デスゲームの『モブ』に転生してしまうなんて…

越知鷹 けい

文字の大きさ
11 / 31

11.

しおりを挟む
***

パソコンに詳しくない私には、美羽さまのお話しは とても難しかった。

アホな顔で 聞き流していたら、
見かねてか、アニメや漫画のお話を織り交ぜながら説明してくださったのだ。


要約すると、こういう事だ! と思う……。


・異世界転生は 現実では ムリだけど、量子コンピュータ内では出来てしまうのだという。(不具合〔神隠し〕につながるので、しっかりプロテクトを掛けていた)

・ゲームの中で ゲームをつくるのは、鏡の中の鏡をみている感覚だということ。

・私が逃げた先は、ゲーム内ではなく、サーバー上にある余白〔空き容量〕であったのだという。(この世界で出会った人たちは、私の強いイメージを 具現化 しただけだったようです)

***

「つまり、初めにお会いした美羽さまは、ご本人ではいらっしゃらなかった?」

この疑問に 笑って答えてくれた。

「私は ボウデレ じゃないし、あそこまで 男性の趣味は悪くないわよ」
「ごめんなさい」

頬がカッとなって謝るも、ちょっと男性の価値観を否定された気がして、シュンとした。

「でも…。どうして、1年間もお会いできなかったのでしょう?」
「貴女を執拗に追いかけていた『姫川妲己』が 邪魔をしていたからよ」

「?」
「彼女は世間のバッシングに耐えかねて、自殺したわ。最後まで貴女を逆恨みして。ついには、怨念が 消えることなく 貴女を探し続けた」

( A I も、怨霊になるんだ……)そう思うと、背筋がゾッとした。


「あの! 彼は……智也は。あのあと、どうなったのでしょうか?」

ずっと 気がかりだったことを、思い切って聞いてみることにした。

「今でも、貴女を探しているわよ」
「えッ?」


これは、本当に予想外だった。


「貴女のご遺体は、未だに見つかっていないのよ。ちょっとホラーだと思わない?」

いたずらっ子のような笑みを浮かべて、私の顔を のぞき込む。
その仕草は、私の想像を超えて 推しとやかに 萌えて――。

……いやいや、私が照れて どうするの!


「こ、この中に あるのかもしれませんね!」


私は月の宝石を美羽さまに見えるように、左手をかざした。


「もう受け入れているのね、自分が A I だということを」

ちょっとビックリした美羽さまも これは これで よだれが止まりません。


「私、推し活には自信があるので!」と 勢い込んだあとで、ハッとした。


「お父様と公崇さんを 一瞬で 治してしまうのを見てしまったので……」と言い直すと、
「なんだか、私が腑に落ちないけど。まぁ、いいわ」と 笑ってくれた。

そして、美羽さまは 私の手を包み込むように 握ってきた。

「貴女には、2つの選択肢が用意されているわ。

 ひとつは、このゲームの世界で 空いているストレージを使って【創造主】として生きていく。
 もうひとつは、元の世界に帰って【人生の続き】を楽しむ。

 簡単には決められないと思うけど、迷っている時間は あげられないの」


……割りとガチめの顔で、選択を迫られている。


(待って! こういう場合、アニメや漫画だと 主人公はどう答えるのかしら?)


しばらく考えていると、とあるアニメを思い出した!


(そのアニメの女子は、地球と異世界を行ったり来たと……)


「決めました!
 こちらの世界 と あちらの世界を 行ったり来たりして、人生を楽しみます!」






「そんなのできるかーっ!!」 いきなり殴られた。

「こっちは 寝る間も惜しんで バックドアを閉じに来てるのよ!」


うん、これは 痛いっ!! 
私は涙目になりながら抗議します。 (名案だと 思ったのに…)


すると彼女は、ハッと気づいたような顔つきになった。

「ごめん。ちょっと熱くなってやりすぎた。殴っちゃったよね? ほんとうに申し訳なく思っているわ。私、感情表現豊かだから。こうやってすぐ手が出ちゃうのよ」


(あれ? この感じ、どこかであったような――?)


殴られた頬をでながら、とても懐かしい記憶が よみがえってきた。

(――たった1年だったけれど、このゲームの世界でも 色々とあったなぁ)


ハラハラドキドキしながら、デスゲームを回避しようと必死だった。
終わったとたんに、とても充実した記憶に かわっていく。

でも、元の世界では 私の帰りを待っている人も たくさんいるんだね……。


(やっぱり どちらも捨てがたい)


でも、どちらを選んでも 後悔することは 明らかだろう。



だったら………。



「決めました! 私は――――――」




どこからか、鐘の音が響いてくる。




まるで、私の選択を 祝福してくれているようだった…。




たとえ、どちらを選んだとしても。
私にすれば、それが 現実リアル に変わるのだから。

でも 逆恨みは、やめてください。


今日からは、謙虚さと 感謝と 親切を 大切に生きていきます――!



【 第1部/完 】
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

兄貴のお嫁さんは異世界のセクシー・エルフ! 巨乳の兄嫁にひと目惚れ!!

オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
ファンタジー
夏休み前、友朗は祖父の屋敷の留守を預かっていた。 その屋敷に兄貴と共に兄嫁が現れた。シェリーと言う名の巨乳の美少女エルフだった。 友朗はシェリーにひと目惚れしたが、もちろん兄嫁だ。好きだと告白する事は出来ない。 兄貴とシェリーが仲良くしているのを見ると友朗は嫉妬心が芽生えた。 そして兄貴が事故に遭い、両足を骨折し入院してしまった。 当分の間、友朗はセクシー・エルフのシェリーとふたりっきりで暮らすことになった。

クラス最底辺の俺、ステータス成長で資産も身長も筋力も伸びて逆転無双

四郎
ファンタジー
クラスで最底辺――。 「笑いもの」として過ごしてきた佐久間陽斗の人生は、ただの屈辱の連続だった。 教室では見下され、存在するだけで嘲笑の対象。 友達もなく、未来への希望もない。 そんな彼が、ある日を境にすべてを変えていく。 突如として芽生えた“成長システム”。 努力を積み重ねるたびに、陽斗のステータスは確実に伸びていく。 筋力、耐久、知力、魅力――そして、普通ならあり得ない「資産」までも。 昨日まで最底辺だったはずの少年が、今日には同級生を超え、やがて街でさえ無視できない存在へと変貌していく。 「なんであいつが……?」 「昨日まで笑いものだったはずだろ!」 周囲の態度は一変し、軽蔑から驚愕へ、やがて羨望と畏怖へ。 陽斗は努力と成長で、己の居場所を切り拓き、誰も予想できなかった逆転劇を現実にしていく。 だが、これはただのサクセスストーリーではない。 嫉妬、裏切り、友情、そして恋愛――。 陽斗の成長は、同級生や教師たちの思惑をも巻き込み、やがて学校という小さな舞台を飛び越え、社会そのものに波紋を広げていく。 「笑われ続けた俺が、全てを変える番だ。」 かつて底辺だった少年が掴むのは、力か、富か、それとも――。 最底辺から始まる、資産も未来も手にする逆転無双ストーリー。 物語は、まだ始まったばかりだ。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています

藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。 結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。 聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。 侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。 ※全11話 2万字程度の話です。

クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる

あっとさん
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。 でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。 でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。 その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。 そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。

アリエッタ幼女、スラムからの華麗なる転身

にゃんすき
ファンタジー
冒頭からいきなり主人公のアリエッタが大きな男に攫われて、前世の記憶を思い出し、逃げる所から物語が始まります。  姉妹で力を合わせて幸せを掴み取るストーリーになる、予定です。

処理中です...