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第1章 オルドウ編
検証 3
移動に関してはこれで良しとして、次は時間だな。
前回夕連亭を出たのが異世界の夜、時間は不確かだが夜なのは間違いない。で、俺の腕時計による日本の時間の流れでは午前9時だった。つまり、異世界では日本時間にして12時間滞在していたはずだ。
それが、日本に戻った際の時刻は午前3時だった。ということは、異世界の12時間が日本の6時間になるということだろう。
その計算でいくと、今回の日本滞在は午前3時から午後7時の16時間なのだから、異世界では32時間経過しているはず。
「……」
なんだけど、机の上には書置きと5メルク。
1日以上経過しているなら、机の上にそのままってことはないよな。
「これは……」
時間の流れに関しては考え違いしているということなのか?
窓から外を眺めてみる。
今まさに朝日が昇ってきたところだ。
美しい眺めだけど、今は景色を楽しんでいる余裕はない。
うーん。
32時間経過したと仮定するなら、朝日が出るような時間はぴったりなんだが。
考えても無駄だな。
とりあえず外に出て話をしてみよう。
食堂なら誰かいるかもしれない。
とその前に。
ステータス確認だ。
有馬 功己 (アリマ コウキ)
20歳 男 人間
HP 110
MP 75/155
STR 183
AGI 125
INT 211
<ギフト>
異世界間移動 基礎魔法 鑑定初級 エストラル語理解
セーブ&リセット(点滅)
セーブ&リセット 1
<所持金>
13、870メルク
<クエスト>
1、人助け 済
2、人助け 済
やはり魔力は75になっている。
異世界間移動で80の魔力を使うのは確定だな。
2つ目のクエストが完了しているのは、道案内をしたから。
そして、セーブ&リセット。
こいつがまた。
……。
セーブ&リセットが増えているのは、鑑定で確認したところ、これもクエストの報酬だと分かった。
分かったのだけど……。
こんな凄い特典が簡単に貰えて良いのかと、本当に戸惑ってしまう。
1度目はサービス的なものと思えば、まだ受け入れ易かったが。
2度目の人助けで、こんなものを貰えるなんて。
正直なところ、2つ目が手に入るとは思っていなかった。
考えているようで、実はそれほど深くは考えていなかった。
軽く考えていたんだ。
だけど、こうなると。
ちょっと怖くなる。
いや、かなり怖いな。
3度目4度目も続けば……。
本当にいいのか、これで。
確かに、見知らぬ地である異世界で冒険する身としては、セーブなんて幾つあってもありがたいだけ。貰えるだけ貰った方が今後は楽になる。
とはいえ、こんなとんでもない力を何度も使えるとなると、色々と勘違いしてしまいそうだ。
剣術や体術などは自分の努力によるもの。
魔法は貰った力とはいえ、その後は自分で鍛錬を重ねてきた。だから、これも努力の成果だと考えられる。
鑑定や言語理解はまあ置いておくとして、今俺の持つ力は概ね30年の努力の賜物だと思っている。
このセーブ&リセットは……。
努力も何もあったもんじゃない。
それなのに、とんでもない効果を発揮してしまうものなんだ。
こんなものを複数持って、それに慣れてしまったら。
普通ではいられないよな。
過ぎた力は身を滅ぼす……苦労もなく手に入れた力なら、なおさらだ。
まあ、神様からギフトを貰った俺が言うのもどうかと思うが。
……。
今後、仮に複数所持したとしても、十分に注意する必要がある。
もう既に一度セーブを使ってしまったが、リセットは命に関わるようなことがない限り使わない方が良いかもしれないな。
二度目のセーブもそう。
保険的な使用に留めるべきだ。
……。
まさか、セーブという力自体がこちらの世界では珍しくないことだとか。
それなりの人が使えるとか。
そんなことはないよな。
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