30年待たされた異世界転移

明之 想

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第11章 陰謀編

一撃


 振り切った手のひらに残るのは、抜群の感触。

「ア&▲ァァ」

 その手応え通り、剣身は無事。
 オルセーからは唸り声が聞こえてくる。
 
「ァァ……」

 断ち切ったんだ。
 硬皮だけじゃなく、肉も骨も一撃で。

「コーキ殿!」

「切断しやがった!」

「一振りかよ」

 ヴァルター、ギリオン、ヴァーン、3人ともに驚きの表情。
 興奮を隠せていない。

「けど、終わってねえ」

「ああ、しぶてえやろうだぜ」

 そう。
 まだ喜べる状況じゃない。
 斬ったのは腕、オルセーの首には届いていないのだから。
 
「ァァオオ#@!」

 当然、腕を差し出すことで致命傷を逃れたオルセーは健在。
 その目には鈍光が宿ったままだ。
 ただ、混乱に陥っているのか、地団駄を踏んで暴れ回っている。
 さっきの暴れっぷりよりは若干ましだが、狙いがつけづらいのは同じ。

「@&□ァァァ!!」

 それでもだ。
 切断が可能となった現状で精妙な剣は必要ないだろ。
 なら、首じゃなくていい。
 大きな的を狙えばいい。

 即座に剣を左脇に引き、居合に近い体勢を整えてやる。

「◇*%ァァァ!!」

 こちらは一撃必殺の構え。
 眼前のオルセーは混乱状態のまま。
 彼我の距離、間合いは完璧。
 強化剣も問題なし。

「……」

 これで、終わりだ。

「たぁ!!」

 気合と共に前へ。
 水平の薙ぎ払い、妙絶無欠の一閃を!

 ザンッ!!

 剣身が踊る。
 胴を通過していく。

「……」

 最高の感触を残した剣は右手の中。
 全ては狙い通り。

「……ァ?」

 一拍の静寂の後。

「ア? #”アアァァ!!」

 オルセーからは叫声。
 そして、鮮血が溢れ出す。

「ア@△ア”*ァァァ……」

 歪に異形化した体が真っ青に染まり。
 上体がゆっくりとかしぎ。

「ア&*ァァ……」

 ドッスーーン!

 落ちた。
 ついに崩れ落ちた。

「……」

「……」

 床に伏すオルセーは沈黙のまま。
 ピクリとも動かない。
 再生する兆しも感じられない。



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