98 / 233
蠱毒の壷
その二十五
しおりを挟む
がんじがらめで転がっていた人狼であったはずの者は、僅かな間にその様相を一変させていた。
急激に萎びる野菜のように、見る間に皮膚がたるみ皺が寄って行く。
「獣化が解けた? ……いや、違う」
獣相が消えた後に現われたのは痩せ衰えた老人の姿だった。
いくらなんでもそれは元の姿として有り得ない。
なぜなら闇の精霊は再生を司る。
憑かれた者は老いを知らぬ体になるのは有名な話だった。
「どういうことだ?」
だが今何かを考えている時間は無い。
アンナを助けるためにはすぐさま走り出すべきだ。
それでも、その有り得ない出来事は、喉につかえた小骨のようにひどく気に掛かる。
「これはきっと呪術の一種。憑依系統だと思う」
由美子が言ってその老人の様子を見た。
「詳しくはわからないけど、この急激な衰弱と老化、これは依り代の命を代償にした禁呪だと思う。あの子に施されたものと系統が近い。この男は人狼ではなく、元は普通の人間」
普通の人間に勇者血統を憑依させた? 意味がわからない。
体毛が逆立ち、薄ら寒いものが喉の奥をひゅうひゅうと鳴らすような気分だった。
俺達が相手にしている者達は本当に人間なのか?
「またあのようなことがあってはなりません。その男は呪的拘束をしましょう」
明子さんが厳しい声音で言った。
「しかしこう衰弱していては、命に関わるかもしれないぞ」
言われた言葉を正しいと認識しながらも、俺は消極的に反対した。
目の前の老人は死にそうなぐらいに衰弱した無力な人間にしか見えない。
だが、目前でアンナ嬢が消えるのを目撃したであろう明子さんの懸念はわかるだけに、その言葉は抗議にすら届かず尻つぼみになるのは仕方の無いことだろう。
決して俺がヘタレとかそういうんではない、……はずだ。
「いいえ、本部からの命令はあなた方勇者血統を第一に優先するようにとのことでした。これは部隊のリーダーであるあなたの命令より優先されるべき命令です。それに、あなた方にはお辛いかもしれませんが率直に言わせていただければ、連中の仲間の命など私にとっては怪異以下なのです。いっそ地上から抹消できれば快哉を叫んでお祝いをしたい程です」
ギョッとした。
この人はこんなに激しい人だっただろうか?
真面目で冷静な人だと思い込んでいたが、どうやら決してそれだけの人ではなかったようだった。
「私は今迄会ったことのない守護者、勇者という存在に漠然と憧れていました。でもこの迷宮という絶望の場所に立ってあなた方と出会って気づいたのです。勇者は、無条件に人を守り戦う存在は、正しく人の希望なのだと。それを自らの欲のために奪おうとする者を決して許してはならないのです」
「めーちゃんの言う通りっすよ。俺なんかよわっちいけど、今までこんな化け物だらけの場所でも怖いと思わなかったんですよ? それはきっと皆さんのおかげです。それなのに連中の好きにさせたら、俺なんかこっから生きて帰れなくなっちまうっすよ」
明子さんの熱の籠った言葉は正直ちょっと怖かったが、大木の言葉には不思議と胸を突かれる気持ちになった。
そうだ、俺達は彼らの命も背負っている。
それは甘さに負けて譲っていいものではない。
「わかった。だが出来るだけ生かして拘束してくれ。死人に口無し、だ。色々なことがわからなくなってしまうかもしれないだろ?」
結局俺の妥協案を受けたのかどうなのか、人狼憑きとでも言う状態であった老人は厳重な軍用の拘束術式によって封印された。
とにかくこの老人の命も、一刻も早くアンナ嬢を助け出してここを脱出すれば助かる話ではあるのだ。
そのために、とにかく先を急ぐ必要がある。
地下通路はやがてトンネル状のまま改札口に繋がった。
そのゲートはご丁寧にも格子状のシャッターとなって行く手を阻み、液晶の操作盤がパスを求めるメッセージを表示している。
「いない? ……いや」
奴らがいないはずがない、ここにいるはずだ。
俺達に追われている自覚があるなら先んじて脱出の可能性がある場所に来ないはずがない。
「コウ!」
「ああ」
浩二の断絶は有機体を透過しない。
どれほど完璧に隠れても存在自体を消し去ることが出来ないのなら、浩二の能力によって暴くことは可能だ。
今、目には見えないが、目前の空間ではパラフィン紙のように薄い界が空間をなぞるように生まれては消えているのだろう。
浩二以外には見えず感じないそれは、さながら空間のCTスキャニングのごとく見えない何かを探り出す。
「いました。……影よ行け!」
言葉と共に浩二の影の一部がするりと抜け出すと空間の一角に襲いかかった。
「ちっ!」
ばさりと、大きな布のような物が折り畳まれる音と共に、そこに連中が姿を現した。
見覚えのある二人と見覚えの無い一人、そして、巨大な赤銅色の鳥籠の中に、両手を高く吊り上げられたアンナ嬢がいる。
「アンナ!」
呼び掛けに反応がない。
「安心しな、生きてるぜ。まあこっちとしちゃ死なせちまっちゃ意味がないからな」
ふてぶてしいというか悪びれないというか、堂々と人を狩ると言っていた野郎は、まるで自分の成果を自慢するかのようににこやかにそう言ってのけた。
途端、バシュ! バシュ! と、背後から圧縮された空気の吐き出される音が連続で響く。
明子さんか大木か、もしかしたら装甲車が、警告無しで銃弾を撃ち出したのだ。
それらは奴等のかなり手前で、弾かれるように跳ね返された。
うおっ! あぶねえ!
咄嗟に浩二が断絶の壁を展開したらしく弾丸は力無く地に落ちた。
しかしなんかでかい弾丸なんだが、……これ人間用じゃないよな?
「ご挨拶だな。ならこっちからも返礼が必要だろうな」
前に対峙したのと同じリーダーらしき男が、ニヤニヤと笑いながらアンナ嬢の吊られた巨大な鳥籠を叩いて見せる。
本来なら金属的な響きを返すはずのそれは、奴の手がそのまま突き抜けるに任せた。
どうやらあの鳥籠は噂に聞く怪異捕獲用の特殊な装置のようだった。
俺達が使う素材確保の為の封緘と似た仕組みなのだろう。
「兄さん!」
由美子の警告に横っ飛びにその場から離れる。
「おや、残念」
俺が今までいた場所には今まで不明だった最後の一人がいた。
こいつさっきまであの男のすぐ後ろにいたはずだ。
振り切った状態の爪の先が鋭い。
「……まさか」
その気配に愕然とする俺に、奴等のリーダーが答えた。
「ほうわかるのか。やっぱり化け物は化け物を知るってことだな」
あまりにも薄い気配のその男の足元に影はない。
赤い目に白い肌、なにより不自然に伸びた二本の犬歯がその正体を物語っていた。
「吸血鬼だ……と? まさか、そんなはずはない」
俺の言葉は虚しくその場に響いただけだった。
急激に萎びる野菜のように、見る間に皮膚がたるみ皺が寄って行く。
「獣化が解けた? ……いや、違う」
獣相が消えた後に現われたのは痩せ衰えた老人の姿だった。
いくらなんでもそれは元の姿として有り得ない。
なぜなら闇の精霊は再生を司る。
憑かれた者は老いを知らぬ体になるのは有名な話だった。
「どういうことだ?」
だが今何かを考えている時間は無い。
アンナを助けるためにはすぐさま走り出すべきだ。
それでも、その有り得ない出来事は、喉につかえた小骨のようにひどく気に掛かる。
「これはきっと呪術の一種。憑依系統だと思う」
由美子が言ってその老人の様子を見た。
「詳しくはわからないけど、この急激な衰弱と老化、これは依り代の命を代償にした禁呪だと思う。あの子に施されたものと系統が近い。この男は人狼ではなく、元は普通の人間」
普通の人間に勇者血統を憑依させた? 意味がわからない。
体毛が逆立ち、薄ら寒いものが喉の奥をひゅうひゅうと鳴らすような気分だった。
俺達が相手にしている者達は本当に人間なのか?
「またあのようなことがあってはなりません。その男は呪的拘束をしましょう」
明子さんが厳しい声音で言った。
「しかしこう衰弱していては、命に関わるかもしれないぞ」
言われた言葉を正しいと認識しながらも、俺は消極的に反対した。
目の前の老人は死にそうなぐらいに衰弱した無力な人間にしか見えない。
だが、目前でアンナ嬢が消えるのを目撃したであろう明子さんの懸念はわかるだけに、その言葉は抗議にすら届かず尻つぼみになるのは仕方の無いことだろう。
決して俺がヘタレとかそういうんではない、……はずだ。
「いいえ、本部からの命令はあなた方勇者血統を第一に優先するようにとのことでした。これは部隊のリーダーであるあなたの命令より優先されるべき命令です。それに、あなた方にはお辛いかもしれませんが率直に言わせていただければ、連中の仲間の命など私にとっては怪異以下なのです。いっそ地上から抹消できれば快哉を叫んでお祝いをしたい程です」
ギョッとした。
この人はこんなに激しい人だっただろうか?
真面目で冷静な人だと思い込んでいたが、どうやら決してそれだけの人ではなかったようだった。
「私は今迄会ったことのない守護者、勇者という存在に漠然と憧れていました。でもこの迷宮という絶望の場所に立ってあなた方と出会って気づいたのです。勇者は、無条件に人を守り戦う存在は、正しく人の希望なのだと。それを自らの欲のために奪おうとする者を決して許してはならないのです」
「めーちゃんの言う通りっすよ。俺なんかよわっちいけど、今までこんな化け物だらけの場所でも怖いと思わなかったんですよ? それはきっと皆さんのおかげです。それなのに連中の好きにさせたら、俺なんかこっから生きて帰れなくなっちまうっすよ」
明子さんの熱の籠った言葉は正直ちょっと怖かったが、大木の言葉には不思議と胸を突かれる気持ちになった。
そうだ、俺達は彼らの命も背負っている。
それは甘さに負けて譲っていいものではない。
「わかった。だが出来るだけ生かして拘束してくれ。死人に口無し、だ。色々なことがわからなくなってしまうかもしれないだろ?」
結局俺の妥協案を受けたのかどうなのか、人狼憑きとでも言う状態であった老人は厳重な軍用の拘束術式によって封印された。
とにかくこの老人の命も、一刻も早くアンナ嬢を助け出してここを脱出すれば助かる話ではあるのだ。
そのために、とにかく先を急ぐ必要がある。
地下通路はやがてトンネル状のまま改札口に繋がった。
そのゲートはご丁寧にも格子状のシャッターとなって行く手を阻み、液晶の操作盤がパスを求めるメッセージを表示している。
「いない? ……いや」
奴らがいないはずがない、ここにいるはずだ。
俺達に追われている自覚があるなら先んじて脱出の可能性がある場所に来ないはずがない。
「コウ!」
「ああ」
浩二の断絶は有機体を透過しない。
どれほど完璧に隠れても存在自体を消し去ることが出来ないのなら、浩二の能力によって暴くことは可能だ。
今、目には見えないが、目前の空間ではパラフィン紙のように薄い界が空間をなぞるように生まれては消えているのだろう。
浩二以外には見えず感じないそれは、さながら空間のCTスキャニングのごとく見えない何かを探り出す。
「いました。……影よ行け!」
言葉と共に浩二の影の一部がするりと抜け出すと空間の一角に襲いかかった。
「ちっ!」
ばさりと、大きな布のような物が折り畳まれる音と共に、そこに連中が姿を現した。
見覚えのある二人と見覚えの無い一人、そして、巨大な赤銅色の鳥籠の中に、両手を高く吊り上げられたアンナ嬢がいる。
「アンナ!」
呼び掛けに反応がない。
「安心しな、生きてるぜ。まあこっちとしちゃ死なせちまっちゃ意味がないからな」
ふてぶてしいというか悪びれないというか、堂々と人を狩ると言っていた野郎は、まるで自分の成果を自慢するかのようににこやかにそう言ってのけた。
途端、バシュ! バシュ! と、背後から圧縮された空気の吐き出される音が連続で響く。
明子さんか大木か、もしかしたら装甲車が、警告無しで銃弾を撃ち出したのだ。
それらは奴等のかなり手前で、弾かれるように跳ね返された。
うおっ! あぶねえ!
咄嗟に浩二が断絶の壁を展開したらしく弾丸は力無く地に落ちた。
しかしなんかでかい弾丸なんだが、……これ人間用じゃないよな?
「ご挨拶だな。ならこっちからも返礼が必要だろうな」
前に対峙したのと同じリーダーらしき男が、ニヤニヤと笑いながらアンナ嬢の吊られた巨大な鳥籠を叩いて見せる。
本来なら金属的な響きを返すはずのそれは、奴の手がそのまま突き抜けるに任せた。
どうやらあの鳥籠は噂に聞く怪異捕獲用の特殊な装置のようだった。
俺達が使う素材確保の為の封緘と似た仕組みなのだろう。
「兄さん!」
由美子の警告に横っ飛びにその場から離れる。
「おや、残念」
俺が今までいた場所には今まで不明だった最後の一人がいた。
こいつさっきまであの男のすぐ後ろにいたはずだ。
振り切った状態の爪の先が鋭い。
「……まさか」
その気配に愕然とする俺に、奴等のリーダーが答えた。
「ほうわかるのか。やっぱり化け物は化け物を知るってことだな」
あまりにも薄い気配のその男の足元に影はない。
赤い目に白い肌、なにより不自然に伸びた二本の犬歯がその正体を物語っていた。
「吸血鬼だ……と? まさか、そんなはずはない」
俺の言葉は虚しくその場に響いただけだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
神様、ありがとう! 2度目の人生は破滅経験者として
たぬきち25番
ファンタジー
流されるままに生きたノルン伯爵家の領主レオナルドは貢いだ女性に捨てられ、領政に失敗、全てを失い26年の生涯を自らの手で終えたはずだった。
だが――気が付くと時間が巻き戻っていた。
一度目では騙されて振られた。
さらに自分の力不足で全てを失った。
だが過去を知っている今、もうみじめな思いはしたくない。
※他サイト様にも公開しております。
※※皆様、ありがとう! HOTランキング1位に!!読んで下さって本当にありがとうございます!!※※
※※皆様、ありがとう! 完結ランキング(ファンタジー・SF部門)1位に!!読んで下さって本当にありがとうございます!!※※
婚約破棄された悪役令嬢、手切れ金でもらった不毛の領地を【神の恵み(現代農業知識)】で満たしたら、塩対応だった氷の騎士様が離してくれません
夏見ナイ
恋愛
公爵令嬢アリシアは、王太子から婚約破棄された瞬間、歓喜に打ち震えた。これで退屈な悪役令嬢の役目から解放される!
前世が日本の農学徒だった彼女は、慰謝料として誰もが嫌がる不毛の辺境領地を要求し、念願の農業スローライフをスタートさせる。
土壌改良、品種改良、魔法と知識を融合させた革新的な農法で、荒れ地は次々と黄金の穀倉地帯へ。
当初アリシアを厄介者扱いしていた「氷の騎士」カイ辺境伯も、彼女の作る絶品料理に胃袋を掴まれ、不器用ながらも彼女に惹かれていく。
一方、彼女を追放した王都は深刻な食糧危機に陥り……。
これは、捨てられた令嬢が農業チートで幸せを掴む、甘くて美味しい逆転ざまぁ&領地経営ラブストーリー!
この聖水、泥の味がする ~まずいと追放された俺の作るポーションが、実は神々も欲しがる奇跡の霊薬だった件~
夏見ナイ
ファンタジー
「泥水神官」と蔑まれる下級神官ルーク。彼が作る聖水はなぜか茶色く濁り、ひどい泥の味がした。そのせいで無能扱いされ、ある日、無実の罪で神殿から追放されてしまう。
全てを失い流れ着いた辺境の村で、彼は自らの聖水が持つ真の力に気づく。それは浄化ではなく、あらゆる傷や病、呪いすら癒す奇跡の【創生】の力だった!
ルークは小さなポーション屋を開き、まずいけどすごい聖水で村人たちを救っていく。その噂は広まり、呪われた女騎士やエルフの薬師など、訳ありな仲間たちが次々と集結。辺境の村はいつしか「癒しの郷」へと発展していく。
一方、ルークを追放した王都では聖女が謎の病に倒れ……。
落ちこぼれ神官の、痛快な逆転スローライフ、ここに開幕!
炎光に誘われし少年と竜の蒼天の約束 ヴェアリアスストーリー番外編
きみゆぅ
ファンタジー
かつて世界を滅ぼしかけたセイシュとイシュの争い。
その痕跡は今もなお、荒野の奥深くに眠り続けていた。
少年が掘り起こした“結晶”――それは国を揺るがすほどの力を秘めた禁断の秘宝「火の原石」。
平穏だった村に突如訪れる陰謀と争奪戦。
白竜と少年は未来を掴むのか、それとも再び戦乱の炎を呼び覚ますのか?
本作は、本編と並行して紡がれるもう一つの物語を描く番外編。
それぞれに選ばれし者たちの運命は別々の道を進みながらも、やがて大いなる流れの中で交わり、
世界を再び揺るがす壮大な物語へと収束していく。
第一王子様から選ばれるのは自分だと確信していた妹だったけれど、選ばれたのは私でした。
睡蓮
恋愛
ルビー第一王子様からもたらされた招待状には、名前が書かれていなかった。けれど、それを自分に宛てたものだと確信する妹のミーアは、私の事をさげすみ始める…。しかしルビー様が最後に選んだのは、ミーアではなく私だったのでした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる