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第3章 波乱の幕開けとデスゲームの狼煙
6話 ラクシャータと二人
しおりを挟む中庭の陽気に包まれて、俺は芝生の上には寝転がると大きく蹴伸びした。
蹴伸びして、「ふわぁあ」とは情けない声を零す。
『あー、このまま眠ってしまいそうだ…』
そのまま目を閉じて、微睡みの中に沈みかけた…そんな時、俺は当然お腹に強い衝撃を覚えた。
ゴフッと息を吐いて、突然の痛みに悶絶する。
俺は頭を起こして視線をお腹の方へと移した。
そうして痛みの正体、お腹の上に馬乗りとなるラクシャータを見たのだった。
「あははは、たけし!さっきは随分とかっこつけちゃったね!?」
「はは、まぁ調子に乗ったことは認めるよ」
いやかなり随分と調子に乗ってしまったもんだ。
今後の顛末について考えると頭が痛い。
「あははは、私知ーらない!勝手に怒られろ~」
ラクシャータは楽しそうにはそう言って、ピョンピョンとは腹の上で跳ねた。
それがまた痛いの何のって…これぐらいの年の妹がいたらこんな感じなんだろうか…いやでも待て、アルテマの妹はこんなにも暴れん坊ではなかったぞおい。
『やれやれ、全く誰の為に体張ったんだか…』
…
あの後、つまりは俺が頭を下げた後に話は戻る。
「頭を上げてくれ」というグインの言葉を耳にして俺はゆっくりと頭を上げた。
頭を上げて、グインの優しく微笑む顔を見た。
それは予想していたもの全く違う反応であり、俺は当然愚痴愚痴と否定の弁を受けるもんだと思っていたからに拍子抜けをくらっていた。
「たけし、君がそこまで言うならこちらとしても何を言う事はない。今の君はここにいる誰よりもラクシャータ様の事を思っている。またそんな思いがあるからこそ、君はそんなにも強くあり続けるのだなぁ…と、だからこそラクシャータの剣なのだと、うん。それが充分に伝わったよ…」
「な、皆?」とはグインは辺りを見回して、兵士達に問いかけた。
問いかけられた兵士達は無言で首を縦に振る。
降って、兵士達はその目に涙を浮かべる者、嗚咽を零して泣いている者と様々だ。
そんな異常な光景に目を奪われる俺にグインは言った。
「皆君のラクシャータ王女に対する忠誠心とその愛に感激しているんだ。いやいや、私も目頭が熱くなってしまったよ…まさか君がそこまでラクシャータ様を愛しているだなんて…」
「あ、愛!?い、いや馬鹿!ちっげーよこれは…」
と、戸惑いを隠せない俺。いや違うから、愛とかそんなんじゃないからマジで!!
戸惑って、俺はラクシャータに助けに求めようと下に視線を移した。
そうしてラクシャータの見事なまでの赤面顏を拝んだ。
恥ずかしそうにはもじもじと身を捩るラクシャータは言った…小さな声で一言「……馬鹿」と、そんなことを。
いやまんざらじゃねーような雰囲気だしてんじゃねーよ!!
…
そうして俺たちは無事こうして中庭に来ることを許された。もちろん辺りには兵士一人居らず、穏やかな風景が広がっていた。
俺が想像する中庭にしては広すぎるしその場所で、俺はラクシャータと二人きり。
「たけし、私の事好き?好き?」
現状、馬乗りになったラクシャータは俺の体を激しく揺すりながらにはそんなことを聞いてきた。
俺はただゆっくりしたいだけなのにラクシャータはそれを許さない。
くそ、こんなんならあんな事言うんじゃなかった…
「ねぇ、たけし!聞いてる!?」
「あー、はいはい聞いてます聞いてますよー」
俺はそっぽを向いて答えた。
「嘘、じゃあちゃんとこっち見て言って!『好き』って言ってよ!」
う、うざい。
もしも構ってちゃんの彼女がいたりしたらこんな感じなんだろうなー…いやはや、俺には一生無縁のものだと思っていたが、まさかこんな展開に巻き込まれてしまう日が来るとは…
構うのも面倒臭い、構わないともっと面倒臭い。
いやいや救いようねーなコンチキショー!
だったら適当に従っとくのが常考。
「す、好き…」
これでいいんだろ?
全く…
「どれくらい?」
は?どれくらい?
知るかんなもん!
俺は人差し指と親指で作れる最大限の丸を作ってはラクシャータにそれを向け、答えた。
「こんくらい」
「はぁ!?ちっさくない!?」
「そ、そうか?」
「小さすぎ!さっきの愛はどこへいったの!?」
「あ、愛じゃねーよ!!」
「え………違うの?」
「あ、いや…だからな…その…」
「……じゃああたしの事…嫌いなの?」
「は、はぁ!?馬鹿言うな!!誰よりもお前が大事に決まってんだろ!!」
あ、やべ、なんか勢い余って余計な事言い過ぎた!?
「た、たけし…そんはにあたしの事を…」
い、いや待て!俺の言う大事とお前の言う大事では大きな誤りがある!勘違いするな!俺は断じてロリコンじゃない!
「たけし、今ならチュー…してもいいよ?」
するかボケっ!!
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