転生したらモブだったけど、推しの悪役貴族を救いたい!

シマエナガ

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出会編

7

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 神様。もしや、これが転生特典というやつでしょうか。
ありがとうございます。本当にありがとうございます!

 身分差から、絶対に推しとは交われない人生だと思っていたのに、会話まで出来るなんてっ。
 僕、いつか可愛いお嫁さんをもらって、子供が出来たら、絶対に自慢する。もはや、語り継がせちゃう。
「お父さん、大公がまだ公子だった時、お友達になったんだよ。
彼は、この丘で草の上にそのまま座って、お父さんの話を聞いてくれたんだ。素敵な方だろう」ってね。

 それにしても、小説内のディオンのイメージと180度違っていて驚いた。
ガツガツ話すタイプではないけど、気さくだし、下級貴族の僕の話も笑って聞いてくれる。
とんでもなく、人だ。
 顔だけでなく、中身まで最高ってどうなってんだ。
 この天使のようなディオンが、小説ではあんなに冷たくて、非道になっちゃうだなんて、何があったんだろう。
 隠し子騒動だけじゃ、ああはならないよね。
そりゃ、ちょっとはグレるだろうけど。
父親が母親を裏切ってた上に、その子供を受け入れろだなんて、無理だよな。うん。





「レオルト、そろそろ日が暮れる。
戻ろう」
「もうそんな時間ですか」


 ディオンに言われ、だいぶ時間が過ぎてしまったことに気付いた。
あっという間だったなー。
 領地のこと、普段の生活、好きなもの、家族。
お互いの日常を話しながら、共通点なんかも見つけて、会話が尽きることがない。
 うーん、まだ話し足りないけど、仕方ないよね。


「話の続きは、夜に聞かせてくれるか」
「っ、もちろんです!」


 そうだよ、お泊まり会でも話せるじゃん。
 推しとお泊まり会するファンなんて、聞いたことある?
どんだけ前世で徳を積んだんだ、僕は。


「その前に、レオルトのプリンがあるな。
早く食べたいよ」
「素人の子供が作ったものなので、期待はしないでくださいね」


 大丈夫。完全に冷えてはなかったけど、味見した時は問題なかった。
ザ・普通な味だから、好きな人は好きだと思う。
高級な味より、ベーシックが好きって人も多いしね。
……まあ、貴族がどうなのかは知らないけど。


「きっと美味しいよ。
さ、立てるか?」


 地べたに体育座り状態だった僕ら。
 ディオンは、先に立ち上がると、スッと僕に手を差し出してくれた。
これだから、英才教育は恐ろしいんだ。
子供の時から紳士ってどうよ。もう恐れ入ったわ。


「ありがとうございます」


 グイッと引っ張り起こしてもらい、お尻の砂まではらってもらった。
え、お母さん? 
お母さん属性の悪役なのか、彼は。

 そのまま手を引かれ、屋敷に戻れば、父さんたちの変顔が待っていた。
理解は出来る。高位貴族の子息と仲良くなって帰って来たんだもん。そら驚くわ。
 だけど、ここでお近づきになろうとか、子供を利用しようとする野心が湧かないのが、貧乏領主の悲しき性だよね。
 父さんのそういうところ、僕は好きだよ。


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