119 / 123
第129話 ゼウス・・・お前っヤツは・・・
しおりを挟む
俺は今仕入れをどうするか悩んでいる。
リンとユリアは仕込みで手一杯だからなあ。まだマロンとパインに沢山のカネを持たせるのは不安がある。取引先が週払いにしてくれるか、配達をしてくれるとありがたいんだが・・・
そろそろウチの店が売れてるのは噂になっててもおかしくは無い。それが取引先の耳に入っててくれれば信用取引してくれそうなんだけど・・・・
取引先はパン屋、肉屋、雑貨屋、市場のいつも買ってるオバチャンなんだけど応じてくれるだろうか・・・
俺はまず肉屋に話を持っていってみた。
「こんちわー、店長居る?」
「いらっしゃい、いつもありがとね。今日もいつものでいい?」
「いやー、今日は相談があって来たんだ。」
「相談?」
「あ、うん、もう暫くしたら俺は旅に出るんだ。そうすると店は女の子4人だけになっちゃうんだよ。
仕入れも大変になるから出来たら配達して貰えないかとお願いに来たんだ。」
「・・・・配達ねぇ・・・大丈夫だと思うよ。嫁も居るし。」
「本当か?本当に配達してくれるんだな!」
「あ、ああ、大丈夫だと思う。」
「ありがとう!宜しく頼むよ!」
良かった!一番持ち運びが大変な肉屋が配達してくれるなんてラッキーだ。マロンとパインが30㎏近い肉を毎日背負って運ぶのは無理がある。後、お金の事もあるしな。
市場のオバチャンは1人でやってるから配達は無理だな。雑貨屋は毎日じゃないからな・・・・頼んでも無理だろうな。パン屋はどうだろ?聞いてみるか。
「配達?いいよ、近いし。」
おお!あなたは天使か!助かるよ!これで仕入れは2日に1回市場でトマトとニンニクとタマネギとハーブを買うだけで良くなったぞ!
あ、でも雑貨屋も1週間に1回は行かないといけないよな。油、小麦粉、塩、胡椒か。油と小麦粉は重量級だな。何か考えないと・・・・・
ハッ、あるじゃん!いつも自分達が使ってるのに忘れてたよ。リアカーを使えばいいんだよ。
でもなぁ、マロン達にリアカーは辛いかな?取り回しは凄く楽なんだが、重さが運ぶ人の腕にガツンと来るからな。四輪の手押し車の方がいいかも知れない。前は引っ張るマロン、後ろは押すパインでバランスが取れるんじゃないか?
そう思った俺は家具屋に向かった。
別に大工の親方に頼んでも良かったが、この時間は仕事場に行ってて居ないだろうからね。
「いらっしゃいませ。あれ?またですか?何か問題でもありました?」
「いや、問題は無いよ。今回は注文だ。手押し車を作って欲しい。」
「はあ、やりますけど・・・どの位の物を作りましょうか?」
「そうだな・・・縦1.2m、幅1m、深さ50㎝の物を作って欲しい。それで取っ手の部分は人が入って引っ張れる感じにして欲しい。」
「ふむ、重い物を運ぶんですね。期間はどの位で?」
「2日で頼む。」
「ふ、2日で?やりますけど・・・・」
「じゃ、頼んだぞ。」
家具屋に手押し車を注文して気が楽になった俺は牧場に向かって歩き出した。ゼウスを暫く放ったらかしにしてたからな。あんまり顔を見せないと拗ねるかも知れない。そう思ったから牧場に向かってるんだ。街中を歩いていると、レイラとハルカが買い物していた。
「あっ、ユーノスケ様何処に行くんですか?」
「おっ、買い物か?俺は牧場にゼウスの様子を見に行こうと思ってな。向かう途中だ。」
「ご主人様私達も一緒に行っていいですか?」
「買い物は終わったのか?それなら一緒に行くか!」
南門から出て牧場に向かう。あー、気分が良い!問題が解決して、ゴミゴミした街中から解放された!最高だね!牧場に着くと更に最高な気分になった。卵が孵ったと聞いたからだ。鳥小屋を見に行くとヒヨコよりは大きいが、雛がピーピーと元気に鳴いていた。
「うわーっ、可愛い!このちっちゃいのがあのデカイ鳥になるんですね・・!?」
レイラも何か複雑な様だ。俺にも経験がある。小さい時に会った姪っ子が久々に会ったらヤンキーになってた事があった。あれにはビックリした。
まあ、元気に育って子孫を増やしてくれたらそれでいい。
おっと、俺はゼウスに会いに来たんだったっけ。
牧場の柵の外からゼウスを探した。牧場の中の木の下で休んでいるゼウスがいた。
「オーーイ!ゼウスー!」
ゼウスは顔を向けたが動こうとしない。
あれ?前は俺を見つけたら寄って来たのにな・・・
何かあったのか?病気か?気になった俺は柵をくぐり、ゼウスの元へ駆け寄った。
ゼウスは俺が近くに来るとのっそりと立ち上がった。
あ、あれ?ゼウスってこんな体型だったっけ?明らかに体が大きくなっている。いや、太っている。腹回りなんか妊娠してんじゃないの?って位パンパンに張っている。コイツ、交尾に飽きて食っちゃ寝をずっとしてやがったな。
「レイラーー!ちょっときてくれ!」
「どうしました?ご主人様。」
「コイツを見てどう思う?」
「・・・・・太りましたね。」
「だろ?ちょっと鍛え直さないと旅に使えないよな。すまないがレイラ、スパルタで調教して貰えるか?」
「・・・・分かりました。この腹回りだと鞍がつけられませんね。仕方無い、鞍無しでいくか。ハルカ!手綱と鞭を持ってきて!」
「了解!」
レイラは手綱を付けてやる気の無いゼウスに跨がった。
バシッと鞭が入ると驚いたのかゼウスが尻っ跳ねをするが、太り過ぎてあんまり跳ねて無い。たった10日やそこらでここまで太るなんてどんな生活をしていたのか・・・・
それからレイラはゼウスを落ち着かせ、駆け足をさせる。いきなり走らせないんだな。準備運動って所か。それから駆け足と全速力と交互に何回かやってゼウスが限界で動かなくなったので終了した。
ゼウスはブヒーブヒーと息を荒くしているが、ブタじゃないんだからブヒーは無しだろ!と心の中で突っ込みを入れといた。
普通の馬なら簡単に10~30㎏は簡単に落ちるがユニコーンはどうなんだろ?落ちる事を願って牧場を後にした。
リンとユリアは仕込みで手一杯だからなあ。まだマロンとパインに沢山のカネを持たせるのは不安がある。取引先が週払いにしてくれるか、配達をしてくれるとありがたいんだが・・・
そろそろウチの店が売れてるのは噂になっててもおかしくは無い。それが取引先の耳に入っててくれれば信用取引してくれそうなんだけど・・・・
取引先はパン屋、肉屋、雑貨屋、市場のいつも買ってるオバチャンなんだけど応じてくれるだろうか・・・
俺はまず肉屋に話を持っていってみた。
「こんちわー、店長居る?」
「いらっしゃい、いつもありがとね。今日もいつものでいい?」
「いやー、今日は相談があって来たんだ。」
「相談?」
「あ、うん、もう暫くしたら俺は旅に出るんだ。そうすると店は女の子4人だけになっちゃうんだよ。
仕入れも大変になるから出来たら配達して貰えないかとお願いに来たんだ。」
「・・・・配達ねぇ・・・大丈夫だと思うよ。嫁も居るし。」
「本当か?本当に配達してくれるんだな!」
「あ、ああ、大丈夫だと思う。」
「ありがとう!宜しく頼むよ!」
良かった!一番持ち運びが大変な肉屋が配達してくれるなんてラッキーだ。マロンとパインが30㎏近い肉を毎日背負って運ぶのは無理がある。後、お金の事もあるしな。
市場のオバチャンは1人でやってるから配達は無理だな。雑貨屋は毎日じゃないからな・・・・頼んでも無理だろうな。パン屋はどうだろ?聞いてみるか。
「配達?いいよ、近いし。」
おお!あなたは天使か!助かるよ!これで仕入れは2日に1回市場でトマトとニンニクとタマネギとハーブを買うだけで良くなったぞ!
あ、でも雑貨屋も1週間に1回は行かないといけないよな。油、小麦粉、塩、胡椒か。油と小麦粉は重量級だな。何か考えないと・・・・・
ハッ、あるじゃん!いつも自分達が使ってるのに忘れてたよ。リアカーを使えばいいんだよ。
でもなぁ、マロン達にリアカーは辛いかな?取り回しは凄く楽なんだが、重さが運ぶ人の腕にガツンと来るからな。四輪の手押し車の方がいいかも知れない。前は引っ張るマロン、後ろは押すパインでバランスが取れるんじゃないか?
そう思った俺は家具屋に向かった。
別に大工の親方に頼んでも良かったが、この時間は仕事場に行ってて居ないだろうからね。
「いらっしゃいませ。あれ?またですか?何か問題でもありました?」
「いや、問題は無いよ。今回は注文だ。手押し車を作って欲しい。」
「はあ、やりますけど・・・どの位の物を作りましょうか?」
「そうだな・・・縦1.2m、幅1m、深さ50㎝の物を作って欲しい。それで取っ手の部分は人が入って引っ張れる感じにして欲しい。」
「ふむ、重い物を運ぶんですね。期間はどの位で?」
「2日で頼む。」
「ふ、2日で?やりますけど・・・・」
「じゃ、頼んだぞ。」
家具屋に手押し車を注文して気が楽になった俺は牧場に向かって歩き出した。ゼウスを暫く放ったらかしにしてたからな。あんまり顔を見せないと拗ねるかも知れない。そう思ったから牧場に向かってるんだ。街中を歩いていると、レイラとハルカが買い物していた。
「あっ、ユーノスケ様何処に行くんですか?」
「おっ、買い物か?俺は牧場にゼウスの様子を見に行こうと思ってな。向かう途中だ。」
「ご主人様私達も一緒に行っていいですか?」
「買い物は終わったのか?それなら一緒に行くか!」
南門から出て牧場に向かう。あー、気分が良い!問題が解決して、ゴミゴミした街中から解放された!最高だね!牧場に着くと更に最高な気分になった。卵が孵ったと聞いたからだ。鳥小屋を見に行くとヒヨコよりは大きいが、雛がピーピーと元気に鳴いていた。
「うわーっ、可愛い!このちっちゃいのがあのデカイ鳥になるんですね・・!?」
レイラも何か複雑な様だ。俺にも経験がある。小さい時に会った姪っ子が久々に会ったらヤンキーになってた事があった。あれにはビックリした。
まあ、元気に育って子孫を増やしてくれたらそれでいい。
おっと、俺はゼウスに会いに来たんだったっけ。
牧場の柵の外からゼウスを探した。牧場の中の木の下で休んでいるゼウスがいた。
「オーーイ!ゼウスー!」
ゼウスは顔を向けたが動こうとしない。
あれ?前は俺を見つけたら寄って来たのにな・・・
何かあったのか?病気か?気になった俺は柵をくぐり、ゼウスの元へ駆け寄った。
ゼウスは俺が近くに来るとのっそりと立ち上がった。
あ、あれ?ゼウスってこんな体型だったっけ?明らかに体が大きくなっている。いや、太っている。腹回りなんか妊娠してんじゃないの?って位パンパンに張っている。コイツ、交尾に飽きて食っちゃ寝をずっとしてやがったな。
「レイラーー!ちょっときてくれ!」
「どうしました?ご主人様。」
「コイツを見てどう思う?」
「・・・・・太りましたね。」
「だろ?ちょっと鍛え直さないと旅に使えないよな。すまないがレイラ、スパルタで調教して貰えるか?」
「・・・・分かりました。この腹回りだと鞍がつけられませんね。仕方無い、鞍無しでいくか。ハルカ!手綱と鞭を持ってきて!」
「了解!」
レイラは手綱を付けてやる気の無いゼウスに跨がった。
バシッと鞭が入ると驚いたのかゼウスが尻っ跳ねをするが、太り過ぎてあんまり跳ねて無い。たった10日やそこらでここまで太るなんてどんな生活をしていたのか・・・・
それからレイラはゼウスを落ち着かせ、駆け足をさせる。いきなり走らせないんだな。準備運動って所か。それから駆け足と全速力と交互に何回かやってゼウスが限界で動かなくなったので終了した。
ゼウスはブヒーブヒーと息を荒くしているが、ブタじゃないんだからブヒーは無しだろ!と心の中で突っ込みを入れといた。
普通の馬なら簡単に10~30㎏は簡単に落ちるがユニコーンはどうなんだろ?落ちる事を願って牧場を後にした。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
88
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる