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「所長! 風邪ですよ! 2」
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アンリカの親父さんが現世に迷い込み、鏡の国のアリスも顔負けの大冒険を経て我が研究所に舞い戻ってきた理由に関して、これほど納得がいく理由が他にあろうか。
彼はすぐに俺の元からアンリカを連れ戻そうと考えていたらしい。ただ、せっかく現世に来たのだから世界一周ついでに秘薬の改良の方法を模索しようと思い立ったのは、俺がアンリカに対して害を及ぼす危険がないと便宜的に判断したためである。しかし、旅を続けるうちにやっぱり娘のことが心配になり、おっとり刀で舞い戻ってきたものの、病床に伏す俺と懇ろに看病をする娘を見て拍子抜けした親父さんは考えを改めたそうな。
「学者さん、あなたはどうも他の生き物とは違うようですな」
親父さんは盃に酒を注ぎ、それを差し出した。
飲めということか。
俺は小指ほどの盃を小指の腹に乗せて受け取ると、片方の親指と人差し指で摘んで飲んだ。そこはかとない酒精の香りがするばかりであった。
「飲んだ気がしません」
俺が言うと、親父さんは呵々大笑した。
「そうでしょう、そうでしょう。やっぱりそうだ。だが、それでよいのです」
「と、いいますと?」
「その酒は龍神の角を漬け込んだ大御酒でございます。奸賊が飲めば劇毒になりたちまち命を落とし、善者が飲めば万病の一切を退ける無上の妙薬となりましょう。効能は一滴で十年、二滴で五十年、三滴で百年と云われております。ささ、盃を」
親父さんに言われるがまま、盃を彼に返した。またぞろ嬉しそうに注ぐや、もう一杯どうぞと言う。
俺はそれを手で制した。
「いえ、もう結構ですよ」
「遠慮は要りませんぞ」
「遠慮ではありません」
「ほう。ではなにゆえ」
親父さんは素早く眉を上下させた。
俺は答えた。
「それを飲んでしまえば、俺は今後五十年、助手に看病してもらえないのでしょう? それは嫌です」
一瞬鼻じろんだ表情を見せたあと、親父さんは膝を叩いて笑った。俺もつられて笑った。
カーテンの隙間から暖かな陽光が差し、場はえも言われぬ朗らかな雰囲気に満たされた。
すると、部屋の扉を開けてアンリカが入ってきた。ノックの音に気がつかなかったのだ。
「お父さん!」
アンリカは口許を抑え呆然と立ち尽くした。
親父さんは片手を振り振り、「やあ、ただいま」と言った。
$
俺はシャワーを浴びたあと、いつもの白衣姿に着替えると実験室に赴いた。
体を支配していた腕弛るさは何処へやら、我が四肢五体の冴え渡りは上々である。
ちゃぶ台の真中には親父さんが鎮座しており、アンリカとなにやら楽しげに話をしていた。
「お待たせしました」
私は一揖した。二人の視線がこちらに向けられる。
「所長、お体の具合はいかがですか?」
如才なくアンリカが訊いた。
「大丈夫。ありがとう」
俺は屈伸やシャドーボクシングをするなどして、心身が健康であることをこれ見よがしに示した。
ホッと胸をなでおろした様子のアンリカは、「よかった。おやつを用意したんですけれど、どうですか?」と訊ねた。
無論、いただくに決まっている。
俺は打てば響くがごとく、「いただこう!」と言った。親父さんは酒瓶を掲げて、「さすが! 男前だねえ!」と言った。
$
卓子の上に並んだのはたい焼きである。黒い抹茶碗には、言わずもがな抹茶が入っている。
元旦にネット上で催された福引き大会にて、見事当選した『たい焼き機』を早速アンリカが使ったらしい。しかし、アンリカはいつの間に抹茶を点てられるようになったのか。俺の知らないうちにどんどん成長してゆく彼女は何者か。魔王の娘か。魔王はなにゆえ小人なのか。疑問の波が滔々と脳内に流れ込んできた。と、日焼けした波乗りサーファーが俺にこう言った。
——君の助手ちゃんを親父さんが連れ帰ってしまうのではないかい?
なきにしもあらず、否、大いにある。親父さんに真意を問う必要がある。
一旦、落ち着くとしよう。それで、おやつを食べたあとに訊けばよかろう。
俺は座布団に腰を据えると、抹茶を啜った。
「......美味い。美味いよ、助手ちゃん」
アンリカは莞爾と笑った。
「ありがとうございます、所長。『キョウト』から取り寄せた宇治茶を使っているんですよ。お父さんも飲んでみて」
親父さんは「なんだ、酒じゃないの」とちょっと残念そうに言うと、例の盃に入った抹茶を飲んだ。
なんだか微笑ましい。やっぱり親子なんだな、と思わされる。
俺は皿に盛られたたい焼きに手を伸ばすと、アンリカは、
「あ、たい焼きの中身はつぶあんと、カスタードクリームにしました。うふふ、尻尾まで具をたっぷり入れちゃいました」
と言った。
尻尾からかじってみると、なるほど甘くて熱々のつぶあんが飛び出してきた。具が多く入ることを顧慮してか、皮が薄い。パリパリとした食感がまるでクロワッサンのようだ。これは、道の駅やサービスエリアなどで偶さか見かけた『クロワッサンたい焼き』を摸したものだ。そういえば、以前アンリカとドライブに出かけたとき、彼女がアイスとクロワッサンたい焼きを天秤にかけていたけれど、結局アイスを採択したのである。本日はそのリベンジということか。
「アンリカ。これをな、母さんにも食わせてやりたいんだけどな」
親父さんが言う。アンリカは「うん、もちろん食べて欲しい。それじゃあ準備しないと」と言った。
瞬間、俺は頭が真っ白になった。新たに手にしたたい焼きの中身は、カスタードクリームかもしれない。バニラビーンズがふんだんに使用されている気がする。よく味わってみると、生クリームを混ぜてあるのか、あたかもシュークリームのごとくクリーミーである。とろとろである。しかし、いささかしょっぱさが目立つ。甘さを際立たせるために塩を入れるらしいが、これはちょっと入れすぎであろう、と思った。アンリカが失敗とは珍しい。よし、今度は一緒に作るとしよう。製菓に関しては甚だ疎い俺だが、レシピを見ながら精緻に工程を踏めば大丈夫だ。きっと楽しいに違いない。学会に発表する論文なんか、後回しでもよい——
「しょ、所長! どうしたんですか? もしかして、美味しくなかったですか?」
アンリカの問いに、俺は首を振った。
「いや、美味しいよ。すっごく美味しい」
「やっぱり、まだ風邪が治ってないのでは?」
「大丈夫。お父さんに薬をもらったから」
「じゃあ、どうして......」
どうして。
涙が。
俺は袖口で眼許を拭った。目を開くと、景色が滲んで見えた。
「ああ、いや、なんでかな」
「なにゆえ泣いていらっしゃる、学者さん」
親父さんが問うた。
「もしや、私がアンリカを魔界に連れて帰るのではと思って、その寂しさに思わず涙が溢れてしまったのですか?」
明察かい? 明察でしょうと、彼は言った。
俺は半分になったたい焼きを平らげると、抹茶を一息に飲みほした。
「はい、その通りです」
「ああ、やっぱり!」
その小さな体のどこから出るのだ、というほどの哄笑が鳴り響いた。
とっさに耳を塞いだが、しばし耳がキーンと鳴って仕様がない。アンリカを見やると、頭から二本の角の先端がニョキっと飛び出していた。
その禍々しさは健在であった。
「やあやあ、学者さん! 涙を流すほど私の娘を愛してくださっているのですな! 善哉、善哉!」
親父さんは盃と酒瓶をぶつけて喜ぶ。一方、彼の娘は耳朶まで真っ赤にして俯いている。角が先ほどよりも伸びている。
「......ちょっと、お台所へ行ってきます!」
そう言うと、アンリカはスリッパを履かずに実験室をあとにした。
韋駄天のような勢いである。親父さんは悠然と酒を飲みつつ、アンリカの後ろ影を目で追っていた。
ものすごい音で扉が閉まるや、親父さんはこちらに視線を戻した。
「さて、学者さん。うちの娘をどうしたい?」
単刀直入に斬り込んできた。
俺はつうと言えばかあに答える。
「娘さんを、僕にください」
「よいでしょう! 持っていきなさい」
この後、帰ってきたアンリカに怒られたのは自明の事である。
彼はすぐに俺の元からアンリカを連れ戻そうと考えていたらしい。ただ、せっかく現世に来たのだから世界一周ついでに秘薬の改良の方法を模索しようと思い立ったのは、俺がアンリカに対して害を及ぼす危険がないと便宜的に判断したためである。しかし、旅を続けるうちにやっぱり娘のことが心配になり、おっとり刀で舞い戻ってきたものの、病床に伏す俺と懇ろに看病をする娘を見て拍子抜けした親父さんは考えを改めたそうな。
「学者さん、あなたはどうも他の生き物とは違うようですな」
親父さんは盃に酒を注ぎ、それを差し出した。
飲めということか。
俺は小指ほどの盃を小指の腹に乗せて受け取ると、片方の親指と人差し指で摘んで飲んだ。そこはかとない酒精の香りがするばかりであった。
「飲んだ気がしません」
俺が言うと、親父さんは呵々大笑した。
「そうでしょう、そうでしょう。やっぱりそうだ。だが、それでよいのです」
「と、いいますと?」
「その酒は龍神の角を漬け込んだ大御酒でございます。奸賊が飲めば劇毒になりたちまち命を落とし、善者が飲めば万病の一切を退ける無上の妙薬となりましょう。効能は一滴で十年、二滴で五十年、三滴で百年と云われております。ささ、盃を」
親父さんに言われるがまま、盃を彼に返した。またぞろ嬉しそうに注ぐや、もう一杯どうぞと言う。
俺はそれを手で制した。
「いえ、もう結構ですよ」
「遠慮は要りませんぞ」
「遠慮ではありません」
「ほう。ではなにゆえ」
親父さんは素早く眉を上下させた。
俺は答えた。
「それを飲んでしまえば、俺は今後五十年、助手に看病してもらえないのでしょう? それは嫌です」
一瞬鼻じろんだ表情を見せたあと、親父さんは膝を叩いて笑った。俺もつられて笑った。
カーテンの隙間から暖かな陽光が差し、場はえも言われぬ朗らかな雰囲気に満たされた。
すると、部屋の扉を開けてアンリカが入ってきた。ノックの音に気がつかなかったのだ。
「お父さん!」
アンリカは口許を抑え呆然と立ち尽くした。
親父さんは片手を振り振り、「やあ、ただいま」と言った。
$
俺はシャワーを浴びたあと、いつもの白衣姿に着替えると実験室に赴いた。
体を支配していた腕弛るさは何処へやら、我が四肢五体の冴え渡りは上々である。
ちゃぶ台の真中には親父さんが鎮座しており、アンリカとなにやら楽しげに話をしていた。
「お待たせしました」
私は一揖した。二人の視線がこちらに向けられる。
「所長、お体の具合はいかがですか?」
如才なくアンリカが訊いた。
「大丈夫。ありがとう」
俺は屈伸やシャドーボクシングをするなどして、心身が健康であることをこれ見よがしに示した。
ホッと胸をなでおろした様子のアンリカは、「よかった。おやつを用意したんですけれど、どうですか?」と訊ねた。
無論、いただくに決まっている。
俺は打てば響くがごとく、「いただこう!」と言った。親父さんは酒瓶を掲げて、「さすが! 男前だねえ!」と言った。
$
卓子の上に並んだのはたい焼きである。黒い抹茶碗には、言わずもがな抹茶が入っている。
元旦にネット上で催された福引き大会にて、見事当選した『たい焼き機』を早速アンリカが使ったらしい。しかし、アンリカはいつの間に抹茶を点てられるようになったのか。俺の知らないうちにどんどん成長してゆく彼女は何者か。魔王の娘か。魔王はなにゆえ小人なのか。疑問の波が滔々と脳内に流れ込んできた。と、日焼けした波乗りサーファーが俺にこう言った。
——君の助手ちゃんを親父さんが連れ帰ってしまうのではないかい?
なきにしもあらず、否、大いにある。親父さんに真意を問う必要がある。
一旦、落ち着くとしよう。それで、おやつを食べたあとに訊けばよかろう。
俺は座布団に腰を据えると、抹茶を啜った。
「......美味い。美味いよ、助手ちゃん」
アンリカは莞爾と笑った。
「ありがとうございます、所長。『キョウト』から取り寄せた宇治茶を使っているんですよ。お父さんも飲んでみて」
親父さんは「なんだ、酒じゃないの」とちょっと残念そうに言うと、例の盃に入った抹茶を飲んだ。
なんだか微笑ましい。やっぱり親子なんだな、と思わされる。
俺は皿に盛られたたい焼きに手を伸ばすと、アンリカは、
「あ、たい焼きの中身はつぶあんと、カスタードクリームにしました。うふふ、尻尾まで具をたっぷり入れちゃいました」
と言った。
尻尾からかじってみると、なるほど甘くて熱々のつぶあんが飛び出してきた。具が多く入ることを顧慮してか、皮が薄い。パリパリとした食感がまるでクロワッサンのようだ。これは、道の駅やサービスエリアなどで偶さか見かけた『クロワッサンたい焼き』を摸したものだ。そういえば、以前アンリカとドライブに出かけたとき、彼女がアイスとクロワッサンたい焼きを天秤にかけていたけれど、結局アイスを採択したのである。本日はそのリベンジということか。
「アンリカ。これをな、母さんにも食わせてやりたいんだけどな」
親父さんが言う。アンリカは「うん、もちろん食べて欲しい。それじゃあ準備しないと」と言った。
瞬間、俺は頭が真っ白になった。新たに手にしたたい焼きの中身は、カスタードクリームかもしれない。バニラビーンズがふんだんに使用されている気がする。よく味わってみると、生クリームを混ぜてあるのか、あたかもシュークリームのごとくクリーミーである。とろとろである。しかし、いささかしょっぱさが目立つ。甘さを際立たせるために塩を入れるらしいが、これはちょっと入れすぎであろう、と思った。アンリカが失敗とは珍しい。よし、今度は一緒に作るとしよう。製菓に関しては甚だ疎い俺だが、レシピを見ながら精緻に工程を踏めば大丈夫だ。きっと楽しいに違いない。学会に発表する論文なんか、後回しでもよい——
「しょ、所長! どうしたんですか? もしかして、美味しくなかったですか?」
アンリカの問いに、俺は首を振った。
「いや、美味しいよ。すっごく美味しい」
「やっぱり、まだ風邪が治ってないのでは?」
「大丈夫。お父さんに薬をもらったから」
「じゃあ、どうして......」
どうして。
涙が。
俺は袖口で眼許を拭った。目を開くと、景色が滲んで見えた。
「ああ、いや、なんでかな」
「なにゆえ泣いていらっしゃる、学者さん」
親父さんが問うた。
「もしや、私がアンリカを魔界に連れて帰るのではと思って、その寂しさに思わず涙が溢れてしまったのですか?」
明察かい? 明察でしょうと、彼は言った。
俺は半分になったたい焼きを平らげると、抹茶を一息に飲みほした。
「はい、その通りです」
「ああ、やっぱり!」
その小さな体のどこから出るのだ、というほどの哄笑が鳴り響いた。
とっさに耳を塞いだが、しばし耳がキーンと鳴って仕様がない。アンリカを見やると、頭から二本の角の先端がニョキっと飛び出していた。
その禍々しさは健在であった。
「やあやあ、学者さん! 涙を流すほど私の娘を愛してくださっているのですな! 善哉、善哉!」
親父さんは盃と酒瓶をぶつけて喜ぶ。一方、彼の娘は耳朶まで真っ赤にして俯いている。角が先ほどよりも伸びている。
「......ちょっと、お台所へ行ってきます!」
そう言うと、アンリカはスリッパを履かずに実験室をあとにした。
韋駄天のような勢いである。親父さんは悠然と酒を飲みつつ、アンリカの後ろ影を目で追っていた。
ものすごい音で扉が閉まるや、親父さんはこちらに視線を戻した。
「さて、学者さん。うちの娘をどうしたい?」
単刀直入に斬り込んできた。
俺はつうと言えばかあに答える。
「娘さんを、僕にください」
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