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第二章 淫紋をぼくめつしたい
お隣さんとの攻防③
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「な、何これーっ?!」
姉やんから届いた荷物を開けて、おれは絶叫した。
観音開きのダン箱の真ん中にチン座しておわすのは――まっピンクのちんちんやった!
遡ること二日前――
「お隣さんに気をつけよう」って、晴海と誓いあった翌日のことなんやけど。
休み時間に、姉やんから電話かかってきてん。
『薬が完成したから、とりあえず送るわね! 詳しい説明は荷物がついてからするから』
「マジっすか、お姉さん!」
「わああ、ありがとう姉やん!」
齎された吉報に、おれと晴海は抱き合って喜んだ。
『ほほほ。まあ、ちょっと使い方に難ありなんだけど。そこはごめんね』
「ううん! そんなん全然ええよ。嬉しい!」
頬をかいて謙遜する姉やんに、おれは満面の笑顔で頷く。
だってな、スマホの液晶ごしにわかるほど、姉やんの目の下のクマは濃かったんや。きっと、めっちゃ頑張ってくれたんやって、胸がいっぱいになってん。
「ちょっとやり方が難しいくらい、何でもないって。な、晴海っ」
「おう、そうやな。俺に任せてくださいお姉さん」
『あら頼もしい』
おれ達は、あははウフフと笑いあった。
そんで、話は冒頭に戻るんよ。
学校から帰ってきて、姉やんからの荷物が届いてたから、いそいそと開けてみて。
「な……なん……」
おれは、わなわなと震えた。
ファミリー用のクッキー缶くらいの大きさのダン箱には、たっぷりと気泡緩衝材が詰められとる。――あたかも、真ん中におわす、「ごりっぱさん」を守るかのごとく。
――ど、どっからどう見ても、ちんちんや……
おれは、わけがわからんまま、ピンクのちんちんをまじまじと見つめた。
「なんで、ちんこなんや?」
「せやんな?!」
晴海も、難しい顔でゴクリと唾を飲んどる。やっぱわけわからんらしい。
手をこまねいててもしゃあないし、姉やんに電話してみることにした。
『あ、もしもし。荷物ついたの?』
「姉やん、何これ!?」
幸い、すぐに出てくれたので、がぶりよりに尋ねた。
姉やんは、画面越しにちょっと仰け反っとる。
『何よ、やぶから棒に』
「だって、これっ。姉やん、中身まちがえたん?」
『失礼ね。それが、前に話した通りの薬よ。晴海くん、ちょっと箱の中身、全部出してもらえる?』
「あ、はい」
箱にはちんちん以外にも、色んなもんが入っとった。
ハート柄のボトル、スキン二枚、取扱説明書……なぜか乾電池。
「姉やん。いかがわしいグッズにしか、見えんねんけど」
『まあ、モノ自体は道具だから。肝心要は、そのボトル。――それが、解毒薬なの』
「ええっ」
晴海が目を丸くする。
「マジすか。これは、どういう風に使うんですか?」
『うん。シゲルの腸内に棲む、特殊な粘液生物――長いからスライムって呼ぶわよ。この薬には、スライムの活動を弱らせる効能があるんだけど。残念ながら、胃を経由すると効果がなくなっちゃうのよねー。だから、そのバイブを使って、直接ケツ穴に塗り込まなきゃなんないの』
「んな……?!」
あんまりな用法に、おれは口をパクパクさせた。晴海も、顔を赤くしたり青くしたり、信号みたいになっとる。
「え、えーと。バイブ使う理由はなんすか?」
『指だと奥まで届かないじゃない。その点、これなら満遍なく塗れるし。ケツ穴に入れて使うように設計されてるから安全面もバッチリでしょ。大変だったのよ、太くなくて長いバイブ探すの』
「えっ。ちゃんとした理由や」
思わずこぼすと、姉やんは眦をつりあげる。
『こんの馬鹿ッたれ! 私だって、ふざけてこんなモン買えないわよ!』
「そ、そうやんな! ごめんなさい」
すごい剣幕に、ぺこぺこと平謝りする。
でも、確かにそうや。姉やんは、女の子なんやから。アダルトグッズ買うの、辛かったに違いない。
「ありがとうございます。俺、お姉さんの犠牲は無駄にしませんわ」
『是非よろしく……詳しい使い方は、その取説に書いたから。読んどいてね』
「わかった!」
びしっと敬礼すると、姉やんは真剣な調子で続けた。
『もう一つ、お願いがある。この薬は、まだ発情の頻度を抑えるしか出来なくて……完全な解毒薬じゃないの。だから、発情が起こったら、普段通りに対処してくれる?』
「そうなんすね。わかりました」
晴海は、真面目に頷いた。
『ありがとう。もうちょいデータが取れれば、もっといい薬ができると思うから。悪いけど、よろしくお願いね!』
姉やんは、力強く請け負ってくれた。晴海が、おれの肩を抱き――「頑張ろうな」と言うてくれる。
おれは、じーんとした。
――大丈夫。ふたりがおるから、怖くない。
それに、「なんでもする」言うたし、男に二言はないで……!
おれは、むんと気合をいれる。
「ありがとう。姉やん、晴海! よろしくお願いしますっ」
姉やんから届いた荷物を開けて、おれは絶叫した。
観音開きのダン箱の真ん中にチン座しておわすのは――まっピンクのちんちんやった!
遡ること二日前――
「お隣さんに気をつけよう」って、晴海と誓いあった翌日のことなんやけど。
休み時間に、姉やんから電話かかってきてん。
『薬が完成したから、とりあえず送るわね! 詳しい説明は荷物がついてからするから』
「マジっすか、お姉さん!」
「わああ、ありがとう姉やん!」
齎された吉報に、おれと晴海は抱き合って喜んだ。
『ほほほ。まあ、ちょっと使い方に難ありなんだけど。そこはごめんね』
「ううん! そんなん全然ええよ。嬉しい!」
頬をかいて謙遜する姉やんに、おれは満面の笑顔で頷く。
だってな、スマホの液晶ごしにわかるほど、姉やんの目の下のクマは濃かったんや。きっと、めっちゃ頑張ってくれたんやって、胸がいっぱいになってん。
「ちょっとやり方が難しいくらい、何でもないって。な、晴海っ」
「おう、そうやな。俺に任せてくださいお姉さん」
『あら頼もしい』
おれ達は、あははウフフと笑いあった。
そんで、話は冒頭に戻るんよ。
学校から帰ってきて、姉やんからの荷物が届いてたから、いそいそと開けてみて。
「な……なん……」
おれは、わなわなと震えた。
ファミリー用のクッキー缶くらいの大きさのダン箱には、たっぷりと気泡緩衝材が詰められとる。――あたかも、真ん中におわす、「ごりっぱさん」を守るかのごとく。
――ど、どっからどう見ても、ちんちんや……
おれは、わけがわからんまま、ピンクのちんちんをまじまじと見つめた。
「なんで、ちんこなんや?」
「せやんな?!」
晴海も、難しい顔でゴクリと唾を飲んどる。やっぱわけわからんらしい。
手をこまねいててもしゃあないし、姉やんに電話してみることにした。
『あ、もしもし。荷物ついたの?』
「姉やん、何これ!?」
幸い、すぐに出てくれたので、がぶりよりに尋ねた。
姉やんは、画面越しにちょっと仰け反っとる。
『何よ、やぶから棒に』
「だって、これっ。姉やん、中身まちがえたん?」
『失礼ね。それが、前に話した通りの薬よ。晴海くん、ちょっと箱の中身、全部出してもらえる?』
「あ、はい」
箱にはちんちん以外にも、色んなもんが入っとった。
ハート柄のボトル、スキン二枚、取扱説明書……なぜか乾電池。
「姉やん。いかがわしいグッズにしか、見えんねんけど」
『まあ、モノ自体は道具だから。肝心要は、そのボトル。――それが、解毒薬なの』
「ええっ」
晴海が目を丸くする。
「マジすか。これは、どういう風に使うんですか?」
『うん。シゲルの腸内に棲む、特殊な粘液生物――長いからスライムって呼ぶわよ。この薬には、スライムの活動を弱らせる効能があるんだけど。残念ながら、胃を経由すると効果がなくなっちゃうのよねー。だから、そのバイブを使って、直接ケツ穴に塗り込まなきゃなんないの』
「んな……?!」
あんまりな用法に、おれは口をパクパクさせた。晴海も、顔を赤くしたり青くしたり、信号みたいになっとる。
「え、えーと。バイブ使う理由はなんすか?」
『指だと奥まで届かないじゃない。その点、これなら満遍なく塗れるし。ケツ穴に入れて使うように設計されてるから安全面もバッチリでしょ。大変だったのよ、太くなくて長いバイブ探すの』
「えっ。ちゃんとした理由や」
思わずこぼすと、姉やんは眦をつりあげる。
『こんの馬鹿ッたれ! 私だって、ふざけてこんなモン買えないわよ!』
「そ、そうやんな! ごめんなさい」
すごい剣幕に、ぺこぺこと平謝りする。
でも、確かにそうや。姉やんは、女の子なんやから。アダルトグッズ買うの、辛かったに違いない。
「ありがとうございます。俺、お姉さんの犠牲は無駄にしませんわ」
『是非よろしく……詳しい使い方は、その取説に書いたから。読んどいてね』
「わかった!」
びしっと敬礼すると、姉やんは真剣な調子で続けた。
『もう一つ、お願いがある。この薬は、まだ発情の頻度を抑えるしか出来なくて……完全な解毒薬じゃないの。だから、発情が起こったら、普段通りに対処してくれる?』
「そうなんすね。わかりました」
晴海は、真面目に頷いた。
『ありがとう。もうちょいデータが取れれば、もっといい薬ができると思うから。悪いけど、よろしくお願いね!』
姉やんは、力強く請け負ってくれた。晴海が、おれの肩を抱き――「頑張ろうな」と言うてくれる。
おれは、じーんとした。
――大丈夫。ふたりがおるから、怖くない。
それに、「なんでもする」言うたし、男に二言はないで……!
おれは、むんと気合をいれる。
「ありがとう。姉やん、晴海! よろしくお願いしますっ」
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