53 / 69
エピソード6.5
【枯れない花】
しおりを挟む
「ただいま~」
まだ夕方の時間、当然ながら師匠はいない。
ディアナも女友達とお茶会というか、慰労会というか、そんな感じで一緒にいる。とにかく何か食べて来るだろう。
今回襲撃の被害に遭ったなかにディアナの友人の長耳種の子がいたけど、長耳種は一般的に容姿が愛らしいことと、ショックに弱いことが有名だ。
場合によっては強いショックを受けるだけで死んでしまうこともあるらしい。
女の子達のお茶会は、被害を受けた子のショックをやわらげることが目的なのだろう。
明らかに彼女達に頼りにされているっぽいディアナがいることで、少しでも精神的な安心を得ることが出来るのならなによりの話だ。
とは言え、ディアナも疲れているんじゃないかと思うから、嫌がるようなら止めるつもりだったけど、友達に囲まれていたとき、いつもより力が抜けていて嬉しそうだったし、問題はなさそうだった。
ほんと、いつの間にか友達いっぱい作っていて、安心すると同時にちょっと嫉妬する気持ちもある。
やっぱり異性の友人って同性の友達には勝てないよね。
あ、やばい、ちょっと落ち込みそう。
「キュウ?」
玄関を入って溜息を吐いた僕に、ハルが不思議そうにまとわり付いた。
「あ、ハル起きたのか、何を食べたい?」
どうしようもないことに落ち込んでも仕方ないので気持ちを切り替える。
そもそも同性じゃあ恋人になれないからね。
ん? そうでもないのか……。
まぁ、とにかく僕は異性が好きだし、ディアナだってきっと異性と恋愛するはずだ。
……なんだか不安になって来た。
……大丈夫だよね?
「キュ~」
「ああ、はいはい、ご飯ね、ご飯」
ハルが急かせるように髪を引っ張る。
ハルのおかげで変なことに悩まなくて済む。
ありがたいな。
キッチンに行って保冷庫をチェックしようと、キッチンへと続く居間の戸を開ける。
「ん?」
居間に入ると違和感に気づき、視線を動かす。
あれ? あんなところに灯りがあったっけ?
カーテンを閉めた部屋は夕方だけどすでにほんのり暗く、部屋の大半は闇に沈んでいるはずなのだけど、窓際の一画がわずかに光を帯びていた。
近づいてみると、なんとそれは、ずっと枯れないでいた一輪挿しに入った花だった。
花がほんのりと光を放っているのだ。
驚いてその花に触れると、それは植物の柔らかさではなく、ガラスを思わせる硬さを持っていた。
「え?」
驚いた拍子にその花を取り落としてしまう。
ガラスのような触感と、繊細な形から、僕はそれが床で砕けてしまうと思った。
「あ、れ?」
しかし僕の予見は外れて、その花はキン! と、金属が弾かれたときのような僅かな音を立てただけで、無傷で床に転がった。
僕はそっともう一度その花を手に取る。
細い茎から伸びた糸のように細い葉っぱも、薄く光が透ける花びらも、ヒビ一つ入った様子はない。
「どうなっているんだろう、これ」
不思議だ。
そして改めて観察してわかったのだけど、この花の周囲は、なんというか空気が澄んでいるような気がする。
僕は元々郊外暮らしだったから、都会に越して来て、その空気の悪さに辟易していたことがあった。
しかしこの花の周囲にはその都会らしい澱みがない。
それに部屋全体にも、うっすらと、郊外の山野のような空気感があった。
「ハル、これはなに?」
花をこんな風に作り変えてしまったのだろう当のハルに尋ねてみたけど、ハルは「キュウ! キュウ!」と、怒ったように僕の髪を引っ張るばかりで、答えてくれそうもない。
うぬぬ。
仕方ない、この花についてはまた後で調べてみよう。
僕は保冷庫を漁ってりんごとアケビを取り出してハルに示した。
ハルは欲張りにも両方取ろうとしたが、どちらにしろ一個食べ切れるかどうかなのに二個は絶対に無理である。
「ダメ! どっちか片方!」
「キュン」
僕が言い聞かせると、しょんぼりしながらも、アケビを選ぶ。
熟していていかにも食べ頃の甘い匂いを放っているからね。そりゃあ食べたいよね。
アケビを割って皿に出してやりながら、僕は考える。
ハルはほぼ間違いなく僕たちの言っていることは大体理解出来る。
しかし難しいことは理解出来ないし、ハル自身も説明することは出来ない。
花についてハル自身が理解しているかどうかも怪しかった。
こういうのに詳しい人を僕は一人知っている。
そう、我がサークルの部長どのだ。
あの人は博学な上に、顔が広くて高等部の各研究室とのコネクションを持っている。
言えば調べてくれるだろう。
問題は、それでハルに対して変な興味を掻き立てられて怪しげな実験をしたりしないかということだ。
「う~ん」
こういうことは一人で考えても結論は出ない。
ディアナが帰ったら意見を聞いてみよう。
妖魔のなかには宝石を生み出すというものもいたらしいし、ハルの能力もそうおかしい話でもなさそうだし。
案外、さらっとこの花がどういったものなのかもわかって、ハルに危害を及ぼすようなことにはならないかもしれないしな。
僕は保冷庫の中身をちらっと見る。
さしてお腹が空いてない。
生ハムを二枚ほど取り出して、口に入れ、蒸留水を飲む。
都会に来てまず驚いたのが、水道水をそのまま飲むなと言われたことだったな。
水道水は強い消毒作用のある薬を使っていて、しかも徹底的にフィルターをかけているのでそのまま飲んでも健康被害は無さそうなものだけど、師匠の家のある辺りは飲食店が少なく、中継フィルターがないらしい。
水道管の取替工事などは滅多に行われないので、飲料水としては怪しい状態になっているそうなのだ。
そもそも都会は人が住む前提で開発されていない。
飲料水としてふさわしいかどうかなどは飲食店のものはチェックされるけど、オフィスビル街であるこの辺りはおざなりなのだ。
大前提として、政府としては都市部に人が住んで欲しくない。
石棺病の患者を増やしたくないからね。
そりゃあ住環境を整える訳ないよね。
アケビを食べきったハルは、またしてもぐーすか寝転んでいた。
なんという自由。
羨ましい。
とは言え、僕も今日は疲れた。
白先輩のこと、ディアナの友達のこと、ハルの力のこと、色々気になることはあるけど、全部もう今日は無理だ。
とにかく一度仮眠を取ろう。
僕はテーブルの上を片付けると、腹を上に向けて、いわゆる開きと言われるポーズですやすや寝ているハルを抱えて部屋に入るとベッドに寝転んだ。
「なんで……」
意識が少しずつぼんやりとどこかへと沈んで行く。
ふと、沈む意識のなかで無慈悲な手が女の子を捕まえる瞬間が蘇った。
「助けない……と……」
まぶたの裏に、暗闇の中から伸ばされた小さな白い手が浮かんだ。
檻のなかで全てを諦めながらも、それでもなお、助けを求めた小さな手。
僕はあのときから、少しは何かが出来るように変われたのだろうか。
まだ夕方の時間、当然ながら師匠はいない。
ディアナも女友達とお茶会というか、慰労会というか、そんな感じで一緒にいる。とにかく何か食べて来るだろう。
今回襲撃の被害に遭ったなかにディアナの友人の長耳種の子がいたけど、長耳種は一般的に容姿が愛らしいことと、ショックに弱いことが有名だ。
場合によっては強いショックを受けるだけで死んでしまうこともあるらしい。
女の子達のお茶会は、被害を受けた子のショックをやわらげることが目的なのだろう。
明らかに彼女達に頼りにされているっぽいディアナがいることで、少しでも精神的な安心を得ることが出来るのならなによりの話だ。
とは言え、ディアナも疲れているんじゃないかと思うから、嫌がるようなら止めるつもりだったけど、友達に囲まれていたとき、いつもより力が抜けていて嬉しそうだったし、問題はなさそうだった。
ほんと、いつの間にか友達いっぱい作っていて、安心すると同時にちょっと嫉妬する気持ちもある。
やっぱり異性の友人って同性の友達には勝てないよね。
あ、やばい、ちょっと落ち込みそう。
「キュウ?」
玄関を入って溜息を吐いた僕に、ハルが不思議そうにまとわり付いた。
「あ、ハル起きたのか、何を食べたい?」
どうしようもないことに落ち込んでも仕方ないので気持ちを切り替える。
そもそも同性じゃあ恋人になれないからね。
ん? そうでもないのか……。
まぁ、とにかく僕は異性が好きだし、ディアナだってきっと異性と恋愛するはずだ。
……なんだか不安になって来た。
……大丈夫だよね?
「キュ~」
「ああ、はいはい、ご飯ね、ご飯」
ハルが急かせるように髪を引っ張る。
ハルのおかげで変なことに悩まなくて済む。
ありがたいな。
キッチンに行って保冷庫をチェックしようと、キッチンへと続く居間の戸を開ける。
「ん?」
居間に入ると違和感に気づき、視線を動かす。
あれ? あんなところに灯りがあったっけ?
カーテンを閉めた部屋は夕方だけどすでにほんのり暗く、部屋の大半は闇に沈んでいるはずなのだけど、窓際の一画がわずかに光を帯びていた。
近づいてみると、なんとそれは、ずっと枯れないでいた一輪挿しに入った花だった。
花がほんのりと光を放っているのだ。
驚いてその花に触れると、それは植物の柔らかさではなく、ガラスを思わせる硬さを持っていた。
「え?」
驚いた拍子にその花を取り落としてしまう。
ガラスのような触感と、繊細な形から、僕はそれが床で砕けてしまうと思った。
「あ、れ?」
しかし僕の予見は外れて、その花はキン! と、金属が弾かれたときのような僅かな音を立てただけで、無傷で床に転がった。
僕はそっともう一度その花を手に取る。
細い茎から伸びた糸のように細い葉っぱも、薄く光が透ける花びらも、ヒビ一つ入った様子はない。
「どうなっているんだろう、これ」
不思議だ。
そして改めて観察してわかったのだけど、この花の周囲は、なんというか空気が澄んでいるような気がする。
僕は元々郊外暮らしだったから、都会に越して来て、その空気の悪さに辟易していたことがあった。
しかしこの花の周囲にはその都会らしい澱みがない。
それに部屋全体にも、うっすらと、郊外の山野のような空気感があった。
「ハル、これはなに?」
花をこんな風に作り変えてしまったのだろう当のハルに尋ねてみたけど、ハルは「キュウ! キュウ!」と、怒ったように僕の髪を引っ張るばかりで、答えてくれそうもない。
うぬぬ。
仕方ない、この花についてはまた後で調べてみよう。
僕は保冷庫を漁ってりんごとアケビを取り出してハルに示した。
ハルは欲張りにも両方取ろうとしたが、どちらにしろ一個食べ切れるかどうかなのに二個は絶対に無理である。
「ダメ! どっちか片方!」
「キュン」
僕が言い聞かせると、しょんぼりしながらも、アケビを選ぶ。
熟していていかにも食べ頃の甘い匂いを放っているからね。そりゃあ食べたいよね。
アケビを割って皿に出してやりながら、僕は考える。
ハルはほぼ間違いなく僕たちの言っていることは大体理解出来る。
しかし難しいことは理解出来ないし、ハル自身も説明することは出来ない。
花についてハル自身が理解しているかどうかも怪しかった。
こういうのに詳しい人を僕は一人知っている。
そう、我がサークルの部長どのだ。
あの人は博学な上に、顔が広くて高等部の各研究室とのコネクションを持っている。
言えば調べてくれるだろう。
問題は、それでハルに対して変な興味を掻き立てられて怪しげな実験をしたりしないかということだ。
「う~ん」
こういうことは一人で考えても結論は出ない。
ディアナが帰ったら意見を聞いてみよう。
妖魔のなかには宝石を生み出すというものもいたらしいし、ハルの能力もそうおかしい話でもなさそうだし。
案外、さらっとこの花がどういったものなのかもわかって、ハルに危害を及ぼすようなことにはならないかもしれないしな。
僕は保冷庫の中身をちらっと見る。
さしてお腹が空いてない。
生ハムを二枚ほど取り出して、口に入れ、蒸留水を飲む。
都会に来てまず驚いたのが、水道水をそのまま飲むなと言われたことだったな。
水道水は強い消毒作用のある薬を使っていて、しかも徹底的にフィルターをかけているのでそのまま飲んでも健康被害は無さそうなものだけど、師匠の家のある辺りは飲食店が少なく、中継フィルターがないらしい。
水道管の取替工事などは滅多に行われないので、飲料水としては怪しい状態になっているそうなのだ。
そもそも都会は人が住む前提で開発されていない。
飲料水としてふさわしいかどうかなどは飲食店のものはチェックされるけど、オフィスビル街であるこの辺りはおざなりなのだ。
大前提として、政府としては都市部に人が住んで欲しくない。
石棺病の患者を増やしたくないからね。
そりゃあ住環境を整える訳ないよね。
アケビを食べきったハルは、またしてもぐーすか寝転んでいた。
なんという自由。
羨ましい。
とは言え、僕も今日は疲れた。
白先輩のこと、ディアナの友達のこと、ハルの力のこと、色々気になることはあるけど、全部もう今日は無理だ。
とにかく一度仮眠を取ろう。
僕はテーブルの上を片付けると、腹を上に向けて、いわゆる開きと言われるポーズですやすや寝ているハルを抱えて部屋に入るとベッドに寝転んだ。
「なんで……」
意識が少しずつぼんやりとどこかへと沈んで行く。
ふと、沈む意識のなかで無慈悲な手が女の子を捕まえる瞬間が蘇った。
「助けない……と……」
まぶたの裏に、暗闇の中から伸ばされた小さな白い手が浮かんだ。
檻のなかで全てを諦めながらも、それでもなお、助けを求めた小さな手。
僕はあのときから、少しは何かが出来るように変われたのだろうか。
0
あなたにおすすめの小説
辺境のスローライフを満喫したいのに、料理が絶品すぎて冷酷騎士団長に囲い込まれました
腐ったバナナ
恋愛
異世界に転移した元会社員のミサキは、現代の調味料と調理技術というチート能力を駆使し、辺境の森で誰にも邪魔されない静かなスローライフを送ることを目指していた。
しかし、彼女の作る絶品の料理の香りは、辺境を守る冷酷な「鉄血」騎士団長ガイウスを引き寄せてしまった。
【完】出来損ない令嬢は、双子の娘を持つ公爵様と契約結婚する~いつの間にか公爵様と7歳のかわいい双子たちに、めいっぱい溺愛されていました~
夏芽空
恋愛
子爵令嬢のエレナは、常に優秀な妹と比較され家族からひどい扱いを受けてきた。
しかし彼女は7歳の双子の娘を持つ公爵――ジオルトと契約結婚したことで、最低な家族の元を離れることができた。
しかも、条件は最高。公の場で妻を演じる以外は自由に過ごしていい上に、さらには給料までも出してくてれるという。
夢のような生活を手に入れた――と、思ったのもつかの間。
いきなり事件が発生してしまう。
結婚したその翌日に、双子の姉が令嬢教育の教育係をやめさせてしまった。
しかもジオルトは仕事で出かけていて、帰ってくるのはなんと一週間後だ。
(こうなったら、私がなんとかするしかないわ!)
腹をくくったエレナは、おもいきった行動を起こす。
それがきっかけとなり、ちょっと癖のある美少女双子義娘と、彼女たちよりもさらに癖の強いジオルトとの距離が縮まっていくのだった――。
【完結】後宮の片隅にいた王女を拾いましたが、才女すぎて妃にしたくなりました
藤原遊
恋愛
【溺愛・成長・政略・糖度高め】
※ヒーロー目線で進んでいきます。
王位継承権を放棄し、外交を司る第六王子ユーリ・サファイア・アレスト。
ある日、後宮の片隅でひっそりと暮らす少女――カティア・アゲート・アレストに出会う。
不遇の生まれながらも聡明で健気な少女を、ユーリは自らの正妃候補として引き取る決断を下す。
才能を開花させ成長していくカティア。
そして、次第に彼女を「妹」としてではなく「たった一人の妃」として深く愛していくユーリ。
立場も政略も超えた二人の絆が、やがて王宮の静かな波紋を生んでいく──。
「私はもう一人ではありませんわ、ユーリ」
「これからも、私の隣には君がいる」
甘く静かな後宮成長溺愛物語、ここに開幕。
兄みたいな騎士団長の愛が実は重すぎでした
鳥花風星
恋愛
代々騎士団寮の寮母を務める家に生まれたレティシアは、若くして騎士団の一つである「群青の騎士団」の寮母になり、
幼少の頃から仲の良い騎士団長のアスールは、そんなレティシアを陰からずっと見守っていた。レティシアにとってアスールは兄のような存在だが、次第に兄としてだけではない思いを持ちはじめてしまう。
アスールにとってもレティシアは妹のような存在というだけではないようで……。兄としてしか思われていないと思っているアスールはレティシアへの思いを拗らせながらどんどん膨らませていく。
すれ違う恋心、アスールとライバルの心理戦。拗らせ溺愛が激しい、じれじれだけどハッピーエンドです。
☆他投稿サイトにも掲載しています。
☆番外編はアスールの同僚ノアールがメインの話になっています。
ブスすぎて嫁の貰い手がないから閨勤侍女になれと言われたので縁を切ります、完全に!完全縁切りの先にあったのは孤独ではなくて…
ハートリオ
恋愛
ルフスは結婚が決まった従姉の閨勤侍女になるよう父親に命令されたのをきっかけに父に無視され冷遇されて来た日々を終わらせようとブラコン父と完全に縁を切る決意する。
一方、従姉の結婚相手はアルゲンテウス辺境伯とのことだが、実は手違いがあって辺境伯が結婚したいのはルフス。
そんなこんなの異世界ファンタジーラブです。
読んでいただけると嬉しいです。
【完結】目覚めたら男爵家令息の騎士に食べられていた件
三谷朱花
恋愛
レイーアが目覚めたら横にクーン男爵家の令息でもある騎士のマットが寝ていた。曰く、クーン男爵家では「初めて契った相手と結婚しなくてはいけない」らしい。
※アルファポリスのみの公開です。
愛人を選んだ夫を捨てたら、元婚約者の公爵に捕まりました
由香
恋愛
伯爵夫人リュシエンヌは、夫が公然と愛人を囲う結婚生活を送っていた。
尽くしても感謝されず、妻としての役割だけを求められる日々。
けれど彼女は、泣きわめくことも縋ることもなく、静かに離婚を選ぶ。
そうして“捨てられた妻”になったはずの彼女の前に現れたのは、かつて婚約していた元婚約者――冷静沈着で有能な公爵セドリックだった。
再会とともに始まるのは、彼女の価値を正しく理解し、決して手放さない男による溺愛の日々。
一方、彼女を失った元夫は、妻が担っていたすべてを失い、社会的にも転落していく。
“尽くすだけの妻”から、“選ばれ、守られる女性”へ。
静かに離婚しただけなのに、
なぜか元婚約者の公爵に捕まりました。
中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています
浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】
ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!?
激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。
目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。
もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。
セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。
戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。
けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。
「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの?
これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、
ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。
※小説家になろうにも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる