ヴァンパイアよ死神から逃げよ

ナカムラ

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ブルーノの死神クライド

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 ジョセフ達は、すぐに、ブルーノに追い付いた。
アリスが言った。
「ブルーノ、最初から私達を騙すつもりで……」
「もちろんだ。ヴァンパイアにやられた元人間が、全て許すと思うのか」
ジョセフは、静かに話し出した。
「確かに、そうだ。だが、残念だ。お前は、ヴァンパイアになるのが、他の人間より速かった。それだけ、お前には、ヴァンパイアとして、秘められた能力があったということだ。良い仲間になれたはずなのにな」
「それは、本当に残念だったな。ノア、お前とまた、勝負がしたい」
ノアは、笑った。
「フッ!! いいだろう。私が相手になってやる!!」

 ノアが短剣を出そうとしたところを、アリスが止めた。
「私、馬鹿だったわ。私が甘かった。また、自分達の懐に敵に入られてしまうとは。トミーのことを思い出したわ。ノア、私が悪いの。ブルーノは、私が倒す!!」
「まぁ、ノアの仲間なら、どいつでも、構わぬ!! かかって来い、アリス!!」

 アリスは、短剣ですぐに、ブルーノの胸に突き刺そうとしたが、ブルーノは、避けて、アリスの首に短剣を向けた。
アリスは、ブルーノの短剣を自分の短剣で、叩き落とし、足で遠くへ蹴った。
「クソーッ!! 仕方ない。女に手を出したくないが、こうなったら、拳で戦ってやる!!」

 その時だった。
「私のことを忘れられては、困るな。私は、お前を消滅させる死神クライドだ。少し前から、見ていた。実に、面白かったぞ。ヴァンパイア ブルーノ。ブルーノ、今度は、私と勝負だ。」
「まぁ、死神のお前がなぜ、私を狙うのかわからんが、構わん。勝負だ!!」

 ブルーノは、短剣を死神クライドに向けた。
しかし、死神クライドのカマの刃がブルーノに当たった。
「ウッ!!」
ブルーノは、呻いた。
ブルーノの肩は、傷ついたが、みるみるうちに傷口は、閉じていった。

 死神クライドは、今度は、ブルーノの首を狙ったが、間にノアが入って、死神クライドに手を翳して、死神クライドを吹き飛ばした。
死神クライドは、家の壁に頭が当たって、意識を失った。
ブルーノは、その間に急いで、その場から逃げ出した。

 ジョセフ達が追おうとしたが、ノアが止めた。
「まぁ、いい。放っておこうでは、ないか」
アリスは、不思議に思った。
「ねぇ、ノア、なぜ、ブルーノを助けたの? あなたは、狙われたのよ」
ジョセフが間に入って言った。
「まぁ、こう見えてノアは、情に厚いんだ。なぁ、ノア」
「さあ、どうかな」
ノアは、不敵な笑みを浮かべた。
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