47 / 86
47. 彼の秘密
しおりを挟む
翌日の十五時。
アンナは約束通り、貴族街にあるクライトゥール公爵家を訪れていた。
子供の頃に住んでいたラディウス男爵邸もそれなりの邸宅ではあったが、流石公爵邸というだけあってそれよりも遥かに敷地は広く、外観からでも分かるほどの格式の高さに圧倒され、格が違う世界にアンナは門の前で二の足を踏んでいた。
(明らかに、私、場違いよね……)
訪ねる先は庭師のジェフなので公爵家自体に招かれている訳ではないのだが、それでもこの邸宅の豪華さに本当にここに来て良かったのかと不安になった。
アンナは立ちすくみながらも改めて正面からクライトゥール公爵家を眺めると、ふと、古い記憶が脳裏によぎったのだった。
(そう言えば……私、子供の頃に一度だけここに来たことあるわね……)
その昔、公爵が自分の息子と同じ歳の貴族の子供を集めてガーデンパーティーを開催した事があったのだ。
アンナの家は男爵家と爵位は低かったのだが、当時父親の仕事の都合でたまたま王都に滞在していた為、公爵の息子の同じ歳の子という理由だけで、数合わせ的に招待された事があったのを思い出したのだった。
「貴女が、アンナか?」
門の前でアンナが一人戸惑っていると、ガタイが良く凄みのある初老の男性が門の中から話しかけて来た。
その格好や、エヴァンが言っていた只者ではない貫禄という感想から、この人がジェフだと確信した。
「はい。私がアンナです。貴方がジェフさんですね?ルーフェスから貴方を訪ねるように言われました。」
「聞いている。今からあの子のところへ連れて行くが、こっから先は絶対に何も喋るな。黙ってついてこい。」
彼のただならぬ雰囲気に圧倒されると、アンナは黙って頷いて、彼に従ったのだった。
ジェフは門を開けてアンナを庭へ招き入れると直ぐに歩き出したので、アンナは慌ててその後を追い、彼の後ろを言われた通りに黙って付いて歩いた。
途中公爵家の使用人達とすれ違うと、彼らの何人かが物珍しそうな視線を向けてアンナに声をかけてきたのだが、ジェフの言いつけ通り、彼女はそれらを全て黙ってやり過ごした。
そうやってジェフの後を暫く歩いて、アンナが連れて来られた場所は、立派な公爵家の応接室……などではなく、人気のない敷地内の端っこに建てられた、小さな小屋の前だった。
アンナをここまで連れて来ると、ジェフは何も説明なく「ここだ。」と一言だけ言ってその場から立ち去ってしまったので、アンナは何も分からないまま、小屋の前に一人取り残されてしまった。
仕方がないので、アンナはとりあえず小屋の周囲を見渡してみた。
流石公爵家だけあって庭園には四季の花々が綺麗に咲き乱れている。丁寧に手入れが行き届いている素晴らしい庭だと一目で分かるのだが、アンナは何故かその風景に懐かしさを覚えた。
しかし、それが何故なのかは思い出せないので、一旦その事は忘れて、アンナは小屋のドアに向き合うと、慎重にノックをした。
このドアの向こうにはきっと彼が居るのだろう。そう思うと緊張で手に汗が広がった。
コンコン
乾いたノック音が響き渡ると、その音に反応して、中から「どうぞ。」と声がかかったので、アンナは意を決してゆっくりとそのドアを押し開けたのだった。
「来てくれてありがとう、アンナ。」
部屋の中で待っていたのは、想像していた通り、ルーフェスだった。彼はアンナの姿を見ると安堵の表情を浮かべていた。
「ルーフェス、ここは……?」
「ここは、僕の家だよ。」
それはベッドと小さな机と椅子、それから棚が一つあるだけの殺風景な部屋であった。
「エヴァンから聞いた。一昨日、中央広場で僕と良く似た人と会ったんだって?だからあんな変な質問したんだね。」
「そうよ、私は貴方を見かけたし話しもしたわ。」
「でもそれは、僕じゃない。」
「え……?」
ルーフェスの言葉に戸惑って、アンナは思わず聞き返してしまった。
この説明にアンナが困惑するであろう事は想定済みだったので、ルーフェスは冷静に話を続けた。
「と、言っても信じてもらえないだろうと思ったから、だからこうして来てもらったんだよ。ちょっとこっちに来て。」
彼はそう言うと窓の方へ移動して、アンナを手招いた。
不思議に思いながらもアンナも彼に従って窓際へと移動すると、ルーフェスはカーテンを開けて彼女に窓の外を見るように促したのだった。
「アンナ、窓の外を見てみて。ここから本邸が見えるだろう?」
「えぇ。」
言われた通りに窓の外を覗くと、確かに庭の生け垣越しに邸宅の端の方が見えた。
「二階にテラス席があるの……分かる?」
「ん……うん。多分あれよね。」
促されて注意深く見るも、距離が離れているので、二階のバルコニーにテラス席がある事はなんとなく分かったが、そのテーブルセットに座っている人の顔までは判別できなかった。
「ではこれで、そのテラス席を覗いてみてくれないか。」
そう言って、ルーフェスはアンナに望遠鏡を手渡したのだった。
一体何を見せたいのか、何故このような覗きの真似事をさせるのか全く分からなかったが、アンナは言われた通りに素直に従って、望遠鏡を覗き込んだ。
そして、自分の目を疑った。
「嘘……?!」
覗き込んだレンズの先には、ルーフェスと全く同じ顔があったのだ。
そしてよく見るとその隣には先日見かけたリリィと呼ばれた女性が座っていて、二人は華やかにアフタヌーンティーを楽しんでいるようだった。
「僕は……双子なんだ。」
その声にハッとして、ルーフェスの方を振り向くと彼はバツが悪いと言った顔で立っていた。
「信じてもらえた?」
いつもの様に、柔らかく微笑みかけてくれるけれども、その瞳はどこか悲しげに見えた。
「うん……」
アンナは彼の目を見つめ返すと、そう答えるのか精一杯だった。
正直に言って、急に増えた情報に頭の整理が追いつかず混乱していた。ルーフェスが実は双子で、しかも公爵家の人間だったなんて、簡単には受け止められなかった。
けれども、彼のこの告白が、アンナの心を救ったのだった。
あの日アンナを拒絶した人物は、ルーフェスでは無かったと、その事実がはっきりと分かったことで、ずっと胸に刺さっていた棘が抜けたかのようにアンナの胸の痛みは軽くなったのだった。
「でもそれならそうと、何で言ってくれなかったの?」
「クライトゥール公爵の息子は後にも先にも一人なんだよ。この意味分かるかい?」
「半分くらいは、なんとなく。」
ルーフェスは一つしかない椅子をアンナに座るように勧めると、自分はベッドに腰をかけて向き合って、それから、ゆっくりと淡々に語り始めた。
「平民の間では、あまり聞かないけれども、貴族社会ではね、双子って不吉なんだって。双子が産まれた家は過去に何度もよくない事が起こっているからだって。」
伏せ目がちに、ルーフェスは話す。
「だから、クライトゥール公爵は、僕達が双子で生まれた事を世間から隠したんだ。彼の息子はリチャードだけ。……まぁ、産まれた時に殺されなくてまだ良かったなって思うよ。」
「そんな……」
自嘲気味に笑う彼に対して、アンナはかける言葉を見つけられなかった。
「産まれたときから今の今まで、公爵家の子供は息子一人で、他には居ない。つまり、公爵に他にも息子が居るという事実は外に漏れたらいけないんだ。あの人は本当に恐ろしい人なんだ……。だから、アンナには僕がこの家を出て公爵との縁が切れるまで、この事は知って欲しくなかったんだよ。」
そう話すルーフェスは、アンナと向き合っては居るが、彼女を面倒事に巻き込む負い目から目線を合わせず、申し訳なさそうな顔をしている。
「君を余計な事に巻き込みたくなくて、今まで黙っていたんだけど、でもそれより、君に誤解されたままの方が嫌だって思ってしまったんだ。打ち明けたのは僕のエゴだよ、巻き込んでしまってごめんね。」
そう言って彼は深く頭を下げた。それから顔を上げると、彼はやっとアンナと目線を合わせて、悲しげに微笑んだのだった。
「謝ることなんて無いわ。教えてくれてありがとう。私もあのまま何も説明もなく誤解したままだったら嫌だったわ。」
アンナはルーフェスの告白に心を痛めた。そして彼の過酷な身の上に寄り添い、彼の苦しみを少しでも癒したいと思ったのだった。
それから、その様な大事な話を、自分に打ち明けてくれた事に動揺もしていた。
それはまるで、アンナに嫌われたくないと言う想いが、彼にとって何より尊重したい事であると言っている様なものだったからだ。
アンナは目の前に座るルーフェスに何か言葉を掛けたかったが、上手い言葉が見つからない。慰めるのか、励ますのか。何が適切なのか分からないでいた。
「ねぇ、ルーフェスの事をもっと教えて?」
何が正解であったかは分からないが、とりあえず思いついた言葉を彼に投げかけてみたのだった。
純粋に彼のことはもっと知りたいと思っていたのもあるが、自身のことを話す事で、彼の慰めになるのでは無いかと思ったのだ。
アンナは約束通り、貴族街にあるクライトゥール公爵家を訪れていた。
子供の頃に住んでいたラディウス男爵邸もそれなりの邸宅ではあったが、流石公爵邸というだけあってそれよりも遥かに敷地は広く、外観からでも分かるほどの格式の高さに圧倒され、格が違う世界にアンナは門の前で二の足を踏んでいた。
(明らかに、私、場違いよね……)
訪ねる先は庭師のジェフなので公爵家自体に招かれている訳ではないのだが、それでもこの邸宅の豪華さに本当にここに来て良かったのかと不安になった。
アンナは立ちすくみながらも改めて正面からクライトゥール公爵家を眺めると、ふと、古い記憶が脳裏によぎったのだった。
(そう言えば……私、子供の頃に一度だけここに来たことあるわね……)
その昔、公爵が自分の息子と同じ歳の貴族の子供を集めてガーデンパーティーを開催した事があったのだ。
アンナの家は男爵家と爵位は低かったのだが、当時父親の仕事の都合でたまたま王都に滞在していた為、公爵の息子の同じ歳の子という理由だけで、数合わせ的に招待された事があったのを思い出したのだった。
「貴女が、アンナか?」
門の前でアンナが一人戸惑っていると、ガタイが良く凄みのある初老の男性が門の中から話しかけて来た。
その格好や、エヴァンが言っていた只者ではない貫禄という感想から、この人がジェフだと確信した。
「はい。私がアンナです。貴方がジェフさんですね?ルーフェスから貴方を訪ねるように言われました。」
「聞いている。今からあの子のところへ連れて行くが、こっから先は絶対に何も喋るな。黙ってついてこい。」
彼のただならぬ雰囲気に圧倒されると、アンナは黙って頷いて、彼に従ったのだった。
ジェフは門を開けてアンナを庭へ招き入れると直ぐに歩き出したので、アンナは慌ててその後を追い、彼の後ろを言われた通りに黙って付いて歩いた。
途中公爵家の使用人達とすれ違うと、彼らの何人かが物珍しそうな視線を向けてアンナに声をかけてきたのだが、ジェフの言いつけ通り、彼女はそれらを全て黙ってやり過ごした。
そうやってジェフの後を暫く歩いて、アンナが連れて来られた場所は、立派な公爵家の応接室……などではなく、人気のない敷地内の端っこに建てられた、小さな小屋の前だった。
アンナをここまで連れて来ると、ジェフは何も説明なく「ここだ。」と一言だけ言ってその場から立ち去ってしまったので、アンナは何も分からないまま、小屋の前に一人取り残されてしまった。
仕方がないので、アンナはとりあえず小屋の周囲を見渡してみた。
流石公爵家だけあって庭園には四季の花々が綺麗に咲き乱れている。丁寧に手入れが行き届いている素晴らしい庭だと一目で分かるのだが、アンナは何故かその風景に懐かしさを覚えた。
しかし、それが何故なのかは思い出せないので、一旦その事は忘れて、アンナは小屋のドアに向き合うと、慎重にノックをした。
このドアの向こうにはきっと彼が居るのだろう。そう思うと緊張で手に汗が広がった。
コンコン
乾いたノック音が響き渡ると、その音に反応して、中から「どうぞ。」と声がかかったので、アンナは意を決してゆっくりとそのドアを押し開けたのだった。
「来てくれてありがとう、アンナ。」
部屋の中で待っていたのは、想像していた通り、ルーフェスだった。彼はアンナの姿を見ると安堵の表情を浮かべていた。
「ルーフェス、ここは……?」
「ここは、僕の家だよ。」
それはベッドと小さな机と椅子、それから棚が一つあるだけの殺風景な部屋であった。
「エヴァンから聞いた。一昨日、中央広場で僕と良く似た人と会ったんだって?だからあんな変な質問したんだね。」
「そうよ、私は貴方を見かけたし話しもしたわ。」
「でもそれは、僕じゃない。」
「え……?」
ルーフェスの言葉に戸惑って、アンナは思わず聞き返してしまった。
この説明にアンナが困惑するであろう事は想定済みだったので、ルーフェスは冷静に話を続けた。
「と、言っても信じてもらえないだろうと思ったから、だからこうして来てもらったんだよ。ちょっとこっちに来て。」
彼はそう言うと窓の方へ移動して、アンナを手招いた。
不思議に思いながらもアンナも彼に従って窓際へと移動すると、ルーフェスはカーテンを開けて彼女に窓の外を見るように促したのだった。
「アンナ、窓の外を見てみて。ここから本邸が見えるだろう?」
「えぇ。」
言われた通りに窓の外を覗くと、確かに庭の生け垣越しに邸宅の端の方が見えた。
「二階にテラス席があるの……分かる?」
「ん……うん。多分あれよね。」
促されて注意深く見るも、距離が離れているので、二階のバルコニーにテラス席がある事はなんとなく分かったが、そのテーブルセットに座っている人の顔までは判別できなかった。
「ではこれで、そのテラス席を覗いてみてくれないか。」
そう言って、ルーフェスはアンナに望遠鏡を手渡したのだった。
一体何を見せたいのか、何故このような覗きの真似事をさせるのか全く分からなかったが、アンナは言われた通りに素直に従って、望遠鏡を覗き込んだ。
そして、自分の目を疑った。
「嘘……?!」
覗き込んだレンズの先には、ルーフェスと全く同じ顔があったのだ。
そしてよく見るとその隣には先日見かけたリリィと呼ばれた女性が座っていて、二人は華やかにアフタヌーンティーを楽しんでいるようだった。
「僕は……双子なんだ。」
その声にハッとして、ルーフェスの方を振り向くと彼はバツが悪いと言った顔で立っていた。
「信じてもらえた?」
いつもの様に、柔らかく微笑みかけてくれるけれども、その瞳はどこか悲しげに見えた。
「うん……」
アンナは彼の目を見つめ返すと、そう答えるのか精一杯だった。
正直に言って、急に増えた情報に頭の整理が追いつかず混乱していた。ルーフェスが実は双子で、しかも公爵家の人間だったなんて、簡単には受け止められなかった。
けれども、彼のこの告白が、アンナの心を救ったのだった。
あの日アンナを拒絶した人物は、ルーフェスでは無かったと、その事実がはっきりと分かったことで、ずっと胸に刺さっていた棘が抜けたかのようにアンナの胸の痛みは軽くなったのだった。
「でもそれならそうと、何で言ってくれなかったの?」
「クライトゥール公爵の息子は後にも先にも一人なんだよ。この意味分かるかい?」
「半分くらいは、なんとなく。」
ルーフェスは一つしかない椅子をアンナに座るように勧めると、自分はベッドに腰をかけて向き合って、それから、ゆっくりと淡々に語り始めた。
「平民の間では、あまり聞かないけれども、貴族社会ではね、双子って不吉なんだって。双子が産まれた家は過去に何度もよくない事が起こっているからだって。」
伏せ目がちに、ルーフェスは話す。
「だから、クライトゥール公爵は、僕達が双子で生まれた事を世間から隠したんだ。彼の息子はリチャードだけ。……まぁ、産まれた時に殺されなくてまだ良かったなって思うよ。」
「そんな……」
自嘲気味に笑う彼に対して、アンナはかける言葉を見つけられなかった。
「産まれたときから今の今まで、公爵家の子供は息子一人で、他には居ない。つまり、公爵に他にも息子が居るという事実は外に漏れたらいけないんだ。あの人は本当に恐ろしい人なんだ……。だから、アンナには僕がこの家を出て公爵との縁が切れるまで、この事は知って欲しくなかったんだよ。」
そう話すルーフェスは、アンナと向き合っては居るが、彼女を面倒事に巻き込む負い目から目線を合わせず、申し訳なさそうな顔をしている。
「君を余計な事に巻き込みたくなくて、今まで黙っていたんだけど、でもそれより、君に誤解されたままの方が嫌だって思ってしまったんだ。打ち明けたのは僕のエゴだよ、巻き込んでしまってごめんね。」
そう言って彼は深く頭を下げた。それから顔を上げると、彼はやっとアンナと目線を合わせて、悲しげに微笑んだのだった。
「謝ることなんて無いわ。教えてくれてありがとう。私もあのまま何も説明もなく誤解したままだったら嫌だったわ。」
アンナはルーフェスの告白に心を痛めた。そして彼の過酷な身の上に寄り添い、彼の苦しみを少しでも癒したいと思ったのだった。
それから、その様な大事な話を、自分に打ち明けてくれた事に動揺もしていた。
それはまるで、アンナに嫌われたくないと言う想いが、彼にとって何より尊重したい事であると言っている様なものだったからだ。
アンナは目の前に座るルーフェスに何か言葉を掛けたかったが、上手い言葉が見つからない。慰めるのか、励ますのか。何が適切なのか分からないでいた。
「ねぇ、ルーフェスの事をもっと教えて?」
何が正解であったかは分からないが、とりあえず思いついた言葉を彼に投げかけてみたのだった。
純粋に彼のことはもっと知りたいと思っていたのもあるが、自身のことを話す事で、彼の慰めになるのでは無いかと思ったのだ。
0
あなたにおすすめの小説
離婚するはずの旦那様を、なぜか看病しています
鍛高譚
恋愛
「結婚とは、貴族の義務。そこに愛など不要――」
そう割り切っていた公爵令嬢アルタイは、王命により辺境伯ベガと契約結婚することに。
お互い深入りしない仮面夫婦として過ごすはずが、ある日ベガが戦地へ赴くことになり、彼はアルタイにこう告げる。
「俺は生きて帰れる自信がない。……だから、お前を自由にしてやりたい」
あっさりと“離婚”を申し出る彼に、アルタイは皮肉めいた笑みを浮かべる。
「では、戦争が終わり、貴方が帰るまで離婚は待ちましょう。
戦地で女でも作ってきてください。そうすれば、心置きなく別れられます」
――しかし、戦争は長引き、何年も経ったのちにようやく帰還したベガは、深い傷を負っていた。
彼を看病しながら、アルタイは自分の心が変化していることに気づく。
「早く元気になってもらわないと、離婚できませんね?」
「……本当に、離婚したいのか?」
最初は“義務”だったはずの結婚。しかし、夫婦として過ごすうちに、仮面は次第に剥がれていく。
やがて、二人の離婚を巡る噂が王宮を騒がせる中、ベガは決意を固める――。
【完】出来損ない令嬢は、双子の娘を持つ公爵様と契約結婚する~いつの間にか公爵様と7歳のかわいい双子たちに、めいっぱい溺愛されていました~
夏芽空
恋愛
子爵令嬢のエレナは、常に優秀な妹と比較され家族からひどい扱いを受けてきた。
しかし彼女は7歳の双子の娘を持つ公爵――ジオルトと契約結婚したことで、最低な家族の元を離れることができた。
しかも、条件は最高。公の場で妻を演じる以外は自由に過ごしていい上に、さらには給料までも出してくてれるという。
夢のような生活を手に入れた――と、思ったのもつかの間。
いきなり事件が発生してしまう。
結婚したその翌日に、双子の姉が令嬢教育の教育係をやめさせてしまった。
しかもジオルトは仕事で出かけていて、帰ってくるのはなんと一週間後だ。
(こうなったら、私がなんとかするしかないわ!)
腹をくくったエレナは、おもいきった行動を起こす。
それがきっかけとなり、ちょっと癖のある美少女双子義娘と、彼女たちよりもさらに癖の強いジオルトとの距離が縮まっていくのだった――。
本の虫令嬢ですが「君が番だ! 間違いない」と、竜騎士様が迫ってきます
氷雨そら
恋愛
本の虫として社交界に出ることもなく、婚約者もいないミリア。
「君が番だ! 間違いない」
(番とは……!)
今日も読書にいそしむミリアの前に現れたのは、王都にたった一人の竜騎士様。
本好き令嬢が、強引な竜騎士様に振り回される竜人の番ラブコメ。
小説家になろう様にも投稿しています。
田舎暮らしの貧乏令嬢、幽閉王子のお世話係になりました〜七年後の殿下が甘すぎるのですが!〜
侑子
恋愛
「リーシャ。僕がどれだけ君に会いたかったかわかる? 一人前と認められるまで魔塔から出られないのは知っていたけど、まさか七年もかかるなんて思っていなくて、リーシャに会いたくて死ぬかと思ったよ」
十五歳の時、父が作った借金のために、いつ魔力暴走を起こすかわからない危険な第二王子のお世話係をしていたリーシャ。
弟と同じ四つ年下の彼は、とても賢くて優しく、可愛らしい王子様だった。
お世話をする内に仲良くなれたと思っていたのに、彼はある日突然、世界最高の魔法使いたちが集うという魔塔へと旅立ってしまう。
七年後、二十二歳になったリーシャの前に現れたのは、成長し、十八歳になって成人した彼だった!
以前とは全く違う姿に戸惑うリーシャ。
その上、七年も音沙汰がなかったのに、彼は昔のことを忘れていないどころか、とんでもなく甘々な態度で接してくる。
一方、自分の息子ではない第二王子を疎んで幽閉状態に追い込んでいた王妃は、戻ってきた彼のことが気に入らないようで……。
ブスすぎて嫁の貰い手がないから閨勤侍女になれと言われたので縁を切ります、完全に!完全縁切りの先にあったのは孤独ではなくて…
ハートリオ
恋愛
ルフスは結婚が決まった従姉の閨勤侍女になるよう父親に命令されたのをきっかけに父に無視され冷遇されて来た日々を終わらせようとブラコン父と完全に縁を切る決意する。
一方、従姉の結婚相手はアルゲンテウス辺境伯とのことだが、実は手違いがあって辺境伯が結婚したいのはルフス。
そんなこんなの異世界ファンタジーラブです。
読んでいただけると嬉しいです。
崖っぷち令嬢は冷血皇帝のお世話係〜侍女のはずが皇帝妃になるみたいです〜
束原ミヤコ
恋愛
ティディス・クリスティスは、没落寸前の貧乏な伯爵家の令嬢である。
家のために王宮で働く侍女に仕官したは良いけれど、緊張のせいでまともに話せず、面接で落とされそうになってしまう。
「家族のため、なんでもするからどうか働かせてください」と泣きついて、手に入れた仕事は――冷血皇帝と巷で噂されている、冷酷冷血名前を呼んだだけで子供が泣くと言われているレイシールド・ガルディアス皇帝陛下のお世話係だった。
皇帝レイシールドは気難しく、人を傍に置きたがらない。
今まで何人もの侍女が、レイシールドが恐ろしくて泣きながら辞めていったのだという。
ティディスは決意する。なんとしてでも、お仕事をやりとげて、没落から家を救わなければ……!
心根の優しいお世話係の令嬢と、無口で不器用な皇帝陛下の話です。
【完結】これは紛うことなき政略結婚である
七瀬菜々
恋愛
没落寸前の貧乏侯爵家の令嬢アンリエッタ・ペリゴールは、スラム街出身の豪商クロード・ウェルズリーと結婚した。
金はないが血筋だけは立派な女と、金はあるが賤しい血筋の男。
互いに金と爵位のためだけに結婚した二人はきっと、恋も愛も介在しない冷めきった結婚生活を送ることになるのだろう。
アンリエッタはそう思っていた。
けれど、いざ新婚生活を始めてみると、何だか想像していたよりもずっと甘い気がして……!?
*この物語は、今まで顔を合わせれば喧嘩ばかりだった二人が夫婦となり、紆余曲折ありながらも愛と絆を深めていくただのハイテンションラブコメ………になる予定です。
ーーーーーーーーーー
*主要な登場人物*
○アンリエッタ・ペリゴール
いろんな不幸が重なり落ちぶれた、貧乏侯爵家の一人娘。意地っ張りでプライドの高いツンデレヒロイン。
○クロード・ウェルズリー
一代で莫大な富を築き上げた豪商。生まれは卑しいが、顔がよく金持ち。恋愛に関しては不器用な男。
○ニコル
アンリエッタの侍女。
アンリエッタにとっては母であり、姉であり、友である大切な存在。
○ミゲル
クロードの秘書。
優しそうに見えて辛辣で容赦がない性格。常にひと言多い。
【完結】辺境伯の溺愛が重すぎます~追放された薬師見習いは、領主様に囲われています~
深山きらら
恋愛
王都の薬師ギルドで見習いとして働いていたアディは、先輩の陰謀により濡れ衣を着せられ追放される。絶望の中、辺境の森で魔獣に襲われた彼女を救ったのは、「氷の辺境伯」と呼ばれるルーファスだった。彼女の才能を見抜いたルーファスは、アディを専属薬師として雇用する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる