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20.変化
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「……うそだろ」
碧斗の宿題の内容をみて、碧斗の母親はびっくりした。
「碧斗が勉強してる……」
「……いや、足し算だし。」
碧斗がやっているのは3桁+3桁の足し算だった。
国語も、小学1年生から順に始めることになった。
くらら以外は、みんなここから再スタートだ。
みんながどこからつまづいているか、教師陣はちゃんと気づいていた。
「2年前に同じことやろうとしたら、暴れて暴れて大変だったじゃないか。」
「……あん時は、まぁ……」
碧斗もその騒動はしっかり覚えていた。
あの時はくらら以外の4人で大暴れだった。
周りは自分の事を考えてくれていたのに、拒否したのは自分達だったのかもしれない。
「なんにしろ、やる気になったのはいい事だ。頑張んな。」
「おう。」
とは言ったものの……
(やっぱりよく分かんねぇな)
スミヨシに行く前にちゃちゃっと終わらせようと思ったのだが、
碧斗は分からなすぎて、すぐに飽きていた。
ほんとに自分は勉強出来ないんだと、ほんとに分かってしまい、悔しくて泣いた。
バイトに行くと、りな達の表情も暗かった。やっぱりりな達も出来なかったらしい。
足し算すら、ほんとに出来ない自分達に、心が暗い。
「士郎。おれ、足し算も出来ない……どうしたらいいんだろう。」
碧斗はここに来てから、ついつい喋らない士郎に本音を言う習慣がついていた。
「……ぼく、一緒に、やる」
士郎はほんとに小さな声で言った。碧斗が士郎に喋っても障がい者のままだから、大丈夫だと言った日から、こうして少しづつ喋るようになってきた。
「え?士郎、教えてくれんの?」
こくん。
今まで誰に教わっても分からなかったが、ダメ元で教えてもらうことにした。
士郎先生が授業すること1時間、みんなは目が輝いていた。
「分かる!分かるよ!16だから、ここは6でしょ?!」
「繰り上がって、答えは356だ!」
みんな、分からない問題が解けて、大興奮だ。
士郎は喋りすぎて、顔が真っ赤で汗だくだ。
でも、なんだか、嬉しそうに感じる。
分かってみたら、みんな簡単だった。でもみんな分かるまでは、簡単じゃなかった。
みんな、士郎に思いをぶつけた。
その思いを士郎は丁寧に1つずつほぐしていった。
ある子はブロックを使って。
ある子は、1から9の前に0を入れないと分からなかった。
一人一人分かるポイントが違ったが、みんな分かれば自分で出来るようになった。
自分で出来るようになったら嬉しくて、みんなどんどん解いていく。
気づくと、士郎は建物の外に走りに行っていた。
「士郎さん、よっぽど嬉しかったんだなぁ。」
とスタッフの山本和弘が言っていた。
嬉しいと走りたくなる気持ちは分かるけど、士郎はほんとに走りに行くんだなと碧斗は思った。
碧斗の宿題の内容をみて、碧斗の母親はびっくりした。
「碧斗が勉強してる……」
「……いや、足し算だし。」
碧斗がやっているのは3桁+3桁の足し算だった。
国語も、小学1年生から順に始めることになった。
くらら以外は、みんなここから再スタートだ。
みんながどこからつまづいているか、教師陣はちゃんと気づいていた。
「2年前に同じことやろうとしたら、暴れて暴れて大変だったじゃないか。」
「……あん時は、まぁ……」
碧斗もその騒動はしっかり覚えていた。
あの時はくらら以外の4人で大暴れだった。
周りは自分の事を考えてくれていたのに、拒否したのは自分達だったのかもしれない。
「なんにしろ、やる気になったのはいい事だ。頑張んな。」
「おう。」
とは言ったものの……
(やっぱりよく分かんねぇな)
スミヨシに行く前にちゃちゃっと終わらせようと思ったのだが、
碧斗は分からなすぎて、すぐに飽きていた。
ほんとに自分は勉強出来ないんだと、ほんとに分かってしまい、悔しくて泣いた。
バイトに行くと、りな達の表情も暗かった。やっぱりりな達も出来なかったらしい。
足し算すら、ほんとに出来ない自分達に、心が暗い。
「士郎。おれ、足し算も出来ない……どうしたらいいんだろう。」
碧斗はここに来てから、ついつい喋らない士郎に本音を言う習慣がついていた。
「……ぼく、一緒に、やる」
士郎はほんとに小さな声で言った。碧斗が士郎に喋っても障がい者のままだから、大丈夫だと言った日から、こうして少しづつ喋るようになってきた。
「え?士郎、教えてくれんの?」
こくん。
今まで誰に教わっても分からなかったが、ダメ元で教えてもらうことにした。
士郎先生が授業すること1時間、みんなは目が輝いていた。
「分かる!分かるよ!16だから、ここは6でしょ?!」
「繰り上がって、答えは356だ!」
みんな、分からない問題が解けて、大興奮だ。
士郎は喋りすぎて、顔が真っ赤で汗だくだ。
でも、なんだか、嬉しそうに感じる。
分かってみたら、みんな簡単だった。でもみんな分かるまでは、簡単じゃなかった。
みんな、士郎に思いをぶつけた。
その思いを士郎は丁寧に1つずつほぐしていった。
ある子はブロックを使って。
ある子は、1から9の前に0を入れないと分からなかった。
一人一人分かるポイントが違ったが、みんな分かれば自分で出来るようになった。
自分で出来るようになったら嬉しくて、みんなどんどん解いていく。
気づくと、士郎は建物の外に走りに行っていた。
「士郎さん、よっぽど嬉しかったんだなぁ。」
とスタッフの山本和弘が言っていた。
嬉しいと走りたくなる気持ちは分かるけど、士郎はほんとに走りに行くんだなと碧斗は思った。
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