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7章 いけない趣味の宿屋娘がいろいろと目覚めてしまうお話
122:宿
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その時、水晶の中の部屋の扉が、音もなく静かに開きました。そこに立っていたのは、やはり、わたくしの美しいおかあさま、アリア様でした。いつもの快活な女将の顔ではなく、どこか緊張し、追い詰められたような表情をしています。しかし、その不安げな瞳の奥には、隠しようのない湿った熱が宿っているのを、女であるわたくしは見逃しませんでした。
おかあさまは、普段宿の仕事で着ている落ち着いた色のロングドレスの上に、厚手のガウンを一枚羽織っているだけでした。しかし、その簡素な装いが、かえってこれから起こるであろう背徳的な行為を際立たせています。リオはそんなおかあさまの姿を値踏みするように見つめると、にやりと口角を上げました。
「……待ってたよ、アリアさん」
リオの声は、若さゆえの焦りと欲望で少しだけ掠れています。
「ええ……。旦那も、リリアも、もう寝たわ。……約束よ、今夜で、本当に最後にしてくれるんでしょうね?」
おかあさまの声は、震えていました。脅されている。けれど、その足は部屋の中へと一歩、踏み出している。抗えない何かに引かれるように。そう、これは初めてではないのです。あの日、猟師小屋で一夜を共にして以来、二人の背徳的な関係は、ここアストリナで密かに続けられていたのです。わたくしは、すべて知っていました。水晶玉に映るおかあさまの毛髪を触媒とした、この遠見の魔術によって。
「さあ、どうかな。それは、今夜のアリアさん次第だ」
言うが早いか、リオはベッドから立ち上がると、おかあさまの腕を掴み、乱暴に引き寄せました。きゃっ、と小さく悲鳴を上げたおかあさまの身体は、いともたやすくリオのたくましい胸に抱き寄せられます。その衝撃でガウンの合わせ目がはだけ、中に着込んでいるものが露わになりました。
わたくしは、息を呑みました。それは、わたくしも見たことない、あまりにもいやらしい漆黒の絹の下着でした。肌が透けるほど薄い布地が、おかあさまの豊満な乳房と、丸く張り出した臀部を、かろうじて覆い隠しているに過ぎません。繊細な黒いレースの縁取りが、その白い肌をいやらしく際立たせています。貞淑な宿の女将という仮面の下に隠された、あまりにも淫らな「勝負下着」。おかあさまが、自らの意思でこれを身に着けてきたという事実が、わたくしの心を激しく揺さぶりました。
「や……やめて……」
抵抗する言葉とは裏腹に、おかあさまの身体からは力が抜けていくのが分かりました。リオはそんなおかあさまの耳元に唇を寄せ、何かを囁きます。おかあさまの肩が、びくりと震えました。そして、諦めたように、その身をリオに預けてしまいます。
ああ、ああ。おかあさまが。わたくしの、誰よりも気高く美しいおかあさまが、あんな若い男に……。
その光景から、もう目が離せませんでした。水晶玉を食い入るように見つめながら、わたくしの右手は、知らず知らずのうちに寝間着の奥深く、自身の最も柔らかな場所へと誘われていたのです。そこはもう、おかあさまの瞳と同じように、熱く、そしてたっぷりと濡れておりました。
リオは、おかあさまの顎に指をかけ、無理やり上を向かせると、その震える唇に自らのそれを重ね合わせました。最初は優しく、しかしすぐに、その本性を現したかのように、貪るような激しい口づけへと変わります。
「ん……んんっ……ふ……ぅ」
おかあさまの小さな抵抗は、リオの舌によっていとも簡単に封じ込められました。こじ開けられた唇の間から、熱い舌が侵入し、敏感な粘膜を執拗に嬲り、絡め取っていきます。唾液の交わる生々しい音が、静寂のルーンに守られた部屋に響き渡り、水晶玉を通してわたくしの耳まで届きました。おかあさまの身体から力が抜け、されるがままになっているのが分かります。それは、拒絶ではなく、完全な降伏の色でした。
長い、長い口づけが終わった時、おかあさまの口元からは、二人の唾液が混じり合った銀色の糸が、きらりと光って垂れていました。その目はとろりと潤み、頬は上気し、もはや理性の欠片も残っていないかのようです。
「声、抑えなくていいんだよ、アリアさん。あんたの旦那にも、あの可愛い娘さんにも、あんたが今、誰の腕の中で、どんな顔してるか、教えてやろうぜ?」
リオの囁きは悪魔のようです。おかあさまは、はっと我に返ったように首を横に振りました。
「だ……だめ……それだけは……お願い……しぃっ……♡」
その懇願を嘲笑うかのように、リオの大きな手が、おかあさまの服の合わせ目から滑り込み、黒い絹の向こう側にある豊かな胸をいやらしく鷲掴みにします。
「んあっ♡♡!? あ゛っ や゛っ そこ、♡♡♡!」
おかあさまの口から、信じられないほど甘やかで、媚びるような声が漏れました。それは、父の前では決して見せない、淫らな雌としての顔。リオの指が、薄い布の上からいやらしく乳首をつまみ上げると、おかあさまの身体は弓なりにしなります。
「あ゛ッッ♡お゛ッ♡あ゛、あ゛♡だめ♡だめぇ、♡あ゛♡いぐ♡いっちゃう、いっちゃ♡♡あ゛♡♡~~~~~~ッッッッ♡♡♡♡♡!、!!!」
水晶玉の中のおかあさまが喘ぐたび、わたくしの指もまた、自身の秘唇の間で蠢く小さな肉芽をこすり上げます。ああ、なんてことでしょう。おかあさまが感じているはずの快感が、まるで自分のことのように、わたくしの身体を駆け巡るのです。熱い痺れが背筋を駆け上り、腰がくたりと砕けそうになります。
おかあさまは、普段宿の仕事で着ている落ち着いた色のロングドレスの上に、厚手のガウンを一枚羽織っているだけでした。しかし、その簡素な装いが、かえってこれから起こるであろう背徳的な行為を際立たせています。リオはそんなおかあさまの姿を値踏みするように見つめると、にやりと口角を上げました。
「……待ってたよ、アリアさん」
リオの声は、若さゆえの焦りと欲望で少しだけ掠れています。
「ええ……。旦那も、リリアも、もう寝たわ。……約束よ、今夜で、本当に最後にしてくれるんでしょうね?」
おかあさまの声は、震えていました。脅されている。けれど、その足は部屋の中へと一歩、踏み出している。抗えない何かに引かれるように。そう、これは初めてではないのです。あの日、猟師小屋で一夜を共にして以来、二人の背徳的な関係は、ここアストリナで密かに続けられていたのです。わたくしは、すべて知っていました。水晶玉に映るおかあさまの毛髪を触媒とした、この遠見の魔術によって。
「さあ、どうかな。それは、今夜のアリアさん次第だ」
言うが早いか、リオはベッドから立ち上がると、おかあさまの腕を掴み、乱暴に引き寄せました。きゃっ、と小さく悲鳴を上げたおかあさまの身体は、いともたやすくリオのたくましい胸に抱き寄せられます。その衝撃でガウンの合わせ目がはだけ、中に着込んでいるものが露わになりました。
わたくしは、息を呑みました。それは、わたくしも見たことない、あまりにもいやらしい漆黒の絹の下着でした。肌が透けるほど薄い布地が、おかあさまの豊満な乳房と、丸く張り出した臀部を、かろうじて覆い隠しているに過ぎません。繊細な黒いレースの縁取りが、その白い肌をいやらしく際立たせています。貞淑な宿の女将という仮面の下に隠された、あまりにも淫らな「勝負下着」。おかあさまが、自らの意思でこれを身に着けてきたという事実が、わたくしの心を激しく揺さぶりました。
「や……やめて……」
抵抗する言葉とは裏腹に、おかあさまの身体からは力が抜けていくのが分かりました。リオはそんなおかあさまの耳元に唇を寄せ、何かを囁きます。おかあさまの肩が、びくりと震えました。そして、諦めたように、その身をリオに預けてしまいます。
ああ、ああ。おかあさまが。わたくしの、誰よりも気高く美しいおかあさまが、あんな若い男に……。
その光景から、もう目が離せませんでした。水晶玉を食い入るように見つめながら、わたくしの右手は、知らず知らずのうちに寝間着の奥深く、自身の最も柔らかな場所へと誘われていたのです。そこはもう、おかあさまの瞳と同じように、熱く、そしてたっぷりと濡れておりました。
リオは、おかあさまの顎に指をかけ、無理やり上を向かせると、その震える唇に自らのそれを重ね合わせました。最初は優しく、しかしすぐに、その本性を現したかのように、貪るような激しい口づけへと変わります。
「ん……んんっ……ふ……ぅ」
おかあさまの小さな抵抗は、リオの舌によっていとも簡単に封じ込められました。こじ開けられた唇の間から、熱い舌が侵入し、敏感な粘膜を執拗に嬲り、絡め取っていきます。唾液の交わる生々しい音が、静寂のルーンに守られた部屋に響き渡り、水晶玉を通してわたくしの耳まで届きました。おかあさまの身体から力が抜け、されるがままになっているのが分かります。それは、拒絶ではなく、完全な降伏の色でした。
長い、長い口づけが終わった時、おかあさまの口元からは、二人の唾液が混じり合った銀色の糸が、きらりと光って垂れていました。その目はとろりと潤み、頬は上気し、もはや理性の欠片も残っていないかのようです。
「声、抑えなくていいんだよ、アリアさん。あんたの旦那にも、あの可愛い娘さんにも、あんたが今、誰の腕の中で、どんな顔してるか、教えてやろうぜ?」
リオの囁きは悪魔のようです。おかあさまは、はっと我に返ったように首を横に振りました。
「だ……だめ……それだけは……お願い……しぃっ……♡」
その懇願を嘲笑うかのように、リオの大きな手が、おかあさまの服の合わせ目から滑り込み、黒い絹の向こう側にある豊かな胸をいやらしく鷲掴みにします。
「んあっ♡♡!? あ゛っ や゛っ そこ、♡♡♡!」
おかあさまの口から、信じられないほど甘やかで、媚びるような声が漏れました。それは、父の前では決して見せない、淫らな雌としての顔。リオの指が、薄い布の上からいやらしく乳首をつまみ上げると、おかあさまの身体は弓なりにしなります。
「あ゛ッッ♡お゛ッ♡あ゛、あ゛♡だめ♡だめぇ、♡あ゛♡いぐ♡いっちゃう、いっちゃ♡♡あ゛♡♡~~~~~~ッッッッ♡♡♡♡♡!、!!!」
水晶玉の中のおかあさまが喘ぐたび、わたくしの指もまた、自身の秘唇の間で蠢く小さな肉芽をこすり上げます。ああ、なんてことでしょう。おかあさまが感じているはずの快感が、まるで自分のことのように、わたくしの身体を駆け巡るのです。熱い痺れが背筋を駆け上り、腰がくたりと砕けそうになります。
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