずに残しますが。」
「それは悪いですよ。競売に掛けて下さい。ただ、この不動産屋が所有している空き家があれば1つ譲って欲しいのですが・・・・」
「そんな事はお安いご用ですよ。すぐに調べさせます。」
俺はロイエンターにお礼を言って宿屋に戻った。もうそろそろ夜の営業の時間になるからな。
馬車でまた着替えて、店に行くと皆忙しそうに開店準備をしていた。マロンとパインもしっかり働いていた。
「皆遅くなってすまんな。準備は終わりそうか?」
「ユーノスケ様!大丈夫ですよ、レイラさんやハルカさんも居ますし、何よりマロンとパインが頑張ってますから。」
マロンとパインを見るとテーブルを拭いていた。怪我は・・・無くなってるな。ポーションを使ったんだろう。服は作業着で買ったオーバーオールを折り曲げて着ていた。
うんうん、自分達の服を貸し与えるなんて良い仲間意識が芽生えてたな。マロンとパインも皆の期待に答えようと一生懸命に働いている。
リンとユリアも責任者らしくなってきたし、今日はマロン達のサポートだけしてようかな。
その日の夜の営業も忙しかったが、洗い物をしっかりと2人でこなしていた。
営業が終わり、2人を送る帰り道もう借金取りは来ない事を伝えた。
2人は本当なのかと何回も聞いてきたが、借金取りが捕まったと聞くと素直に喜んでいた。
次の日の朝ゆっくりと朝食を皆で食べていると1人の兵士が空き家に案内すると言って現れた。
俺は朝食を中断して兵士に付いて空き家を見に行った。
空き家は北の住宅地にあり、大通に面した大きな家だった。これじゃ無いんだよな。兵士に他に無いか聞いてみると、紙を取り出して後はこんな物件しかありませんと俺に見せた。あるじゃん!良いのが!
気に入った1つの物件に案内して貰うと古ぼけた家がぽつんとそこにあった。中を見たいと言うとカギを出して開けてくれた。中は古い事は古いが、傷んでいるって事は無かった。あと10年は使えるな。部屋も4つあるし、風呂もある。それに庭もあるから言う事がない。
「これにするよ!」
「えっ?こんな古い物件でいいんですか?」
「ああ、これがいいんだ。」
俺はカギと権利書を貰い、宿屋に戻った。
戻った俺は馬車から金貨2枚だけ取り出して家具屋に行った。
「いらっしゃいませ。おやあなた様はこの間の・・・」
「ああ、また買いに来たよ。安くしてくれよ?」
「ハハハ、敵いませんな。いいでしょう、少しは値引きしますよ。」
「それじゃ、またベッドを3つと布団をセットで3つ貰うよ。前と同じヤツでいい。それと食事が出来る様なテーブルと椅子3脚もな。これを全部で金貨2枚にしてくれ。」
「ちょ、ちょと待って下さいよ!いくらなんでもそれは・・・・テーブルとか椅子は高いんですよ。」
「傷物とか引き取ってきた中古品とか無いのか?」
「・・・中古品?あ、そう言えば昨日運び込まれてましたね。あれなら・・・・」
多分不動産屋のヤツだな。
家具屋はテーブルと椅子を持ってきた。
「これはバラ売り出来ませんのでセットで引き取ってくれるなら全部で金貨2枚でいいですよ。」
ローテーブルとソファのセットだった。かなり使い古された物だが、元は高級品と分かる。
「これでいいよ。全部今から運んでくれるか?」
「はい、大丈夫ですよ。オーイ!2人共手伝ってくれ!」
息子だろうか、2人の男が馬車に次々と積んでいく。
俺は金貨2枚を払って馬車の荷台に乗り込んだ。
あの古い家に着くと息子達がどんどん運び入れてくれる。それならとベッドの組み立ても頼んでみると黙って組み立ててくれた。
「ありがとう、助かったよ、これでおやつでも買ってくれ。」
銀貨1枚を渡すと喜んで帰って行った。アイツらいつくなんだ?結構若いのか?18歳位には見えたんだけどな。
俺は家に入ってベッドに布団を敷いて、テーブルとソファを一番広い部屋にセットした。
良し、これで生活出来る空間になったな。
あ、しまった、ランプを買って無かった・・・・明日でいいか。
もう昼近くになってるだろう。早く店に行かないと。
店に行くともう営業が始まっていた。
「すまん!遅れた!」
「ユーノスケ様大丈夫ですよ。見て下さい。マロンとパインが洗い物だけじゃなくて配膳もやってるんですよ!」
「ほう、もう覚えたのか。ちゃんとお金も受け取ってるか?」
「勿論です。1回づつお金は私かリンに渡すように言ってますから。」
中々やるな、ユリア。それなら間違っても分かるな。リンもユリアも10日以上やってるから余裕が出て来たな。
今日は店の外から見てる事にした。レイラとハルカも出来るだけ手伝わない様にしている。
もう少しで俺達が居なくなっても大丈夫になりそうだな。後は仕入れを何とかする事が出来たら言う事か無いな。
昼の営業はほぼ4人だけで回せたと思う。たまにレイラとハルカが手伝っていたけど。
片付けが終わった所で皆を集めて話した。
「皆ご苦労様。明日は1日休みにしようと思う。夜の営業が終わったらゆっくり休んでくれ。」
「「えっ?」」
「リンとユリアは頑張っている。素晴らしい事だ。しかし頑張り過ぎると体にガタがくるんだ。最初は分からないんだ。気が張ってる時は少し位無理をしても体がおかしくなってるのに全然気付かない。でも限界を超えると一気に押し寄せてくる。つまり、倒れてしまうんだ。そうならない内に休むって事だ。」
「なるほど・・・ご主人様の説明は分かり易いです。」
「良かった・・・私達の仕事が認められて・・・」
「心配してくれてありがとうございます!」
「マロンとパインは明日俺に付き合って貰うぞ。」
「うん!」
「はい!」
夜の営業も問題無くこなして終わった。4人共自分のやる事をしっかりとこなしていた。
「片付け終わったか?それじゃ明後日の朝まで休みだ!皆好きな事して過ごしてくれ。」
「「はい!」」
次の日の朝はいつもより1時間程遅く起きた。休みだからな。のんびりと朝食を食べてまず大工の親方の所に行った。
「親方いますかー?」
「あー、旦那なら仕事だよ。何か用かい?」
奥さんが出て来た。奥さんに渡して置くか。
「この前仕事をしてもらってお金をまだ払って無かったから持って来ました。」
「ああ、ありがとね。何処の仕事だい?」
儲かってんな。何か帳面をペラペラめくって何処の仕事か調べてる。
「店に風呂場を作って貰った件のヤツです。」
「ああ、これだね、金貨3枚だね。やけに安いね・・・」
ハハハ、親方が勝手に安くしたなんて言えない。
俺は金貨3枚を奥さんに渡した。
「はい、毎度。また何かあったら宜しくね。」
奥さんに会釈してその場を離れた。余分な事言ったら親方が危ないからな。
それから魔道具店でランプを4つ買った。その足であの古い1軒家に行って各部屋に1個づつ置いた。
その後はマロンの家にいく。引っ越しして貰う為だ。
コンコン ガチャ
いきなりかよ。扉が開いた。
「ユーノスケさんおはようございます!」
「ああ、おはよう。」
「ユーノスケさん入って!」
中に招待された。中には前より顔色が良くなったカリンがいた。この母親は病気じゃ無いと思ってるんだ。多分、栄養失調だ。子供に食わせて自分は我慢してたんだろう。
「今日来たのはな、皆で散歩する為だ。お母さんも運動しないとどんどん弱っていくからな。」
「散歩?何処に?」
「内緒だ。さあ、皆で行くぞ。」
3人を強引に連れ出した。のんびりと歩き出したのたが、カリンがフラフラしている。まあ、すぐそばだから頑張って歩いて貰おう。10分後、あの1軒家の前に着いた。
「お前達この家知ってるか?」
「うん、知ってるよ。おじいさんが住んでたけど亡くなってずっと空き家だよ。」
ほ、ほう・・・そうなんだ、知らなかった・・・
「実はな、ここは少し前から俺の家になってるんだ。この家をお前達に貸してやろう。勿論無料だ。その代わり、仕事を頑張る事を約束してもらうぞ?」
「本当?ユーノスケさん!」
「ユーノスケさん!約束する!」
「・・・・・・あ、あの、本当にいいんですか?」
「ああ、本当だ。ホラ家のカギだ。家を見て来るといい。」
マロンとパインは母親の手を引っ張って家に走って行った。カギで扉を開けて中に入るとわーわー叫んでいる。喜んでくれたのなら良かった。
マロンが走って来た。
「ユ、ユーノスケさん!中にあるもの使っていいの?」
「ああ、全部好きに使え。お前達の物にしていいぞ。」
「ほ、ほんとにーーー!ありがとう!!!」
叫んでまた家に入って行った。俺も家の中に入って様子を見てみた。パインは新しいフカフカの布団が嬉しくてベッドに寝転がっていた。カリンは涙を流して立ち尽くしていた。マロンはソファに座ってニヤけていた。
「はい、集合!今から引っ越しするぞ!荷物は少ないと思うが、欲しい物は取りに行くぞ。」
「「はーい!」」
「はい。」
持って来る物と言っても服と食器位のもんだろ。あの家には何も無かったからなあ。
思った通り引っ越し荷物はほんの少しで1時間で引っ越しが終わった。
その後はマロンとパインを連れて買い物に行った。鍋とフライパンと包丁を買って、市場に行き食材を買った。2人はずっと嬉しそうに荷物持って付いてくる。
家に戻ると台所に行き、料理の準備をする。マロンに水を汲んできて貰い、野菜を洗って皮を剥いてザク切りにする。買ってきた肉を1口大にしてフライパンで炒める。あとは塩胡椒で味付けして出来上がり。簡単な野菜炒めだ。あの母親には一番いい薬の代わりになるはずだ。栄養が足りないだけだから、色んな栄養素を取れば絶対良くなる。
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