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第三章 BL小説の存在、世に知られる
117 公爵令嬢の敵、惑う
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そういうわけで、授業が終わったらすぐに生徒会室に行こうとしていたメルヴィンだったが、教授に呼び止められ用事を言いつけられてしまう。
「アルフレッド。ロナルドたちを連れて、先に生徒会室に行っていてくれ」
「わかった」
急いで用事を終え、慌てて生徒会室に向かっていたメルヴィンは、なにやら足下がおぼつかないヴァイオラを広場で見かけた。
「彼女、どうしたんだ? 上手く足が動かないか、目が見えない人みたいな足取りじゃないか」
気になって見ていると案の定噴水に落ちそうになり、腕を掴んで助ける。
その後も「女子寮に行く」と言いながら、まったく違う方向に進もうとするのを見かねて、寮の入り口まで送ってきたのだった。
「俺はこの先には入れないのですが、本当に大丈夫ですか?」
「ええ、ここまで来ればしめたもの……いえ、大丈夫ですわ。オホホ」
門の中に入っていくところまで見届け、メルヴィンは生徒会室に向かった。
* * *
一方、連絡が取れなくなったヴァイオラの身を案じる生徒会メンバー女子たちは、寮の庭で相談を続けていた。
ヴァイオラとはBL絡みの関係なので、生徒会室で男子がいる前ではできない話なのである。
「どうしよう……。彼女の身に何かあれば、わたくしに責任があります」
メリーローズは憔悴するヘザーを励まそうと思うが、上手い言葉が見つからない。
それ以上にヴァイオラが今どこでどうしているのか、知る手掛かりが全く思いつかずに、心配ばかりが募っていた。
――と、そのとき
「あ、あれ、ヴァイオラさんじゃない?」
エルシーが声をあげる。
彼女が指した方向に、黒いシンプルなドレスを着た女性が歩いていた。
「……ヴァイオラさん!」
「確かに、ヴァイオラさんだわ!」
皆で安堵の声をあげながら、ヴァイオラに向かって走り出す。
「ヴァイオラさーん!」
(……む?)
ヴァイオラの体に憑依した大司教が振り向いた。
「よかった! 無事だったのですね!」
ヘザーがヴァイオラの手を握って揺する。
「あんなことのあとだから、皆心配していたんですよ」
エルシーも笑顔で頷く。
(あんなことの、あと……?)
ヴァイオラの体に入った大司教は、声がする方へ曖昧に微笑みかけながら、内心に渦巻くものがあった。
(あの禁忌の本を所持していたのが確認できたのは、コリーン……なんとかいう子爵令嬢だけという話だったが、もしかしたら、もっとたくさんの学生が読んでいたということか……?)
恐ろしさに身震いする。
しかし、考えようによっては大きな好機だ。
(よし、ここにいる学生の名前を炙り出し、禁忌本所持者として、見せしめにしてやろう……!)
「アルフレッド。ロナルドたちを連れて、先に生徒会室に行っていてくれ」
「わかった」
急いで用事を終え、慌てて生徒会室に向かっていたメルヴィンは、なにやら足下がおぼつかないヴァイオラを広場で見かけた。
「彼女、どうしたんだ? 上手く足が動かないか、目が見えない人みたいな足取りじゃないか」
気になって見ていると案の定噴水に落ちそうになり、腕を掴んで助ける。
その後も「女子寮に行く」と言いながら、まったく違う方向に進もうとするのを見かねて、寮の入り口まで送ってきたのだった。
「俺はこの先には入れないのですが、本当に大丈夫ですか?」
「ええ、ここまで来ればしめたもの……いえ、大丈夫ですわ。オホホ」
門の中に入っていくところまで見届け、メルヴィンは生徒会室に向かった。
* * *
一方、連絡が取れなくなったヴァイオラの身を案じる生徒会メンバー女子たちは、寮の庭で相談を続けていた。
ヴァイオラとはBL絡みの関係なので、生徒会室で男子がいる前ではできない話なのである。
「どうしよう……。彼女の身に何かあれば、わたくしに責任があります」
メリーローズは憔悴するヘザーを励まそうと思うが、上手い言葉が見つからない。
それ以上にヴァイオラが今どこでどうしているのか、知る手掛かりが全く思いつかずに、心配ばかりが募っていた。
――と、そのとき
「あ、あれ、ヴァイオラさんじゃない?」
エルシーが声をあげる。
彼女が指した方向に、黒いシンプルなドレスを着た女性が歩いていた。
「……ヴァイオラさん!」
「確かに、ヴァイオラさんだわ!」
皆で安堵の声をあげながら、ヴァイオラに向かって走り出す。
「ヴァイオラさーん!」
(……む?)
ヴァイオラの体に憑依した大司教が振り向いた。
「よかった! 無事だったのですね!」
ヘザーがヴァイオラの手を握って揺する。
「あんなことのあとだから、皆心配していたんですよ」
エルシーも笑顔で頷く。
(あんなことの、あと……?)
ヴァイオラの体に入った大司教は、声がする方へ曖昧に微笑みかけながら、内心に渦巻くものがあった。
(あの禁忌の本を所持していたのが確認できたのは、コリーン……なんとかいう子爵令嬢だけという話だったが、もしかしたら、もっとたくさんの学生が読んでいたということか……?)
恐ろしさに身震いする。
しかし、考えようによっては大きな好機だ。
(よし、ここにいる学生の名前を炙り出し、禁忌本所持者として、見せしめにしてやろう……!)
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