情報発信系女子 伊澄さん!

SHiMA

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♯1 《青木奏》

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青木奏、28歳。
38の会社に面接を受け、たった一つしか受からなかった。
そのたった一つ受かった会社が、いま青木の目の前にある《早苗社情報部》である。

(高校を卒業しその後10年間もニートやってたから体が鈍ってるな…
…でも!ここ《早苗社情報部》の黄嶋さんはこんな俺を受け入れてくれたんだ!
だから…全力で頑張るぞ!!!)

時刻は8:23。予定時刻の7分前になり、青木は意を決してその建物の中へ入った。

「わぁ…」

こじんまりとしているが、中はとても綺麗に掃除されている。呆然としている青木の元へ、

「こんにちは。」

と1人の女性が挨拶をした。
…普通ならここで、挨拶をかえすところだが、青木はどうしても声が出なかった。

…3次元の女性になれていないからだ。

青木は高校卒業以来、(母親以外の)3次元の女性と喋ったことがなかったのだ。
面接の時も、面接官の中に女性が居て、上手く話せないことがあった。

青木が色々と考えていたら、女性はその場を去ってしまった。

「あぁ…挨拶、できなかった。
絶対愛想悪い奴だと思われただろうな…そうに違いない。」



「青木くんよね?」
「わ、あ、えっと、は、はい、はいっ!アアアアアアアオキデスッ、青木です!」
「うん、私は黄嶋舞、今日からあなたの上司になるからよろしくね。」
「あっ、キキキ黄嶋さんデしたヵ!すいますすすいません!えと、よろしくお願いします!」
「よろしくね。もう1人の子は、明日から来るから。三村さんね。」
「ソッそうなんですか!」
「うん、
…んっと、なんか大丈夫?」
「はいっ、スイマセッすいません!」
「ま、いいか。とりあえず仕事内容を教えるわね。まず、このバンダナ。」
「バンダナ…?」
「そ。インタビューする時は、それを首に巻いてね。」
「え…何でですか?」
「まぁ…後で説明するわ。朱里ちゃんがいるときに。」
「はぁ」
「それで、仕事内容ね。ここ《早苗社情報部》では、今青木くん達を含めて5人が働いているの。」
「5人ですか」
「5人よ。少ないでしょ。」
「はい…でも、少ない方が慣れやすそうなのでいいとも思います!」
「慣れやすい?…
…それで、いつもはインタビューして、記事を書いて、パソコンで打って、発行しているわ。簡単な作業だけど意外と時間がかかるのよ。」
「へえ」
「それくらいね。質問とか、ある?」
「大丈夫です!」
「そう。じゃあ今日はこれで終わり。自己紹介とかは明日やるから、考えておいてね。」
「はい!」


「はぁ…凄く緊張した。3次元の女性って久々に話したなぁ…
…でも、この機会に3次元の女性に慣れるんだ!そして恋人作って結婚して…」



『お前みたいなデブでオタクなニート、育てるんじゃなかったよ!』

『そんなんだからDTなんだよバーカ‪w』

『死ねよ、こっち見んなよデブオタ!』




(皆、見返してやる!)

青木はそう心に決めた。
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