30年待たされた異世界転移

明之 想

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第12章 激闘編

防戦


「ファイヤーバレット!」

 放たれたのは100を超える小炎球。
 それらが上空で拡散、上下左右に広げられた網のような形を作り迫ってくる。

 おそらくは低威力、多少受けても問題はないはず。
 それでも、この後のことを考えれば避けておきたい。
 間に合うかギリギリだが。

 ダンッ!

 地を蹴り右に大きく跳躍。
 着地と同時に地面を転がってやる。

 シュッ、シュッ!
 シュッ、シュッ、シュッ!

 炎の小球がこちらを掠めて遠ざかっていく。
 よし、何とか回避できたようだ。

「ふう」

 一息吐きながら片膝立ちで射手の方に向き直る。
 そのまま体勢を整えようとしたところに。

「ファイヤーバレット!」

 また小球魔法。
 しかも数が増えている。

「ファイヤーストーム!」

 さらに青髪の炎嵐まで!

「っ!」

 初撃より増えた炎の小球、広範囲の炎の嵐。
 この全てを避けきることは不可能だろう。
 ならば。

「ストーンウォール!」

 防御すればいい。

「ストーンウォール!」
「ストーンウォール!」

 最速で土魔法を発動し、前後左右に巨大な石壁を構築。
 どうだ!

 バシ、バシッ!
 バシ、ダン、ダダン!

 先行する小球が防壁に激突する。
 四角柱状の石壁に降り注いでくる。

 が、耐久性に問題はなし。
 想定通り防げている。
 なら、続く炎嵐は?

 ゴオォォォ!

 猛火が迫ってきた。
 
 ゴオォォォ!

 前方左右と石壁を覆い尽くしていく。
 それでも、壁は崩れない。

 ゴゴオォォ!

 石の防御壁にはまだ余裕がある。
 このままなら守りきれるだろう。

 炎の気配が変わった?
 上に伸びようとしている?

 ゴゴオォォ!

 俺の創り出した防御壁は四角柱状のもの。
 壁は高く中も広いが、上に防壁はない。
 この形状で十分だと考えていたのだが……。

 炎が石壁を這い上がっていく。
 まるで意志を持っているかのように。

 ゴオォ!
 ゴゴオォォ!

 炎嵐の勢いは衰えず。
 ついに上に現れてしまった。
 そして内壁に侵入、少しずつ降下してくる。

 これは、まずいぞ!
 どう対処したら?

 とりあえず壁を崩して……。
 いや、駄目だ。
 外の炎嵐に包まれてしまう。
 だったら。

 斬るか?

「……」

 以前の戦いで剣姫が見せてくれた魔法切断。
 あれ以来鍛錬を続け、俺もそれなりに使えるようにはなっている。
 ただし、この規模の魔法炎に試したことはない。
 それでも、剣身と剣内に魔力付与できる今なら……。

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