悪役令嬢はBL作家「処刑覚悟で萌えますわ!」~婚約者の王子様ごめんなさい、あなたをネタに小説書いてます~

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最終章 BLよ、永遠なれ

176 公爵令嬢の友人たち、学院へ戻る

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 とりあえず裁判も、その後起きた騒動も落着した。
 裁判の傍聴人は帰路につき、法廷に突撃してきた学生たちも高等学院へと戻っていった。

 学生たちが壊した裁判所の門を見て、ヒューストンが溜め息をつく。

「修理代は、学院長に請求だな」


 法廷内に先に入ったのは女子学生たちだったので、後ろから自分たちの婚約者を止めに来た男子学生は、何が起きたのかわからなかった。

「『同性愛禁止法』がなくなったので、裁判は中止、被告人は無罪放免」

 それだけ聞き、自分たちの大事な婚約者がお咎めなしということを確認できたので、とりあえず納得する。


 生徒会メンバーのうち、フィルバートとアーネストはミュリエルたちを探して学院内を歩き回っていた。
 広場の騒ぎを聞きつけて裁判所に駆けつけたときには、すでに裁判が終わっており、こちらも恋人たちの無事な姿を見て安堵する。

「もう、こんな無茶は止めてくれ」

「まったくだ。寿命が縮む思いだったよ」

「ごめんなさーい」

 ついでに教師として学生たちを迎えに来たランドルフにも叱られながら、学院に帰っていった。

「……で、アルフレッド先輩たちはどうしたんだ?」

 歩きながらフィルバートが発した疑問に、ミュリエルが答える。

「例の『奇跡のバラ』が咲いた温室に、女王陛下たちと一緒に行かれたわ。陛下は大事なお話があるんですって」

「メルヴィン先輩やシルヴィア嬢も一緒なのか?」

「ええ、そうよ」

「大事な話とは、なんだろうな」

 アーネストの問いは、ここにいる全員が抱いた疑問だが、答えはわからない。

「きっと後で、メリーローズ様が教えてくれますよ」

 そう言いながらヘザーがアーネストの手を握ったので、彼の頭からその疑問は消し飛んだ。

 そんな彼らに、荷馬車に乗った男が話しかけてくる。

「おい、裁判はどうなった?」

 ヘザーの義兄のデズモンドだった。
 見ると荷台には、ヴァイオラもいる。

「どうしたんですか、お義兄様!」

「ああ、キンバリーからはヴァイオラさんをかくまうために、裁判が終わるまで王都には近づくなって言われていたんだが……」

「そんなわけには、参りません! 万が一キンバリーさんが死刑になったらと思うと、私ばかり隠れてなんていられなくて」

「ヴァイオラさん、お義兄様、もう大丈夫です」

「え?」

「明日か明後日には、新聞で発表されると思いますけど、『同性愛禁止法』が廃止になったんです! だからもう誰も、この件で捕まったり裁かれたりすることはないんです!」

 ヴァイオラもデズモンドも、たっぷり三〇秒ほど固まったあと、焼き立てのパンに載せたバターのようにふにゃふにゃと溶けていった。

「よ、よかっ……」

「よかったーーーー! ああああああ!」

 ヴァイオラの声をかき消すように、デズモンドが吠える。

「よかった、よかった、うおおおお、よかったーーーー!」

「お姉様たちはまだ、裁判所で手続きをしているので、それが終わったら出てこられます」

「わかった、裁判所の前で待つことにするよ」

 答えるデズモンドの目には、涙が光っていた。
 それを見ていた生徒会メンバーたちも、胸が温かくなる。

 デズモンドたちと別れたあと、満ち足りた思いで学院へと帰った。
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