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第三章 BL小説の存在、世に知られる
073-2
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「うん……」
アルフレッドは意を決したように話し始める。
「実は、ミュリエル本人が知らないところで、ある計画が進んでいるんだ」
「ミュリエルが知らないところで?」
フィルバートが聞き返す。
「ああ。以前『奇跡のバラ』の話をしただろう? そのバラを咲かせる力を、ミュリエルが持っていると言われていて」
「覚えています! 皆でお参りに行きました!」
アデレイドが、なぜか偉そうにエヘンと鼻をふくらませた。
「そう、それまで成長が止まっていたバラが、あのお参り以来また成長を始めて、それでやっぱりミュリエルは奇跡の力をもっている、と言われるようになったんだ」
「それだけなら、問題はありませんよね?」
ヘザーの質問に、アルフレッドが薄く微笑む。
「ああ、それだけならね。……でもそのことで大司教様たちから、ミュリエルを『聖女』に認定しようという動きが出ていて……」
「わ、私を……聖女に?」
驚くミュリエルに、フィルバートも思わず立ちあがった。
「聖女ってなんだよ。もしミュリエルが聖女になってしまったら、どうなるんだ?」
「……もしかして、結婚できなくなる……とか?」
フェリクスが恐る恐る聞くと、それもまたアルフレッドが苦笑いして止めた。
「いや、結婚できないということはない。問題は……」
そこで再びアルフレッドは言い淀む。
「ここまで話して、何も言わなかったら、皆納得できないぞ」
メルヴィンに促されて、重い口を開いた。
「……兄上……第一王子にして王太子のヴィンセント兄上とミュリエルを、婚約させようという話が出ているんだ」
さすがに、そこにいた一同が息を飲む。
「……ま……待てよ。ミュリエルは平民だ。ヴィンセント王太子と……結婚? そんな、無茶だ!」
沈黙の後、フィルバートが最初に口を開いた。
「ああ、平民だが、もし百年ぶりに正式認定される『聖女』となれば、王太子妃となっても国民が納得するだろう、という理屈らしい」
「そんな……」
涙声になったミュリエルが、震える声で呟く。
「わ、私は今でも、自分に『奇跡の力』なんてないんじゃないかって、自信がないのに……このうえ聖女とか、王太子妃とか、む、無理です……」
とうとう泣き出してしまったミュリエルの肩を抱きながら、フィルバートが猛抗議した。
「おい、反対はできなかったのかよ?」
「フィルバート、気持ちはわかるが、アルフレッドを責めても仕方がないだろう」
アーネストが宥めるが、アルフレッドが首を振った。
「勿論、反対したよ。でもそれで返ってきた言葉が何だったと思う?」
アルフレッドは意を決したように話し始める。
「実は、ミュリエル本人が知らないところで、ある計画が進んでいるんだ」
「ミュリエルが知らないところで?」
フィルバートが聞き返す。
「ああ。以前『奇跡のバラ』の話をしただろう? そのバラを咲かせる力を、ミュリエルが持っていると言われていて」
「覚えています! 皆でお参りに行きました!」
アデレイドが、なぜか偉そうにエヘンと鼻をふくらませた。
「そう、それまで成長が止まっていたバラが、あのお参り以来また成長を始めて、それでやっぱりミュリエルは奇跡の力をもっている、と言われるようになったんだ」
「それだけなら、問題はありませんよね?」
ヘザーの質問に、アルフレッドが薄く微笑む。
「ああ、それだけならね。……でもそのことで大司教様たちから、ミュリエルを『聖女』に認定しようという動きが出ていて……」
「わ、私を……聖女に?」
驚くミュリエルに、フィルバートも思わず立ちあがった。
「聖女ってなんだよ。もしミュリエルが聖女になってしまったら、どうなるんだ?」
「……もしかして、結婚できなくなる……とか?」
フェリクスが恐る恐る聞くと、それもまたアルフレッドが苦笑いして止めた。
「いや、結婚できないということはない。問題は……」
そこで再びアルフレッドは言い淀む。
「ここまで話して、何も言わなかったら、皆納得できないぞ」
メルヴィンに促されて、重い口を開いた。
「……兄上……第一王子にして王太子のヴィンセント兄上とミュリエルを、婚約させようという話が出ているんだ」
さすがに、そこにいた一同が息を飲む。
「……ま……待てよ。ミュリエルは平民だ。ヴィンセント王太子と……結婚? そんな、無茶だ!」
沈黙の後、フィルバートが最初に口を開いた。
「ああ、平民だが、もし百年ぶりに正式認定される『聖女』となれば、王太子妃となっても国民が納得するだろう、という理屈らしい」
「そんな……」
涙声になったミュリエルが、震える声で呟く。
「わ、私は今でも、自分に『奇跡の力』なんてないんじゃないかって、自信がないのに……このうえ聖女とか、王太子妃とか、む、無理です……」
とうとう泣き出してしまったミュリエルの肩を抱きながら、フィルバートが猛抗議した。
「おい、反対はできなかったのかよ?」
「フィルバート、気持ちはわかるが、アルフレッドを責めても仕方がないだろう」
アーネストが宥めるが、アルフレッドが首を振った。
「勿論、反対したよ。でもそれで返ってきた言葉が何だったと思う?」
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