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第一章 おけつの危機を回避したい
四十六話
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竹っちは、授業の半ばも過ぎた頃に来た。
しかも、様子がなんか変。汗かいとるんは、急いできたんやろなて思うんやけど、ぶかぶかのシャツ着とるんは、何でなん?
気になったことを放っとく仲でもないんで、チャイム鳴ったら早速聞きに行ったんよ。
「竹っちー、さっきの授業どうしたん?」
「お、おお。……実は、S・Yに会いに行ってたんだよ」
竹っちは、顔を寄せてひそひそと言う。つんとした匂いが鼻を刺して、おれは目を瞠る。竹っち、なんか薬っぽい匂いがする。おれの様子に気づいたんか、説明してくれた。
「手伝いしてたら、棚のオキシドールがこけて来て。俺、かぶっちゃってさ。そんで、濡れた服とか着替えてたから遅くなったんだわ」
「ええっ。竹っち、大丈夫? 痛くないの?」
ぎょっとして肩を揺さぶると、竹っちは「洗ったし平気だぜ」ってけろっとしとる。たしかに、見た感じは肌も赤くなったりしてへんみたい。
おれは、ホッと息を吐いた。
「そんならええけど。えらい大変やってんなあ」
「いや、大変なのはこっからなんだ。――S・Yが「今日のお詫び」って言って、部屋で晩飯ご馳走してくれるってさ……」
「うわー! それ、やばない!?」
「なあ、やべーよな! 俺どうしようっ」
真っ赤な顔を喜びいっぱいにして、竹っちが笑う。
でもわかる、それは嬉しいよな! 好きな人のお部屋にお呼ばれかつ、ごはんやもん。それは絶対、脈ありやって。
おれは、竹っちの肩を肘でうりうりと突いた。
「やったねえ。善行はつむもんですなぁ、竹っちー」
「ふへへ。悪いな今井、俺、一足先に大人の階段上っちまうかも……!」
「いやー! 竹っちのすけべ!」
きゃあきゃあ騒いどったら、「なんだなんだ」と上杉たちが寄ってくる。
「ちょっとお前ら、楽しそうに何の話? スケベとかなんとかよー」
「あっ、何もねえ何もねえ。えーと、今井に貸したエロ本返せって、言ってたとこ!」
「んなっ!」
いきなりの濡れ衣に、おれは口をあんぐりと開ける。
納得したらしい上杉と山田に「返してやれよ~」って笑われる。
な、なんでっ。そもそも、竹っちのエロ本って年上の眼鏡美女ばっかで、おれの趣味とちがうから!
とはいえ――竹っちの恋がバレるわけにいかんので、共犯のおれは口を噤むほかない。竹っちめ、見えへん角度でウインクすな。
「つーかさあ、有村的にはどうなん。彼女がエロ本で抜くのって浮気じゃねえの」
「すす鈴木っ、何聞いてんねんっ!」
鈴木が、でっかい爆弾を落としてきて、度肝を抜かれた。なんでそんな際どいこと聞くのっ!?
「うん?」
きょとんと目を丸くする晴海に、おれは焦る。――ち、ちゃうねん! おれ、最近はフラグ回避で忙しくて、ほんまにオナニーもしてないんやで……!
どうにか弁解しようと口を開いた途端、晴海が「ははは」と大笑いした。
「そんなん、別にええがな。シゲルは男の子なんやから、パイも気になるお年頃やろ」
「へーっ。そういうもんかあ」
納得したらしく、鈴木はポテチの袋を開けて皆に振舞いだした。話題は上杉の秘蔵の本にうつり、みんなワイワイ話しとる。
おれは、思いっきり吸うた息のやり場がなくなって、ひゅおぉ……と空しく吐き出す。
――そんなん、別にええがな。
そりゃ、そうか。
実際、おれら付き合ってもないし。おれが何でシコろうが、晴海に関係ないんやし……
何を焦ってたんやろって思ったら、ちょっと恥ずかしくなった。
と、当の晴海がのんきな顔で寄ってきて、言うたんよ。
「シゲル、借りたもんは返すんやで。竹っちもいざ使うとき、ないと困るやろ……どうした?」
「知らんっ。おれ、最近はちんちん触ってませんから!」
「ぶうっ!」
流石にムッとして、そう言ったったら、なぜか皆がポテチを噴き出した。
晴海まで、真っ赤な顔で「何を言うてんねん!」てチョップしてきてん。謎や!
しかも、様子がなんか変。汗かいとるんは、急いできたんやろなて思うんやけど、ぶかぶかのシャツ着とるんは、何でなん?
気になったことを放っとく仲でもないんで、チャイム鳴ったら早速聞きに行ったんよ。
「竹っちー、さっきの授業どうしたん?」
「お、おお。……実は、S・Yに会いに行ってたんだよ」
竹っちは、顔を寄せてひそひそと言う。つんとした匂いが鼻を刺して、おれは目を瞠る。竹っち、なんか薬っぽい匂いがする。おれの様子に気づいたんか、説明してくれた。
「手伝いしてたら、棚のオキシドールがこけて来て。俺、かぶっちゃってさ。そんで、濡れた服とか着替えてたから遅くなったんだわ」
「ええっ。竹っち、大丈夫? 痛くないの?」
ぎょっとして肩を揺さぶると、竹っちは「洗ったし平気だぜ」ってけろっとしとる。たしかに、見た感じは肌も赤くなったりしてへんみたい。
おれは、ホッと息を吐いた。
「そんならええけど。えらい大変やってんなあ」
「いや、大変なのはこっからなんだ。――S・Yが「今日のお詫び」って言って、部屋で晩飯ご馳走してくれるってさ……」
「うわー! それ、やばない!?」
「なあ、やべーよな! 俺どうしようっ」
真っ赤な顔を喜びいっぱいにして、竹っちが笑う。
でもわかる、それは嬉しいよな! 好きな人のお部屋にお呼ばれかつ、ごはんやもん。それは絶対、脈ありやって。
おれは、竹っちの肩を肘でうりうりと突いた。
「やったねえ。善行はつむもんですなぁ、竹っちー」
「ふへへ。悪いな今井、俺、一足先に大人の階段上っちまうかも……!」
「いやー! 竹っちのすけべ!」
きゃあきゃあ騒いどったら、「なんだなんだ」と上杉たちが寄ってくる。
「ちょっとお前ら、楽しそうに何の話? スケベとかなんとかよー」
「あっ、何もねえ何もねえ。えーと、今井に貸したエロ本返せって、言ってたとこ!」
「んなっ!」
いきなりの濡れ衣に、おれは口をあんぐりと開ける。
納得したらしい上杉と山田に「返してやれよ~」って笑われる。
な、なんでっ。そもそも、竹っちのエロ本って年上の眼鏡美女ばっかで、おれの趣味とちがうから!
とはいえ――竹っちの恋がバレるわけにいかんので、共犯のおれは口を噤むほかない。竹っちめ、見えへん角度でウインクすな。
「つーかさあ、有村的にはどうなん。彼女がエロ本で抜くのって浮気じゃねえの」
「すす鈴木っ、何聞いてんねんっ!」
鈴木が、でっかい爆弾を落としてきて、度肝を抜かれた。なんでそんな際どいこと聞くのっ!?
「うん?」
きょとんと目を丸くする晴海に、おれは焦る。――ち、ちゃうねん! おれ、最近はフラグ回避で忙しくて、ほんまにオナニーもしてないんやで……!
どうにか弁解しようと口を開いた途端、晴海が「ははは」と大笑いした。
「そんなん、別にええがな。シゲルは男の子なんやから、パイも気になるお年頃やろ」
「へーっ。そういうもんかあ」
納得したらしく、鈴木はポテチの袋を開けて皆に振舞いだした。話題は上杉の秘蔵の本にうつり、みんなワイワイ話しとる。
おれは、思いっきり吸うた息のやり場がなくなって、ひゅおぉ……と空しく吐き出す。
――そんなん、別にええがな。
そりゃ、そうか。
実際、おれら付き合ってもないし。おれが何でシコろうが、晴海に関係ないんやし……
何を焦ってたんやろって思ったら、ちょっと恥ずかしくなった。
と、当の晴海がのんきな顔で寄ってきて、言うたんよ。
「シゲル、借りたもんは返すんやで。竹っちもいざ使うとき、ないと困るやろ……どうした?」
「知らんっ。おれ、最近はちんちん触ってませんから!」
「ぶうっ!」
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