オッサン守護霊ごと愛して下さい

ナカムラ

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デートしちゃった

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 私は、学校やら、バイトやらで忙しかった。

 私には、友達が1人いる。少ないって?
いいじゃない。大切な友達よ。
私は、地味めで控えめな女の子なんだけど、友達の山田 良子(やまだ りょうこ)ちゃんは、勉強が出来て、やっぱり、真面目かな。
実は、私達、スピ仲間。
良子ちゃんには、麗子さん、っていう守護霊がいて、たぶん私達と同世代なんだけど、名前どおりっていうか、なんか偉そうな感じ。
昼休み中、オッサンと麗子さんは、いつもケンカばかり。
「いつも、麗子は、偉そうなんだよな。」
「だから、オッサン、麗子さんって言いなさいよ!!失礼しちゃう、まったく!!」
「いいや、言わん。麗子は、麗子だ!!」
「もう、頑固なんだから、嫌になっちゃう!」
「そっちだ。頑固なのは!!フンッ!!」
私達は、いつも呆れ顔で、そのやり取りを見てる、いや、見せられてるの。
私は、良子ちゃんに小さな声で言った。はぁ。
「なんか、また、上の方で言い合ってるね。」
「そうだね。おかげで、なっちゃんと私、ほとんど喋れず…。ハハッ。」
 うちの学校は、厳しくて、放課後、掃除をさせられる。
ホウキとチリトリで、まず掃除して、その後、水ぶき。
もう、オッサンが色々、指図してくるー。
「ほら、そこの隅出来てないぞ、なっちゃん。」
「わかったよ、もう。」
渋々ホウキではきはき。
良子ちゃんの守護霊、麗子さんは、逆。
「良子ー。何、真面目にやってるのー。みんな、やってないし。」と、けだるそうな感じで言ってるし、ていうか、この時ばかりは、良子ちゃん羨ましい。
 やっと、学校終わってスマホ使える。
うちの学校って、帰りまで、スマホ使っちゃ駄目なんだよね。
信じられないくらい厳しいんですけどー。
優から、SNSで連絡入ってた。(ていうか、もう、優って呼んじゃってるし。)
帰り、地元の駅着いたら、途中まで一緒に帰ろうって。キャッ!!キャッ!!
 実は、私は、食品工場で3日バイトしてる。
なんか、接客が苦手で人と話さなくてすむ工場でバイトするようにしたの。
 今日は、バイトない日で良かった。
少しの間だけど、楽しもうっと。
駅から、家が近いから、ほんのちょっとだけだけどね。
 あ、優、見つけた。
「なっちゃん、お疲れ、おじさんも。」
だから、オッサンいない程でー。
「よう、優、お疲れ!!元気にしてたか!!」
だから、オッサン話盛り上げないでねー。
私、ガンバレッ!!
「優ってさ、腕にいっぱいアザみたいなのあるよね。何か、短い線みたいな、どしたの?」
あれ、私って、込み入った話しちゃった?マ、マズイ!!
「ああ、僕、ファーストフード店でバイトしてるんだ。普段は、接客してるけど、たまに、忙しい時とか、フライドポテト揚げる時があって、フライドポテトフライヤーで、ミスってヤケドしたりするんだよね。だから、仕事頑張った勲章ってヤツかな。」
す、すてき。なんか尊い。
こんなケガに萌える私、気持ち悪っ!!
「偉いぞ、優、頑張れよ!!」
オ、オッサン…。
「ハイ!!ありがとうございます!」
答えなくていいよー。優。
「もう、バイバイだね、なっちゃん。」
「うん、バイバイ、優。」
これは、オッサンに後から説教だな。貴重な時間をー。

 今日は、食品工場のバイト。
あぁ、やだなー。作業着何枚着るの?って感じだし。手袋も、何枚もしなくちゃいけないの。
 仕事は、イチゴをケーキのクリームの上に乗せるの。
なんか、次々流れてくるから、集中しなくちゃいけないのに…オッサン変なこと、し始めた。
いきなり、腹筋って!!
「なんか、最近、お腹の周りにぜい肉が気になってな。まぁ、気にせず、続けろ。」
そんなこと言われたって、頭の上で、そんなことされたら、気にするって!!なぜ、今!?
仕事終わりに、SNSで彼から通知あり。
ー今日は、お疲れ!僕も今、バイト終わったところだよ。明日は、一日中、一緒だね。駅で待ってる。ー
だって。キャッ!キャッ!!

 次の日、私は、優に「おはよう!!」って、言った。
そしたら、優は、「おはよう、なっちゃん、おじさん!!」って言った。
だから、オッサンに挨拶しなくていいって。
オッサンは、いないことにしてー。泣くー。
でも、いいや。今日は、ずっと彼と一緒だし。
「おはよう!!優、元気でやってたか!!」
やっぱり、オッサン、優に偉そうな感じ。

 まずは、2人?3人?でカフェに入った。
本当は、私は、ファーストフード店でいいんだけど、彼が仕事してるみたいで嫌だって。
2人とも、アイスコーヒー頼んだ。
「あのね、優。この間ね…。」
「優、お前は、ピアノ頑張ってるか?」
ちょっと、オッサン…。
「はい。今度、作曲したものをコンサートで、弾くんです。ぜひ、なっちゃんもおじさんも来て下さい。」
「ハイ!!行きます。行きま…。」
「ところで、優には、絶対音感は、あるのか?」
あぁ、また、オッサンがー。オッサンがー。ウー。
「はい!幼い頃からピアノ習ってたので。でも、時々、邪魔に思うことありますよ。何でも、音階で聞こえちゃうんで…。」
なんか、コンサートあることも、絶対音感あることも、知らなかったし。
「あのさ、好きな音楽家は?好きな曲は?」
オッサン、何か色々、優に聞いてる。
「好きなのは…。」
何か、音楽の話、私には、呪文に聞こえる。
2人は、音楽の話で、大盛り上がり。
私、入れてー。
 私は、あることに気づいちゃった。
周りの人が、なぜか、こちらをジロジロ見てる。
あっ、そうか!!私と優には、守護霊のオッサンがスピだから見えるけど、一般の人には、見えないんだった。
だから、優が私の上を見て、ずっと、喋ってる状態に、私、喋ってないし…。
慌てて、私は、優に言ったの。
「あの、優、周りの人達…見てる。」
彼も、やっと気づいたみたい。
「ああ、そうだね。なっちゃん、ここ、もう、出よう。」
「うん!!」
 私達は、カフェを出たら、テーマパークに向かった。
優が、行きたいって。

 優、電車で一緒に座ってる時、初めて、手を繋いでくれたの。へへッ!!

 テーマパークに着くと、優が、ジェットコースターに乗りたいって。
えー!!ヤダー!!絶対ムリーっ!!
でも、優の頼み、しょうがないなー。
「うん!乗ろう!!」
「オレは、絶対乗らないぞ!!オレは、あんなの見たことない。あんな乗り物乗れるか。」
いいぞ、オッサン!!言っちゃえ!言っちゃえ!
「お願いします。おじさん、実は、このジェットコースターに乗りたくて来ました。お願いです。乗って下さい!!」
「仕方ないなー。優に言われちゃなー。では、乗ってやるぞ!!」
あ、オッサン負けた。オワタ。
いざ、ジェットコースターへ!!
「キャー!!」私は、こんな感じで叫び、
「ガー!!」なぜかオッサンは、こんな叫び。
横に乗った彼氏は、相変わらず、涼しい顔。こんな時までイケメンか!
ジェットコースターから降りると、優がオッサンを指差して、大爆笑してる。
「なんか、おじさんの髪の毛が、たなびいてるのが面白くって。ククッ!!」
私は、珍しく優に怒った。
「オッサンのこと笑わないで。笑っちゃダメ!!」
なぜだか、オッサンのこと笑われて許せなかったんだよね。
「なっちゃん、ごめんね。おじさん、ごめんなさい。」
オッサンは、それほど、気にしてなかったみたい。
「いや、全然構わんよ。」
オッサンは、優のいない所で、こっそり私に言ったの。
「心配してくれた?なっちゃん。」
「うん。まぁ…。」
「ありがとう!!なっちゃん!」
オッサンなんだか嬉しそう。
しばらく、気まずい雰囲気だったけど、次々と、アトラクションに乗るごとに、皆で楽しい雰囲気になってきたよ。
やったね!

 私達の楽しい1日、終わっちゃった。
「バイバイ!!」って言って、別れた。

 私と優は、その後、休みの度に映画館や水族館に行ったの。
「なっちゃん、そろそろ、接吻は…?」
うっさい。オッサン!!

 キスは…まだ、してない。

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