剣と魔法とデスゲーム -転生先の異世界でデスゲーム勃発!?絶対に死にたくねぇ…だったら敵の能力を奪って生き残ってやる!-

泥水すする

文字の大きさ
16 / 78
第1章 『俺この異世界ベルハイムで、第二の人生を送る!』-始まりの異世界とジョーカー

15話 略奪の果てに

しおりを挟む


 スキルドレイン後の状況について、いくら小屋の中を見まわせど、アルテマの姿はどこにもなかった。代わりと言って、アルテマの所持していた銀色の剣だけがポツンとは置き去りにされていた。
 無我夢中だったからに、いまいち状況が理解出来ねぇ…


『スキルドレインが…成功した?』

 
 分からない。とりあえずステータスを確認してみる。




ステータス展開中…
----------------------------


class : jokerジョーカー
【たけし】


LV  : 10
HP : 856 / 856
MP : 348



ATK攻撃 : 1047
DEF防御 : 532
MAT魔法攻撃 : 261
MAE魔法防御 : 182


【装備】
・アルテマの剣   ランク[AA+] レア度[★★★★★]


【称号スキル】
・アルテマ・スコットスミス LV:1

【魔法スキル】
・スモールフレイム LV:1


【固有スキル】
・スキルドレイン LV :xxx  (一対象につき一回のみ使用可能)
・スキルブレイク LV :xxx  (一対象につき一回のみ使用可能)
※一対象に対してスキルドレインとスキルブレイクの併用は不可とする
・罪の在り方 LV:xxx (使用可能時期に制限があります)


【通常スキル】
・見切り LV:5 
・流水の型 LV:3 
・鉄壁の構え LV:4
・闇足 LV:4 
・火剣 LV:2 
・氷剣 LV:2 
・雷の剣鳴 LV:3 
・先陣の先駆け LV:3 
・水狐の寵愛 LV:xxx (ただいま使用できません)
※水狐との契約が解除されました。
※スキル発動には再度契約する必要があります。
・剣鬼形態 LV:1 
・リバースマジック LV:2 
・熱血心 LV:2
・リバウンドリアクション LV:3 
・エリアドロップ LV:3
・エリアスリーパー LV:5 
・隼の舞 LV:4
・影分身 LV:1


【メソッド】
・ LV :11まで残り経験値367


----------------------------



  率直に言って、驚いた。
 まさか一度にこんなにもスキルを奪えるなんて思ってもいなかった。
 しかもスキルってのは、どうもただの技能技に限った話ではないらしい。


 今回ステータス欄に新たに追加された項目は【装備】【魔法スキル】【通常スキル】【称号スキル】の全部で4項目。ただ上3つは大体想像つくけど、【称号スキル】だけはどうも異質なように感じる。


 【称号スキル】アルテマ・スコットスミス LV:1 

 
 何度見ても【称号スキル】の欄に刻まれた[アルテマ・スコットスミス]という名は嘘偽りもなくステータスに表示されていた。そのことはまるで、俺がアルテマ・スコットスミスという存在そのものを奪った事実を物語っているようで、つまりはなのだろうか…


 
「にしても…身体が熱い…何だよこれ…自分の身体じゃないみたいだ」



 スキルドレインの反動か?
 俺の体を猛烈な虚脱感と熱が襲いかかる。
 少しでも気を抜いてしまえば次の瞬間にも意識がブッ飛んでしまいそうだった。
 


『とにかく…一旦家へ帰ろう。1日ぐらいゆっくり休んで、今後のことはその後に考えよう』


 朦朧とする意識の中、覚束ない足取りでは小屋を出た。
 小屋を出て、アルテマから奪った剣を杖代わりには来た道を辿るように家路を目指す。
 森を歩く最中、空から降り注ぐ西日を浴びて、全身からじっとりとした汗が溢れ出していた。日の回り具合から見てお昼前ぐらいだろうか?


 とにかく暑かった。照りつける日射しが堪らなく感じ、俺は逃げるように木の幹の日陰へと身を寄せる。
 尋常じゃない汗が滝のようには額から零れ落ちる。
 気候的に暑いならまだ我慢できる。が、これはそうじゃないだろう。
 の反動だと見るのが妥当な線、いやそれ以外に原因が思いつかない。
 苦しい、まじで倒れそう…そのままお陀仏してしまいそうだ。
 こういう状態の場合、ゲームとかならステータス画面に何かしらの表示がされてるはずだが…とりあえずステータスでも見てみるか。






ステータス展開中…
----------------------------


class : jokerジョーカー
【たけし】
※状態異常[???]
・HP▼MP▼ステータス▼


LV  : 10
HP : 679 / 856 ▼
MP : 130/348▼

ATK攻撃 : 610▼
DEF防御 : 125▼
MAT魔法攻撃 : 82▼
MAE魔法防御 : 27▼




----------------------------



 やばい、やっぱりバッドステータスだ。いつ間にか状態異常がついてやがる…
 しかも何だよ状態異常[???]って、それって今俺ってどういう状態なわけ?
 え、もしかして本当にヤバイ感じ?
 もしかして、俺はこのまま…


『本当に、死ぬんじゃないんだろうか?』


 嫌だ、それだけは絶対に嫌だ!
 死にたくない、死にたくない死にたくない死にたくない…
 せっかく異世界転生したってのにそんなのあんまりだろ…
 しかも生きる為に行った[スキルドレイン]の反動で死ぬとか元も子ねぇじゃん。だったら俺は何の為にアルテマの力を奪ったってんだ?

 

 アルテマの剣技が欲しかった、アルテマのスキルが欲しかった、アルテマの才能が欲しかった、アルテマの優しさが欲しかった、アルテマのような強かさが欲しかった、総じてーー俺は過去現在未来を生きるアルテマ・スコットスミスという剣士のを求め、欲して…それを奪った。
 アルテマがこれまで築いてきた努力も、そしてこれから辿るはずだった無限の可能性に満ちた未来も、何もかも、全部俺のものにしてしまった。
 

『それは人として、絶対に許される行為ではない』


 でも俺はそれを分かっておいて、アルテマの全てを奪った。
 もしかしたら、ここまでする必要はなかったのかもしれない。もしかしたら、俺の気持ち次第では奪えるスキルを加減できていたのかもしれない。
 でも、俺は自分に命令を下したのだ。

『アルテマの全てが欲しい』と。

 それは生きる為に。第二の人生、異世界ベルハイムでの生活を謳歌する為に、デスゲームで為に。
 人の屍を積み重ねてもいい、その屍の上で生きていられるなら俺はそれでいい。俺が幸せになれるのなら、俺は他人の不幸を願う。
 そんな俺、最低な俺、生きる価値のない俺、外道な俺、死ねばいい俺、誰からも必要とされていない俺…知ってるよ、そんなこと。
 

『…でも、俺だって、ずっとずっと我慢してきたんだよ…本当は真っ当な人間としと生きたかったさ。才能なんてものは望まねぇし、金持ちの家に生まれたかったとかさ、そんなんまじどうでも良くて…』

『俺は、ただ普通で良かったんだよ。普通に友達作って、友達と馬鹿やったり、笑ったり、部活したり、彼女作ったり、飯くって、風呂入って、寝る前にさ「明日はどんな1日になるだろうか?」なんてワクワクしたりなんかしてさ…』

『そうして明日はやってきて、また1日が始まる。そんなありふれた普通が…俺は欲しかったのに…それなのに…俺はそんな普通すら掴めなかった、そして終いには死にやがった…』

『やりたいこと、これからやってみたいこと、たくさんあった。本当に本当に、たくさん…しかもだ、そんな望みはどれも大した望みじゃねぇ。俺にはない、皆の当たり前の日常にありふれているような望み…』

『俺には何が足りなかったのだろうか?俺はどうすれば良かったのだろうか?分からない、考えても考えても、いくら考えても答えが見つからない。見つからないのなら、それまでだ。だから俺は決めたんだ。見つかるまで探せばいいって、この世界でーーーこの異世界ベルハイムでいくらでも探せばいいって、決めたんだよ…』

『だから、許してくれよなアルテマ。俺はずっとずっと我慢してきたんだよ。なりたくてこんな奴になったわけじゃねーんだよ。お前とだって友達になりたかった…初めて俺の事を友達だって呼んでくれたお前をーーアルテマをこんな形で裏切りたくはなかった。嬉しかったよ…感情はなくなったはずなのに…何故か嬉しかったんだよ…』


 生きねば。


「俺は…まだこんなとこじゃ死ねない…」


 絶対に、生き残らねば。
 薄れゆく意識、そうして崩れゆく体、そのまま地に伏して動けなるまでの間、『生きねば』と強く願った。
 が、願ったところで何かが変わることもなく、俺の体は自由を失った。最早体を動かすことさえ叶わない。全身を高熱に犯されていく…

 俺はこの感覚をよく知っていた。

 それは生前、死ぬ瞬間に感じた「死の感覚」によく似ていたから。だから俺は嫌となる程に、その「死の感覚」を知っていたのだ。


「嫌だ…死にだぐない…」


 俺の口からはそんな涙声。
 気づいた時には既に目頭が熱くなっていて、俺の目から自然と涙がこぼれ落ちていた。
 おい、何泣いてんだ俺。みっともねぇ…糞みっともねぇ…


「ぅぅ…ああああああああ!!」


 どうしようなく、俺の無力だった。
 生前の頃から何一つ変わっちゃいない。あの頃の1人じゃ何もできない無力な俺のままだった。
 いくら異世界転生を果たしたところで、結局は俺は俺。



 こんな時、アルテマならどうするだろうか?
 今の俺はアルテマの全てを奪った超越者なんだ、何かしら手はあるはずだ。あるはずなんだが…でも、どうしていい分からねぇ…
 こんな時の為のスキルじゃないのか?こんな時こそに生き抜けるよう俺はスキルを会得したんじゃないのか?なのに何だ、使い方が分からないって、それじゃあただの宝の持ち腐れじゃねーか。
 アルテマ、お前ならこんな時どうするんだ?


「誰がぁ…助げて…」


 お前ならこんな風に叫ぶのか?
 こうな醜態を晒してでも、生きたいと思うのか?
 しないよな、するわけないよな?
 そうだよな、だってお前は俺とは違うもんな。
 俺なんかよりもずっと聡明で、かっこよくて、優しくて…


「誰か、助けーー………」
 


 いつか、そんな男になってみたかったな…


しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

外れスキルは、レベル1!~異世界転生したのに、外れスキルでした!

武蔵野純平
ファンタジー
異世界転生したユウトは、十三歳になり成人の儀式を受け神様からスキルを授かった。 しかし、授かったスキルは『レベル1』という聞いたこともないスキルだった。 『ハズレスキルだ!』 同世代の仲間からバカにされるが、ユウトが冒険者として活動を始めると『レベル1』はとんでもないチートスキルだった。ユウトは仲間と一緒にダンジョンを探索し成り上がっていく。 そんなユウトたちに一人の少女た頼み事をする。『お父さんを助けて!』

中身は80歳のおばあちゃんですが、異世界でイケオジ伯爵に溺愛されています

浅水シマ
ファンタジー
【完結しました】 ーー人生まさかの二週目。しかもお相手は年下イケオジ伯爵!? 激動の時代を生き、八十歳でその生涯を終えた早川百合子。 目を覚ますと、そこは異世界。しかも、彼女は公爵家令嬢“エマ”として新たな人生を歩むことに。 もう恋愛なんて……と思っていた矢先、彼女の前に現れたのは、渋くて穏やかなイケオジ伯爵・セイルだった。 セイルはエマに心から優しく、どこまでも真摯。 戸惑いながらも、エマは少しずつ彼に惹かれていく。 けれど、中身は人生80年分の知識と経験を持つ元おばあちゃん。 「乙女のときめき」にはとっくに卒業したはずなのに――どうしてこの人といると、胸がこんなに苦しいの? これは、中身おばあちゃん×イケオジ伯爵の、 ちょっと不思議で切ない、恋と家族の物語。 ※小説家になろうにも掲載中です。

捨てられた前世【大賢者】の少年、魔物を食べて世界最強に、そして日本へ

月城 友麻
ファンタジー
辺境伯の三男坊として転生した大賢者は、無能を装ったがために暗黒の森へと捨てられてしまう。次々と魔物に襲われる大賢者だったが、魔物を食べて生き残る。 こうして大賢者は魔物の力を次々と獲得しながら強くなり、最後には暗黒の森の王者、暗黒龍に挑み、手下に従えることに成功した。しかし、この暗黒龍、人化すると人懐っこい銀髪の少女になる。そして、ポーチから出したのはなんとiPhone。明かされる世界の真実に大賢者もビックリ。 そして、ある日、生まれ故郷がスタンピードに襲われる。大賢者は自分を捨てた父に引導を渡し、街の英雄として凱旋を果たすが、それは物語の始まりに過ぎなかった。 太陽系最果ての地で壮絶な戦闘を超え、愛する人を救うために目指したのはなんと日本。 テンプレを超えた壮大なファンタジーが今、始まる。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語

Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。 チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。 その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。 さぁ、どん底から這い上がろうか そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。 少年は英雄への道を歩き始めるのだった。 ※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。

異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜

芍薬甘草湯
ファンタジー
エドガーはマルディア王国王都の五爵家の三男坊。幼い頃から神童天才と評されていたが七歳で前世の知識に目覚め、図書館に引き篭もる事に。 そして時は流れて十二歳になったエドガー。祝福の儀にてスキルを得られなかったエドガーは流刑者の村へ追放となるのだった。 【カクヨムにも投稿してます】

念願の異世界転生できましたが、滅亡寸前の辺境伯家の長男、魔力なしでした。

克全
ファンタジー
アルファポリスオンリーです。

能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?

火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…? 24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?

【完結】転生したら最強の魔法使いでした~元ブラック企業OLの異世界無双~

きゅちゃん
ファンタジー
過労死寸前のブラック企業OL・田中美咲(28歳)が、残業中に倒れて異世界に転生。転生先では「セリア・アルクライト」という名前で、なんと世界最強クラスの魔法使いとして生まれ変わる。 前世で我慢し続けた鬱憤を晴らすかのように、理不尽な権力者たちを魔法でバッサバッサと成敗し、困っている人々を助けていく。持ち前の社会人経験と常識、そして圧倒的な魔法力で、この世界の様々な問題を解決していく痛快ストーリー。

処理中です...