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第7章 南部編
激流の先 1
<和見幸奈視点(姿はセレスティーヌ)>
生きてる?
ユーフィリアさんも?
わたしも?
「……」
いったい、どうなったの?
「セレス様、大丈夫ですか? もう呼吸はできますか?」
「……はい」
「身体に痛いところは?」
「……今のところ痛みは感じません」
「よかったぁ」
目に見えて、ユーフィリアさんの顔から悲壮感が消えていく。
「ユーフィリアさんは怪我などしてませんか?」
「私は問題ありません」
ユーフィリアさんもわたしも体に支障はない。
嵐のローンドルヌ河に落ちたのに、命が助かっただけでなく怪我ひとつないなんて……。
神様、感謝いたします。
でも。
「わたしたちはどうなったのでしょう?」
「ローンドルヌ河から何とか逃れることができました」
「あの激流からですよね?」
「はい。運よく陸地がありましたので。それに、少し魔法を……」
ユーフィリアさんは魔法使い。
水魔法も得意な魔法使いだ。
その水魔法でわたしを護ってくれたの?
大橋の中央付近から落下したのに?
あの恐ろしい激流の中、岸までわたしを泳ぎ運んで?
「ありがとう、ユーフィリアさん。あなたのおかげで助かりました」
「いえ……」
「ユーフィリアさんは命の恩人です。あなたがいなければ、わたしはローンドルヌ河に沈んでいたと思います」
わたし1人では生き残ることなんてできなかった。
絶対に!
「……私の失態が原因ですから。セレス様を危険な目に遭わせてしまい、本当に申し訳ございませんでした」
「違います。ユーフィリアさんの失態なんかじゃないです。だから謝らないでください」
ユーフィリアさんが謝る必要なんてない。
「セレス様……」
「心から感謝していますから」
「……」
本を正せば、原因は渡河を決断したわたし。
わたしの失態だ。
「そもそも、今回の件はわたしにこそ責任があるんです」
「それこそ、違います」
「でも」
「レザンジュの伏兵を見抜けなかったのは我らの責任。偵察隊を含む騎士の責任に他ありません」
あれは!
偵察隊が調査しても、渡河直前にまた調べ直しても、レザンジュ兵の姿なんて全く見えなかったのだから、仕方ないことだと思う。
「今回はレザンジュが一枚上手だっただけです」
「だとしても、責任は我らにこそあれ、セレス様にはございません」
「……」
そう考えてくれるなら。
今は。
「分かりました。わたしに責任はない。ユーフィリアさんにもない。そういうことでいいですね」
「……」
「責任や失態の話はこれで終わりにして、今後の話をしませんか」
「……はい」
「では、ここはどこなんでしょう?」
河の北岸なのか南岸なのか?
大橋からどれくらい流されたのか?
「大橋の下流にある中洲です」
中洲?
「岸ではないのですね?」
生きてる?
ユーフィリアさんも?
わたしも?
「……」
いったい、どうなったの?
「セレス様、大丈夫ですか? もう呼吸はできますか?」
「……はい」
「身体に痛いところは?」
「……今のところ痛みは感じません」
「よかったぁ」
目に見えて、ユーフィリアさんの顔から悲壮感が消えていく。
「ユーフィリアさんは怪我などしてませんか?」
「私は問題ありません」
ユーフィリアさんもわたしも体に支障はない。
嵐のローンドルヌ河に落ちたのに、命が助かっただけでなく怪我ひとつないなんて……。
神様、感謝いたします。
でも。
「わたしたちはどうなったのでしょう?」
「ローンドルヌ河から何とか逃れることができました」
「あの激流からですよね?」
「はい。運よく陸地がありましたので。それに、少し魔法を……」
ユーフィリアさんは魔法使い。
水魔法も得意な魔法使いだ。
その水魔法でわたしを護ってくれたの?
大橋の中央付近から落下したのに?
あの恐ろしい激流の中、岸までわたしを泳ぎ運んで?
「ありがとう、ユーフィリアさん。あなたのおかげで助かりました」
「いえ……」
「ユーフィリアさんは命の恩人です。あなたがいなければ、わたしはローンドルヌ河に沈んでいたと思います」
わたし1人では生き残ることなんてできなかった。
絶対に!
「……私の失態が原因ですから。セレス様を危険な目に遭わせてしまい、本当に申し訳ございませんでした」
「違います。ユーフィリアさんの失態なんかじゃないです。だから謝らないでください」
ユーフィリアさんが謝る必要なんてない。
「セレス様……」
「心から感謝していますから」
「……」
本を正せば、原因は渡河を決断したわたし。
わたしの失態だ。
「そもそも、今回の件はわたしにこそ責任があるんです」
「それこそ、違います」
「でも」
「レザンジュの伏兵を見抜けなかったのは我らの責任。偵察隊を含む騎士の責任に他ありません」
あれは!
偵察隊が調査しても、渡河直前にまた調べ直しても、レザンジュ兵の姿なんて全く見えなかったのだから、仕方ないことだと思う。
「今回はレザンジュが一枚上手だっただけです」
「だとしても、責任は我らにこそあれ、セレス様にはございません」
「……」
そう考えてくれるなら。
今は。
「分かりました。わたしに責任はない。ユーフィリアさんにもない。そういうことでいいですね」
「……」
「責任や失態の話はこれで終わりにして、今後の話をしませんか」
「……はい」
「では、ここはどこなんでしょう?」
河の北岸なのか南岸なのか?
大橋からどれくらい流されたのか?
「大橋の下流にある中洲です」
中洲?
「岸ではないのですね?」
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