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18.学校ってどんな場所?
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碧斗は、ぼーっと教室の子ども達を見ていた。
(色んなやつがいるんだな)
碧斗は今までも色んなやつがいると思っていたが、なんだか「色んな」の種類が変わってきたように感じた。
この教室に、「スミヨシ」の人達が入ったらどうなるんだろう。
(……全員……は入らないな……)
じゃあ1人ずつならどうだろうか?
本間さんは言語障害があるけど、みんなは待ってくれるだろうか?
(……って事は、オレらが待てたら、本間さんはこの教室に入れんのかな?)
あの大きな車椅子が、学校の中で動かせるなら?
(……よく分かんなくなってきた)
ふと、いつもは目に付かないやつが目に入った。
目立たない。大人しい。いつも何考えてるか分からないやつだ。ボソボソ喋るから、何を話してるかも分からない。
(あいつ、志郎に似てんな……名前なんだっけ?)
気がつくと、碧斗はその生徒をじっと見ていた。
碧斗は井浦正人を観察した。
猫背で、前髪長くて、特に特徴がない。いつも本を読んでる。そして、イジメられてる。
イジメと言っても、無視されてたり、人が近寄らなかったりとかそれくらいだ。
それくらいだと今までは思ってた。
碧斗も井浦の小さな声を無視した事がある。
小さな声で終わるって事は、特にたいした意見じゃないんだろうと思ってた。
でも
(あれが、あいつの精一杯の大きな声だったかもしんない)
碧斗が出来る事はなんだろうか……
最近、そう考えるくせがついてきたように思う。
碧斗はクラスの1番上の地位の生徒をみた。背がでかくて、明るくて、スポーツも勉強もそこそこ出来るやつだ。
あいつがたまに井浦に話しかけるのを見かけるが、それで終わりだった。
(あいつが出来ない事を、オレが出来るわけないよな)
碧斗は考えるのをやめた。
女生徒が井浦の机に無意識にすわった。
「……どいて」
蚊の鳴くような声を井浦が出したが、はしゃいでいる女生徒に聞こえるわけが無い。
そのうち、女生徒がだんだんと井浦に近づいてくる。
「おい、そこに人いるだろ。気をつけろよ。」
碧斗は言った自分に内心、びっくりした。
いつもなら、そんなこと言わないのに……
「あ、ごめん。碧斗、ありがとねー」
女生徒はひらひらと手を振って、井浦の席から離れていった。
「……あり、がと」
「おう」
今度は井浦がびっくりしていた。
このクラスに、井浦の声を聞く奴なんていない。
碧斗はこの井浦正人って奴と志郎を合わせたらどうなるのか、気になった。
「なぁ、今日帰り一緒に帰ろうぜ。」
「え?」
「じゃあ帰りな」
碧斗は仲間のところに戻った。
「……お前、この間からどうしたんだよ?」
仲間のリーダー寺村颯太は、碧斗の変わりように困惑してる。
いつもだったら、碧斗はその言葉であいつと関わらないようにしようしたはずだ。しかし、今回はそうしなかった。
「……別に。ただなんか、よく分かんねーだけ。」
「なにが分かんねーんだよ。」
「あいつらとオレらの違い。」
「全然違うだろ?」
「そう思ってたけど、分かんなくなった。」
碧斗が感じる、この差はなんなんだろうか。
「……碧斗が何言ってるか分かんねーけど、そんならとことんやってみればいいんじゃないか?」
颯太にそう言われて、碧斗はびっくりした。友達の新しい面が見えた気がした。
「……おまえ、良い奴だな」
「当たり前だろ?」
ドヤってる颯太を、碧斗は新しく出来た友達のように感じた。
(色んなやつがいるんだな)
碧斗は今までも色んなやつがいると思っていたが、なんだか「色んな」の種類が変わってきたように感じた。
この教室に、「スミヨシ」の人達が入ったらどうなるんだろう。
(……全員……は入らないな……)
じゃあ1人ずつならどうだろうか?
本間さんは言語障害があるけど、みんなは待ってくれるだろうか?
(……って事は、オレらが待てたら、本間さんはこの教室に入れんのかな?)
あの大きな車椅子が、学校の中で動かせるなら?
(……よく分かんなくなってきた)
ふと、いつもは目に付かないやつが目に入った。
目立たない。大人しい。いつも何考えてるか分からないやつだ。ボソボソ喋るから、何を話してるかも分からない。
(あいつ、志郎に似てんな……名前なんだっけ?)
気がつくと、碧斗はその生徒をじっと見ていた。
碧斗は井浦正人を観察した。
猫背で、前髪長くて、特に特徴がない。いつも本を読んでる。そして、イジメられてる。
イジメと言っても、無視されてたり、人が近寄らなかったりとかそれくらいだ。
それくらいだと今までは思ってた。
碧斗も井浦の小さな声を無視した事がある。
小さな声で終わるって事は、特にたいした意見じゃないんだろうと思ってた。
でも
(あれが、あいつの精一杯の大きな声だったかもしんない)
碧斗が出来る事はなんだろうか……
最近、そう考えるくせがついてきたように思う。
碧斗はクラスの1番上の地位の生徒をみた。背がでかくて、明るくて、スポーツも勉強もそこそこ出来るやつだ。
あいつがたまに井浦に話しかけるのを見かけるが、それで終わりだった。
(あいつが出来ない事を、オレが出来るわけないよな)
碧斗は考えるのをやめた。
女生徒が井浦の机に無意識にすわった。
「……どいて」
蚊の鳴くような声を井浦が出したが、はしゃいでいる女生徒に聞こえるわけが無い。
そのうち、女生徒がだんだんと井浦に近づいてくる。
「おい、そこに人いるだろ。気をつけろよ。」
碧斗は言った自分に内心、びっくりした。
いつもなら、そんなこと言わないのに……
「あ、ごめん。碧斗、ありがとねー」
女生徒はひらひらと手を振って、井浦の席から離れていった。
「……あり、がと」
「おう」
今度は井浦がびっくりしていた。
このクラスに、井浦の声を聞く奴なんていない。
碧斗はこの井浦正人って奴と志郎を合わせたらどうなるのか、気になった。
「なぁ、今日帰り一緒に帰ろうぜ。」
「え?」
「じゃあ帰りな」
碧斗は仲間のところに戻った。
「……お前、この間からどうしたんだよ?」
仲間のリーダー寺村颯太は、碧斗の変わりように困惑してる。
いつもだったら、碧斗はその言葉であいつと関わらないようにしようしたはずだ。しかし、今回はそうしなかった。
「……別に。ただなんか、よく分かんねーだけ。」
「なにが分かんねーんだよ。」
「あいつらとオレらの違い。」
「全然違うだろ?」
「そう思ってたけど、分かんなくなった。」
碧斗が感じる、この差はなんなんだろうか。
「……碧斗が何言ってるか分かんねーけど、そんならとことんやってみればいいんじゃないか?」
颯太にそう言われて、碧斗はびっくりした。友達の新しい面が見えた気がした。
「……おまえ、良い奴だな」
「当たり前だろ?」
ドヤってる颯太を、碧斗は新しく出来た友達のように感じた。
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