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2023年:秋 前を向いて
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その後も、由乃のスケートの道のりは上がったり下がったり、右へ行ったり左へ行ったり、相変わらず迷走してはいるが、大きな目で見れば少しずつ上向きになってきている気がする。
六月の選考でまずまずの演技が出来て、由乃は海人と共にジュニアグランプリシリーズに二試合ずつ派遣されることが決まった。
スケート連盟の人から、「フリーを『シンデレラ』にしたのは、いい判断ね。あなたくらいの年齢の選手は、すぐ大人っぽい曲を選びたがって、自分のものに出来ないことも多いから」と言われた。
(やっぱり太田先生が正しかったのか――)
『シンデレラ』にしてよかったと思いながらも、いつか『蝶々夫人』が似合うと言われるようになろうと、改めて決意する。
また、姉に拝み倒して弾いてもらった、ショートプログラムの『ショパンのバラード第二番』の評判もまずまずだ。
本来短調で終わる曲だが、長調の明るい雰囲気で終わりたいと主張し、理乃が「うわ――、ピアノ友達から文句が来そう!」と悲鳴をあげた。
フィギュアスケートのプログラムは、ショートで二分四十秒、フリーで三分三十秒(ジュニア女子の場合)と決められている。
それぞれプラスマイナス十秒までは認められるものの、その時間に合わせて編集する為、音楽家にとっては「ありえない」つぎはぎになることも多く、不評だ。
「でも、悲劇的な雰囲気じゃなくて、明るい感じで終わりたいんだよね」という妹の主張に、理乃は渋々従ってくれた。
「はいはい、わかりました。ハッピーエンドでね」
クラシック界からブーイングが来そうな編曲になったものの、プログラム自体は好評だ。
ジュニアグランプリのジャッジの一人から「穏やかな曲調と、激しい部分と、メリハリがきいた表現が出来ているね」と評価されたと聞き、有頂天になって太田に窘められた。
また、由乃は何年か振りに「全国有望新人発掘合宿」に参加が認められた。
日本スケート連盟が主催する、ノービスからシニアまで文字通り全国から有望な選手を集めて行う合宿である。
由乃は、ノービスの頃に参加して以来だった。
「嬉しい! いつも芽留ちゃんが出かけていくのを、見送ってばかりだったから」
「私だって、由乃ちゃんが一緒で嬉しいよ」
そう答えた芽留は、また一つ快挙を果たした。
N杯の派遣選考会で、出場選手に選ばれたのだ。
小学生の頃、二人で夢見た試合の一つに、とうとう出場が叶ったのである。
「やったね! 芽留ちゃん」
「有難う。でも、まだまだだよ。最終目標はオリンピックだもん」
「……芽留ちゃんなら、行けるよ」
眩しげに目を細める由乃に、芽留が怒った口調で言う。
「何言ってんの! 由乃ちゃんだって、目指すんでしょ! 勝手に諦めないでよ」
「…………うん!」
十一月、大阪で行われるN杯に、由乃は一つ年下の彼氏と一緒に泊りがけで応援に行った。
勿論二人だけではなく、太田や芽留も一緒である。
そして、大阪行きの新幹線のホームには、なんと鮎美もやって来た。
心療内科に通い、栄養士についてもらってケアをしているという鮎美は、あの当時に比べると、かなり健康を取り戻しているようだ。
鮎美は「私、今の高校やめて、由乃ちゃんたちの高校に来年入り直すことにしたんだ」と笑顔で告げた。
「それでね、もう一度、スケート始めることにしたの。試合とかはまだ考えてないけど、また太田先生に教えてもらうつもり」
その言葉を聞いた瞬間、由乃も芽留も大泣きしてしまった。
鮎美は慌てたが、太田はゆったり構えて言う。
「いいのよ、嬉し泣きはストレスから解放してくれるらしいし。芽留はきっといい演技が出来るわよ」
「じゃあ鮎美ちゃんは、四月から俺と同級生だね」
海人が言うと、鮎美も微笑んで返した。
「うん、よろしくね。……もし浮気したら、私が由乃ちゃんに教えちゃうからね」
「えっ? 待って、なんで知ってるの? 誰よ、鮎ちゃんに私が海人とつきあってるって、教えたの!」
すると芽留と太田が同時に目を逸らす。
「もお――! 二人ともお喋りなんだから!」
「いいじゃない。私だって知りたかったんだもぉん。海人くんが由乃ちゃんに気があること、ずっと前から知ってたから」
「だよな――。本人だけだよ、気が付いてなかったの」
大阪に着くと、芽留と太田は公式ホテルにチェックイン後、すぐに試合が行われる会場に向かった。
由乃も同じホテルを予約していたが、鮎美と二人のダブルルームで取り直す。
「修学旅行のやり直しみたい」と笑いあった。
その後は、由乃と海人も自分たちの練習の為に、市内にある試合とは別のリンクに向かった。鮎美も見たいと言ってついてくる。
「うわ――あ。リンクのこの感じ、久しぶりぃ!」
リンクサイドで鮎美が歓声をあげる。
「ねえ、私も滑ってみて、いい?」
「え? 大丈夫?」
「うん! 何だか今、スケートがしたくて仕方ないの!」
鮎美の明るい声に、いつかの夜の悲痛な叫びを思い出した由乃は、改めて感慨深く息を吐いた。
――今は、スケートのこと……考えるの、つらいの……
また涙ぐんでしまい、気付かれないよう指でそっと拭う。
「よし! 一緒に滑ろう!」
「うん!」
一緒に周回しながら、鮎美がそっと言った。
「私が、またスケートしたいって思えるようになったのは、由乃ちゃんのおかげだよ」
「え?」
「あの日、由乃ちゃんが『また一緒にスケートしたい』って、言ってくれたでしょ? 一度スケートから離れて、何もすることがなくなって、『あ――、解放されたな――』って思ったの。なのにしばらくしたら、由乃ちゃんの言葉を思い出して。そしたら、私も『また由乃ちゃんたちと一緒に、スケートしたいな』って思うようになって……」
「本当? 私、自分の気持ちばっかり押しつけ過ぎたかなって、反省してたんだよ」
後で太田にも、そう叱られたのだ。
「ううん、嬉しかったよ。有難う」
しばらく一緒に滑った後、「少し疲れた」と言って鮎美はリンクから上がり、見学に回る。
鮎美にスピードを合わせていた由乃は、空いているところを見つけて本気で滑った。
そんな由乃を見て、リンクにいた一般客が「ねえ、あの子上手い」と囁く。
海人が更に空いているところを見つけて、指で合図した。
由乃はまたスピードを上げてそこに向かい、そのままダブルアクセルを跳ぶ。
この前の試合では、苦手としていたダブルアクセルで、GOE(一つ一つの技術要素につけられる出来栄え点)でプラス1.2を出していた。
ダブルアクセルのGOEは、満点でも1.65点だ。そのなかで1.2点をもらえたのは、なかなかの高評価である。
助走からの勢いを活かして跳んだ由乃のダブルアクセルは、ジャッジからも美しいジャンプだと認められたのだ。
(もう、アクセルは怖くない!)
着氷と同時に、ワッと周りから歓声があがり拍手が起きた。
海人と鮎美も拍手を送る。
「もう一回、跳んでみてよ!」
知らない人からリクエストの声があがり、他の客もスペースを空けてくれた。
「じゃあ、行きます!」
スピードをつけて右足のアウトエッジに乗り、ターンして左足で踏み込む。
――――前を向いて、ジャンプ!
【End】
六月の選考でまずまずの演技が出来て、由乃は海人と共にジュニアグランプリシリーズに二試合ずつ派遣されることが決まった。
スケート連盟の人から、「フリーを『シンデレラ』にしたのは、いい判断ね。あなたくらいの年齢の選手は、すぐ大人っぽい曲を選びたがって、自分のものに出来ないことも多いから」と言われた。
(やっぱり太田先生が正しかったのか――)
『シンデレラ』にしてよかったと思いながらも、いつか『蝶々夫人』が似合うと言われるようになろうと、改めて決意する。
また、姉に拝み倒して弾いてもらった、ショートプログラムの『ショパンのバラード第二番』の評判もまずまずだ。
本来短調で終わる曲だが、長調の明るい雰囲気で終わりたいと主張し、理乃が「うわ――、ピアノ友達から文句が来そう!」と悲鳴をあげた。
フィギュアスケートのプログラムは、ショートで二分四十秒、フリーで三分三十秒(ジュニア女子の場合)と決められている。
それぞれプラスマイナス十秒までは認められるものの、その時間に合わせて編集する為、音楽家にとっては「ありえない」つぎはぎになることも多く、不評だ。
「でも、悲劇的な雰囲気じゃなくて、明るい感じで終わりたいんだよね」という妹の主張に、理乃は渋々従ってくれた。
「はいはい、わかりました。ハッピーエンドでね」
クラシック界からブーイングが来そうな編曲になったものの、プログラム自体は好評だ。
ジュニアグランプリのジャッジの一人から「穏やかな曲調と、激しい部分と、メリハリがきいた表現が出来ているね」と評価されたと聞き、有頂天になって太田に窘められた。
また、由乃は何年か振りに「全国有望新人発掘合宿」に参加が認められた。
日本スケート連盟が主催する、ノービスからシニアまで文字通り全国から有望な選手を集めて行う合宿である。
由乃は、ノービスの頃に参加して以来だった。
「嬉しい! いつも芽留ちゃんが出かけていくのを、見送ってばかりだったから」
「私だって、由乃ちゃんが一緒で嬉しいよ」
そう答えた芽留は、また一つ快挙を果たした。
N杯の派遣選考会で、出場選手に選ばれたのだ。
小学生の頃、二人で夢見た試合の一つに、とうとう出場が叶ったのである。
「やったね! 芽留ちゃん」
「有難う。でも、まだまだだよ。最終目標はオリンピックだもん」
「……芽留ちゃんなら、行けるよ」
眩しげに目を細める由乃に、芽留が怒った口調で言う。
「何言ってんの! 由乃ちゃんだって、目指すんでしょ! 勝手に諦めないでよ」
「…………うん!」
十一月、大阪で行われるN杯に、由乃は一つ年下の彼氏と一緒に泊りがけで応援に行った。
勿論二人だけではなく、太田や芽留も一緒である。
そして、大阪行きの新幹線のホームには、なんと鮎美もやって来た。
心療内科に通い、栄養士についてもらってケアをしているという鮎美は、あの当時に比べると、かなり健康を取り戻しているようだ。
鮎美は「私、今の高校やめて、由乃ちゃんたちの高校に来年入り直すことにしたんだ」と笑顔で告げた。
「それでね、もう一度、スケート始めることにしたの。試合とかはまだ考えてないけど、また太田先生に教えてもらうつもり」
その言葉を聞いた瞬間、由乃も芽留も大泣きしてしまった。
鮎美は慌てたが、太田はゆったり構えて言う。
「いいのよ、嬉し泣きはストレスから解放してくれるらしいし。芽留はきっといい演技が出来るわよ」
「じゃあ鮎美ちゃんは、四月から俺と同級生だね」
海人が言うと、鮎美も微笑んで返した。
「うん、よろしくね。……もし浮気したら、私が由乃ちゃんに教えちゃうからね」
「えっ? 待って、なんで知ってるの? 誰よ、鮎ちゃんに私が海人とつきあってるって、教えたの!」
すると芽留と太田が同時に目を逸らす。
「もお――! 二人ともお喋りなんだから!」
「いいじゃない。私だって知りたかったんだもぉん。海人くんが由乃ちゃんに気があること、ずっと前から知ってたから」
「だよな――。本人だけだよ、気が付いてなかったの」
大阪に着くと、芽留と太田は公式ホテルにチェックイン後、すぐに試合が行われる会場に向かった。
由乃も同じホテルを予約していたが、鮎美と二人のダブルルームで取り直す。
「修学旅行のやり直しみたい」と笑いあった。
その後は、由乃と海人も自分たちの練習の為に、市内にある試合とは別のリンクに向かった。鮎美も見たいと言ってついてくる。
「うわ――あ。リンクのこの感じ、久しぶりぃ!」
リンクサイドで鮎美が歓声をあげる。
「ねえ、私も滑ってみて、いい?」
「え? 大丈夫?」
「うん! 何だか今、スケートがしたくて仕方ないの!」
鮎美の明るい声に、いつかの夜の悲痛な叫びを思い出した由乃は、改めて感慨深く息を吐いた。
――今は、スケートのこと……考えるの、つらいの……
また涙ぐんでしまい、気付かれないよう指でそっと拭う。
「よし! 一緒に滑ろう!」
「うん!」
一緒に周回しながら、鮎美がそっと言った。
「私が、またスケートしたいって思えるようになったのは、由乃ちゃんのおかげだよ」
「え?」
「あの日、由乃ちゃんが『また一緒にスケートしたい』って、言ってくれたでしょ? 一度スケートから離れて、何もすることがなくなって、『あ――、解放されたな――』って思ったの。なのにしばらくしたら、由乃ちゃんの言葉を思い出して。そしたら、私も『また由乃ちゃんたちと一緒に、スケートしたいな』って思うようになって……」
「本当? 私、自分の気持ちばっかり押しつけ過ぎたかなって、反省してたんだよ」
後で太田にも、そう叱られたのだ。
「ううん、嬉しかったよ。有難う」
しばらく一緒に滑った後、「少し疲れた」と言って鮎美はリンクから上がり、見学に回る。
鮎美にスピードを合わせていた由乃は、空いているところを見つけて本気で滑った。
そんな由乃を見て、リンクにいた一般客が「ねえ、あの子上手い」と囁く。
海人が更に空いているところを見つけて、指で合図した。
由乃はまたスピードを上げてそこに向かい、そのままダブルアクセルを跳ぶ。
この前の試合では、苦手としていたダブルアクセルで、GOE(一つ一つの技術要素につけられる出来栄え点)でプラス1.2を出していた。
ダブルアクセルのGOEは、満点でも1.65点だ。そのなかで1.2点をもらえたのは、なかなかの高評価である。
助走からの勢いを活かして跳んだ由乃のダブルアクセルは、ジャッジからも美しいジャンプだと認められたのだ。
(もう、アクセルは怖くない!)
着氷と同時に、ワッと周りから歓声があがり拍手が起きた。
海人と鮎美も拍手を送る。
「もう一回、跳んでみてよ!」
知らない人からリクエストの声があがり、他の客もスペースを空けてくれた。
「じゃあ、行きます!」
スピードをつけて右足のアウトエッジに乗り、ターンして左足で踏み込む。
――――前を向いて、ジャンプ!
【End】
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