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第2章 ラクスマリア城とラクシャータ王女の剣
9話 内通者
しおりを挟む城の状況については大体理解した。
つまり…
「犯人が捕まらなくて、皆ピリついてるってわけね?」
「…いやそうなんだが、何その軽い感じ?」
成る程な、まさかこのラクスマリア城では今そんな事が起こっているなんて知らなかった。うんうん、これは緊急事態だな。
アルテマの記憶を辿って分かったこと、それはラクシャータ・ラクスマリアとはこの城の主であり、王位継承者。
何でまだあんな幼いラクシャータがこんなにも立派な城の主人を任されているかは定かではないが(何故だかアルテマの記憶にはそれらの情報がまるで含まれていなかった)、そんな彼女の住まう城で正体不明の殺人者が現れたわけだから、そりゃあ皆んな慌ただしくなるだろうよ。
「グイン、 因みに今からでも俺がラクシャータ様の元に行くことは許されるのか?」
「…それについてだがたけし、現状で言えば『無理』としか言えない」
「何故?俺はラクシャータ様を守護する防人、ラクシャータ様の剣なんだぞ?」
そんな俺がラクシャータの元に駆け付けるができないとかあり得ないだろ?
「ラクシャータ様の剣か…確かに大半の者は君の事をそう認めているのだがね…君も知っているだろうよ、皆が皆そう思っているわけではない。特に、今回の事があってからは尚更にな…」
「…はぁ?」
何だよそれ?まるで俺のことを良く思わない奴がいるみたいじゃーーーーあ、そうだ。
「そういえばいたな、そんな奴等」
「ああ、いたんだよ。今回の事を受けて、兼ねてからたけしの存在に疑念を向けていた『ブルドック大臣』を筆頭に大臣各位が君に対して怒りを露わにしている。そもそもたけしはラクシャータ様の独断ってだけでこのラクスマリア城でのラクシャータ様の護衛任務を任されている。もちろんたけしの類稀なる実力を見れば納得する者が大半であったが、代々からこのラクスマリア城に支えてきた大臣達の中には素性の分からないたけしの事を良く思わない者が多く、その筆頭が『ブルドック大臣』…って今更言うまでないか」
グインはコホンッと咳払い、続けて、
「今回の事でたけし、君はその『ブルドック大臣』を筆頭にする大臣各位の怒りを買ってしまってわけだよ。大臣達の主張はこうだ…
1.ラクシャータ・ラクスマリア王女を最も近くで守護しなければならない剣士であるたけしの不在について。
2.此度の一連の騒動がたけしがラクスマリア城から離れている期間に起きたことについて。
…つまりだ、たけし。君にはラクシャータ様の命を狙う敵国の内通者である可能性が高いと疑われている」
は、はい!?
「馬鹿言え!こんな頭の悪そうな内通者がどこにいるってんだ!?」
「た、たけし…君は本当自己を過小評価し過ぎているな」
「いやいやだってそうだろ?剣しか能のない俺が内通者だと?ふざけるな!」
すまんアルテマ。俺は別にお前の事をそんな風に思ってるわけじゃないんだぞ?違うんだ、アルテマは凄い剣士で、賢い奴だと思っている。
そうじゃなくて、俺は俺の事を言っているんだ。
いくらアルテマのスキルを奪ったところで俺は俺、糞みたいなゴミクズ野郎なんだからよ…
「そんな俺を内通者呼ばわりだと…くそ、俺も偉くなったもんだよなぁ、おい!」
「いや別に内通者は偉くないから、敵だからね?分かってんの?」
「分かってるよそんな事!」
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