この中で犯人は誰だ(和菓子屋編)

ナカムラ

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和菓子屋編

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 ある日、私、中村善太郎は、舞台を観ていた。
幕間に、私は、御手洗いを済ませ、席に着いた。
しかし、次の幕があかない。
私は、何分か過ぎ「おかしいな。幕があかない。」
腕時計を確認した。「間違いない。もう幕は、あくはずだ。しかも、20分も過ぎている。何かあったのだろうか……」
場内アナウンスが、流れる。
「皆様にお知らせがあります。緊急事態のため、後半の部は、中止とさせて頂きます。大変、申し訳ございませんが、退場をお願い致します。」
舞台に向かって、怒号が数多くの客から、飛ぶ。
「こっちは、金かけてきているんだ。半分、金返せ!!」
「時間もかけているのよ。時間返しなさいよ!!」
私は、そういう客をうるさいと思いながら、舞台裏に向かった。

 舞台裏の入り口には、警備員が立っていた。
私は、その警備員に聞いた。
「あの何かあったのでしょうか?」警備員は、慌てて言った。「ここは、関係者以外立ち入り禁止です。困ります。何もないですよ。」
「えー、でも……」私が言いかけたその時、あの男が現れた。
刑事の福田杉吉だ。
刑事福田は、渋い顔をして言った。
「また、お前か。また、事件を嗅ぎ付けたのか。」
私は、言った。「事件?やはり、何かあったのだな。」
私は、続けて言った。「しかし、警察がくるには、早すぎるな。なんでだ。」
刑事福田は、フッと笑って言った。「それはだな。私も、この舞台を観に来てたんだ。腐れ縁だな。」
私も、フッと笑った。「全くだ。」
私は、刑事福田と一緒に現場に向かった。
8人近くが、泡を吹いて倒れていた。
刑事福田が状況を説明した。
「この8人は、差し入れのおはぎを食べて、次々と、倒れていったそうだ。どうやら、そのおはぎに毒物が、仕込まれていたらしい。あー、近づくなよ。毒物だから危険だと、舞台関係者には、一応、言ってある。」
私は、毒を仕込んだ犯人は、舞台関係者か納入業者に絞った。
舞台関係者の1人が、言った。「この舞台の関係者には、全てアリバイがある。ただ1人を除いては…。」
刑事福田が問い詰めるように、その舞台関係者に訊いた。「誰だ。そいつは……」その舞台関係者は、面倒臭そうに言った。「舞台監督の坂田栄治だ。皆、集まっているのに、前半の演技に納得がいかない。少し、煙草を吸って頭を冷やしてくると、外に、出ていった。」
 刑事福田は、「そいつが怪しいなぁ。」と言って
坂田の元へ向かった。私は、刑事福田の肩を叩いてまぁ、落ち着けよ、という振りをした。
刑事福田は、坂田を問い詰めた。
「お前、皆が集まっていた時、どこにいた。」
坂田は、含み笑いをし、応えた。
「裏口のベンチで煙草を吸っていたよ。疑っているようだが、残念ながら、私には、アリバイがある。差し入れをいつも、持ってきてくれている和菓子屋の娘、吹雪(ふぶき)ちゃんだ。」
私は、割って入って訊いた。「和菓子って、もしかして、あのおはぎの……」坂田は、頷いて言った。「そうだ。あの毒入りのおはぎを納入した業者の和菓子屋の娘だ。」
刑事福田は、言った。「では、その和菓子屋に行って、娘さんにお前のアリバイがあることが、事実か聞いてみよう。」

 私と刑事福田は、その和菓子屋に向かった。
入り口には、『越後屋』という暖簾が掛かっていた。なかなか年季の入った和菓子屋らしい。
刑事福田は、入り口のガラス戸を叩き、「すみませーん!」と、大声で呼んだ。
すると、しばらくして、奥の明かりが点き、若い娘の声で「はーい。」と、返事が、聞こえた。
すぐに、戸が開けられた。
私は、その若い娘に尋ねた。「あなたが吹雪さんかね?」若い娘は、「はい、私は、石川吹雪ですが、何か?」私は、彼女の手にすぐに目がいった。両手に包帯が、指の出た状態で巻かれていた。私が、手に目がいっているのに気付き、吹雪は、頭を掻きながら、恥ずかしそうに言った。「あ、これですか。今日は、早朝から忙しくて、今朝、両手鍋の熱々の取っ手を触ってしまって、やけどをしてしまって…。」刑事福田は、割って入って言った。「そんなことはどうでもいい。君は、舞台監督の坂田に今日、会ったかね?」吹雪は応えた。「はい、配達の帰り際にベンチで煙草を吸っているのを見ましたし、少し話もしましたよ。」
私は、聞いた。「どんな話を……」彼女は、「やはり、監督も私の手を気にしてくれたようで、今のような話のやりとりをしました。」と、言った。
刑事福田は、悔しそうに言った。「あぁ、これで舞台監督坂田のアリバイが消えた。残ったのは、この越後屋の中だけか、犯人の可能性があるのは……」
吹雪は、不思議そうな顔をして、言った。「何です?犯人って……」私は、事の顛末を彼女に話した。彼女は、ショックを受けているようだった。
「私達の大事なお客様達がそんな、しかも、うちの中に犯人がいるなんて……」
すると、騒ぎを聞きつけたのか、中年の男が、姿を現した。「どうした。吹雪、この人達は、誰だ。」
私は、「すみません。言い遅れました。私は、探偵の中村善太郎です。そして、こいつは、刑事の福田杉吉です。」と言った。福田は、ツッコんだ。「こいつって……」その中年の男は、笑って「私は、この店の主で、職人の石川伸喜(のぶき)です。吹雪は、私の娘で、配達などちょこちょこ手伝いをしています。まぁ、こんなところでは、なんなので、中にお入り下さい。」と、言った。私は、中に入ったところで、「今日、早朝から作業をしていた皆さんには、まだ、会えますか?」と、言った。伸喜は、「はい、皆、奥の作業場で、総出で後片付けをしていますよ。」と、応えた。
伸喜は、皆を集めて言った。
「こちらは、探偵の中村さん、そして、こちらは、刑事の福田さんだ。皆に聞きたいことがあるらしい。」
私と、刑事福田は、頭を下げた。
私は、事の顛末を皆に話した。皆、それぞれショックを受けているようだった。「うちのおはぎで、死者が出るなんて。」ある者が、悔しがって言った。
刑事福田は、「まぁまぁ、皆さん、落ち着いて!問題は、この中に、犯人がいるということです。伸喜さん、皆さんを、紹介してくれませんか?」と、言った。
店の主である伸喜は、1人ずつ紹介していった。
「こいつは、一番の古参の私の一番弟子の職人佐々木、続いて、中西、最近入ってきた職人の久保です。そして、こちらの2人の女性は、アルバイトの職人、佐藤と中野です。」
刑事福田は、1人1人威圧的に見回しながら、「では、事情を聞いていきましょうか。容赦しませんよ。」
すると、伸喜は、スッと手を挙げ「犯人は、私です。」と、言った。
刑事福田は、気が抜けたような声をあげた。「へっ?」
伸喜は、ゆっくり語り出した。
「私は、納入業者として、朝早くから、働いていた。なのに、あの舞台の差し入れの責任者は、数を更に増やせ、しかも、もっと安価で取引しようとしたんだ。だから、おはぎのあんこに毒を仕込んだ。」
刑事福田が「お前…。」と言いかけた時、一番弟子の職人佐々木が口を開いた。
「おかしい。、それは、おかしい。旦那が、そんなことを、するはずがない。あんこは、和菓子の職人にとって、一番大事な物だ。そんな大切な物で、誇り高き職人である旦那が、人を殺すなんてあり得ない。」
私は、考えを巡らせた。確かに、動機が薄いな。
「あの……」と私が、皆に言いかけた時だった。
一番の古参佐々木が、新人の久保の胸ぐらを掴んで言った。「今日、そういえば、お前の先輩の中西に、こっぴどく怒られていたよな。店を困らせようとしてたんじゃないか。お前なら、やりかねない。新人だし、あんこのありがたさもわからないもんな。」
中西は、慌てて、間に入った。「確かに、私は、久保を、こっぴどく叱った。でも、同時に、久保には、あんこの大切さを切々と教えてやった。それに、あの後、あいつは、私に深々と頭を下げた。あれは、どうみても反省している様子だった。」
「だから、私が……」と、伸喜が言いかけると、私は、彼の肩をポンッと叩き、皆に話しかけた。
「皆さん、少し休憩しませんか?伸喜さん、私は、あなた達の作った和菓子を、食べてみたい。すみませんが、残っていませんか?」
刑事福田は、首を横に振り、慌てて言った。「とんでもない。毒入りのあんこの和菓子など食べたくない。」
私は、福田の頭を小突いて、「何を失礼な、すみませんね。」と、謝った。すると、娘の吹雪が、「いや、お二人分ちょうど、練りきりが、残っています。」と、嬉しそうに、言った。

私は、「では、皆さん、休憩を……」と、皆に声をかけた。
私は、刑事福田に、こそこそっと耳打ちした。
刑事福田が頷いて、どこかに、携帯をかけると、しばらくして、荷物を、誰かから、預かった。
そして、刑事福田にも、携帯にかかってきて、ひそひそと相手と話していた。
その時、私は、吹雪から、渡された練りきりの説明を受けていた。
「これは、鶴という練りきりです。」
私は、「はぁ。」と、感心しながら言った。
「これは、鶴が頭をうずめて休んでいるところですね。頭の上が朱(あか)く、目を黒い点で表し、黒いクチバシが、ある。これは、食べるのが勿体ないほどの芸術作品ですね。」
吹雪は、「はい、父の練りきりは、天下一品ですから。私は、父が、練りきりを、作る姿が、大好きなんですよ。」と、嬉々として言った。
私は、少しずつ、その練りきりを味わった。
食べ終わると、刑事福田があることを私に耳打ちした。

 しばらくして、私は、皆に呼びかけた。
「さぁ、休憩は、終わりです。早速ですが、伸喜さん、おはぎを最後に握るのは、あなただそうですね。」「はい。」と、伸喜は、言った。
「手袋をしていましたか?」と、私は、伸喜に尋ねた。「はい、差し入れは、多くの人が食べ、時間も少し経ってしまうので、どうしても。手袋をしていました。」
矢継ぎ早に、私は、彼に、言った。
「マスクも?」
伸喜は、一拍置いて
「ええ、マスクもしておりました。」
その時、アルバイトの女性佐藤が声をあげた。
「いいえ、いつもマスクは、してなかったです。なぜ、そんな嘘を…。」
伸喜は、興奮した様子で顔を赤らめて言った。
「マスクをしていたんだ。マスクをしていたんだ…。」
そこにいる皆が不思議そうな顔をして伸喜を見た。
私を除いては…。
「犯人がわかりました。」
そう言うと、私は、1人1人を、じっくりと見つめていった。
「犯人は、あなたですね。吹雪さん。」と、吹雪を指差し言った。
伸喜は、慌てて言った。
「娘がそんなことをするはずがない。だから、私が…。」
吹雪は、観念したように言った。
「なんで、わかったんですか?中村さん。」
「あなたのその包帯です。あなたは、朝にやけどをして巻いている、と言っていた。でも、綺麗すぎて、少しの緩みもない。まるで、私に会う少し前に巻いたような…。あんな忙しさで、緩みも汚れもないことを少し不自然に思ったんです。」
その時、佐々木が口を挟んだ。
「しかし、どこで、毒を……こういっては、なんですが、彼女は、おはぎを作る過程には、一切関わっていなかった。熱々の鍋も、使い終わった鍋を彼女が、洗うくらいで。旦那が、作ったおはぎを私が、最後に詰めて、木箱に入れ、蓋をして、シールで、封をするくらいで、あとは、吹雪さんは、それを風呂敷に包んで持っていくだけですが……」
私は、キラリと目を光らせて、言った。
「そうです。その風呂敷です。ここに、木箱と風呂敷が、あります。まず、風呂敷をここに、広げて置きます。木箱を中央に置いて、対角線上に2つの端被せ、残った対角線上の2つの角、1つの角には、ある特殊な青色の塗料を、もう1つの角には、赤色の塗料を、この2つの角を引っ張って結びます。」
1人誰かが、声をあげた。
「あっ!結び目が、紫になったぞ!!」
私は、笑って言った。
「そうです。それがトリックだったのです。ここに、ツブキという野草と、ブリグサという野草があります。これらの野草は、一本一本では、毒には、ならない。しかし、2つの絞り汁を合わせると、トリカブトの10倍にもなる毒薬となるのです。因みに、福田さんの部下に、彼女のスマートフォンから、検索エンジンの検索履歴から、野草、毒物と調べていることがわかりました。毒は、これでいうと、紫になった部分から出ていきます。木箱には、隙間がある。因みに、その木箱は、三代、代々使用されていたものです。木箱の中には、毒が、発生し、おはぎは、毒物へと変わったのです。彼女は、毒物を入れた木箱と風呂敷をこの奥の裏山に捨てて、毒の付いていない木箱と風呂敷を何食わぬ顔をして戻した。そして、車の中に戻り、新しい包帯を巻いた。」
1人の職人が、声をあげた。
「しかし、毒を運ぶ時、彼女自体が危ないのでは、ないか?」
私は、フッと笑って続けた。
「ですから、朝、彼女は、やけどをしたのです。彼女が、包帯を巻く必要があったから。さっき、福田さんの部下に、確認してもらったことがあったんです。坂田監督に、聞き取りを行いました。彼女と話したのは、手の包帯についてだけでは、なかった。坂田監督は、言ったそうですよ。マスクなんかして、風邪でも、引いたのかねってね。私達には、言ってくれませんでしたね、吹雪さん。マスクは、毒を、吸い込むことを、阻止するためだったのでしょう。」
吹雪は、うつむいて首をコクりと下げた。
私は、更に続けた。
「あと1つ、私達と会った時と違うところが、あった。彼女は、坂田監督によると、指先まで包帯をしていたそうですよ。」
また、1人が、聞いた。
「なぜ、彼女は、そこまで包帯にこだわったんだ。」
私は、その1人をなだめるように、まぁまぁとジャスチャーをし、話を続けた。
「彼女が、本当に隠したかったのは、この手袋です。これは、毒物を通さない手袋です。彼女のスマートフォンから、購入できる店の特定が、出来ました。彼女は、数日前、その店の防犯カメラから、この特殊な手袋を、購入したことが断定出来ました。」
 私は、体をひるがえして、話を続けた。
「さて、ここからは、動機です。最初、私は、伸喜さんが自分が犯人だと言い張ることを不審に感じました。私は、こう考えました。彼には、察しがついていたんではないかと、そして、吹雪さんに思い当たったんです。でも、1つ疑問が、では、吹雪さんの動機は、なんなのかと……
話は、2年前に遡ります。
それは、吹雪さんが、18歳の時、そして、吹雪さんのお母様が、亡くなられた日です。これは、あくまでも、推測ですが、この日、伸喜さんのことを吹雪さんは、ひどく責めたのでは……」
ここまで言うと、吹雪は、その日のことを語り出した。
「私のお母さんは、心臓発作で亡くなったの。医者には、ストレスと疲労だって言われたわ。父と母は、あの舞台の差し入れの納入があるまでは、少しは、忙しかったけど、体を壊すほどでもなかった。でも、お母さんは、その舞台の仕事のせいで日に日にやつれていったわ。私は、お母さんが亡くなった時、怒りが、溢れ出した。それを父にぶつけたの。それでお父さんを責めた。
何であの舞台の仕事引き受けたの。お父さんと、その舞台のせいよ、って。
その後は、我慢して、配達など、お手伝いを続けたわ。
でも、ある日、お父さんが電話先で、揉めてるのを見てしまったの。また、あの舞台の関係者が、相手、お父さんは、頭を下げながら、これ以上、数を増やすのも、安くされるのも、無理だって言ってたわ。
お父さんは、その後、何事もなかったように、私達に、値切られたことも言わずに、黙々と作業を、続けていたわ。私は、舞台の関係者にも、そのことを、また、受け入れた父にも、怒りを覚えた。お母さんのこと、忘れてしまったのってね。」
伸喜は、申し訳なさそうに、語り始めた。
「いや、違うんだ。あの仕事を引き受けたがっていたのは、お母さんなんだよ。吹雪、小さい頃、お母さんと、2人で、よく舞台を観に行ったのを覚えているかい?」
吹雪は、応えた。
「ええ、私が、5歳頃の時、お母さんと、2人でよく舞台を観に行っていたわ。赤いドレスを着た女優さんが美しい声で歌っていたことが、鮮明に思い出されるわ。」
伸喜は、頷いて言った。
「あの舞台を行っていた劇場こそ、今、君が行っている劇場なんだ。お母さんは、その舞台に出ていた小川真理という女優のファンだったんだ。吹雪が覚えている女優さんがその人だ。
私は、舞台の仕事は、これ以上、忙しくなると、体を壊すと反対したんだ。それでも、お母さんは、懇願した。もしかしたら、あの方が、食べてくれるかもしれないって。日に日にやつれていくお母さんを私も心配して、もう、やめようと、言ったのだが、絶対に、お母さんは、首を縦に振らなかった。
お母さんが亡くなった後、もう、舞台への納入は、やめようと、思ったんだ。でも、お母さんが、大好きだった女優さんが食べてくれるならと、納入を続けた。実は、途中から小川真理さんの事務所から、仕事を引き受けるように、なったんだ。だから、お母さんの好きだった人の要望なら、って金銭的にも、体的にも、キツくても、続けようって決めたんだ。ごめんな、吹雪、今まで言わなくて……」
吹雪は、へなへなと、うずくまった。
刑事福田は、その時、申し訳なさそうに、言った。
「実は、被害者の中に、その小川真理さんが…。彼女は、自慢げに言っていたそうです。ここのおはぎ美味しいでしょ。私が、この和菓子屋さんに行ってから、この味のファンなのよって。」
 刑事福田は、吹雪を見つめながら「石川吹雪、あなたを逮捕します。」と、言った。
吹雪は「はい、わかりました。」と言うと、伸喜の方を向き、「ごめんなさい。お父さん。」と、言った。
伸喜は、目を合わせられず、「ウッ!ウッ!」と、嗚咽した。
 吹雪は、連行されていった。

私は、刑事福田に尋ねた。「この和菓子屋は、続けられるのかね?」刑事福田は、答えた。
「大丈夫でしょう。この店の和菓子のファンは、大勢いるでしょうから。」
 私は、言った。
「今回もとんだ事件に、巻き込まれたものです。」
          完
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