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第12章 激闘編
転移
この状況で考えがたいことだが、 ひょっとして剣姫は宝具での転移を避けたいのか?
「イリサヴィア様?」
「……うむ」
返ってきたのは首肯。
僅かな間はあったものの、しっかり頷いてくれた。
ということは?
「同行してもよろしいのですね?」
「……問題ない」
肯定の言葉も、また合間。
やはり何らかの懸念があるのだろう。
そこに一抹の不安を感じてしまう。
ただ、だからといって、シャリエルンのありがたい申し出を断るほどじゃない。
なら。
「宝具での転移、お願いします」
「承知した」
*************************
<エリシティア視点>
「……うぅ」
頬を撫でる風に誘われるように、重い瞼が上がっていく。
その僅かな隙間から光が入り込んで……しみるな。
「……っ!?」
意識を失っていたのか?
異界の大地震に飲まれて?
徐々に覚醒を始めた頭に最前の状況が浮かび上がってくる。
そうだ!
「ギリオン??」
ギリオンはどこだ?
あの時、私は彼に護られていたはず。
腕の中にいたは……。
瞬間、表現しがたい感情に身体が固まってしまう。
横になったまま、起き上がることもできない。
そんな私の頬をまた薫風が優しく……薫風?
赤の世界に薫風??
「……っ!?」
ない!
赤が見えない!
赤濁の空も、赤茶けた大地も、生ぬるく不快な空気もここには……。
いったい、なぜ?
何が起こって?
即座に半身を起こし周りを見渡すと……。
信じがたい光景が目に入ってきた。
「新緑、深緑?」
木だ。
青々とした葉がこれでもかと生い茂っている。
ということは、あの異界を脱出できたのか?
だが、どうやって?
分からない。
状況が理解できない。
それでも、清浄な空気が身体を満たしてくれる。癒してくれる。
心が澄んでいく。
「……」
ここは赤の世界じゃない、明らかに異なる地だ。
地震の影響なのか?
他に原因があるのか?
今は判断できないものの、異界を脱したという事実だけは間違いないだろう。
ただ、この地がどこなのかが分からない。
国境の平原でないことは確かだが……。
「おっ、姫さん、目が覚めたか?」
「……」
ギリオンだ。
ギリオンが近づいて来る。
途端、なぜか思考が鈍り始めて……。
「怪我はねえよな?」
「……」
「姫さん?」
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ご指摘あればどんどん仰ってください。
※2017/8/29 連載再開しました!