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第11章 陰謀編
偶然?
<ヴァーンベック視点>
黒都カーンゴルムで会った大男。
コーキと夕連亭の店員と一緒に旅をしていた男だ。
「おまえ、いや、君はカーンゴルムで会った?」
「ええ、そうですが……」
なぜこいつがキュベルリアにいる?
しかも、この骨董品店に?
コーキの敵とは思えないが。
だとすると……。
偶然?
骨董品収集が趣味で、たまたまこの店に姿を現したとか?
この店に似合わない筋肉隆々の大男とはいえ、年齢は40歳前後。
骨董好きの可能性も……。
いや、違うな。
どう見ても、骨董品に興味ある挙動じゃない。
俺と同じく門外漢にしか見えねえわ。
「君がどうしてこの店に?」
と言いながら向けてくるのは不審者を見るような視線。
そっちも俺を疑ってるんだな。
「もちろん、骨董品を買うためです」
「ほう、君が骨董品を?」
俺の挙動はもちろん、何もかもが骨董品店には似つかわしくない。
そんなことは自分でもよーく分かってる。
とはいえ、ここには店員の目もあるんだ。
押し切るしかねえだろ。
「骨董品が目当てでなければ来ませんよ。そう言うあなたも?」
「……そうだ」
「……」
「……」
言葉は出てこないが、内心は違う。
相手の思惑を読むように、頭が動きまくってる。
そっちも同じだよな。
「あの……」
さっきまで距離を置いていた店員。
彼が再び近づいて来た。
これは、まずいか?
「お客様?」
さっきのやり取り。
どうみても不自然だったよな。
ただでさえ、店に相応しくない2人組だというのに。
店員があやしく思うのも当然だ。
となると、ひとまず。
「外に出ましょうか」
「ああ」
店を出る俺の背に店員の視線が突き刺さってくる。
はあ~。
やりにくくなっちまったな。
「で、どういうことなんです?」
骨董品店を出て数歩進んだところで、こっちから話を振ってやる。
「……どういうこととは?」
「ここに来た理由ですよ」
「……」
「ここに邪魔者はいない。腹を割って話しませんか?」
相手は明らかな凄腕。
とはいえ、敵である可能性は薄い。
なら、積極的に話を進めるべきだろう。
「あなたは骨董品なんて興味ありませんよね」
「君も同じだろ」
「その通り。ここに来たのは他の理由があるからです」
「それは?」
「こっちが先に質問したんですけど」
「……」
話す気はないってか。
なら、仕方ねえ。
先に話してやるよ。
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