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第一話 誕生日の前日
しおりを挟む私は小さな集落で姉と一緒に双子として生まれ、両親と村の大人たちは優しく村の子供たちとも良好な関係を築いていた。
だが、物心のつく頃から大人たちは私たち双子に何かを期待しているようでどこかゾッとする視線を向けている気がしていた。
姉のマーサは考え過ぎだと笑われ、いつしか『きっとおかしいのは自分だ』と思うようになっていた。
しかし、私たちが十歳の誕生日を迎える日にあの視線の意味を思い知ったのである。
誕生日前日に村長がうちに来て真っ白できれいなワンピースをプレゼントしてくれた。
十歳の誕生日とは生誕の女神メティア様にこの年まで無事に生命を繋げることができたことへのお礼とお祝いを盛大にする日だ。
その為一週間前から私たちみそぎは禊をし備える。
こんな小さな村でも朝から晩までどんちゃん騒ぎ
「明日はマーサとマイラ二人にとってもワシらにとっても大切な日だ、
だからこの服を着て明日はお祝いをさせておくれ」
村長に頭を撫でられながら
「絶対に着てくる‼」
「「ありがとうございます!」」
新しい洋服に胸を躍らせ元気よく返事をする二人。
村長はそのまま準備があるというと家を後にした。
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