ヴァームウーマン

ナカムラ

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発見

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 何日も、何日も、悲しみにくれ疲れ果てたローズを見てウィリアムの母親は、心配して、どこかで、ゆっくり休養するように勧めた。
 彼女は、ホテルに着くと、また、悲しみが増していき、いずれ悲しみからグレイマンへの憎しみに、変わっていった。
「たとえ、正義のためでも、敵を倒して世界を救ったとしても、私の彼氏ウィリアムの命を奪ったグレイマンを許すことは、できないわ!一体、どうしたら、どうしたら……」
ふと、ホテルの窓から見える川の向こう側の崖から、ピンク色の光が見えた。
まるで、彼女をその光が呼んでいるように、彼女には、思えた。
 彼女は、川辺に着くと、川へ飛び込んだ。彼女は、足をすくわれそうになりながら、向こう側の崖の所まで泳ぎきった。
ピンク色の光の所を、手で必死で掘っていった。
すると、こげ茶の箱が出てきた。
彼女が、その箱を開けると、朱色の戦闘用ボディスーツと銀色の剣と盾が入っていた。
ボディスーツに、彼女の指先が当たっただけで、体にピタッと装着することが出来た。すると、剣と盾は、ボディスーツに吸い込まれた。
ローズは、朱色のボディスーツを着ると長い髪は、金色からオレンジ色になり、瞳の色は、澄んだブルーから復讐の炎を表すように赤くなった。
 川辺に戻ると、ローズは、高らかに声を上げた。
「私は、彼氏ウィリアムをヒーロー、グレイマンに殺された復讐に燃えるダークヒロイン、ヴァームウーマンよ!!」
そういうと、ヒーロー、グレイマンの元へと飛び立っていった。
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