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竜の御子達
夜と朝
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ほぼ半分とはいえ月があるおかげで真の闇という程ではないが、肉眼では何も見えないので、人間にとっては真の闇とそう変わらない中を、方向の見定められない強風に煽られながら、チラつくカンテラの光を追う。
そんな神経をすり減らす夜駆けを数度の休憩を挟みながら行い、誰もが疲弊して夢うつつの境を無くしかけた頃に、まるで上からぎゅうと押し込まれるような、急激な温度の低下と共に一番の強風が襲い来た。
さすがにこれにはたまらずに隊列が止まる。
休憩に座り込むことも、進みも引きも出来ない。そんな状態でしばし耐えていると、地平があるだろう方向に藍の『色』が浮かび、やがてそれが白い光を帯び始めた。
闇に入った切れ目は地上と天上を切り分け、同時に風が弱まり始める。
誰もが、そのまま動く事も忘れて見詰める先で、白い光は金色に淡く染まり、まるで自ら光る宝玉のような太陽が昇った。
「おお……」
誰かの口から溜め息のような声が漏れ、その声が聞こえることで、声が通る程に風が弱まっていることに気付く。
マウノとカッリオがひざまづき、唸るような声で何かの詩を口ずさんだ。
空が一瞬ライカの髪と同じ色に覆われ、強風の中でほつれて解け、ばさばさになったその髪が、風に巻かれて空に溶け込むようにも見えた。
ほんのひとときの世界の挨拶のような輝きの時間を、人々はどこか敬虔な面持ちで過ごし、そして、ほっと息を吐く。
夜が終わったのだ。
「よし! 長い休憩に入るぞ! 各自食いもんを受け取りに来い。薪はそれぞれの所属で半束ずつだ。代表が引き取りに来い! 今の内に寝ておくんだぞ!」
隊商長の、風を吹き飛ばすような大声がそう告げると、全員が重い足を引き摺って、よたよたとそれぞれの行動を始める。
ライカは動かすたびに痛みの走る足を引き摺るように配られる食べ物を受け取りに歩いた。
気づくと、サッズがその周りを何か落ち着かない様子でグルグル周りながら付いて来る。
ライカにはこの様子に覚えがあった。
竜の家族達が揃いも揃って、どうしたら良いか分からなくなった時に決まって取る行動がこれなのだ。
ライカが幼い頃に怪我をした時など、彼等は決まってオロオロと周りを歩き回り出したものである。
「サッズ、心配しなくても大丈夫だから」
「ああ」
返事は返るが、どうも心ここに在らずといった感じでぼんやりとした反応だ。
ライカは溜め息を吐くと、その腕を取って配給の列に並ぶ。
「なんだ? 相方は眠いのか?」
「ええ、そうみたいなんです。寝ずに夜を越したこととか無かったんで」
「よっぽどいい家で育ったらしいな、そのお坊ちゃんは。まぁそれにしちゃ頑丈だから感心しちゃあいるが」
「あはは」
ゾイバックの、思い込みからの確信に満ちた言葉に対して返事に困り、ライカはつい、それを空笑いでやり過ごした。
とにもかくにも食事を受け取り、サッズの分も無理やり握らせると、急いで元の荷物の場所に戻る。
「サッズ!」
ライカは呼びかけと同時にサッズの耳元で両手を打ち合わせ、併せて心声で、言葉としては意味のない衝撃を軽く放った。
「あ?」
焦った顔でライカを見てゆらゆら体を動かしていたサッズは、小さく声を上げてライカを見直し、不思議そうな顔をすると、唐突に、
「大丈夫か?」
と訪ねる。
「大丈夫じゃないのはサッズのほうだね。俺は大丈夫だからとにかくご飯食べて寝よう」
「ん? ああ」
サッズが落ち着いたのを確認して、ライカは手元の貰った食べ物に目を移す。
干し炒りと言われる焼き固めた穀物の固まりが一個、干し果、漬け物これらが椀の中に一緒に入れられた分。
それと水袋の補給を貰ったが、これは今ここで飲む訳にはいかない分である。
「お湯を貰ってこよう」
「あ? うん、そうだな」
何かまだどこかぼんやりしているサッズを急かして、ライカは火が熾されつつある場所へと行った。
近寄ってみると、カッリオとゾイバックが大きめの凹みの周りに石を積んで簡易の炉を作っている。
火はまだ無いようだった。
風があると火種が上手く移せないらしく、彼等は大きめのその体を寄せるようにして風を遮り無風の場所を作り出そうとしているようである。
「サッズ、ちょっとあそこだけ風を遮ってくれないかな? お腹空いたし、ご飯食べたいだろ?」
ひそひそとサッズに指示を出すと、いつもの調子を取り戻したらしいサッズが、まかせろと胸を張ってみせた。
威張った分は無駄にはならずに上手く火も入り、お湯が出来るまで待つ間に、ライカは足に巻かれた布を取り替える。
予備がもう無いので最初の頃に使った布の、無事な部分を重ねて新たな予備分の布を作りだした。
布を剥がすのに顔を顰めていると、サッズの挙動がまたも怪しくなりそうだったので、先がけて言葉を向ける。
「サッズ、これ持ってて」
「あ、う? ああうん」
自分の分の食事入りの椀を押し付けると、我に返った様子のサッズを置いて、手早く布を巻いた。
途中で思い付いて間に挟んだ、荷物固定用の間板と言われる隙間に挿す木の表皮を四角く切り取った物の予備のおかげで、最初の頃に比べれば格段に楽になっているが、だからといって負担が無くなった訳ではないので、その当然の帰結として、足の裏はベロンと薄皮が剥けている。
あまり見て気持ちの良いものではないし、それを見てまたサッズが恐慌状態に陥るとまずいので、さっさと薬を挟んで巻き直した。
お湯が沸いて、それを椀の中に入れて貰い、干し炒りがふやけるのを待つ。
柔らかくなったら漬け物と一緒にお湯の中でかき混ぜて食べる。
最後に干し果を口にすると、味も量もそれなりに満たされた食事になった。
当然ながらサッズには足りないどころでは無い量だが、少し前にエールを大量に摂取したので飢える程のことはない。
二人は程なく、思い思いに火を囲む他のみんなと同じように外布をゴツゴツした地面に敷いて横になった。
『サッズ』
『なんだ?』
『人間にとって痛みは怖いものじゃないんだ。ある程度慣れるものだし、無視も出来る』
『そうなのか?』
嘘ではないし、ここは少し強調すべきだろうとライカは考えて、あえて過剰な程に軽く表現する。
『怖いのは体が壊れかけてるのに痛みの無い状態だ。って母さんが言ってた』
『あ、ああ』
昔傭兵だった母は痛みや死について良く知っていた。
彼女は死を待つのみのどうにもならない状態でありながら、痛みの無い自分の感覚に、時折恐慌に襲われそうになるのを抑え込みながら、僅かに意識のある時間を一人息子と共に過ごしていたが、時折呪詛のように悪態を吐き、怯えるライカに謝ってそういう話をしてくれたのである。
まだ幼かったライカは、ただひたすら母の言葉を意味もわからずに聞くしかなかったが、命を譲り渡すような彼女の魂の篭った思いは、わからないながらもライカに大きな影響を与えた。
もし彼女が、ライカの物心付く前に亡くなってしまっていたら、例えメロウ族の少女とのことがあったとしても、ライカは人の世界に戻ろうと思わなかったかもしれない。
『だから俺の痛みに一々怯えなくて良いんだ。痛いのはまだ大丈夫な証なんだよ』
言葉では理解しても、やはりこの人ではない兄はライカが傷付く度に大きな不安に苛まれるに違いない。
それでも、言葉は必要だった。
『ああ、俺は大丈夫だ、俺に気を使うな、自制ぐらい出来るさ』
サッズの言葉には自戒の意思が篭っている。
自分でどうにも出来ない部分でライカの負担になっていることを理解していて自分に腹を立てているのだろう。
『別にサッズがダメダメだとか思ってないから安心して』
『ダメダメじゃない!』
『だから思ってないって言ってるだろ』
『何かこう、呆れたような感覚が伝わってきたぞ!』
『呆れてはいるけどダメじゃないと思ってるって』
『呆れてるのか!』
『少しだけ』
いきなりムスッとなったサッズは、きゅっと丸まって地面に横たわった。
(なんでいじけてるんだろう?)
サッズは幼竜なので感情にまだ全く手を加えていない。
それなのに竜にしては自制しすぎなぐらいで、その強情ぶりにライカは少し呆れ気味だった。
だが、その呆れていた感情を感じ取り、突然すっかり拗ねてしまったサッズに首を傾げる。
サッズはサッズで、ライカが呆れていることはわかるものの何に対して呆れているかはわからないので、いつもの調子で馬鹿にされていると思ったようだった。
お互いに日頃の行いが悪いのである。
明るくなりつつある空が真っ黒な大地を照らす。
見渡す限りの何もない黒い大地。
薄雲を染めて彼方に広がる光に満たされる空。
一人ぼっちでこれを見て、同じように美しいと思っただろうか? と、うっすらとした意識の中でライカは唐突に思い、だが、すぐにそれは眠りと共にどこか胸の奥のほうへと飲み込まれるように消えて行った。
そんな神経をすり減らす夜駆けを数度の休憩を挟みながら行い、誰もが疲弊して夢うつつの境を無くしかけた頃に、まるで上からぎゅうと押し込まれるような、急激な温度の低下と共に一番の強風が襲い来た。
さすがにこれにはたまらずに隊列が止まる。
休憩に座り込むことも、進みも引きも出来ない。そんな状態でしばし耐えていると、地平があるだろう方向に藍の『色』が浮かび、やがてそれが白い光を帯び始めた。
闇に入った切れ目は地上と天上を切り分け、同時に風が弱まり始める。
誰もが、そのまま動く事も忘れて見詰める先で、白い光は金色に淡く染まり、まるで自ら光る宝玉のような太陽が昇った。
「おお……」
誰かの口から溜め息のような声が漏れ、その声が聞こえることで、声が通る程に風が弱まっていることに気付く。
マウノとカッリオがひざまづき、唸るような声で何かの詩を口ずさんだ。
空が一瞬ライカの髪と同じ色に覆われ、強風の中でほつれて解け、ばさばさになったその髪が、風に巻かれて空に溶け込むようにも見えた。
ほんのひとときの世界の挨拶のような輝きの時間を、人々はどこか敬虔な面持ちで過ごし、そして、ほっと息を吐く。
夜が終わったのだ。
「よし! 長い休憩に入るぞ! 各自食いもんを受け取りに来い。薪はそれぞれの所属で半束ずつだ。代表が引き取りに来い! 今の内に寝ておくんだぞ!」
隊商長の、風を吹き飛ばすような大声がそう告げると、全員が重い足を引き摺って、よたよたとそれぞれの行動を始める。
ライカは動かすたびに痛みの走る足を引き摺るように配られる食べ物を受け取りに歩いた。
気づくと、サッズがその周りを何か落ち着かない様子でグルグル周りながら付いて来る。
ライカにはこの様子に覚えがあった。
竜の家族達が揃いも揃って、どうしたら良いか分からなくなった時に決まって取る行動がこれなのだ。
ライカが幼い頃に怪我をした時など、彼等は決まってオロオロと周りを歩き回り出したものである。
「サッズ、心配しなくても大丈夫だから」
「ああ」
返事は返るが、どうも心ここに在らずといった感じでぼんやりとした反応だ。
ライカは溜め息を吐くと、その腕を取って配給の列に並ぶ。
「なんだ? 相方は眠いのか?」
「ええ、そうみたいなんです。寝ずに夜を越したこととか無かったんで」
「よっぽどいい家で育ったらしいな、そのお坊ちゃんは。まぁそれにしちゃ頑丈だから感心しちゃあいるが」
「あはは」
ゾイバックの、思い込みからの確信に満ちた言葉に対して返事に困り、ライカはつい、それを空笑いでやり過ごした。
とにもかくにも食事を受け取り、サッズの分も無理やり握らせると、急いで元の荷物の場所に戻る。
「サッズ!」
ライカは呼びかけと同時にサッズの耳元で両手を打ち合わせ、併せて心声で、言葉としては意味のない衝撃を軽く放った。
「あ?」
焦った顔でライカを見てゆらゆら体を動かしていたサッズは、小さく声を上げてライカを見直し、不思議そうな顔をすると、唐突に、
「大丈夫か?」
と訪ねる。
「大丈夫じゃないのはサッズのほうだね。俺は大丈夫だからとにかくご飯食べて寝よう」
「ん? ああ」
サッズが落ち着いたのを確認して、ライカは手元の貰った食べ物に目を移す。
干し炒りと言われる焼き固めた穀物の固まりが一個、干し果、漬け物これらが椀の中に一緒に入れられた分。
それと水袋の補給を貰ったが、これは今ここで飲む訳にはいかない分である。
「お湯を貰ってこよう」
「あ? うん、そうだな」
何かまだどこかぼんやりしているサッズを急かして、ライカは火が熾されつつある場所へと行った。
近寄ってみると、カッリオとゾイバックが大きめの凹みの周りに石を積んで簡易の炉を作っている。
火はまだ無いようだった。
風があると火種が上手く移せないらしく、彼等は大きめのその体を寄せるようにして風を遮り無風の場所を作り出そうとしているようである。
「サッズ、ちょっとあそこだけ風を遮ってくれないかな? お腹空いたし、ご飯食べたいだろ?」
ひそひそとサッズに指示を出すと、いつもの調子を取り戻したらしいサッズが、まかせろと胸を張ってみせた。
威張った分は無駄にはならずに上手く火も入り、お湯が出来るまで待つ間に、ライカは足に巻かれた布を取り替える。
予備がもう無いので最初の頃に使った布の、無事な部分を重ねて新たな予備分の布を作りだした。
布を剥がすのに顔を顰めていると、サッズの挙動がまたも怪しくなりそうだったので、先がけて言葉を向ける。
「サッズ、これ持ってて」
「あ、う? ああうん」
自分の分の食事入りの椀を押し付けると、我に返った様子のサッズを置いて、手早く布を巻いた。
途中で思い付いて間に挟んだ、荷物固定用の間板と言われる隙間に挿す木の表皮を四角く切り取った物の予備のおかげで、最初の頃に比べれば格段に楽になっているが、だからといって負担が無くなった訳ではないので、その当然の帰結として、足の裏はベロンと薄皮が剥けている。
あまり見て気持ちの良いものではないし、それを見てまたサッズが恐慌状態に陥るとまずいので、さっさと薬を挟んで巻き直した。
お湯が沸いて、それを椀の中に入れて貰い、干し炒りがふやけるのを待つ。
柔らかくなったら漬け物と一緒にお湯の中でかき混ぜて食べる。
最後に干し果を口にすると、味も量もそれなりに満たされた食事になった。
当然ながらサッズには足りないどころでは無い量だが、少し前にエールを大量に摂取したので飢える程のことはない。
二人は程なく、思い思いに火を囲む他のみんなと同じように外布をゴツゴツした地面に敷いて横になった。
『サッズ』
『なんだ?』
『人間にとって痛みは怖いものじゃないんだ。ある程度慣れるものだし、無視も出来る』
『そうなのか?』
嘘ではないし、ここは少し強調すべきだろうとライカは考えて、あえて過剰な程に軽く表現する。
『怖いのは体が壊れかけてるのに痛みの無い状態だ。って母さんが言ってた』
『あ、ああ』
昔傭兵だった母は痛みや死について良く知っていた。
彼女は死を待つのみのどうにもならない状態でありながら、痛みの無い自分の感覚に、時折恐慌に襲われそうになるのを抑え込みながら、僅かに意識のある時間を一人息子と共に過ごしていたが、時折呪詛のように悪態を吐き、怯えるライカに謝ってそういう話をしてくれたのである。
まだ幼かったライカは、ただひたすら母の言葉を意味もわからずに聞くしかなかったが、命を譲り渡すような彼女の魂の篭った思いは、わからないながらもライカに大きな影響を与えた。
もし彼女が、ライカの物心付く前に亡くなってしまっていたら、例えメロウ族の少女とのことがあったとしても、ライカは人の世界に戻ろうと思わなかったかもしれない。
『だから俺の痛みに一々怯えなくて良いんだ。痛いのはまだ大丈夫な証なんだよ』
言葉では理解しても、やはりこの人ではない兄はライカが傷付く度に大きな不安に苛まれるに違いない。
それでも、言葉は必要だった。
『ああ、俺は大丈夫だ、俺に気を使うな、自制ぐらい出来るさ』
サッズの言葉には自戒の意思が篭っている。
自分でどうにも出来ない部分でライカの負担になっていることを理解していて自分に腹を立てているのだろう。
『別にサッズがダメダメだとか思ってないから安心して』
『ダメダメじゃない!』
『だから思ってないって言ってるだろ』
『何かこう、呆れたような感覚が伝わってきたぞ!』
『呆れてはいるけどダメじゃないと思ってるって』
『呆れてるのか!』
『少しだけ』
いきなりムスッとなったサッズは、きゅっと丸まって地面に横たわった。
(なんでいじけてるんだろう?)
サッズは幼竜なので感情にまだ全く手を加えていない。
それなのに竜にしては自制しすぎなぐらいで、その強情ぶりにライカは少し呆れ気味だった。
だが、その呆れていた感情を感じ取り、突然すっかり拗ねてしまったサッズに首を傾げる。
サッズはサッズで、ライカが呆れていることはわかるものの何に対して呆れているかはわからないので、いつもの調子で馬鹿にされていると思ったようだった。
お互いに日頃の行いが悪いのである。
明るくなりつつある空が真っ黒な大地を照らす。
見渡す限りの何もない黒い大地。
薄雲を染めて彼方に広がる光に満たされる空。
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