67 / 86
67. それぞれの帰宅
しおりを挟む
「ちょっと、僕だけこの状況について行けてないんだけど……」
舞台袖に引っ込んだルーフェスは頭を抱えてしゃがみ込んでいた。
何も聞かされていないまま、舞台に引っ張り出され、即興で祝辞を言わされて、多くの人々の前で兄の結婚を祝福させられたのだ。
この状況に、頭がついていくわけがなかった。
「見ての通り、多くの人の前で既成事実を作ったんだよ。」
ルーフェスの背中をポンポンと叩くと、彼を立ち上がらせながら、リチャードが晴れ晴れとした顔で答えた。
「こんな事をして、あの公爵が激昂しないわけないだろ……」
ルーフェスは、リチャードを恨めしい目で見ると、大きな溜息をついた。
けれども、リチャードはそんなルーフェスの視線を意に介さずに、肩に手を置くと、その顔を覗き込んで真剣な眼差しを向けたのだった。
「公爵が激怒したところで、いくらなんでもこれだけの数の民が証人なんだ。流石にどうこうは出来ないだろう。それに公爵にとってより致命的なのは、私たちが双子だって公になった事だろうしね。クライトゥール公爵家は、最悪爵位を失うかもね。」
そうなったら、その時はその時だよねと、リチャードはあっけらかんと笑いながら言った。
「……なるほど、それが狙いか……」
ルーフェスは、ようやくこの舞台裏の状況を理解した。そして、公爵家の秘密を暴露する為に、ここまで大掛かりな芝居を打った事に驚き、感心したのだった。
リチャードは笑顔で頷くと、話を続けた。
「私達が二人とも自由になるには、出来るだけ大人数に、私達が双子である事を公にするのが一番効果的だと判断したんだ。私は別に公爵家という身分に固執していないし、お前だってそうだろう?固執してるのはあの人一人だけだ。だから、もういい加減に私たちを解放して貰おうじゃないか。」
そう言って悪戯っぽく笑うと、ルーフェスの頭をクシャクシャと撫で回した。ルーフェスはその兄の行動に驚いて目を丸くしていたが、ふっと表情を和らげると、小さく苦笑を浮かべたのだった。
「それにしても、上手く考えたものだな……」
ルーフェスは感心しながらリチャードの手を払うと、乱れた髪を直して、改めて兄を見遣った。
リチャードもルーフェスを見返すと、ニヤリと口角を上げて、不敵に微笑んで見せたのだった。
「素案を考えついたのはアンナ嬢だよ。エミリア嬢を通じて劇団に協力を取り付けてくれたのも彼女だ。他にも人が集まるように宣伝に奔走したりして、本当に、彼女が居なければこの計画は成し得なかったと思う。頭が下がるよね。」
そう言ってリチャードは、後ろに下がると、自分の代わりにアンナをルーフェスの前に押し出したのだった。
「アンナ……」
「ただいま、ルーフェス。私ちゃんと連れ帰ってきたでしょう?」
アンナは少し得意げに微笑むと、ルーフェスの手を両手で握って彼の瞳を真っ直ぐに見つめた。
「うん。おかえりアンナ。ありがとう……」
ルーフェスは、アンナの姿に嬉しそうに目を細めると、彼女の手を強く握り返して優しく微笑みかけた。
お互いの顔を見ると、二人は柔らかく笑い合った。話したい事は沢山あったはずなのに、その姿を見たら何も言葉が出てこなくて、二人は静かに見つめ合うと、しばらくそのまま動けずにいた。
するとその様子を後ろから見守っていたリチャードは、頃合いを見て二人の背中をポンッと押して声をかけたのだった。
「申し訳ないんだけど、感動の再会の続きは後にして、そろそろ退散しようか。」
「そうだね……兎に角一度家に帰らないと。魔法の効力もそろそろ切れるし、ニーナが心配だ。」
ルーフェスは名残惜しそうにアンナから離れると、リチャードの方へと向き合った。そしてお互い目で合図をすると、決意したようにリチャードも力強く一つ大きく首を縦に振ったのだった。
「分かった。私も行くよ。一緒に帰ろう。それでリリアナは……」
「私なら大丈夫ですわ、私も家に帰ります。アンナが送ってくださると申し出てくれたので、私の事は心配しなくても平気ですわ。」
心配そうにリリアナの方を見るリチャードに向かって、彼女は安心させるかのように微笑みながら頷いてみせた。
「リリィ……。成り行き上あんな形での結婚の申し込みになってしまったが、私は本気だよ。こちらの事情が片付いたら正式にそちらの家にご挨拶に伺わせて欲しい。」
リチャードはそう言ってリリアナの手を取ると、膝を折って彼女を見上げ、真剣な眼差しを向けた。
「はい。お待ちしておりますわ。」
リリアナは彼の申し出に少しはにかむと、それから嬉しそうに微笑んで、その想いに答えたのだった。
***
「アンナさん、本当に色々と有難うございました。貴女のおかげで、全て上手くいきそうですわ。」
リリアナを家へと送り届けに行く馬車の中で、彼女はにっこりと微笑んでアンナの手を取ると感謝の言葉を伝えていた。
「そんな、私だけで成し得た事では無いので恐縮ですけど、けれども、本当に上手くまとまりそうで良かったです。リリアナ様、おめでとうございます。」
まだ全てが終わったわけでは無いし、公爵家に帰った二人が心配ではあったが、アンナもリリアナの手に自分の手を添えると、にっこりと微笑んで心からの祝福の言葉を彼女に贈った。
「ふふ、有難う。次は、アンナさんの番ですね。」
「……私の番とは?」
なんの事か分からないアンナは、リリアナからの急な振りに戸惑って首を傾げたが、彼女はふふふっと嬉しそうに笑うと、目を輝かせながらアンナを見つめた。
「あら、ルーフェスに想いを伝えるのでしょう?」
「そっ……それは……」
いきなり確信を突かれてアンナはたじろぐと、恥ずかしそうに顔を赤らめて俯いたのだった。
「丁度いいじゃない。明後日は彼らの誕生日ですし、そんな日に想いを伝えるのはとても素敵だと思いますわ。」
リリアナは両手を合わせて嬉しそうにそう告げると、何かを期待するような目でアンナを見つめていた。
そんな彼女の眼差しに耐えかねて、アンナは両頬に手を当てて顔を俯けると、困ったように小さな声で呟いたのだった。
「あの……リリアナ様にご相談があるのですが……」
しどろもどろになりながらも観念したかのように顔を上げて、アンナは真剣な眼差しで、リリアナを見た。
「あの……誕生日には、何を贈ったら喜ばれるものでしょうか……?その……今から用意出来て、出来れば余り高くない物で……」
ここ数日の慌ただしさのせいで、ルーフェスへの誕生日プレゼントを何も用意出来ていなかったのだ。アンナは少し泣きそうな顔になりながら、リリアナに縋った。
「そうですわね……良くあるのが、ハンカチーフやタイなどにその人のイニシャルだったり、家紋だったりの刺繍を刺して贈るとかかしらね?」
「……刺繍……」
それを聞いてアンナは、困ったように顔を曇らせた。
「あら、刺繍はやった事無いのかしら?」
「ええ……針仕事は繕い物ならばやりますけども、刺繍は……やった事無いですね……」
「まぁ、それでしたら私が教えて差し上げますわ。初めてでもRの一文字位ならば一日で刺せますわよ。よければ明日、家へいらっしゃい。私と一緒に刺繍を刺しましょう。」
リリアナは、アンナの手をギュッと握ると笑顔を向けてそう言った。その笑顔はまるで、慈愛に満ちた女神のようで、アンナは彼女の手を握り返すと、崇めるように顔を覗き込んで懇願したのだった。
「本当ですか!?是非お願いします!!」
「勿論ですわ。私もリチャードの為に、何か作ろうと思っていましたので、一緒に刺しましょう。」
それからリリアナは頬を上気させてご機嫌な様子で「楽しみですわね。」と呟いたので、アンナも「はい。」嬉しそうに答えたのだった。
舞台袖に引っ込んだルーフェスは頭を抱えてしゃがみ込んでいた。
何も聞かされていないまま、舞台に引っ張り出され、即興で祝辞を言わされて、多くの人々の前で兄の結婚を祝福させられたのだ。
この状況に、頭がついていくわけがなかった。
「見ての通り、多くの人の前で既成事実を作ったんだよ。」
ルーフェスの背中をポンポンと叩くと、彼を立ち上がらせながら、リチャードが晴れ晴れとした顔で答えた。
「こんな事をして、あの公爵が激昂しないわけないだろ……」
ルーフェスは、リチャードを恨めしい目で見ると、大きな溜息をついた。
けれども、リチャードはそんなルーフェスの視線を意に介さずに、肩に手を置くと、その顔を覗き込んで真剣な眼差しを向けたのだった。
「公爵が激怒したところで、いくらなんでもこれだけの数の民が証人なんだ。流石にどうこうは出来ないだろう。それに公爵にとってより致命的なのは、私たちが双子だって公になった事だろうしね。クライトゥール公爵家は、最悪爵位を失うかもね。」
そうなったら、その時はその時だよねと、リチャードはあっけらかんと笑いながら言った。
「……なるほど、それが狙いか……」
ルーフェスは、ようやくこの舞台裏の状況を理解した。そして、公爵家の秘密を暴露する為に、ここまで大掛かりな芝居を打った事に驚き、感心したのだった。
リチャードは笑顔で頷くと、話を続けた。
「私達が二人とも自由になるには、出来るだけ大人数に、私達が双子である事を公にするのが一番効果的だと判断したんだ。私は別に公爵家という身分に固執していないし、お前だってそうだろう?固執してるのはあの人一人だけだ。だから、もういい加減に私たちを解放して貰おうじゃないか。」
そう言って悪戯っぽく笑うと、ルーフェスの頭をクシャクシャと撫で回した。ルーフェスはその兄の行動に驚いて目を丸くしていたが、ふっと表情を和らげると、小さく苦笑を浮かべたのだった。
「それにしても、上手く考えたものだな……」
ルーフェスは感心しながらリチャードの手を払うと、乱れた髪を直して、改めて兄を見遣った。
リチャードもルーフェスを見返すと、ニヤリと口角を上げて、不敵に微笑んで見せたのだった。
「素案を考えついたのはアンナ嬢だよ。エミリア嬢を通じて劇団に協力を取り付けてくれたのも彼女だ。他にも人が集まるように宣伝に奔走したりして、本当に、彼女が居なければこの計画は成し得なかったと思う。頭が下がるよね。」
そう言ってリチャードは、後ろに下がると、自分の代わりにアンナをルーフェスの前に押し出したのだった。
「アンナ……」
「ただいま、ルーフェス。私ちゃんと連れ帰ってきたでしょう?」
アンナは少し得意げに微笑むと、ルーフェスの手を両手で握って彼の瞳を真っ直ぐに見つめた。
「うん。おかえりアンナ。ありがとう……」
ルーフェスは、アンナの姿に嬉しそうに目を細めると、彼女の手を強く握り返して優しく微笑みかけた。
お互いの顔を見ると、二人は柔らかく笑い合った。話したい事は沢山あったはずなのに、その姿を見たら何も言葉が出てこなくて、二人は静かに見つめ合うと、しばらくそのまま動けずにいた。
するとその様子を後ろから見守っていたリチャードは、頃合いを見て二人の背中をポンッと押して声をかけたのだった。
「申し訳ないんだけど、感動の再会の続きは後にして、そろそろ退散しようか。」
「そうだね……兎に角一度家に帰らないと。魔法の効力もそろそろ切れるし、ニーナが心配だ。」
ルーフェスは名残惜しそうにアンナから離れると、リチャードの方へと向き合った。そしてお互い目で合図をすると、決意したようにリチャードも力強く一つ大きく首を縦に振ったのだった。
「分かった。私も行くよ。一緒に帰ろう。それでリリアナは……」
「私なら大丈夫ですわ、私も家に帰ります。アンナが送ってくださると申し出てくれたので、私の事は心配しなくても平気ですわ。」
心配そうにリリアナの方を見るリチャードに向かって、彼女は安心させるかのように微笑みながら頷いてみせた。
「リリィ……。成り行き上あんな形での結婚の申し込みになってしまったが、私は本気だよ。こちらの事情が片付いたら正式にそちらの家にご挨拶に伺わせて欲しい。」
リチャードはそう言ってリリアナの手を取ると、膝を折って彼女を見上げ、真剣な眼差しを向けた。
「はい。お待ちしておりますわ。」
リリアナは彼の申し出に少しはにかむと、それから嬉しそうに微笑んで、その想いに答えたのだった。
***
「アンナさん、本当に色々と有難うございました。貴女のおかげで、全て上手くいきそうですわ。」
リリアナを家へと送り届けに行く馬車の中で、彼女はにっこりと微笑んでアンナの手を取ると感謝の言葉を伝えていた。
「そんな、私だけで成し得た事では無いので恐縮ですけど、けれども、本当に上手くまとまりそうで良かったです。リリアナ様、おめでとうございます。」
まだ全てが終わったわけでは無いし、公爵家に帰った二人が心配ではあったが、アンナもリリアナの手に自分の手を添えると、にっこりと微笑んで心からの祝福の言葉を彼女に贈った。
「ふふ、有難う。次は、アンナさんの番ですね。」
「……私の番とは?」
なんの事か分からないアンナは、リリアナからの急な振りに戸惑って首を傾げたが、彼女はふふふっと嬉しそうに笑うと、目を輝かせながらアンナを見つめた。
「あら、ルーフェスに想いを伝えるのでしょう?」
「そっ……それは……」
いきなり確信を突かれてアンナはたじろぐと、恥ずかしそうに顔を赤らめて俯いたのだった。
「丁度いいじゃない。明後日は彼らの誕生日ですし、そんな日に想いを伝えるのはとても素敵だと思いますわ。」
リリアナは両手を合わせて嬉しそうにそう告げると、何かを期待するような目でアンナを見つめていた。
そんな彼女の眼差しに耐えかねて、アンナは両頬に手を当てて顔を俯けると、困ったように小さな声で呟いたのだった。
「あの……リリアナ様にご相談があるのですが……」
しどろもどろになりながらも観念したかのように顔を上げて、アンナは真剣な眼差しで、リリアナを見た。
「あの……誕生日には、何を贈ったら喜ばれるものでしょうか……?その……今から用意出来て、出来れば余り高くない物で……」
ここ数日の慌ただしさのせいで、ルーフェスへの誕生日プレゼントを何も用意出来ていなかったのだ。アンナは少し泣きそうな顔になりながら、リリアナに縋った。
「そうですわね……良くあるのが、ハンカチーフやタイなどにその人のイニシャルだったり、家紋だったりの刺繍を刺して贈るとかかしらね?」
「……刺繍……」
それを聞いてアンナは、困ったように顔を曇らせた。
「あら、刺繍はやった事無いのかしら?」
「ええ……針仕事は繕い物ならばやりますけども、刺繍は……やった事無いですね……」
「まぁ、それでしたら私が教えて差し上げますわ。初めてでもRの一文字位ならば一日で刺せますわよ。よければ明日、家へいらっしゃい。私と一緒に刺繍を刺しましょう。」
リリアナは、アンナの手をギュッと握ると笑顔を向けてそう言った。その笑顔はまるで、慈愛に満ちた女神のようで、アンナは彼女の手を握り返すと、崇めるように顔を覗き込んで懇願したのだった。
「本当ですか!?是非お願いします!!」
「勿論ですわ。私もリチャードの為に、何か作ろうと思っていましたので、一緒に刺しましょう。」
それからリリアナは頬を上気させてご機嫌な様子で「楽しみですわね。」と呟いたので、アンナも「はい。」嬉しそうに答えたのだった。
0
あなたにおすすめの小説
離婚するはずの旦那様を、なぜか看病しています
鍛高譚
恋愛
「結婚とは、貴族の義務。そこに愛など不要――」
そう割り切っていた公爵令嬢アルタイは、王命により辺境伯ベガと契約結婚することに。
お互い深入りしない仮面夫婦として過ごすはずが、ある日ベガが戦地へ赴くことになり、彼はアルタイにこう告げる。
「俺は生きて帰れる自信がない。……だから、お前を自由にしてやりたい」
あっさりと“離婚”を申し出る彼に、アルタイは皮肉めいた笑みを浮かべる。
「では、戦争が終わり、貴方が帰るまで離婚は待ちましょう。
戦地で女でも作ってきてください。そうすれば、心置きなく別れられます」
――しかし、戦争は長引き、何年も経ったのちにようやく帰還したベガは、深い傷を負っていた。
彼を看病しながら、アルタイは自分の心が変化していることに気づく。
「早く元気になってもらわないと、離婚できませんね?」
「……本当に、離婚したいのか?」
最初は“義務”だったはずの結婚。しかし、夫婦として過ごすうちに、仮面は次第に剥がれていく。
やがて、二人の離婚を巡る噂が王宮を騒がせる中、ベガは決意を固める――。
【完】出来損ない令嬢は、双子の娘を持つ公爵様と契約結婚する~いつの間にか公爵様と7歳のかわいい双子たちに、めいっぱい溺愛されていました~
夏芽空
恋愛
子爵令嬢のエレナは、常に優秀な妹と比較され家族からひどい扱いを受けてきた。
しかし彼女は7歳の双子の娘を持つ公爵――ジオルトと契約結婚したことで、最低な家族の元を離れることができた。
しかも、条件は最高。公の場で妻を演じる以外は自由に過ごしていい上に、さらには給料までも出してくてれるという。
夢のような生活を手に入れた――と、思ったのもつかの間。
いきなり事件が発生してしまう。
結婚したその翌日に、双子の姉が令嬢教育の教育係をやめさせてしまった。
しかもジオルトは仕事で出かけていて、帰ってくるのはなんと一週間後だ。
(こうなったら、私がなんとかするしかないわ!)
腹をくくったエレナは、おもいきった行動を起こす。
それがきっかけとなり、ちょっと癖のある美少女双子義娘と、彼女たちよりもさらに癖の強いジオルトとの距離が縮まっていくのだった――。
本の虫令嬢ですが「君が番だ! 間違いない」と、竜騎士様が迫ってきます
氷雨そら
恋愛
本の虫として社交界に出ることもなく、婚約者もいないミリア。
「君が番だ! 間違いない」
(番とは……!)
今日も読書にいそしむミリアの前に現れたのは、王都にたった一人の竜騎士様。
本好き令嬢が、強引な竜騎士様に振り回される竜人の番ラブコメ。
小説家になろう様にも投稿しています。
【完結】これは紛うことなき政略結婚である
七瀬菜々
恋愛
没落寸前の貧乏侯爵家の令嬢アンリエッタ・ペリゴールは、スラム街出身の豪商クロード・ウェルズリーと結婚した。
金はないが血筋だけは立派な女と、金はあるが賤しい血筋の男。
互いに金と爵位のためだけに結婚した二人はきっと、恋も愛も介在しない冷めきった結婚生活を送ることになるのだろう。
アンリエッタはそう思っていた。
けれど、いざ新婚生活を始めてみると、何だか想像していたよりもずっと甘い気がして……!?
*この物語は、今まで顔を合わせれば喧嘩ばかりだった二人が夫婦となり、紆余曲折ありながらも愛と絆を深めていくただのハイテンションラブコメ………になる予定です。
ーーーーーーーーーー
*主要な登場人物*
○アンリエッタ・ペリゴール
いろんな不幸が重なり落ちぶれた、貧乏侯爵家の一人娘。意地っ張りでプライドの高いツンデレヒロイン。
○クロード・ウェルズリー
一代で莫大な富を築き上げた豪商。生まれは卑しいが、顔がよく金持ち。恋愛に関しては不器用な男。
○ニコル
アンリエッタの侍女。
アンリエッタにとっては母であり、姉であり、友である大切な存在。
○ミゲル
クロードの秘書。
優しそうに見えて辛辣で容赦がない性格。常にひと言多い。
ブスすぎて嫁の貰い手がないから閨勤侍女になれと言われたので縁を切ります、完全に!完全縁切りの先にあったのは孤独ではなくて…
ハートリオ
恋愛
ルフスは結婚が決まった従姉の閨勤侍女になるよう父親に命令されたのをきっかけに父に無視され冷遇されて来た日々を終わらせようとブラコン父と完全に縁を切る決意する。
一方、従姉の結婚相手はアルゲンテウス辺境伯とのことだが、実は手違いがあって辺境伯が結婚したいのはルフス。
そんなこんなの異世界ファンタジーラブです。
読んでいただけると嬉しいです。
田舎暮らしの貧乏令嬢、幽閉王子のお世話係になりました〜七年後の殿下が甘すぎるのですが!〜
侑子
恋愛
「リーシャ。僕がどれだけ君に会いたかったかわかる? 一人前と認められるまで魔塔から出られないのは知っていたけど、まさか七年もかかるなんて思っていなくて、リーシャに会いたくて死ぬかと思ったよ」
十五歳の時、父が作った借金のために、いつ魔力暴走を起こすかわからない危険な第二王子のお世話係をしていたリーシャ。
弟と同じ四つ年下の彼は、とても賢くて優しく、可愛らしい王子様だった。
お世話をする内に仲良くなれたと思っていたのに、彼はある日突然、世界最高の魔法使いたちが集うという魔塔へと旅立ってしまう。
七年後、二十二歳になったリーシャの前に現れたのは、成長し、十八歳になって成人した彼だった!
以前とは全く違う姿に戸惑うリーシャ。
その上、七年も音沙汰がなかったのに、彼は昔のことを忘れていないどころか、とんでもなく甘々な態度で接してくる。
一方、自分の息子ではない第二王子を疎んで幽閉状態に追い込んでいた王妃は、戻ってきた彼のことが気に入らないようで……。
崖っぷち令嬢は冷血皇帝のお世話係〜侍女のはずが皇帝妃になるみたいです〜
束原ミヤコ
恋愛
ティディス・クリスティスは、没落寸前の貧乏な伯爵家の令嬢である。
家のために王宮で働く侍女に仕官したは良いけれど、緊張のせいでまともに話せず、面接で落とされそうになってしまう。
「家族のため、なんでもするからどうか働かせてください」と泣きついて、手に入れた仕事は――冷血皇帝と巷で噂されている、冷酷冷血名前を呼んだだけで子供が泣くと言われているレイシールド・ガルディアス皇帝陛下のお世話係だった。
皇帝レイシールドは気難しく、人を傍に置きたがらない。
今まで何人もの侍女が、レイシールドが恐ろしくて泣きながら辞めていったのだという。
ティディスは決意する。なんとしてでも、お仕事をやりとげて、没落から家を救わなければ……!
心根の優しいお世話係の令嬢と、無口で不器用な皇帝陛下の話です。
【完結】辺境伯の溺愛が重すぎます~追放された薬師見習いは、領主様に囲われています~
深山きらら
恋愛
王都の薬師ギルドで見習いとして働いていたアディは、先輩の陰謀により濡れ衣を着せられ追放される。絶望の中、辺境の森で魔獣に襲われた彼女を救ったのは、「氷の辺境伯」と呼ばれるルーファスだった。彼女の才能を見抜いたルーファスは、アディを専属薬師として雇用する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる