22 / 26
CASE 11 巡る季節
冬支度
しおりを挟む
1
足で飛び越えられる一メートルほどの幅がある小川。澄んだ水がさらさらと流れている。そこにムーンが円筒形の器を三つ沈める。深さはちょうど器がすべて隠れるくらい。
「これでいいのか?」
「はいっ」
周囲の石で固定して流されないようにする。
リリーはいつものエプロン姿の上から赤いコートを羽織っている。吐く息が白い。呼吸の度に口から煙のような息が漏れる。
「凍ってしまわないか?」
ムーンは川に沈んだ器を見つめ、疑問を口にする。
「むしろ凍った方がいいんです。長持ちしますから」
「なるほど」
リリーは冬の準備のために大忙しだった。タンザナは温暖な気候といえども冬は来る。年間積雪量は大したものではないが、食料や燃料が平民の間で不足するのはどこの国も同じ。本格的な冬が来る前に備えておかなければならない。既に霜が降りている。
しばらく前は薬草集めに精を出していた。ミントやタイムは多年草で越冬できる。葉の部分を摘み取っておけば、春には土の下で生き残った根からまた新しい芽が出る。一年草は種になるのを見守る。習性ごとに採取の方法を変える。
「君の役に立ててよかった」
今や川の底にある器の中には、ムーンが狩った動物の肉がある。肉は貴重な栄養源だ。年末までに保存をしなければならない。乾燥、塩漬け、腸詰めなど色々な方法がある。
リリーは一部を乾燥させて手元に残し、残りはホースラディッシュという鼻に抜ける辛さの薬草を敷いて器に詰めた。そうしておくことで長持ちをする効果がある。あとは器ごと冷たい川に沈める。
内陸に位置するタンザナでは塩は貴重だ。塩漬けには使わず、なるべく節約する。
「本当に助かりました。一人になって初めての冬のことは悪夢のようで……」
リリーの表情は緊迫していた。目を瞑り、力なく項垂れる。
冬を乗り切れる雑穀を計算して食べていたつもりだった。春になる前に尽きていく食料。一向に芽吹かない緑。自然を前に無力だと思い知った。把握してない乾燥豆が倉庫から出てきて空腹を回避できたときは神の助けだと思った。養父に祈った後で遺品の手記からうっかり存在を忘れていたらしいことを知り、喜んでいいのか悲しんでいいのか複雑な気分になった結末までついてくる。
「私がそばにいられなかったことが悔やまれる」
シーツを被ってメソメソと泣くか弱い少女を想像してムーンの声が少し低くなる。実際は豆を口いっぱいに頬張っていた。
「それからは年内に準備をすることを学んで早めに動くことにしたんです!」
リリーは胸元で強くこぶしを握る。寒い中を歩き回り、闘争本能が刺激されていた。赤くなった鼻でいつも以上に張り切っている。
隣でムーンは律儀に頷いていた。
2
「冬に育つ薬草もあるんですが、基本は根っこや樹皮を利用します」
川沿いのぬかるんだ地面を歩き、枯れかけている白い花を見つけた。地面をスコップで掘り、根を剥き出しにする。
「これはマーシュマロウという薬草で粘液が粘膜に効くんです。のど飴として使用されることもあります。根っこは土の中にあるものなので、天日でよく乾かし、炒めることが多いです。こういうところの近くには……」
リリーは辺りを見回して葉が落ちた鱗状の幹をした木を見つけた。
「これはホワイトウィロウという柳の一種で樹皮に解熱や鎮痛作用があります」
幹を軽く叩いて示す。木肌はざらついていて硬質な手触りだ。
「こういったものを用意しておきます。寒くなると訪れる患者さんは少なくなりますが、準備は怠れません。この季節になると、病にかかりやすくなります。特にお年寄りは体調を崩しやすいですから」
薬草を採取しては薬草をカゴに入れていくリリーを後ろから見守りつつムーンが声をかける。
「冬には冬の自然の恵みがあるんだな。君も無理しないようにな」
「はいっ」
身体の新まで冷えきってしまう前に二人は家に戻った。春から秋に行われた薬草採取の時間はほとんどなくなり、家の中で過ごすことが多くなる。リリーは風邪予防用の薬湯を口にし、養父の残した薬草の本を読む。暖炉ではぱちぱちと火が燃えている。
この国では年が変わる前に古着を燃やし、新しい服や服飾品を身につけて新年を迎えるという風習がある。貴族は新しくドレスを仕立てるが、平民は余裕がないから靴下や頭巾を用意してささやかな祝う。
リリーは冬の長い時間を青い毛糸で編み物をしていた。細く伸びていく編み物を見てムーンが「それは何だ?」と尋ねても、「内緒です」という答えしか返ってこなかった。こうしてゆったりと穏やかに冬の時間は過ぎていった。
*****
男は石造りの壁を力任せに蹴り上げた。それでも満足できずに「クソッ」と吐き捨てる。事業で成功した小金持ちの男爵家に四男として生まれた彼は、プライドだけは肥大化していた。貴族としての責任感は育たず、あるのは選民意識。親のコネで軍に入隊した。けれど、最近は何もかもが上手くいかない。反抗的な民衆が目立ち、上官が苛立っているということもある。
運が傾いたのは半年以上前。悪友を誘って国境警備から抜け出して森で出会った女を少しからかってからだ。
決して自分の非を認めない彼の中では、記憶が書き換えられていた。そのときは確かに邪な思いを抱いていたのに、事実は記憶の奥底へと封じられた。
女が騒いだことで寄ってきた不審者に襲われた――彼の中ではそういう筋書きになっている。それどころか、女と不審者は共犯かもしれないという結論にまで至っていた。
上官に弁明しても信じてもらえず、北方の国境警備を言い渡された。山岳地帯にある基地に籠っての任務は過酷だ。冬を前に呼び戻されて命拾いをした。
自宅に戻ってきた彼に届いていたのは、父親からの長い長い手紙だ。要約すると「恥知らず」「兄たちを見習え」と書いてあった。
森の中で気絶していた彼のことを同僚たちは「臆病者」「嘘つき」などというあだ名をつけた。一緒にいた悪友は早々に影響力のある上官に媚を売って処罰を免れていた。上官の靴でも嘗めたのかもしれない。
町に戻ってきた彼の脳内では完全に罪を擦りつけられた被害者になっていた。どこまでいっても彼は間違えていないのだ。濡れ衣は拭わなくてはならない。
同僚たちに「森に化け物がいる」と訴えても顔を見合わせて笑われるだけ。この周辺では子どもたちに語り継がれている寓話だ。森を不可侵領域として認識する者は多くても、布団を被って震える大人はいない。
一人で町に聞き込みを行っても、兵士に非協力的な平民たちはまともに取り合わない。ある日、年端もいかない子どもから「魔女」という言葉を聞き出した。年齢が年齢だけに不確実な話だったが、「町にはたまに魔女が薬を持ってやって来る」という。しかも甲冑の男を従えていたらしい。
それ見ろ、と男は天に向かって吼えた。森には不幸をもたらす女がいるのだ。やはり自分は被害者なのだと確信を持った。
やっと掴んだ情報を今度は漏らしはしなかった。城に残っている連中は揃いも揃って間抜けばかりだ。先ほども部屋でトランプに興じていた同僚たちは、男を見かけて「森の警備は終わったか?」などと嘲笑を含んだ言葉を投げかけてきた。
男は爪をガリガリと噛みながら、燭台の明かりが照らす暗い廊下を歩いていた。爪は欠けてところどころ鋭利になり血が滲んでいる。どうやったら誤解が解けるのか、名誉を回復できるのか、彼の脳内はそれだけだった。
領主や上官の焦燥、反抗的な民衆、森の魔女――幾つもの情報を掛け合わせ、やがて一つの考えに至る。彼は兄たちより頭のできはよくなかったが、人を出し抜く悪知恵に関しては秀でていた。
まずは父親に反省の手紙を書かなくては。大事を行うには方便だって必要だ。自分が正しいことを証明できるなら、頭を下げるくらい些細なことだ。次に遠征中の上官。美味い餌をちらつかせるだけでいい。狂ったような哄笑が廊下に溢れ反響する。
「魔女狩りだッ!!」
次回→LAST CASE リリーとムーン
※ホースラディッシュ→セイヨウワサビ
※マーシュマロウ→かつてのマシュマロの原材料
足で飛び越えられる一メートルほどの幅がある小川。澄んだ水がさらさらと流れている。そこにムーンが円筒形の器を三つ沈める。深さはちょうど器がすべて隠れるくらい。
「これでいいのか?」
「はいっ」
周囲の石で固定して流されないようにする。
リリーはいつものエプロン姿の上から赤いコートを羽織っている。吐く息が白い。呼吸の度に口から煙のような息が漏れる。
「凍ってしまわないか?」
ムーンは川に沈んだ器を見つめ、疑問を口にする。
「むしろ凍った方がいいんです。長持ちしますから」
「なるほど」
リリーは冬の準備のために大忙しだった。タンザナは温暖な気候といえども冬は来る。年間積雪量は大したものではないが、食料や燃料が平民の間で不足するのはどこの国も同じ。本格的な冬が来る前に備えておかなければならない。既に霜が降りている。
しばらく前は薬草集めに精を出していた。ミントやタイムは多年草で越冬できる。葉の部分を摘み取っておけば、春には土の下で生き残った根からまた新しい芽が出る。一年草は種になるのを見守る。習性ごとに採取の方法を変える。
「君の役に立ててよかった」
今や川の底にある器の中には、ムーンが狩った動物の肉がある。肉は貴重な栄養源だ。年末までに保存をしなければならない。乾燥、塩漬け、腸詰めなど色々な方法がある。
リリーは一部を乾燥させて手元に残し、残りはホースラディッシュという鼻に抜ける辛さの薬草を敷いて器に詰めた。そうしておくことで長持ちをする効果がある。あとは器ごと冷たい川に沈める。
内陸に位置するタンザナでは塩は貴重だ。塩漬けには使わず、なるべく節約する。
「本当に助かりました。一人になって初めての冬のことは悪夢のようで……」
リリーの表情は緊迫していた。目を瞑り、力なく項垂れる。
冬を乗り切れる雑穀を計算して食べていたつもりだった。春になる前に尽きていく食料。一向に芽吹かない緑。自然を前に無力だと思い知った。把握してない乾燥豆が倉庫から出てきて空腹を回避できたときは神の助けだと思った。養父に祈った後で遺品の手記からうっかり存在を忘れていたらしいことを知り、喜んでいいのか悲しんでいいのか複雑な気分になった結末までついてくる。
「私がそばにいられなかったことが悔やまれる」
シーツを被ってメソメソと泣くか弱い少女を想像してムーンの声が少し低くなる。実際は豆を口いっぱいに頬張っていた。
「それからは年内に準備をすることを学んで早めに動くことにしたんです!」
リリーは胸元で強くこぶしを握る。寒い中を歩き回り、闘争本能が刺激されていた。赤くなった鼻でいつも以上に張り切っている。
隣でムーンは律儀に頷いていた。
2
「冬に育つ薬草もあるんですが、基本は根っこや樹皮を利用します」
川沿いのぬかるんだ地面を歩き、枯れかけている白い花を見つけた。地面をスコップで掘り、根を剥き出しにする。
「これはマーシュマロウという薬草で粘液が粘膜に効くんです。のど飴として使用されることもあります。根っこは土の中にあるものなので、天日でよく乾かし、炒めることが多いです。こういうところの近くには……」
リリーは辺りを見回して葉が落ちた鱗状の幹をした木を見つけた。
「これはホワイトウィロウという柳の一種で樹皮に解熱や鎮痛作用があります」
幹を軽く叩いて示す。木肌はざらついていて硬質な手触りだ。
「こういったものを用意しておきます。寒くなると訪れる患者さんは少なくなりますが、準備は怠れません。この季節になると、病にかかりやすくなります。特にお年寄りは体調を崩しやすいですから」
薬草を採取しては薬草をカゴに入れていくリリーを後ろから見守りつつムーンが声をかける。
「冬には冬の自然の恵みがあるんだな。君も無理しないようにな」
「はいっ」
身体の新まで冷えきってしまう前に二人は家に戻った。春から秋に行われた薬草採取の時間はほとんどなくなり、家の中で過ごすことが多くなる。リリーは風邪予防用の薬湯を口にし、養父の残した薬草の本を読む。暖炉ではぱちぱちと火が燃えている。
この国では年が変わる前に古着を燃やし、新しい服や服飾品を身につけて新年を迎えるという風習がある。貴族は新しくドレスを仕立てるが、平民は余裕がないから靴下や頭巾を用意してささやかな祝う。
リリーは冬の長い時間を青い毛糸で編み物をしていた。細く伸びていく編み物を見てムーンが「それは何だ?」と尋ねても、「内緒です」という答えしか返ってこなかった。こうしてゆったりと穏やかに冬の時間は過ぎていった。
*****
男は石造りの壁を力任せに蹴り上げた。それでも満足できずに「クソッ」と吐き捨てる。事業で成功した小金持ちの男爵家に四男として生まれた彼は、プライドだけは肥大化していた。貴族としての責任感は育たず、あるのは選民意識。親のコネで軍に入隊した。けれど、最近は何もかもが上手くいかない。反抗的な民衆が目立ち、上官が苛立っているということもある。
運が傾いたのは半年以上前。悪友を誘って国境警備から抜け出して森で出会った女を少しからかってからだ。
決して自分の非を認めない彼の中では、記憶が書き換えられていた。そのときは確かに邪な思いを抱いていたのに、事実は記憶の奥底へと封じられた。
女が騒いだことで寄ってきた不審者に襲われた――彼の中ではそういう筋書きになっている。それどころか、女と不審者は共犯かもしれないという結論にまで至っていた。
上官に弁明しても信じてもらえず、北方の国境警備を言い渡された。山岳地帯にある基地に籠っての任務は過酷だ。冬を前に呼び戻されて命拾いをした。
自宅に戻ってきた彼に届いていたのは、父親からの長い長い手紙だ。要約すると「恥知らず」「兄たちを見習え」と書いてあった。
森の中で気絶していた彼のことを同僚たちは「臆病者」「嘘つき」などというあだ名をつけた。一緒にいた悪友は早々に影響力のある上官に媚を売って処罰を免れていた。上官の靴でも嘗めたのかもしれない。
町に戻ってきた彼の脳内では完全に罪を擦りつけられた被害者になっていた。どこまでいっても彼は間違えていないのだ。濡れ衣は拭わなくてはならない。
同僚たちに「森に化け物がいる」と訴えても顔を見合わせて笑われるだけ。この周辺では子どもたちに語り継がれている寓話だ。森を不可侵領域として認識する者は多くても、布団を被って震える大人はいない。
一人で町に聞き込みを行っても、兵士に非協力的な平民たちはまともに取り合わない。ある日、年端もいかない子どもから「魔女」という言葉を聞き出した。年齢が年齢だけに不確実な話だったが、「町にはたまに魔女が薬を持ってやって来る」という。しかも甲冑の男を従えていたらしい。
それ見ろ、と男は天に向かって吼えた。森には不幸をもたらす女がいるのだ。やはり自分は被害者なのだと確信を持った。
やっと掴んだ情報を今度は漏らしはしなかった。城に残っている連中は揃いも揃って間抜けばかりだ。先ほども部屋でトランプに興じていた同僚たちは、男を見かけて「森の警備は終わったか?」などと嘲笑を含んだ言葉を投げかけてきた。
男は爪をガリガリと噛みながら、燭台の明かりが照らす暗い廊下を歩いていた。爪は欠けてところどころ鋭利になり血が滲んでいる。どうやったら誤解が解けるのか、名誉を回復できるのか、彼の脳内はそれだけだった。
領主や上官の焦燥、反抗的な民衆、森の魔女――幾つもの情報を掛け合わせ、やがて一つの考えに至る。彼は兄たちより頭のできはよくなかったが、人を出し抜く悪知恵に関しては秀でていた。
まずは父親に反省の手紙を書かなくては。大事を行うには方便だって必要だ。自分が正しいことを証明できるなら、頭を下げるくらい些細なことだ。次に遠征中の上官。美味い餌をちらつかせるだけでいい。狂ったような哄笑が廊下に溢れ反響する。
「魔女狩りだッ!!」
次回→LAST CASE リリーとムーン
※ホースラディッシュ→セイヨウワサビ
※マーシュマロウ→かつてのマシュマロの原材料
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました
蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈
絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。
絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!!
聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ!
ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!!
+++++
・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)
遡ったのは君だけじゃない。離縁状を置いて出ていった妻ーー始まりは、そこからだった。
沼野 花
恋愛
夫と子供たちに、選ばれなかったイネス。
すべてを愛人に奪われ、彼女は限界を迎え、屋敷を去る。
だが、その先に待っていたのは、救いではなかった。
イネスを襲った、取り返しのつかない出来事。
変わり果てた現実を前に、
夫はようやく、自分が何を失ったのかを思い知る。
深い後悔と悲しみに苛まれながら、
失ったイネスの心を取り戻そうとする夫。
しかし、彼女の心はすでに、外の世界へと向かっていた。
贖罪を背負いながらもイネスを求め続ける夫。
そして、母の心を知っていく子供たち。
イネスが求める愛とは、
そして、幸せとは――。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して2年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
毎日19時に更新予定です。
学園では婚約者に冷遇されていますが、有能なので全く気になりません。〜学園でお山の大将されてても、王宮では私の方が有能ですから〜
織り子
恋愛
王都カラディナにある国立魔術学園では、満十六歳の生徒たちの社交界デビューを兼ねた盛大なパーティーが開かれていた。
侯爵令嬢タレイア・オルトランは、婚約者である第二王子アスラン・オグセリアの迎えを待つも、結局ひとりで会場へ向かうことになる。
学園では身分の差がないとはいえ、アスランが公然とタレイアを侮辱し続けてきたことで、彼女は生徒たちから冷笑と蔑視の的となっていた。しかしタレイアは、王城で政務を担ってきた聡明さと矜持を失わず、毅然と振る舞う。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる