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[21]はじめてのアンデスィデ
-211-:稜線射撃の超近代的発展型です
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高砂・飛遊午が補習授業を受けるに当たって。
フラウ・ベルゲンは、いくら日本語が堪能だからといっても、やはり異国の授業に戸惑いが生じたのか?補習を受けてしまうハメに。
しょうがないなとヒューゴは隣で頭を抱えている女子へと向いた。
やはり、御手洗・寅美が補習授業に参加していた。
(コイツはいつも赤点予備軍だもんなぁ…)
体育は問題無いと思いきや、それは実技だけ。筆記試験になると他の教科と同じくピンチに陥っている。
ヒューゴはつくづく思う。
(また、俺がヘルプで勉強を教えるのか…)
窓から眺める白い雲を、遠い目をして見つめた。
補習授業が進む中、ヒューゴは頬杖をついて空を流れる雲を眺める。
ゆっくりと流れる雲…。
(のどかだなぁ…)
思わずアクビが出てしまう。
「そこッ!高砂くん。分かっている事ばかりでつまらないでしょうけれど、約束通りキチンと授業を受けてもらいますからねッ!」
担任の葛城・志穂は意外と根に持つタイプの女性だった。
学園理事長室に一本の電話が入った。
またもや他の理事たちは外出中、御陵・導しかいない状況での電話。
導は悪い予感を抱きつつ電話に出た。
電話の相手は国家機関。しかし、文部科学省からではなく、警察庁からでもなく、学園と何の関連があるのか?国防庁からであった。
電話の内容は。
現在、市松市市街地に避難命令が下され市民全員の避難が完了したとの事。また、周辺地域にも状況によっては避難勧告を布くため、前段階の外出禁止令を布いたとの報せだった。
つまりは、学園の生徒たちを敷地内から一歩も外へと出すなとの指示がなされたのだ。
なお、パニックを起こさせないために十分配慮せよとの“お達し”と言う名の圧力も掛けられた。
「復旧工事が終わったとたんにコレかよ…」
妙な不安を感じる中、確かに起こっている“何か”に、シルベはただ苛立ちを募らせるばかりであった。
市松市市街地では。
クレハ、オトギ、タツローの3人は息を潜めて敵騎の侵入を警戒していた。
上半身しかないコールブランド、それに地面を這いつくばっているバッタ型盤上戦騎のグラムの両騎は、飛び立つ事さえしなければ、頭頂高が低いのでレーダーなどのセンサー類に引っ掛かる事はまず無い。
個々のいる場所を把握、コールブランドもグラムも現在コンビニの駐車場に待機しているとの事。
意外と収まるものだとクレハは感心した。
ココミに通信を入れる。
「ココミちゃん。敵の動きはどう?」
訊ねた。
「1騎は南方10キロの地点、そしてもう1騎は北東15キロの地点からそれぞれ接近中。あとの1騎は…」
その後、すぐにココミの「あっ」と驚きの声。
「ダナと交戦状態に入りました。市街地東部で交戦中!」
意外と早い。どうやら敵のマスターも市街地内で盤上戦騎を召喚した模様。
「リョーマさん!」
ココミが通信を入れる。
「こちら草間・涼馬。敵と遭遇、交戦状態に入った。敵はアルルカン!前回、高砂・飛遊午と戦った相手だ」
少し早口で報告してきている。
いきなり包帯によるオールレンジ攻撃を受けているのか。
その予感は見事に的中。
ビルの谷間をホバリング走行で疾走しながら、次々と繰り出される包帯(アクティブバンテージ)による攻撃を躱していた。
躱せば躱すほどに、あちこちのビルに損害が広がってゆく。
それに加えて、あまりの低空での高速移動に、バイクや自転車が空高く巻き上げられてしまい、周囲の家屋へと落下、これまた損害をまき散らす。
ダナの脚が信号機を引っ掛けて折ってしまった時点で、リョーマは上昇を決意。ダナを戦闘機形態へと変形させて一気に急上昇。
なおも追跡してくるアルルカンをバックミラーに捉えつつ。
「これで僕の居場所は完全に把握されてしまったな」
腹をくくって迎え撃つしかない。
「草間さんが市街地を出ました」
オトギからの報告。
「どうします?クレハ先輩」
訊ねてくるも。
「今はまだ動かない方が良いと思う。彼も、私たちが出てきたら戦いにくいもの」
どう考えても、オトギたちがアルルカンの攻撃に対応できるとは思えない。
それに。
本人が一人で出来ると言っているのだから、彼一人に任せておけば良い。
それよりも。
敵はとっくに市街地に侵入してきているハズなのに、一向に姿を見せない。
歩いて哨戒しているなら、何らかの振動を感じているはずだし、もしかしたら!ホバリング移動をしているのか?
クレハは天井へと向くなり。
「ガンランチャー!アナタ、3次元狙撃の機能があったよね?周囲のカメラをハッキングして、頭を出さずに銃口だけ向けて狙撃するヤツ」
「はい~。稜線射撃の超近代的発展型です。スんゴイですよ~」
「今から、それで敵盤上戦騎の位置を割り出すわ。やってちょうだい」
クレハの命令に、ガンランチャーは嬉々として「ラジャー」ハッキングを開始した。
「自騎を中心に半径5キロ範囲の監視カメラをジャック、これより索敵モードに移行します」
ノリとは解ってはいるけれど、何のアニメかゲームを参考にしてかマシンボイス口調で報告してくる。さすがのクレハも、このノリに付いて行けない。
「南方3キロメートルの地点に、ビルの影に隠れている盤上戦騎馬のつま先を確認!」
敵も姿勢を低くして警戒している模様。
見つけた!
フラウ・ベルゲンは、いくら日本語が堪能だからといっても、やはり異国の授業に戸惑いが生じたのか?補習を受けてしまうハメに。
しょうがないなとヒューゴは隣で頭を抱えている女子へと向いた。
やはり、御手洗・寅美が補習授業に参加していた。
(コイツはいつも赤点予備軍だもんなぁ…)
体育は問題無いと思いきや、それは実技だけ。筆記試験になると他の教科と同じくピンチに陥っている。
ヒューゴはつくづく思う。
(また、俺がヘルプで勉強を教えるのか…)
窓から眺める白い雲を、遠い目をして見つめた。
補習授業が進む中、ヒューゴは頬杖をついて空を流れる雲を眺める。
ゆっくりと流れる雲…。
(のどかだなぁ…)
思わずアクビが出てしまう。
「そこッ!高砂くん。分かっている事ばかりでつまらないでしょうけれど、約束通りキチンと授業を受けてもらいますからねッ!」
担任の葛城・志穂は意外と根に持つタイプの女性だった。
学園理事長室に一本の電話が入った。
またもや他の理事たちは外出中、御陵・導しかいない状況での電話。
導は悪い予感を抱きつつ電話に出た。
電話の相手は国家機関。しかし、文部科学省からではなく、警察庁からでもなく、学園と何の関連があるのか?国防庁からであった。
電話の内容は。
現在、市松市市街地に避難命令が下され市民全員の避難が完了したとの事。また、周辺地域にも状況によっては避難勧告を布くため、前段階の外出禁止令を布いたとの報せだった。
つまりは、学園の生徒たちを敷地内から一歩も外へと出すなとの指示がなされたのだ。
なお、パニックを起こさせないために十分配慮せよとの“お達し”と言う名の圧力も掛けられた。
「復旧工事が終わったとたんにコレかよ…」
妙な不安を感じる中、確かに起こっている“何か”に、シルベはただ苛立ちを募らせるばかりであった。
市松市市街地では。
クレハ、オトギ、タツローの3人は息を潜めて敵騎の侵入を警戒していた。
上半身しかないコールブランド、それに地面を這いつくばっているバッタ型盤上戦騎のグラムの両騎は、飛び立つ事さえしなければ、頭頂高が低いのでレーダーなどのセンサー類に引っ掛かる事はまず無い。
個々のいる場所を把握、コールブランドもグラムも現在コンビニの駐車場に待機しているとの事。
意外と収まるものだとクレハは感心した。
ココミに通信を入れる。
「ココミちゃん。敵の動きはどう?」
訊ねた。
「1騎は南方10キロの地点、そしてもう1騎は北東15キロの地点からそれぞれ接近中。あとの1騎は…」
その後、すぐにココミの「あっ」と驚きの声。
「ダナと交戦状態に入りました。市街地東部で交戦中!」
意外と早い。どうやら敵のマスターも市街地内で盤上戦騎を召喚した模様。
「リョーマさん!」
ココミが通信を入れる。
「こちら草間・涼馬。敵と遭遇、交戦状態に入った。敵はアルルカン!前回、高砂・飛遊午と戦った相手だ」
少し早口で報告してきている。
いきなり包帯によるオールレンジ攻撃を受けているのか。
その予感は見事に的中。
ビルの谷間をホバリング走行で疾走しながら、次々と繰り出される包帯(アクティブバンテージ)による攻撃を躱していた。
躱せば躱すほどに、あちこちのビルに損害が広がってゆく。
それに加えて、あまりの低空での高速移動に、バイクや自転車が空高く巻き上げられてしまい、周囲の家屋へと落下、これまた損害をまき散らす。
ダナの脚が信号機を引っ掛けて折ってしまった時点で、リョーマは上昇を決意。ダナを戦闘機形態へと変形させて一気に急上昇。
なおも追跡してくるアルルカンをバックミラーに捉えつつ。
「これで僕の居場所は完全に把握されてしまったな」
腹をくくって迎え撃つしかない。
「草間さんが市街地を出ました」
オトギからの報告。
「どうします?クレハ先輩」
訊ねてくるも。
「今はまだ動かない方が良いと思う。彼も、私たちが出てきたら戦いにくいもの」
どう考えても、オトギたちがアルルカンの攻撃に対応できるとは思えない。
それに。
本人が一人で出来ると言っているのだから、彼一人に任せておけば良い。
それよりも。
敵はとっくに市街地に侵入してきているハズなのに、一向に姿を見せない。
歩いて哨戒しているなら、何らかの振動を感じているはずだし、もしかしたら!ホバリング移動をしているのか?
クレハは天井へと向くなり。
「ガンランチャー!アナタ、3次元狙撃の機能があったよね?周囲のカメラをハッキングして、頭を出さずに銃口だけ向けて狙撃するヤツ」
「はい~。稜線射撃の超近代的発展型です。スんゴイですよ~」
「今から、それで敵盤上戦騎の位置を割り出すわ。やってちょうだい」
クレハの命令に、ガンランチャーは嬉々として「ラジャー」ハッキングを開始した。
「自騎を中心に半径5キロ範囲の監視カメラをジャック、これより索敵モードに移行します」
ノリとは解ってはいるけれど、何のアニメかゲームを参考にしてかマシンボイス口調で報告してくる。さすがのクレハも、このノリに付いて行けない。
「南方3キロメートルの地点に、ビルの影に隠れている盤上戦騎馬のつま先を確認!」
敵も姿勢を低くして警戒している模様。
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