古代兵器ミカエル

真綾

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 最期はミカエルの血に抗うことは出来ず、母さんを殺す羽目になっちゃったけど。

 愛しい君を守る力を神様は人間に与えてくださったわけじゃないんだね。

 人々は守れたのに、身近な人は守れなかったんだもの。

 人には百の巡りがあるから二人は今度こそ一緒になれるかもしれない。

 アタシは作られた命だからもしかしたらもう、会うことは会えないかもしれない。

 二人の子として生まれたことに後悔はない。

 時間を遡る度に同じやり取りを繰り返しながらも丞太郎を助けようと必死に行動している弥生。

 素直に想いを伝いあえれば弥生様は非道に走らずに済んだのかな。

 最も、戦いの原因になった悪魔が地球を攻めてこなければ二人は結ばれたのかな。

 悪魔は天使のなれの果て。

 過去の戦士達の想いの集合体。

 弥生様が無事成仏しなければ、悪魔は再来するかもしれない。

 表裏一体の世界を神が創造して人には決して立ち入ることの敵わない領域。

 世界自体が神様の箱庭だと知るのはきっと創られた命だから。

「真実を知っていたら、母さんは神にも戦いを挑んだのかな」
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