目が覚めたらゲームの世界にいるようです―帰るためにゲームクリアを目指す!!―

月詠世理

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投げられたけど再挑戦(7話)

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 行列とまではいかないけれど、人がいた中で僕の番が回ってきた。

「またお前か。通行証は?」

 嫌そうな表情で淡々と聞かれた。もう少し愛想が良くならないものかと思う。屈強そうに見える男で顔も怖めだから怖気付いてしまいそうだ。

「僕、小人ノ事務所というところに行きたいのですが……」

 通行証はないと言ったらすぐに投げられると思うので、行き先だけを伝えた。これで対応が変わるのだろうか。地面に体を打ちつけるのはもう体験したくないことだ。あれ、受け身取れなかったし、めちゃくちゃ痛いから。門番の表情が一転し、声も優しげなものになる。

「おお、なんだ。お前知らなかっただけか。一応、通行証なしで街に入れるとはいえ、手続きはある。だから、申告は必要だぞ。担当はあっちにいるからそっちでよろしくな!」

 それなら行く場所を聞いてくれよと思ったが、痛い目見た後に知った情報だった。僕は一度来た時に目的地を聞かれなくて良かったと安堵する。

「あちらに立っている方に手続きをお願いすればいいんですね?」
「そうだ。行き先はちゃんと伝えろよ」

 無愛想で目つきが鋭く、髭が生えていて、怖めのおっさんだったけど、案外悪い人ではないようだ。話せばわかる人ではあるらしい。街を守るために変な人がいたらそれを排除するのも彼の仕事。僕が怪しいやつに見えたか物理的なものになったのだろう。自分で言ってて悲しくなった。

 僕の他にも手続きを必要とする人が数人いるようだ。優しげな細身である門番が1人で対応している。現在、話している人とその他待っている人もいるのだから、対応するのも大変だろう。僕は最後尾に並んだ。それからは暇すぎてぼーっとしたり、まだかなと前を確認したりしていた。

 日が昇っていたのに、待ち時間と手続きの時間がかかったせいで日が沈んでいる。僕はギリギリで門を通ることができた。あとは『小人ノ事務所』に向かうだけだ。宿泊所を探して休憩してから向かうのもありだと思うが、金銭を所持していない僕が泊まれる場所はないだろう。ここは街に入る前から目指していたところに直行だ。地図のルート案内を頼りに道を進む。歩行のため目的地に着くのに、また時間がかかるみたいだ。乗り物は使えない。先が不安だ。とても不安だ。

 できることなら、僕も君たちと一緒にハウスでゆっくりしたいよ。
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