108 / 528
第一部
108「勝利」
しおりを挟む
その後、ハルカさんがさらにオレにも治癒の魔法を施し、取りあえず一息つくことができた。
しかし和んだ雰囲気も長くは続かなかった。
調べようと動き始めたところで、瓦礫の下で粉みじんな筈のゴーレムのいた辺りが、突如振動を始めたからだ。
全員に再び緊張が走り、まずはいったん後ろに後退しつつ、出来る限り戦闘態勢を整える。
とはいえ、全力で戦闘できるのはボクっ娘一人だけ。
そのボクっ娘は、肩に掛けていた大弓を取り矢をつがえる。
けど、相手が頑丈なゴーレムだと、弓矢で太刀打ちできるのかというとかなり期待薄だ。
その上、ハルカさんは魔法のを使いすぎで疲労が顔に出ていて、オレとアクセルさんは傷を塞いだけど身体の動きや体力が完全に戻っているわけではない。
ゲームのように回復魔法一発で元気になれればと、ラチのないことを思ってしまう。
「あーっ、クソっ! 第三形態なんてゲームの中だけで十分なんだよ」
オレの脳内妄想が、つい口に出てしまう。
超焦りまくりな証拠だ。ボクっ娘ですら、冷や汗を浮かべてツッコム余裕がない。
しかしゴーレムが復活という事はないらしく、ゴーレムの胸の辺りの岩がガタガタと揺れている。
何かが出てこようとしているようだ。
「まだ倒しきれてなかったのかな?」
「分からない。けど、まだ魔導器はたぶんあの辺りだと思う。さっきゴーレム全体に薄く感じていた魔力を強く感じるわ」
「あちゃー、魔女の本体か。よしっ、魔力相殺でいいなら、さっきも言ったとっておきが1本あるから、出てきたらボクが一番魔力の大きいところを狙ってみるよ」
「無傷はレナだけだし頼める?」
「胸を叩いて請け負いたいところけど、ボクのは一点破壊系だから急所が一つじゃなかったら厳しいんだよね」
ボクっ娘の言葉で、即座に作戦という程でもないものを組み上げる。
「じゃあ二段構えでいこう。まずはオレがツッコんで魔法の防御ごと魔女を叩き斬る。それでダメなら、レナが一番ヤバそうな一点破壊を頼む」
「りょーかい。でも、ボクをあんまりアテしないで、ショウが決めてね」
そう言いつつも魔法の逸品らしい矢筒から、先ほどもチラッと見せた魔法の矢っぽいものを一本抜き出している。
オレも負けてはいられない。最低でもヤツの力場を砕くのはオレの仕事だ、と思いつつ数歩前に出る。
「ショウの守りは私が。多分、一回、数秒なら防具と魔法でかなり耐えられるから、ちゃんと決めてね」
「ああ、ヤツの本体が動き出したら勝負だ。ヤツをゴーレムの中から引っ張り出せば何とかなるだろう」
「ええ」
「頼むねー」
「残念だがボクは戦力外だ。レナの防御に専念させてもらうよ」
ジリジリと前に進むオレに、ハルカさんが並ぶ。
アクセルさんは、大きな弓を構えるボクっ娘の前でガード姿勢に入っていく。
ボクっ娘の弓矢も、何だか魔力を充填中らしく、どんどん光が増している。効果音すら聞こえてきそうだ。それに、オレの能力というものとは少し違う感じだ。
そうして待ち構えていると、瓦礫の山からパラパラと破片が落ちる。
そして来ると思った瞬間、瓦礫の中心部が弾け、魔力の奔流が瓦礫と同じく瓦礫となったゴーレムの隙間から吹き出す。
さらにその奔流は、二つの鋭い先端部を形成する細長い竜巻を形成して、触手のように襲ってきた。
まるで魔物のようだ。
それ以前に、『魔女フレイア』はまだ滅びていなかった。
「チッ! しつこいヤツだ!」
「ホント! けど、向こうから、岩の中から出て来きてくれるみたいよ。もてるわね!」
「シズさんなら大歓迎だけどなっ!」
「へーっ、そうなんだ。ま、今は許してあげる」
ハルカさんと減らず口を叩きつつも、オレは一身に魔力の奔流の中心部だけに意識を集中させ、魔女の本体が姿を現すのを待つことにした。
なぜなら、先端が槍のように尖った魔力の奔流の一撃目は見当違いの場所に直撃していたからだ。
どうやら、何らかの方法でちゃんとこっちの姿を認識なり確認をしなければならないらしい。
だから本体が出てくる必要があるのだろう。
ハルカさんも同じ考えらしく、一瞬交わした視線で互いの意志を確認しあう。
だから、もとゴーレムの瓦礫が崩れ、黒い影がユラリと姿を見せる瞬間、オレ達は一気に駆けた。
オレが攻撃、ハルカさんが防御。一人なら無理かもしれないが、二人ならという気持ちが二人の動きをシンクロさせ、寸分の狂いもなく瓦礫の中の魔女本体へと一気に肉薄する。
穴から顔を出してオレ達を確認したと思われる魔女は、ここまでアクティブな行動を予測していなかったのか、寸前で放たれた魔力の塊の槍はどこか狙いが定まっていなかった。
数本放たれた黒い槍のような魔力を束ねたトルネードは、一本がさっきまでオレの右足があった足下、一本がハルカさんの左脇すぐを通り抜ける。
彼女の鎧が放つ魔力と激しくこすれ合う魔力の輝きが見られた筈だ。
さらに二本は、オレたちが素早く移動していたので見当違いの所に投射された。
そしてド本命らしい一本がオレの恐らく心臓あたりを捉えていたが、そこには一点集中した彼女の鉄壁の防壁があった。
魔力と魔力が激しくぶつかり合う派手な煌めきが起きるが、オレはハルカさんを信じてその先を見据え、まずは左足を前にして軸に据え大きく愛剣を構える。
その間も別の魔力の奔流がオレ達二人を襲い、二人とも身体の各所に小さな傷を作るが、もう遅い。
「うおおぉぉっ!」
辛うじて人の姿を留める程度にまで原型を崩している魔女に、大上段から西洋剣術で最も強力な斬撃の型で振り下ろす。
大上段から振り下ろす基本中の基本の技だけど、これで十分だった。
なぜなら、オレ達は力場を割るのが役割だ。少し残念だけど、トドメは後ろで狙いを定めている筈のボクっ娘の仕事だからだ。
そして魔力を込めたオレの一撃で、本来魔女を守るはずの強固な魔力の防御壁が、針で突かれたシャボン玉のように割れて瞬時に拡散していく。
しかし次の瞬間、魔女の右手が少しだけ動いた。
そこには、見た目が複雑な文様の入った漆黒のキューブを核とした15センチくらいの水晶玉が握られていた。
中身がなければ占い師が使いそうな大きさだけど、恐らくこいつが『魔女フレイア』の実質的な本体だ。
そして不意に不視線な動きをした右手は、上方から斜めに振り下ろされていくオレの剣の交差線上にあった。
(きっとシズさんが……)
魔女本体の不自然な動きに対してふとに思った時には、剣先は水晶玉を一瞬半分にしたあと粉々に砕き、そのまま持っていた右手の半分を切り裂いていく。
これでオレは一瞬無防備になるが、まだ続いている魔力の嵐に対して、ハルカさんの盾がオレを完全に守っていた。
次の瞬間、「避けて!」という後ろからの鋭い声のすぐ後に、激しい光芒を放つほど魔力を帯びた矢が衝撃波と共に通り過ぎる。
そしてオレとハルカさんが左右それぞれに飛んでそれを避けて着地する瞬間、水晶が命じた最後の攻撃命令を果たそうとしていた魔力で作られた魔女の体を、輝く矢が大砲の砲弾のように豪快に貫いた。
確実に相手を捉えて貫いたと思える一撃だ。
いまだ警戒を解かない四人の前で、魔女が断末魔の叫びのような魔力の軋みを産み出し、そしてその魔力の塊が一気に周囲にはじけて拡散する。
それが『魔女フレイア』の最後だった。
水晶が砕けた時点で勝負はついていたのかもしれないが、実に分かりやすい断末魔だ。
魔女の体が拡散すると、空間の中の魔力の密度が急速に低下し、重苦しかった空気が一気に軽くなるのを感じる。
これは魔法で天井に大きすぎる風穴を開けたのだけが原因ではない。
思い返せば、あのときはまだ独特の重苦しさは無くなってはいなかったからだ。
(最後だけお約束な演出するんなら、他にももっとサービスしてくれればいいのにな)
下らないことを思える程度に警戒を解いたオレは、ゆっくりとみんなの様子を見回した。
ハルカさんは、小さな傷がそこかしこに出来ていたが、オレも似たようなものだった。
アクセルさんは、文字通りレナの盾となったらしく、大きな盾はボコボコ、騎士らしい頑丈そうな鎧もそこかしこが吹き飛んだり、衣服が血でにじんでいたりする。
後ろなので見えてなかったが、魔女からかなりの攻撃を受けていたみたいだ。
最後に弓を射ったボクっ娘も、小さな傷がそこかしこに出来ていた。ただボクっ娘の場合は、基本的に軽装過ぎるのも原因だとオレは思う。
そしてよく見ると、他の三人もそれぞれがそれぞれを見ている。そして全員の視線が、魔女の最後の痕跡があった場所に注がれる。
もう月並みな言葉、お約束と笑われる言葉しか出てこない。
「滅んだのか?」
「恐らく」
「だよね。でもそれ死亡フラグっぽい」
「気配は完全に消えているわ」
もうしばらく息を飲んで様子を見守るが、何の動きもない。
強い魔力も、気配も感じられない。今度こそ終わったと思われた。
倒したのだと言う実感が、ジワジワとこみ上げてくる。
最初に歓声を上げたのは、やはりというかボクっ娘だった。
「いーっやったーーっ! コングラッチレーションズ!!」
口笛を吹いたり、アクロバットしたりと忙しい。それを見て他の三人も笑いあう。
ボクっ娘の、ゲームのアカペラの効果音につっこむ事も忘れない。
「いや、レベルアップは流石にないだろ」
しかし和んだ雰囲気も長くは続かなかった。
調べようと動き始めたところで、瓦礫の下で粉みじんな筈のゴーレムのいた辺りが、突如振動を始めたからだ。
全員に再び緊張が走り、まずはいったん後ろに後退しつつ、出来る限り戦闘態勢を整える。
とはいえ、全力で戦闘できるのはボクっ娘一人だけ。
そのボクっ娘は、肩に掛けていた大弓を取り矢をつがえる。
けど、相手が頑丈なゴーレムだと、弓矢で太刀打ちできるのかというとかなり期待薄だ。
その上、ハルカさんは魔法のを使いすぎで疲労が顔に出ていて、オレとアクセルさんは傷を塞いだけど身体の動きや体力が完全に戻っているわけではない。
ゲームのように回復魔法一発で元気になれればと、ラチのないことを思ってしまう。
「あーっ、クソっ! 第三形態なんてゲームの中だけで十分なんだよ」
オレの脳内妄想が、つい口に出てしまう。
超焦りまくりな証拠だ。ボクっ娘ですら、冷や汗を浮かべてツッコム余裕がない。
しかしゴーレムが復活という事はないらしく、ゴーレムの胸の辺りの岩がガタガタと揺れている。
何かが出てこようとしているようだ。
「まだ倒しきれてなかったのかな?」
「分からない。けど、まだ魔導器はたぶんあの辺りだと思う。さっきゴーレム全体に薄く感じていた魔力を強く感じるわ」
「あちゃー、魔女の本体か。よしっ、魔力相殺でいいなら、さっきも言ったとっておきが1本あるから、出てきたらボクが一番魔力の大きいところを狙ってみるよ」
「無傷はレナだけだし頼める?」
「胸を叩いて請け負いたいところけど、ボクのは一点破壊系だから急所が一つじゃなかったら厳しいんだよね」
ボクっ娘の言葉で、即座に作戦という程でもないものを組み上げる。
「じゃあ二段構えでいこう。まずはオレがツッコんで魔法の防御ごと魔女を叩き斬る。それでダメなら、レナが一番ヤバそうな一点破壊を頼む」
「りょーかい。でも、ボクをあんまりアテしないで、ショウが決めてね」
そう言いつつも魔法の逸品らしい矢筒から、先ほどもチラッと見せた魔法の矢っぽいものを一本抜き出している。
オレも負けてはいられない。最低でもヤツの力場を砕くのはオレの仕事だ、と思いつつ数歩前に出る。
「ショウの守りは私が。多分、一回、数秒なら防具と魔法でかなり耐えられるから、ちゃんと決めてね」
「ああ、ヤツの本体が動き出したら勝負だ。ヤツをゴーレムの中から引っ張り出せば何とかなるだろう」
「ええ」
「頼むねー」
「残念だがボクは戦力外だ。レナの防御に専念させてもらうよ」
ジリジリと前に進むオレに、ハルカさんが並ぶ。
アクセルさんは、大きな弓を構えるボクっ娘の前でガード姿勢に入っていく。
ボクっ娘の弓矢も、何だか魔力を充填中らしく、どんどん光が増している。効果音すら聞こえてきそうだ。それに、オレの能力というものとは少し違う感じだ。
そうして待ち構えていると、瓦礫の山からパラパラと破片が落ちる。
そして来ると思った瞬間、瓦礫の中心部が弾け、魔力の奔流が瓦礫と同じく瓦礫となったゴーレムの隙間から吹き出す。
さらにその奔流は、二つの鋭い先端部を形成する細長い竜巻を形成して、触手のように襲ってきた。
まるで魔物のようだ。
それ以前に、『魔女フレイア』はまだ滅びていなかった。
「チッ! しつこいヤツだ!」
「ホント! けど、向こうから、岩の中から出て来きてくれるみたいよ。もてるわね!」
「シズさんなら大歓迎だけどなっ!」
「へーっ、そうなんだ。ま、今は許してあげる」
ハルカさんと減らず口を叩きつつも、オレは一身に魔力の奔流の中心部だけに意識を集中させ、魔女の本体が姿を現すのを待つことにした。
なぜなら、先端が槍のように尖った魔力の奔流の一撃目は見当違いの場所に直撃していたからだ。
どうやら、何らかの方法でちゃんとこっちの姿を認識なり確認をしなければならないらしい。
だから本体が出てくる必要があるのだろう。
ハルカさんも同じ考えらしく、一瞬交わした視線で互いの意志を確認しあう。
だから、もとゴーレムの瓦礫が崩れ、黒い影がユラリと姿を見せる瞬間、オレ達は一気に駆けた。
オレが攻撃、ハルカさんが防御。一人なら無理かもしれないが、二人ならという気持ちが二人の動きをシンクロさせ、寸分の狂いもなく瓦礫の中の魔女本体へと一気に肉薄する。
穴から顔を出してオレ達を確認したと思われる魔女は、ここまでアクティブな行動を予測していなかったのか、寸前で放たれた魔力の塊の槍はどこか狙いが定まっていなかった。
数本放たれた黒い槍のような魔力を束ねたトルネードは、一本がさっきまでオレの右足があった足下、一本がハルカさんの左脇すぐを通り抜ける。
彼女の鎧が放つ魔力と激しくこすれ合う魔力の輝きが見られた筈だ。
さらに二本は、オレたちが素早く移動していたので見当違いの所に投射された。
そしてド本命らしい一本がオレの恐らく心臓あたりを捉えていたが、そこには一点集中した彼女の鉄壁の防壁があった。
魔力と魔力が激しくぶつかり合う派手な煌めきが起きるが、オレはハルカさんを信じてその先を見据え、まずは左足を前にして軸に据え大きく愛剣を構える。
その間も別の魔力の奔流がオレ達二人を襲い、二人とも身体の各所に小さな傷を作るが、もう遅い。
「うおおぉぉっ!」
辛うじて人の姿を留める程度にまで原型を崩している魔女に、大上段から西洋剣術で最も強力な斬撃の型で振り下ろす。
大上段から振り下ろす基本中の基本の技だけど、これで十分だった。
なぜなら、オレ達は力場を割るのが役割だ。少し残念だけど、トドメは後ろで狙いを定めている筈のボクっ娘の仕事だからだ。
そして魔力を込めたオレの一撃で、本来魔女を守るはずの強固な魔力の防御壁が、針で突かれたシャボン玉のように割れて瞬時に拡散していく。
しかし次の瞬間、魔女の右手が少しだけ動いた。
そこには、見た目が複雑な文様の入った漆黒のキューブを核とした15センチくらいの水晶玉が握られていた。
中身がなければ占い師が使いそうな大きさだけど、恐らくこいつが『魔女フレイア』の実質的な本体だ。
そして不意に不視線な動きをした右手は、上方から斜めに振り下ろされていくオレの剣の交差線上にあった。
(きっとシズさんが……)
魔女本体の不自然な動きに対してふとに思った時には、剣先は水晶玉を一瞬半分にしたあと粉々に砕き、そのまま持っていた右手の半分を切り裂いていく。
これでオレは一瞬無防備になるが、まだ続いている魔力の嵐に対して、ハルカさんの盾がオレを完全に守っていた。
次の瞬間、「避けて!」という後ろからの鋭い声のすぐ後に、激しい光芒を放つほど魔力を帯びた矢が衝撃波と共に通り過ぎる。
そしてオレとハルカさんが左右それぞれに飛んでそれを避けて着地する瞬間、水晶が命じた最後の攻撃命令を果たそうとしていた魔力で作られた魔女の体を、輝く矢が大砲の砲弾のように豪快に貫いた。
確実に相手を捉えて貫いたと思える一撃だ。
いまだ警戒を解かない四人の前で、魔女が断末魔の叫びのような魔力の軋みを産み出し、そしてその魔力の塊が一気に周囲にはじけて拡散する。
それが『魔女フレイア』の最後だった。
水晶が砕けた時点で勝負はついていたのかもしれないが、実に分かりやすい断末魔だ。
魔女の体が拡散すると、空間の中の魔力の密度が急速に低下し、重苦しかった空気が一気に軽くなるのを感じる。
これは魔法で天井に大きすぎる風穴を開けたのだけが原因ではない。
思い返せば、あのときはまだ独特の重苦しさは無くなってはいなかったからだ。
(最後だけお約束な演出するんなら、他にももっとサービスしてくれればいいのにな)
下らないことを思える程度に警戒を解いたオレは、ゆっくりとみんなの様子を見回した。
ハルカさんは、小さな傷がそこかしこに出来ていたが、オレも似たようなものだった。
アクセルさんは、文字通りレナの盾となったらしく、大きな盾はボコボコ、騎士らしい頑丈そうな鎧もそこかしこが吹き飛んだり、衣服が血でにじんでいたりする。
後ろなので見えてなかったが、魔女からかなりの攻撃を受けていたみたいだ。
最後に弓を射ったボクっ娘も、小さな傷がそこかしこに出来ていた。ただボクっ娘の場合は、基本的に軽装過ぎるのも原因だとオレは思う。
そしてよく見ると、他の三人もそれぞれがそれぞれを見ている。そして全員の視線が、魔女の最後の痕跡があった場所に注がれる。
もう月並みな言葉、お約束と笑われる言葉しか出てこない。
「滅んだのか?」
「恐らく」
「だよね。でもそれ死亡フラグっぽい」
「気配は完全に消えているわ」
もうしばらく息を飲んで様子を見守るが、何の動きもない。
強い魔力も、気配も感じられない。今度こそ終わったと思われた。
倒したのだと言う実感が、ジワジワとこみ上げてくる。
最初に歓声を上げたのは、やはりというかボクっ娘だった。
「いーっやったーーっ! コングラッチレーションズ!!」
口笛を吹いたり、アクロバットしたりと忙しい。それを見て他の三人も笑いあう。
ボクっ娘の、ゲームのアカペラの効果音につっこむ事も忘れない。
「いや、レベルアップは流石にないだろ」
0
あなたにおすすめの小説
娘を返せ〜誘拐された娘を取り返すため、父は異世界に渡る
ほりとくち
ファンタジー
突然現れた魔法陣が、あの日娘を連れ去った。
異世界に誘拐されてしまったらしい娘を取り戻すため、父は自ら異世界へ渡ることを決意する。
一体誰が、何の目的で娘を連れ去ったのか。
娘とともに再び日本へ戻ることはできるのか。
そもそも父は、異世界へ足を運ぶことができるのか。
異世界召喚の秘密を知る謎多き少年。
娘を失ったショックで、精神が幼児化してしまった妻。
そして父にまったく懐かず、娘と母にだけ甘えるペットの黒猫。
3人と1匹の冒険が、今始まる。
※小説家になろうでも投稿しています
※フォロー・感想・いいね等頂けると歓喜します!
よろしくお願いします!
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
最強の異世界やりすぎ旅行記
萩場ぬし
ファンタジー
主人公こと小鳥遊 綾人(たかなし あやと)はある理由から毎日のように体を鍛えていた。
そんなある日、突然知らない真っ白な場所で目を覚ます。そこで綾人が目撃したものは幼い少年の容姿をした何か。そこで彼は告げられる。
「なんと! 君に異世界へ行く権利を与えようと思います!」
バトルあり!笑いあり!ハーレムもあり!?
最強が無双する異世界ファンタジー開幕!
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
酒好きおじさんの異世界酒造スローライフ
天野 恵
ファンタジー
酒井健一(51歳)は大の酒好きで、酒類マスターの称号を持ち世界各国を飛び回っていたほどの実力だった。
ある日、深酒して帰宅途中に事故に遭い、気がついたら異世界に転生していた。転移した際に一つの“スキル”を授かった。
そのスキルというのは【酒聖(しゅせい)】という名のスキル。
よくわからないスキルのせいで見捨てられてしまう。
そんな時、修道院シスターのアリアと出会う。
こうして、2人は異世界で仲間と出会い、お酒作りや飲み歩きスローライフが始まる。
異世界転生~チート魔法でスローライフ
玲央
ファンタジー
【あらすじ⠀】都会で産まれ育ち、学生時代を過ごし 社会人になって早20年。
43歳になった主人公。趣味はアニメや漫画、スポーツ等 多岐に渡る。
その中でも最近嵌ってるのは「ソロキャンプ」
大型連休を利用して、
穴場スポットへやってきた!
テントを建て、BBQコンロに
テーブル等用意して……。
近くの川まで散歩しに来たら、
何やら動物か?の気配が……
木の影からこっそり覗くとそこには……
キラキラと光注ぐように発光した
「え!オオカミ!」
3メートルはありそうな巨大なオオカミが!!
急いでテントまで戻ってくると
「え!ここどこだ??」
都会の生活に疲れた主人公が、
異世界へ転生して 冒険者になって
魔物を倒したり、現代知識で商売したり…… 。
恋愛は多分ありません。
基本スローライフを目指してます(笑)
※挿絵有りますが、自作です。
無断転載はしてません。
イラストは、あくまで私のイメージです
※当初恋愛無しで進めようと書いていましたが
少し趣向を変えて、
若干ですが恋愛有りになります。
※カクヨム、なろうでも公開しています
神の加護を受けて異世界に
モンド
ファンタジー
親に言われるまま学校や塾に通い、卒業後は親の進める親族の会社に入り、上司や親の進める相手と見合いし、結婚。
その後馬車馬のように働き、特別好きな事をした覚えもないまま定年を迎えようとしている主人公、あとわずか数日の会社員生活でふと、何かに誘われるように会社を無断で休み、海の見える高台にある、神社に立ち寄った。
そこで野良犬に噛み殺されそうになっていた狐を助けたがその際、野良犬に喉笛を噛み切られその命を終えてしまうがその時、神社から不思議な光が放たれ新たな世界に生まれ変わる、そこでは自分の意思で何もかもしなければ生きてはいけない厳しい世界しかし、生きているという実感に震える主人公が、力強く生きるながら信仰と奇跡にに導かれて神に至る物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる