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第10章 位相編
不明
僅かな浮遊感の後。
「……」
戻れたのか?
元の世界に、幸奈、武志、古野白さん、武上のいるあの位相空間に?
皆は無事なのか?
次第に確かになる感覚。
眼前には何物も存在しない虚ろな空間。
人の気配も感じない。
「……」
誰もいない?
まさか、失敗?
上手くいったんじゃ?
信じられない思いで振り返った俺の前方……。
「えっ?」
はるか前方に、倒れ伏す人影が見える。
人が倒れている?
「あれは?」
不安を掻き消すように瞬息で駆け寄った俺の足もと。
そこに横たわっていたのは……。
目に入ってきたのは……。
身動ぎひとつしない4人の姿だった。
「嘘だろ」
何もないこの位相空間で、体を投げ出すようにして地面に臥している4人。
足もとには4人がいるのに、気配すら感じられない。
「そんな……」
「間に合わなかった」
受け入れがたい現実を前に時は止まり。
ただ凍りついてしまう。
「……」
ん?
これは?
今この瞬間まで感知できなかった気配が突然?
「うぅ……」
微かに漏れた息は、幸奈だ!
「幸奈、幸奈!」
上体を抱え、呼吸を確認、脈を確認。
まだ息がある。脈もあるぞ!
血の気もないし呼吸も浅いが、確かに生きている!
「ぅ……」
「幸奈!」
「……こ……き……」
「ああ、俺だ! 幸奈、しっかりしろ!」
「うぅ……」
薄っすらと目は開いているものの、反応は鈍い。
けど。
「大丈夫だからな」
「ぅ……」
「すぐ治療してやるからな」
「……」
幸奈を抱えたまま即座に魔法を発動、治癒の光で全身を照らし出す。
包み込んでいく。
「ぅぅぅ……」
この容態でどこまで効果があるのか分からない。
それでも、今はやるしかない。
すると……。
若干表情がやわらいだ?
僅かだけれど、呼吸も落ち着きつつある?
「……」
効いたのか?
本当に?
だったら。
魔法が効くなら、何とかなる!
「うっ、うぅ……」
と思ったのに、また苦しそうな息を漏らし。
目を閉じてしまった。
「幸奈?」
「……」
反応はない。
ただ……。
治癒の光の中で、幸奈の頬に色は戻っている。
呼吸も再び落ち着いたような?
「……」
間違いない。
効果はあるぞ。
なら、俺は治癒魔法を続けるだけ。
「幸奈」
「……」
「もう少しの辛抱だ」
「……」
回復の兆しが見える腕の中の幸奈。
それと対照的なのが、他の3人。
古野白さん、武上、武志の気配は依然として感じ取れない。
つまり、もう……。
「……」
幸奈を含め全員の身には、大きな外傷など見当たらない。
出血も微量と言って良い程度。
いったい何があったんだ?
「……」
戻れたのか?
元の世界に、幸奈、武志、古野白さん、武上のいるあの位相空間に?
皆は無事なのか?
次第に確かになる感覚。
眼前には何物も存在しない虚ろな空間。
人の気配も感じない。
「……」
誰もいない?
まさか、失敗?
上手くいったんじゃ?
信じられない思いで振り返った俺の前方……。
「えっ?」
はるか前方に、倒れ伏す人影が見える。
人が倒れている?
「あれは?」
不安を掻き消すように瞬息で駆け寄った俺の足もと。
そこに横たわっていたのは……。
目に入ってきたのは……。
身動ぎひとつしない4人の姿だった。
「嘘だろ」
何もないこの位相空間で、体を投げ出すようにして地面に臥している4人。
足もとには4人がいるのに、気配すら感じられない。
「そんな……」
「間に合わなかった」
受け入れがたい現実を前に時は止まり。
ただ凍りついてしまう。
「……」
ん?
これは?
今この瞬間まで感知できなかった気配が突然?
「うぅ……」
微かに漏れた息は、幸奈だ!
「幸奈、幸奈!」
上体を抱え、呼吸を確認、脈を確認。
まだ息がある。脈もあるぞ!
血の気もないし呼吸も浅いが、確かに生きている!
「ぅ……」
「幸奈!」
「……こ……き……」
「ああ、俺だ! 幸奈、しっかりしろ!」
「うぅ……」
薄っすらと目は開いているものの、反応は鈍い。
けど。
「大丈夫だからな」
「ぅ……」
「すぐ治療してやるからな」
「……」
幸奈を抱えたまま即座に魔法を発動、治癒の光で全身を照らし出す。
包み込んでいく。
「ぅぅぅ……」
この容態でどこまで効果があるのか分からない。
それでも、今はやるしかない。
すると……。
若干表情がやわらいだ?
僅かだけれど、呼吸も落ち着きつつある?
「……」
効いたのか?
本当に?
だったら。
魔法が効くなら、何とかなる!
「うっ、うぅ……」
と思ったのに、また苦しそうな息を漏らし。
目を閉じてしまった。
「幸奈?」
「……」
反応はない。
ただ……。
治癒の光の中で、幸奈の頬に色は戻っている。
呼吸も再び落ち着いたような?
「……」
間違いない。
効果はあるぞ。
なら、俺は治癒魔法を続けるだけ。
「幸奈」
「……」
「もう少しの辛抱だ」
「……」
回復の兆しが見える腕の中の幸奈。
それと対照的なのが、他の3人。
古野白さん、武上、武志の気配は依然として感じ取れない。
つまり、もう……。
「……」
幸奈を含め全員の身には、大きな外傷など見当たらない。
出血も微量と言って良い程度。
いったい何があったんだ?
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