古代兵器ミカエル

真綾

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 天使と名が付くはずなのに守りたいもの一つ守ってくれなかった。

 だから決めたんだ、自分の手で守るんだって。

 他力本願じゃ、救えない。己の大切な人を世界は排除しようとしているのなら立ち向かわなければならない。

 天使と名の付く古代兵器は人類を守るために存在しているのなら、大切な人だって人間じゃないの。

 救われる人は全人類じゃないって言いたいのかしら。

 認めたくない、認めさせたくない。

 他の誰かにとって居なくなっても、構わない人なのかもしれないけど、己には身を引き裂かれるより大切なの。


 数百年前地球に侵略してきた者たちを『悪魔』と呼ぶようになったのは対抗兵器が『天使の名を持つ古代兵器』だったからかもしれない。

 人の言葉を理解し、テレパシーで会話をする侵略者達が別次元に生きていると知ったのは戦いが始まってからどれくらいの月日が経ってからだろうか。


 それでも奴らは地球と言う星を侵略する手を休めない。

 人類の進歩で作り出した化学兵器で奴らを倒すことは出来ず、傷をつけられたとしても奴らの超回復には敵わない。

 兵器自体も人類が生み出したものなのか、またその兵器自体も別次元から来たのかも分からない。

 人々が分かるのは『古代兵器』でしか『悪魔』を倒せないという事実だけ。
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