俺を召喚したのは神じゃなくて魔王かよ!

オグリギャップ

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新たな仲間編

57 フェアリン?

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「ハァ、ハァ、やっと見つけました!魔王様!!!」

ゲッ!何を言ってんだコイツは!

「マオウ様?」

ヤバイ!完全に聞かれた!テレポートで逃げるか?

「魔王様!私はあれから1晩じっくり考えました!やはり私が仕える主君は貴方様しか居ないと思い、馳せ参じた次第です。」

またコイツは・・・・片膝ついて挨拶しなくていいから帰れよ!

「あんた・・・・難儀な名前してんだね。マオウなんて。可哀想に・・・・」

おい!女店主!お前も変な勘違いをヤメロ!それで可哀想っていうな!

「ミ、ミリアよ、ここじゃ邪魔になる。外で話そう。」

「はい!」

「ウチは別に構わないよ。」

女店主!黙ろうか。

「いや、失礼するよ。それじゃ・・・・・ミリアいくぞ。」

女店主も絡むとおかしな方向へ話が飛びそうな気がしたので、ミリアを連れて店を出た。
さて、この頭のおかしい娘をどうするかな。人前で魔王、魔王と連呼しやがって。目立たない様にしてた事が水の泡じゃねーか!
後ろを見ると笑顔でミリアが付いてくる。昨日の俺の話を聞いて、どうして俺に仕えるとか言えるんだ?ミリアも俺が魔王と知ってフリーズしてたじゃん。
兎に角話をしない事には始まらない。どこか人目のつかない所に行って言い聞かせないと。丁度細い路地が目に入った。あそこなら人目につかないだろう。ミリアを連れて路地に入った。

「ミリア、昨日の俺の話を理解出来なかったのか?俺は魔王だ。人類の敵だ。その気になれば人間なんぞ簡単に滅ぼせる。そんな存在に仕えると言うのか?」

「はい!魔王様は私を救って下さいました。体も心もです。例え魔王様の気まぐれであっても、救われたのは事実。ならばこの大恩に報いるには、魔王様にお仕えするしかないと私の魂が言うのです。」

何なの?この騎士道バカは。自分に酔っ払っているんじゃねーの?大体俺は、こう言う人種は嫌いなんだよ!全く・・・熱苦しい!それにこう言う連中は、後先考えずに行動するんだよな。そして周りに迷惑を掛ける。なのに自分は正しいなんて思ってるんだから手に終えない。あーヤダヤダ。

「・・・・良かろう。それではお前の人間に対する未練を消し去る為に家族を殺してやろう。」

「ッ!!!!・・・・・・・そ、それは・・・・・・」

これで引き下がるかな?

「どうした?俺に仕えると言う事は、何があっても俺に逆らわず付き従う事だ。お前に迷いがあっては俺の命令に支障が出る可能性がある。それを消し去るだけだぞ。」

「・・・・・・・・・・」

ヨシ!これでもう仕えるなんて言わなくなるだろう。さっさと次の街に行こう。

「フン、自分の発言に責任を持てぬヤツなどいらぬ。消え失せろ!」

「ま、魔王様・・・・」

俺はミリアに背を向け飛び立った。
ヨシ!決まった!俺カッコいい!アニメの主人公の師匠みたいだ!フウ、でもミリアのヤツ、あんなヤツだったのか。ダンジョンではそんな風には見えなかったけどな。まぁ、たった2日間だったし解る訳ないか。折角飛んだし、このまま他の街に行くか?この街にはもう用が無いから。ダンジョンにはあるけど、まだ聖剣が作れて無いからな。

それよりちょっと実験してみたい。鉄とアダマンタイトが融合するのかの。そう思った俺は街の外に出て、人目の無い所に降り立ちアダマンタイトの欠片と鉄を出して実験してみた。ウーム・・・・・ダメだな。アダマンタイトを何とか溶かして、鉄を混ぜて鍛えてみたが、冷えるとバラバラに砕けた。これは強度が違い過ぎて結合しなかったんだろうな。残念。

それじゃあ次の街に行ってみようか。俺は宛もなくフワフワと飛びながら人里を探した。すると小さな森が見えてきた。ここも人間が魔物の狩場にしてるんだろうな。どうせなら魔物を養殖したらいいのに。そうしたら、狩りなんて危ない事しなくてもよくなるだろうに。動物型の魔物なんて偶々魔力を使えた動物が進化しただけだろ?知らんけど。
最近おかしいな。なんか人間側に立って物事を考える様になってる。これはあれだ、ミリアの悪影響が出てるな。俺は魔王だ。この世界の調律者だ。人間だけ優遇なんて事は出来ない。少し人間と距離を置いた方がいいかな?そんな事を考えていたら虫が飛んできた。キラキラと輝く麟粉を振り撒きながら。

「た、助けてよ!仲間が・・・・仲間が殺されちゃう!」

おおう?虫が喋った?良く見ると、背中に蝶の羽根を生やした小人だった。こ、これは!聖戦士ダン○インで出て来たフェアリンか!?

「お願い!助けて!強き者!」

なんか深刻そうだな。折角異世界ぽくなったって思ったのに。台無しだ。まっ、いいだろう。話だけでも聞いてやるか。

「何があったんだ?」

「来て!」

説明もせず付いて来いってか?それだけ切迫してるって事か。取り合えず付いて行ってみるか。行っちゃったし。
どう見ても妖精にしか見えないフェアリンに付いて行くと、人間がフェアリンを追いかけ回していた。
・・・・・また人間か。









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