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6巻
6-2
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彼らを頼もしく思いつつ、俺もまた前世の経験を活かしてノールたちに指示を出す。
「……ノール、向こうの緑小鬼の集団に魔法を! フィーはあっちの水妖だ! トリス! 隣の班のフォローを!」
残念ながら、魔法学院生の全ての班がうまくやれているわけではなく、周囲のいくつかの班が統制を失いつつあったので、俺が指示を出して立て直させたりもした。
そういうことは、あの時代に何度もやってきたのだ。
どの辺りがまずそうで、どの辺りを補強してやればうまくいくのか、それはぱっと見れば分かった。
こうしたことは経験のなせる業で、魔法学院生たちにはなかなか難しいようだが、それでも学院生の中に未だ死者はいないみたいだ。
神兵たちには徐々に負傷者が増えているが、こればかりはどうしようもない。
直接魔物たちとぶつかって戦う中では、いくら相手の攻撃を避けようとしても完全に避けきれるものではない。
神兵たちの中には結構な数の治癒術師もいるようであったが、戦いながら治癒術をかけ続ける、というのも難しい。
結果として、櫛の歯が欠けるように消耗していってしまっている。
今はまだ大した損害でなくとも、いずれ深刻な問題になってきそうな、そんな感じがした。
とはいえ、有効策があるわけではなく、今はできる限り早く敵を全滅させるために、精一杯戦うしかない。
それにしても、と俺は思う。
この時期に、神都エルランにこれほどの規模の魔物の襲撃があるとは、意外にもほどがある。
もちろん、前世においてそんな話など聞いたことがなかった。
もしかしたら、あえて秘匿されたのかもしれないが、しかしそんなことをする理由が分からない。
そうするとやはり、前世では魔物の襲撃はなかったということになるが……ではどうして今回はこのような事態になったのだろうか。
いくつか、理由は思いつかないではなかった。
その中で有力なのは、俺が前世の記憶をもとに今世では色々なことをやったため、魔族の動きが変わってきている、というものだろう。
今のところ、俺は魔族に対して直接大きな働きかけをしたことはないので、魔族が人類の動きを見て何かを考え、今回の襲撃を決めたと推測できる。
……魔族は、人類をどこかで観察しているのだろうか。
そうだとしたら、俺のやっていることは無駄なのかもしれない。
人類がいかに魔族に対抗する準備を整えようとも、それがしっかりと整う前に攻めてこられては、どうしようもない。
前世においては、あまり態勢が整っていない中でも、たくさんのものを犠牲にしつつ、何とか魔族に勝利することができた。
けれど、今世においては俺が余計なことをしたために、今のように魔族に先手を打たれ、人類が敗北するという未来もあり得るのではないだろうか。
そんな不安が浮かんできた。
もしそうなってしまったら、俺の行動はすべて逆効果だ。
何もしないほうがよっぽどよかった……ということになってしまう。
それはとても悲しいことだ。
しかし意外にも真実なのかもしれない。
それでも、だ。
仮にそうなってしまうのだとしても、俺が魔族との戦いへの準備をやめることはない。
なぜかと言えば、もはや歴史は動き出してしまっているからだ。
俺は、国を、人類を強くするために色々なことに着手してしまっている。
ここで準備をやめることは人類を中途半端な状態で放置することにほかならず、結果として、この先にあるかもしれない人類敗北という最悪の未来を、さらに最悪なものへと変えてしまいかねない。
だったら後ろなど振り返らずに、今まで通り邁進するべきだ。
ひたすらに軍備を整え、魔法理論を構築し、多くの人の協力を求め――
そして、倒すのだ。
魔族を、魔王を。
そのために俺はこの世界に、この時代に戻ってきたのだから。
戦いは今、拮抗している。
神兵たちの消耗もそこまで酷くはない。
このまま行けば、間違いなく勝てるだろう。
ただ、それはあくまでこのまま行けば、の話である。
何かの拍子に天秤が少し傾くだけで、その予想は別の現実へと変わる。
そして、その傾きがやってきた。
最前線である魔物の群の真ん中で、ひたすら大規模魔法や武術による攻撃を繰り出していた魔法学院教授たちの様子が、突然変わったのだ。
遠くからでも見えていた、巨大な竜巻や爆炎が一瞬、止まった。
そして、次の瞬間、巨大な魔法同士のぶつかり合いが見えた。
「……おい、ジョン! ありゃ何だ!?」
ノールの叫び声が聞こえた。
トリスやフィーも目を見開いて、ノールと同じ方向を見つめている。
俺も教授たちのいる方角を見たまま答える。
「……教授の誰かの魔法と同規模の魔法が放たれて、対消滅したんだろうな。おそらく……魔人だ!」
「魔人! あんなにすげぇのかよ!?」
王国でたまに確認されていたような低位魔人であれば、あそこまでの魔法は使えないはずだ。
しかし、これほどの魔物の大群を率いてくるような魔人であれば、中位以上である可能性が高い。
中位以上の魔人の操る魔法は、人類のトップクラスの魔術師のものに匹敵することもある。
先ほど見えたのは、やはり中位以上の魔人の魔法だろう。
あれだけの力を持つ魔人がいるとなると、魔法学院教授でも中々に厳しいものがあると思われた。
実際――
「ジョン! こっちに来る魔物が増えてるよっ!?」
フィーが慌てた様子でそう叫んだ。
確かに先ほどまでこちらに抜けてきた魔物の数と、今、群から抜けてきた魔物の数を比べると、倍ほどの差がある。
おそらく魔人とぶつかった魔法学院教授陣に、魔物を倒す余裕がなくなったためだろう。
「このままじゃ、まずいな……」
俺たちの班はまだ何とかなる。俺がいるし、ノールやトリス、フィーは魔法学院生の中でも優秀なほうだ。これまでも十分対処できていたし、魔物の数が倍になっても何とかできると思う。
しかし、他の魔法学院生の班はちょっとまずいかもしれない。
火力の問題というより、乱戦になると冷静さが失われて、徐々に押されていってしまう危険性が高いのだ。
魔法学院での迷宮研修においては、多数の魔物を確認したら基本的には逃げるように指導されていた。命を無駄にしないためだ。
だから、魔法学院生の多くは、自分のキャパシティの限界に近い魔物との戦闘に慣れていないのである。
この問題を解決するには……
「しっかりと指示できる奴が必要なんだが……」
新たな敵の集団は、目の前に迫っていた。
第3話 公爵令嬢の権威
「ジョン! お前が行って指示を出してこい!」
ノールがそう叫んだ。
しかし、だからといって即座に「はい、分かりました」と頷くわけにもいかない。
なぜなら、俺たちの班は全体から見て、かなり危険な位置に配置されているからだ。
陣形からすると、ほぼ真ん中に当たる。正面から魔物の軍勢とぶつかり合い、そしてどこにも逃げ場がないという位置である。
そんなところにいて、どうしてあまり被害がないかと言えば、俺たちが今までの学院生活で培ってきた技術と仲間との連携を駆使して戦っているからであり、俺がこの場から抜けてしまうとかなり厳しい状況に陥るだろう。
それは、ノールたちがいくら優秀であっても避けられるものではない。
俺はその懸念をノールに伝えることにした。
「俺が他の班のサポートに向かうと、これまでの連携が崩れる! いくらノールたちでも、さすがにまずいだろ!」
「けど、このままじゃ全滅しかねないぞ! 俺でも見れば分かる。左翼の辺りは指示出せる奴がいないのか、かなり下がっちまってるし、右翼の方だっておかしな突っ込み方をしてる奴らが見える! 誰か統制しねぇと、最後には俺たちもやばくなるぞ!」
確かにノールの言うことは正しい。
実際に、彼が指摘した通りの状況になっているのが遠目にも見える。
このまま放っておくと、左右から徐々に崩れ始めて、最終的には中央にいる俺たちも危険になるだろう。
魔物が左右同時に進行してきたら、取り囲まれてどうしようもなくなる可能性がある。
そのときは俺だけは逃げようと思えば逃げられるだろうが、そんなことは当然したくない。
しかし、この時代で、ただ一人、未来に起こりうることを経験している俺がここで死んでしまったら、また前世と同じ悲劇が繰り返されることになる。
それも、もちろん許容などできない。
逡巡したのちに、俺はノールに言う。
「だが……俺が抜けて持ちこたえられるのか!? 今でも十分きついんだ。これから襲ってくる魔物の数が倍になったら……」
教授たちの猛攻の隙間を抜けて来ている魔物は、およそ倍になっている。
猶予はほとんどなく、もうじき魔物たちはここまでやってくるだろう。
そのことを考えての台詞だった。
「何か考えがあるんなら、今すぐ行け! ある程度なら、俺たちが抑えてみせる! だから……」
驚いたことに、そう返答したのはノールたちではなく、神兵たちであった。
魔法を放ち続けている俺たちも辛いことには辛いが、それ以上に、直接魔物と切り結んでいる彼らのほうがしんどいはずである。
しかしそんな状況で俺たちの話を聞き、行けと言ってくれたのだ。
非常にありがたく、胸をつくものがあった。
だからこそ、俺は決断できた。
「……頼みます! ノール、トリス、フィー! 三人も頼んだぞ!」
その言葉に、全員が頷く。
「行ってこい!」
そのノールの叫び声を聞いて、地面を蹴る。
俺は振り返ることもせず、ひたすら走る。
できる限り早く、ここに戻ってこなければ――!
◇◆◇◆◇
「ジョン!? なんでここに……」
魔物に押されて陣形が崩れている班に近づくたびに、そんな台詞を言われた。
しかし、いちいち説明している暇はない。
「ここは少し前に出過ぎだ! もう少し後退したほうが楽になる。班長、周りを見ろ!」
そんな風に怒鳴りながら、俺は指示を出して回っていた。
大声で叫んでいるためかなりきつく聞こえているはずだし、そもそも自分の班を離れて勝手に他の班に指示を出しているのだから、客観的に見て気分のいいものではないだろう。
けれど意外なことにそこまでの反感はなく、ほとんどが「分かった! 後退だ! 神兵の方々も!」というように、素直に指示に従ってくれた。
それは俺の顔を見たおかげで恐慌に陥りつつあった頭が冷静さを取り戻し、普段の力を発揮できるようになったからかもしれない。
もともと、魔法学院生はよく学んできた。
集団的な戦闘についても、実戦は経験していなくとも、知識はあるのだ。
周りをしっかりと見られる心持ちになれば、十分に対抗できる。
ただ、当然のことながら、全員が俺の指示に従ってくれるわけではない。
特に、もともと俺とはあまり仲が良くなかった貴族連中の中には、強く反発する者も少なくなかった。
ただの平民でしかない俺の指示に従うというのは、彼らにとって屈辱なのだろう。
それに、俺は学院生活でずっと成績トップを取り続けてきた。
おおよそ、「貴族」というのは自分が上位でなければ気がすまない人種で、どんな分野であっても自分の上に立つ人間には腹立たしさを覚えるようである。そのことを、学院生活で改めて思い知らされた。
前世、そして今世でも親友である公爵家子息のケルケイロは全くそんなことはないが、やはり彼は貴族の中では特殊なのだろう。
もともとかなりの努力家と思しき貴族たちですら、俺に成績で敵うことはなかった。
これは俺が二度目の生を生きていることと、努力の質が根本的に違うことからして、ある意味で当然である。
俺は前世のように死にたくないし、また人類も滅ぼしたくないから必死で学んだが、貴族である彼らにそこまでの覚悟はない、ということだ。
つまり俺は一種のズルのようなものをしているに等しいので、彼らの反感を買うのもある意味仕方ないと思っている。スタート地点がそもそも違うのだ。
とはいえ、この場において俺の指示を聞いてくれないのは問題だった。
いや、指示を聞かないことではない。まともに戦えていないことが問題なのだ。
けれど、俺がいくらそれを説明したところで、彼らは理解しようとしないだろう。
頭が悪いわけでも、状況を見られないわけでもないのだが、俺が相手となると、急に視野が狭くなってしまうのである。
だからといって、指示を出さないわけにはいかない。何もしなければ、そこから陣形が崩れてしまうのだ。
「この班は下がり過ぎです! もう少し前へ!」
「……ジョン! 自分の持ち場に戻れ! お前の班はあっちだろうが! 俺たちに指図するな!」
貴族たちの班に指示を出しても、こんな風に拒否されてしまう。
本当に困った。心の底から。
どうしたものかと考えあぐねていると、横合いから声が聞こえてきた。
「そこの貴方! ジョンの言うことをお聞きなさい!」
声のした方に振り返ってみると、別の班の少女のものだった。少し離れた位置で戦っていたはずだが、敵の数が増えて押され、こちらの班の近くまで来てしまったようだ。
声の主の顔に、俺は見覚えがあった。
ぐりんぐりんに巻かれた金髪を垂らした、少しばかり表情に険のある少女。
彼女の名前は……
「エ、エレオノーラ様……!? い、いや、しかし、こいつは平民ですよ!?」
俺の指示を拒否した貴族少年は、エレオノーラにそう言った。
エレオノーラ・カサルシィ。
この国における公爵家令嬢の一人である。
そして、魔法学院ではただ一人の公爵家関係者だ。
エレオノーラは少年の言葉に、ふい、と俺の方を一瞬見てから言う。
「彼が平民かどうかは、この際どうでもいいですわ。それよりも、彼が指摘した通り、貴方が少しばかり下がりすぎだというのは事実でしょう? そのせいで、わたくしたちの方に魔物が集中して襲いかかってきました――この責任を、貴方がその首をもって取ってくださるとでも?」
なるほど、彼女がここまで後退してきたのは、本来なら貴族少年の班と一緒に二班で対処すべき魔物たちを、彼女たちの班だけで戦っていたから、というわけだ。
しばらくは抑えられていたが、さすがにこれ以上は厳しいと悟り、下がってきたと。
いや、この様子だと、下がりすぎな貴族少年にもっと前へと言いに来たのかもしれない。
少年は、エレオノーラの言葉に顔を青くした。
「い、いえ……あの」
何かを言いかけたが、それをエレオノーラが遮る。
「これ以上の問答は不要ですわ! 魔物どもを押し返しますわよ! 貴方ももちろん、協力してくださるのですよね!?」
少年を怒鳴りつけ、一気にまくしたてた。
その言葉に少年は何も反論できず、ただ頷く。
「は、はい……おい、みんな! エレオノーラ様の班と共に、魔物どもを前に押すぞ!」
少年は自分の班のメンバーに声をかけ、皆で魔物に向かっていった。
それは先ほどまでの腰の引けた状態ではなく、まさに後がない者の必死な戦い方だった。
貴族少年も、公爵家令嬢などという雲の上の人物に睨まれてはまずいと理解し、こうなれば死ぬ気で戦う以外にないと思ったのだろう。
結果的に俺が先ほど指示した通りの行動を取ったわけだが、やはり言う人物が違うとここまで素直に従うのか。
公爵家令嬢エレオノーラ。
彼女は今の魔法学院において最も地位の高い貴族の少女であるが、俺は別の一面も知っている。
「エレ! ありがとう! わざわざジョンを擁護してくれて」
エレオノーラの後ろからかけられた声。
誰かと思ってみてみれば、そこにいたのは俺の故郷タロス村の幼馴染、カレンである。
そう、エレオノーラ・カサルシィは、初めての迷宮探索のときに出会った、カレンの友人だ。
その仲はほとんど親友と言って差し支えないほどに良いらしいことは、カレンがたった今、エレオノーラを愛称で呼んだことからも明らかである。
カレンは平民で、エレオノーラは公爵家令嬢。相当な身分差があるのに、それを許されているほどの仲なのだ。
それに、エレオノーラがカレンに向ける表情が、気を許しきったものだった。
なんでも、昔、エレオノーラがピンチに陥ったときにカレンが助けたことから仲が深まったそうだが、詳しいことは彼女たちだけの秘密とのことで、俺にもよく分からない。
ただ、理由など何でもいい。
彼女がカレンの、そして俺の力になってくれる人であるということが大事なのだ。
エレオノーラは、俺がカレンと友人であるからこそ手助けしてくれたのだろう。
そのことに、俺も感謝を述べる。
「カサルシィさん。助かりました。貴族はみんな俺の言うことなんか聞いてくれないんで、どうしようかと思っていたところでした」
すると、エレオノーラは振り返らずに魔物を見据えたまま言う。
「カレンのお友達を助けるのは当然ですわ。それに、貴方の指示は非常に筋が通っています。今、この場において身分などどうでもいいこと。それよりも、効果的な方法で戦うことを考えるべきです」
そして詠唱を始め、魔法を放った。
どうも、この少女は他の貴族たちと毛色が違うらしい。
まぁ、カレンと友達になっている時点でそれは分かることだが、考え方が合理的で、貴族にありがちな他人を見下して自身の家柄を振りかざすといった態度が見られない。
今の状況では非常にありがたいことである。
「そう言っていただけると助かりますよ。ついでにお願いなんですが、貴族の方々には、カサルシィさんから指示をしていただけませんか? そうすれば……」
そうすれば、貴族たちも素直に従うだろう。
エレオノーラが戦況を見定める目を持っていることが前提だが、先ほどの貴族少年に対する話し振りや、自らの班の位置取りから考えるに、彼女は将としてもかなり優秀だと思われる。
だから、彼女が貴族たちに指示してくれればすべてうまくいく、と思っての台詞だった。
しかし、エレオノーラは首を横に振る。
「いえ、わたくしでは……わたくしたちの班は手一杯ですから、誰もこの場を抜けられません。一人でも離れれば、ここから崩れていくでしょう。ですから、そのお願いを引き受けるわけにはまいりませんわ」
意外にもあっさりと断られてしまった。
残念だが、確かに彼女の言う通りでもある。
彼女の班にはカレンがいるし、エレオノーラ自身も魔術師としてかなり高い技量を持っているようだが、それでも一人抜けてこの場を維持し続けられるほどではない。
やはり、諦めざるを得ないか。
「……そうですね、これは、俺が無理を言いました。カサルシィさん」
しかし、そうなると貴族たちへの指示についての問題は解決しない。
「……ノール、向こうの緑小鬼の集団に魔法を! フィーはあっちの水妖だ! トリス! 隣の班のフォローを!」
残念ながら、魔法学院生の全ての班がうまくやれているわけではなく、周囲のいくつかの班が統制を失いつつあったので、俺が指示を出して立て直させたりもした。
そういうことは、あの時代に何度もやってきたのだ。
どの辺りがまずそうで、どの辺りを補強してやればうまくいくのか、それはぱっと見れば分かった。
こうしたことは経験のなせる業で、魔法学院生たちにはなかなか難しいようだが、それでも学院生の中に未だ死者はいないみたいだ。
神兵たちには徐々に負傷者が増えているが、こればかりはどうしようもない。
直接魔物たちとぶつかって戦う中では、いくら相手の攻撃を避けようとしても完全に避けきれるものではない。
神兵たちの中には結構な数の治癒術師もいるようであったが、戦いながら治癒術をかけ続ける、というのも難しい。
結果として、櫛の歯が欠けるように消耗していってしまっている。
今はまだ大した損害でなくとも、いずれ深刻な問題になってきそうな、そんな感じがした。
とはいえ、有効策があるわけではなく、今はできる限り早く敵を全滅させるために、精一杯戦うしかない。
それにしても、と俺は思う。
この時期に、神都エルランにこれほどの規模の魔物の襲撃があるとは、意外にもほどがある。
もちろん、前世においてそんな話など聞いたことがなかった。
もしかしたら、あえて秘匿されたのかもしれないが、しかしそんなことをする理由が分からない。
そうするとやはり、前世では魔物の襲撃はなかったということになるが……ではどうして今回はこのような事態になったのだろうか。
いくつか、理由は思いつかないではなかった。
その中で有力なのは、俺が前世の記憶をもとに今世では色々なことをやったため、魔族の動きが変わってきている、というものだろう。
今のところ、俺は魔族に対して直接大きな働きかけをしたことはないので、魔族が人類の動きを見て何かを考え、今回の襲撃を決めたと推測できる。
……魔族は、人類をどこかで観察しているのだろうか。
そうだとしたら、俺のやっていることは無駄なのかもしれない。
人類がいかに魔族に対抗する準備を整えようとも、それがしっかりと整う前に攻めてこられては、どうしようもない。
前世においては、あまり態勢が整っていない中でも、たくさんのものを犠牲にしつつ、何とか魔族に勝利することができた。
けれど、今世においては俺が余計なことをしたために、今のように魔族に先手を打たれ、人類が敗北するという未来もあり得るのではないだろうか。
そんな不安が浮かんできた。
もしそうなってしまったら、俺の行動はすべて逆効果だ。
何もしないほうがよっぽどよかった……ということになってしまう。
それはとても悲しいことだ。
しかし意外にも真実なのかもしれない。
それでも、だ。
仮にそうなってしまうのだとしても、俺が魔族との戦いへの準備をやめることはない。
なぜかと言えば、もはや歴史は動き出してしまっているからだ。
俺は、国を、人類を強くするために色々なことに着手してしまっている。
ここで準備をやめることは人類を中途半端な状態で放置することにほかならず、結果として、この先にあるかもしれない人類敗北という最悪の未来を、さらに最悪なものへと変えてしまいかねない。
だったら後ろなど振り返らずに、今まで通り邁進するべきだ。
ひたすらに軍備を整え、魔法理論を構築し、多くの人の協力を求め――
そして、倒すのだ。
魔族を、魔王を。
そのために俺はこの世界に、この時代に戻ってきたのだから。
戦いは今、拮抗している。
神兵たちの消耗もそこまで酷くはない。
このまま行けば、間違いなく勝てるだろう。
ただ、それはあくまでこのまま行けば、の話である。
何かの拍子に天秤が少し傾くだけで、その予想は別の現実へと変わる。
そして、その傾きがやってきた。
最前線である魔物の群の真ん中で、ひたすら大規模魔法や武術による攻撃を繰り出していた魔法学院教授たちの様子が、突然変わったのだ。
遠くからでも見えていた、巨大な竜巻や爆炎が一瞬、止まった。
そして、次の瞬間、巨大な魔法同士のぶつかり合いが見えた。
「……おい、ジョン! ありゃ何だ!?」
ノールの叫び声が聞こえた。
トリスやフィーも目を見開いて、ノールと同じ方向を見つめている。
俺も教授たちのいる方角を見たまま答える。
「……教授の誰かの魔法と同規模の魔法が放たれて、対消滅したんだろうな。おそらく……魔人だ!」
「魔人! あんなにすげぇのかよ!?」
王国でたまに確認されていたような低位魔人であれば、あそこまでの魔法は使えないはずだ。
しかし、これほどの魔物の大群を率いてくるような魔人であれば、中位以上である可能性が高い。
中位以上の魔人の操る魔法は、人類のトップクラスの魔術師のものに匹敵することもある。
先ほど見えたのは、やはり中位以上の魔人の魔法だろう。
あれだけの力を持つ魔人がいるとなると、魔法学院教授でも中々に厳しいものがあると思われた。
実際――
「ジョン! こっちに来る魔物が増えてるよっ!?」
フィーが慌てた様子でそう叫んだ。
確かに先ほどまでこちらに抜けてきた魔物の数と、今、群から抜けてきた魔物の数を比べると、倍ほどの差がある。
おそらく魔人とぶつかった魔法学院教授陣に、魔物を倒す余裕がなくなったためだろう。
「このままじゃ、まずいな……」
俺たちの班はまだ何とかなる。俺がいるし、ノールやトリス、フィーは魔法学院生の中でも優秀なほうだ。これまでも十分対処できていたし、魔物の数が倍になっても何とかできると思う。
しかし、他の魔法学院生の班はちょっとまずいかもしれない。
火力の問題というより、乱戦になると冷静さが失われて、徐々に押されていってしまう危険性が高いのだ。
魔法学院での迷宮研修においては、多数の魔物を確認したら基本的には逃げるように指導されていた。命を無駄にしないためだ。
だから、魔法学院生の多くは、自分のキャパシティの限界に近い魔物との戦闘に慣れていないのである。
この問題を解決するには……
「しっかりと指示できる奴が必要なんだが……」
新たな敵の集団は、目の前に迫っていた。
第3話 公爵令嬢の権威
「ジョン! お前が行って指示を出してこい!」
ノールがそう叫んだ。
しかし、だからといって即座に「はい、分かりました」と頷くわけにもいかない。
なぜなら、俺たちの班は全体から見て、かなり危険な位置に配置されているからだ。
陣形からすると、ほぼ真ん中に当たる。正面から魔物の軍勢とぶつかり合い、そしてどこにも逃げ場がないという位置である。
そんなところにいて、どうしてあまり被害がないかと言えば、俺たちが今までの学院生活で培ってきた技術と仲間との連携を駆使して戦っているからであり、俺がこの場から抜けてしまうとかなり厳しい状況に陥るだろう。
それは、ノールたちがいくら優秀であっても避けられるものではない。
俺はその懸念をノールに伝えることにした。
「俺が他の班のサポートに向かうと、これまでの連携が崩れる! いくらノールたちでも、さすがにまずいだろ!」
「けど、このままじゃ全滅しかねないぞ! 俺でも見れば分かる。左翼の辺りは指示出せる奴がいないのか、かなり下がっちまってるし、右翼の方だっておかしな突っ込み方をしてる奴らが見える! 誰か統制しねぇと、最後には俺たちもやばくなるぞ!」
確かにノールの言うことは正しい。
実際に、彼が指摘した通りの状況になっているのが遠目にも見える。
このまま放っておくと、左右から徐々に崩れ始めて、最終的には中央にいる俺たちも危険になるだろう。
魔物が左右同時に進行してきたら、取り囲まれてどうしようもなくなる可能性がある。
そのときは俺だけは逃げようと思えば逃げられるだろうが、そんなことは当然したくない。
しかし、この時代で、ただ一人、未来に起こりうることを経験している俺がここで死んでしまったら、また前世と同じ悲劇が繰り返されることになる。
それも、もちろん許容などできない。
逡巡したのちに、俺はノールに言う。
「だが……俺が抜けて持ちこたえられるのか!? 今でも十分きついんだ。これから襲ってくる魔物の数が倍になったら……」
教授たちの猛攻の隙間を抜けて来ている魔物は、およそ倍になっている。
猶予はほとんどなく、もうじき魔物たちはここまでやってくるだろう。
そのことを考えての台詞だった。
「何か考えがあるんなら、今すぐ行け! ある程度なら、俺たちが抑えてみせる! だから……」
驚いたことに、そう返答したのはノールたちではなく、神兵たちであった。
魔法を放ち続けている俺たちも辛いことには辛いが、それ以上に、直接魔物と切り結んでいる彼らのほうがしんどいはずである。
しかしそんな状況で俺たちの話を聞き、行けと言ってくれたのだ。
非常にありがたく、胸をつくものがあった。
だからこそ、俺は決断できた。
「……頼みます! ノール、トリス、フィー! 三人も頼んだぞ!」
その言葉に、全員が頷く。
「行ってこい!」
そのノールの叫び声を聞いて、地面を蹴る。
俺は振り返ることもせず、ひたすら走る。
できる限り早く、ここに戻ってこなければ――!
◇◆◇◆◇
「ジョン!? なんでここに……」
魔物に押されて陣形が崩れている班に近づくたびに、そんな台詞を言われた。
しかし、いちいち説明している暇はない。
「ここは少し前に出過ぎだ! もう少し後退したほうが楽になる。班長、周りを見ろ!」
そんな風に怒鳴りながら、俺は指示を出して回っていた。
大声で叫んでいるためかなりきつく聞こえているはずだし、そもそも自分の班を離れて勝手に他の班に指示を出しているのだから、客観的に見て気分のいいものではないだろう。
けれど意外なことにそこまでの反感はなく、ほとんどが「分かった! 後退だ! 神兵の方々も!」というように、素直に指示に従ってくれた。
それは俺の顔を見たおかげで恐慌に陥りつつあった頭が冷静さを取り戻し、普段の力を発揮できるようになったからかもしれない。
もともと、魔法学院生はよく学んできた。
集団的な戦闘についても、実戦は経験していなくとも、知識はあるのだ。
周りをしっかりと見られる心持ちになれば、十分に対抗できる。
ただ、当然のことながら、全員が俺の指示に従ってくれるわけではない。
特に、もともと俺とはあまり仲が良くなかった貴族連中の中には、強く反発する者も少なくなかった。
ただの平民でしかない俺の指示に従うというのは、彼らにとって屈辱なのだろう。
それに、俺は学院生活でずっと成績トップを取り続けてきた。
おおよそ、「貴族」というのは自分が上位でなければ気がすまない人種で、どんな分野であっても自分の上に立つ人間には腹立たしさを覚えるようである。そのことを、学院生活で改めて思い知らされた。
前世、そして今世でも親友である公爵家子息のケルケイロは全くそんなことはないが、やはり彼は貴族の中では特殊なのだろう。
もともとかなりの努力家と思しき貴族たちですら、俺に成績で敵うことはなかった。
これは俺が二度目の生を生きていることと、努力の質が根本的に違うことからして、ある意味で当然である。
俺は前世のように死にたくないし、また人類も滅ぼしたくないから必死で学んだが、貴族である彼らにそこまでの覚悟はない、ということだ。
つまり俺は一種のズルのようなものをしているに等しいので、彼らの反感を買うのもある意味仕方ないと思っている。スタート地点がそもそも違うのだ。
とはいえ、この場において俺の指示を聞いてくれないのは問題だった。
いや、指示を聞かないことではない。まともに戦えていないことが問題なのだ。
けれど、俺がいくらそれを説明したところで、彼らは理解しようとしないだろう。
頭が悪いわけでも、状況を見られないわけでもないのだが、俺が相手となると、急に視野が狭くなってしまうのである。
だからといって、指示を出さないわけにはいかない。何もしなければ、そこから陣形が崩れてしまうのだ。
「この班は下がり過ぎです! もう少し前へ!」
「……ジョン! 自分の持ち場に戻れ! お前の班はあっちだろうが! 俺たちに指図するな!」
貴族たちの班に指示を出しても、こんな風に拒否されてしまう。
本当に困った。心の底から。
どうしたものかと考えあぐねていると、横合いから声が聞こえてきた。
「そこの貴方! ジョンの言うことをお聞きなさい!」
声のした方に振り返ってみると、別の班の少女のものだった。少し離れた位置で戦っていたはずだが、敵の数が増えて押され、こちらの班の近くまで来てしまったようだ。
声の主の顔に、俺は見覚えがあった。
ぐりんぐりんに巻かれた金髪を垂らした、少しばかり表情に険のある少女。
彼女の名前は……
「エ、エレオノーラ様……!? い、いや、しかし、こいつは平民ですよ!?」
俺の指示を拒否した貴族少年は、エレオノーラにそう言った。
エレオノーラ・カサルシィ。
この国における公爵家令嬢の一人である。
そして、魔法学院ではただ一人の公爵家関係者だ。
エレオノーラは少年の言葉に、ふい、と俺の方を一瞬見てから言う。
「彼が平民かどうかは、この際どうでもいいですわ。それよりも、彼が指摘した通り、貴方が少しばかり下がりすぎだというのは事実でしょう? そのせいで、わたくしたちの方に魔物が集中して襲いかかってきました――この責任を、貴方がその首をもって取ってくださるとでも?」
なるほど、彼女がここまで後退してきたのは、本来なら貴族少年の班と一緒に二班で対処すべき魔物たちを、彼女たちの班だけで戦っていたから、というわけだ。
しばらくは抑えられていたが、さすがにこれ以上は厳しいと悟り、下がってきたと。
いや、この様子だと、下がりすぎな貴族少年にもっと前へと言いに来たのかもしれない。
少年は、エレオノーラの言葉に顔を青くした。
「い、いえ……あの」
何かを言いかけたが、それをエレオノーラが遮る。
「これ以上の問答は不要ですわ! 魔物どもを押し返しますわよ! 貴方ももちろん、協力してくださるのですよね!?」
少年を怒鳴りつけ、一気にまくしたてた。
その言葉に少年は何も反論できず、ただ頷く。
「は、はい……おい、みんな! エレオノーラ様の班と共に、魔物どもを前に押すぞ!」
少年は自分の班のメンバーに声をかけ、皆で魔物に向かっていった。
それは先ほどまでの腰の引けた状態ではなく、まさに後がない者の必死な戦い方だった。
貴族少年も、公爵家令嬢などという雲の上の人物に睨まれてはまずいと理解し、こうなれば死ぬ気で戦う以外にないと思ったのだろう。
結果的に俺が先ほど指示した通りの行動を取ったわけだが、やはり言う人物が違うとここまで素直に従うのか。
公爵家令嬢エレオノーラ。
彼女は今の魔法学院において最も地位の高い貴族の少女であるが、俺は別の一面も知っている。
「エレ! ありがとう! わざわざジョンを擁護してくれて」
エレオノーラの後ろからかけられた声。
誰かと思ってみてみれば、そこにいたのは俺の故郷タロス村の幼馴染、カレンである。
そう、エレオノーラ・カサルシィは、初めての迷宮探索のときに出会った、カレンの友人だ。
その仲はほとんど親友と言って差し支えないほどに良いらしいことは、カレンがたった今、エレオノーラを愛称で呼んだことからも明らかである。
カレンは平民で、エレオノーラは公爵家令嬢。相当な身分差があるのに、それを許されているほどの仲なのだ。
それに、エレオノーラがカレンに向ける表情が、気を許しきったものだった。
なんでも、昔、エレオノーラがピンチに陥ったときにカレンが助けたことから仲が深まったそうだが、詳しいことは彼女たちだけの秘密とのことで、俺にもよく分からない。
ただ、理由など何でもいい。
彼女がカレンの、そして俺の力になってくれる人であるということが大事なのだ。
エレオノーラは、俺がカレンと友人であるからこそ手助けしてくれたのだろう。
そのことに、俺も感謝を述べる。
「カサルシィさん。助かりました。貴族はみんな俺の言うことなんか聞いてくれないんで、どうしようかと思っていたところでした」
すると、エレオノーラは振り返らずに魔物を見据えたまま言う。
「カレンのお友達を助けるのは当然ですわ。それに、貴方の指示は非常に筋が通っています。今、この場において身分などどうでもいいこと。それよりも、効果的な方法で戦うことを考えるべきです」
そして詠唱を始め、魔法を放った。
どうも、この少女は他の貴族たちと毛色が違うらしい。
まぁ、カレンと友達になっている時点でそれは分かることだが、考え方が合理的で、貴族にありがちな他人を見下して自身の家柄を振りかざすといった態度が見られない。
今の状況では非常にありがたいことである。
「そう言っていただけると助かりますよ。ついでにお願いなんですが、貴族の方々には、カサルシィさんから指示をしていただけませんか? そうすれば……」
そうすれば、貴族たちも素直に従うだろう。
エレオノーラが戦況を見定める目を持っていることが前提だが、先ほどの貴族少年に対する話し振りや、自らの班の位置取りから考えるに、彼女は将としてもかなり優秀だと思われる。
だから、彼女が貴族たちに指示してくれればすべてうまくいく、と思っての台詞だった。
しかし、エレオノーラは首を横に振る。
「いえ、わたくしでは……わたくしたちの班は手一杯ですから、誰もこの場を抜けられません。一人でも離れれば、ここから崩れていくでしょう。ですから、そのお願いを引き受けるわけにはまいりませんわ」
意外にもあっさりと断られてしまった。
残念だが、確かに彼女の言う通りでもある。
彼女の班にはカレンがいるし、エレオノーラ自身も魔術師としてかなり高い技量を持っているようだが、それでも一人抜けてこの場を維持し続けられるほどではない。
やはり、諦めざるを得ないか。
「……そうですね、これは、俺が無理を言いました。カサルシィさん」
しかし、そうなると貴族たちへの指示についての問題は解決しない。
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